リッジの前ワインメーカーであるポール・ドレーパーがブログで、リッジが今も使っている珍しいテクニックを紹介しています(Submerged Cap Fermentation - Ridge Vineyards)。
サブマージドキャップ
赤ワインの発酵過程において、ブドウの果皮は発生する二酸化炭素の泡で浮かび上がり、上に溜まります(果帽)。それをそのまま置いておくと、果皮と果汁の接触が不十分で、色や味わいがあまり出なくなります。

そのため、普通は果皮を上から押して中に沈める「パンチダウン」、あるいは果汁を下から抜き取り、上からかける「ポンプオーバー」をします。

ピノ・ノワールなどは果汁に優しいパンチダウン、カベルネソーヴィニヨンなどはより味を引き出すポンプオーバーを使うことが多いようです。

リッジの使う「サブマージド・キャップ」は上から網で押さえつけて果帽を浮かび上がらないように沈める方法。昔からフランスで使われていたそうですが、現在はあまり聞かない方法です。

これを使い始めたきっかけがユニーク。最初のワインメーカーだったデイブ・ベニオンが、発酵の期間中に奥さんと2週間旅行に行くため、これを導入したとのこと。

当初、リッジのメンバーはスタンフォード大学の研究所で働いており、毎日ワイナリーに来られなかったため、その後もこのテクニックは使われていました。

その後、カベルネソーヴィニヨンは、よりタンニンをコントロールしやすいポンプオーバーに変わったものの、ジンファンデルでは今でも一部、このテクニックを使っているそうです。