コロナでワイン関係のイベントやセミナーなど、ほとんどなくなってしまっていますが、一方でオンラインのライブセミナーなどで海外のワイナリーの声が直接聞ける機会は増えています。先日お伝えしたフリーマンのアキコさんのセミナーはカリフォルニアワイン協会主催で、同協会が英語でやっているセミナーでは、今週はボニー・ドゥーンのランドール・グラーム、来週はリッジのポール・ドレイパーと伝説級の人物が次々と登場してきています。

ヴィナスもライブでのセミナーに力を入れており、米国だけでなく欧州の生産者も登場しています。米国ではトーマス・リヴァース・ブラウンや、今日紹介するウェイフェアラー(Wayfarer)のオーナーであるクレオ・パルメイヤーなどなど。1時間くらいあるのと英語圏向けでかなり早口なので、なかなか聞くのは大変な部分もありますが、面白いです(こうして睡眠時間が削られていくわけですが……)。

ライブのセミナーなので聴取者からの質問も受け付けることが多くありますが、クレオ・パルメイヤーの回では欧州ではどの国に輸出しているかの質問に答えた後、それ以外の主要輸出先として、カナダと日本を挙げ、日本が海外では最大のマーケットだと言っていました。アントニオ・ガッローニも日本はカリフォルニアワインにとってとても大きな市場だと相槌。
Cleo Pahlmeyer
さらに、昨年売却したパルメイヤー(Pahlmeyer)の時代からずっと日本のインポーターは中川ワインが続けており、パルメイヤー/ウェイフェアラーにとっても、最も長い期間続いている取引先だとのこと。伝統的に欧州のワインが強く、オーストラリアやチリのワインの人気も高い日本で、日本のコンシューマーの教育をすごくよくやっており、ワインもたくさん販売していると絶賛していました。

私も、ワイン・ジャーナリストとして最初に認めてもらったのが中川ワインさんであり、とても勉強させてもらっています。それを記事にしたり、セミナーで話したりすることで、少しはその教育の一部として役立っていたらと思います。

日本で、カリフォルニアの優れたピノ・ノワール、シャルドネというと、キスラーやマーカッシン(マーカッサン)といったところが有名だと思いますが、ウェイフェアラーもこれらに負けないレベルのピノ・ノワールとシャルドネを作っています。パルメイヤー売却時にウェイフェアラーは売らなかったことからも、こちらへの思い入れが伝わると思います。ヴィナスでも最高98点を得ています(ちなみにキスラーのピノは最高98点、マーカッシンは97点)。ソノマ・コーストの中でも太平洋に近く非常に冷涼で、標高が高く霧の影響も少ないというフォートロス・シービューは、ピノ・ノワールとシャルドネで一番注目されている地域と言っても過言ではないでしょう。個人的にも4年くらい前から注目しているワイナリーであり、がんばってほしいと思います。

(中川の話は38分すぎから)