パーカー
ロバート・パーカーが英デカンター誌が選ぶ37回目の名誉の殿堂に選出されました。ライバルでもある他誌の人間を選ぶのはこれが初めて。パーカーが引退し、ワイン・アドヴォケイトの資本もミシュランに移動したことから、選出対象となったようです。

選出の記事「Robert M. Parker Jr extended interview: Decanter Hall of Fame 2020 - Decanter」ではパーカーの功罪についても述べています。パーカーがワインのレイティングを始めた最初ではなく、既にそれまでに20段階などの評価は行われていました。彼の最大の功績は「100点」というレイティングを行ったところにあります。それまでの評価が「減点法」で行われていたのに対し、「加点」による評価を行ったのも画期的でした。

失敗に関してはブルゴーニュの評価のことを挙げています。パーカー自身、酸の強いワインは好きでないと認めており、ピノ・ノワールについては、酸の少ないヴィンテージが好みでしたが、そうでないヴィンテージでも長熟のものがあり、そういったものを認めることはできていなかったとしています。

私はパーカー、かなり強く認めている方だと思います。完璧でないのは人間として仕方ないところではありますが、彼のおかげで発掘されたワインがこれまでどれだけあったことか。また、メディアとしての一貫性も強くあり、レビュアーが代わっても、それほど評価のぶれは出ていないように思います。

レビュアー個人としては、現在の編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンよりも、元ワイン・アドヴォケイトでヴィナスを創設したアントニオ・ガッローニの方が上かと思いますが、ヴィナスはガッローニとステファン・タンザーの点の違いが大きいため、同じ生産者のワインを時系列で見たときに、レビュアーを固定しないとわけがわからないことになってしまいます。

ちょっと話がずれてしまいました。

記事では引退の理由についても述べられていますが、近年体が悪く空港での移動などの負担が大きすぎることが挙げられていました。

まだ70歳そこそこの年齢なので、ちょっと心配ですが、これからも長生きしていただきたいと思います。