フィールド・レコーディングス(Field Recordings)のシャルドネ「ワンダーウォール(Wonder Wall)」を飲みました。

フィールド・レコーディングスはアンドリュー・ジョーンズという人が作ったワイナリー。パソ・ロブレスなどセントラル・コーストのあまり有名でない畑を足で探し、そこから非常にコストパフォーマンスの高いワインを作っています。ニュー・カリフォルニア系と目されているわけではありませんが、天然酵母を使い、比較的熟度の低いブドウを使ってアルコール度数も比較的低めに抑えていることなど、ニュー・カリフォルニア系に近い特徴を持っているといっていいでしょう。

インポーターの説明には以下のように書かれています。
フィールド レコーディングスはアンドリュー・ジョーンズが自らの足で歩き、出会った畑や人々をワインという形で残した記録です。

得意なアメリカンフットボールで奨学金を受け大学に進学したジョーンズは農業経営学を専攻し、ブドウ栽培に出会います。ブドウ栽培にすっかり虜になったジョーンズはソノマコーストのガロでインターンとして勤め、本人曰く“すっかりはまった!”そうです。その後ブドウの苗木栽培所でアルバイトをしながら大学を卒業し、その後もそこで働き続けました。

仕事でカリフォルニア中を訪れ、特にセントラル・コーストやサン・ホワキン・ヴァレーの生産者を訪問するうち、毎年数百万の新しい苗木が植えられる中で自分用のワインができるほどのブドウを分けてもらうようになりました。こうして畑やブドウの品質を見極める目を養い、ワイン造りをする技術を身に着けていくうちに、知名度はなくともダイヤモンドの原石のように素晴らしいブドウに出会うようになり、そのブドウを使い高品質なワインを造り始めました。すべての畑、すべてのワインにはそれぞれのストーリーがあります。“フィールド・レコーディングス”は単一畑のブドウを使用しており、その土地やテロワールをワインとして記録したものです。いくつかの畑のブドウをブレンドして造ったものは、“ワンダーウォール”としてその大きなポテンシャルをボトルに詰め込みました。

地域や畑の知名度にとらわれず、ブドウの品質にこだわり探し求める彼の目にかなったブドウで造られるワイン達は個々の個性を持ち、それぞれ品種や生産地が異なっていてもどれもが一定の品質基準を保ち、ブドウのクオリティを実感させられる造りです。
今回飲んだワンダーウォール・シャルドネ2018はエドナ・ヴァレーの2つの畑のブレンド。エドナ・ヴァレーは、セントラル・コーストの中でもちょっと地味な地域ですが、海から近く非常に冷涼なところです。熟成はアカシア樽60%、アメリカンオーク樽40%(新樽25%)ということですが、樽感はわずかしかありません。非常に切れのいい酸が特徴的で、洋梨、レモン、りんご、スイカズラなどの香り。多分マロラクティック発酵はなしでしょう。

3000円レベルで、これだけきれいな酸を持つワインはなかなかないと思います。トロピカルフルーツ感や樽のまったりとした味わいを求める人には向きませんが、とてもいいワインです。