以前「気になるワイン――俳句に触発されたパロアルトのワイナリ」という記事で紹介したSan Sakana。もっとよく知ってほしいということで,ワインのサンプルをいただきましたので,CWGでワイン会を開きました。ほかの人の記事はこれこれこれ

飲んだワインは次の四つ
・Catie’s Corner Viognier 2006 (36ドル)
・Las Madres Syrah 2005 (45ドル)
・Trio Syrah 2005 (45ドル)
・White Hawk Syrah 2005 (52ドル)
です。
San Sakana

Catie's CornerはRussian River Valley,Las MadresはCarneros,TrioはLas Madresが40%,Teldeschiという畑が40%に加えて,Cabernet SauvignonとCabernet Francが計20%入っています。White HawkはSanta BarbaraのLos Alamos Hillsというところの畑。900フィートという高台で砂地の畑。White HawkのSyrahはほかにOhaiやAndrew Murray,Sine Qua Nonなどが使っているそうです。また,White HawkはWine Spectator誌で90点をもらっています。

まず最初に飲んだのはCatie's Corner Viognier。ヴィオニエは,これまでの乏しい経験では花の香りがすてきなものの,ちょっと味がべたっとして平板かなあと思うことがありました。今回はどうでしょうか。

まずは香り。すみれの花,白桃,蜂蜜。完熟した香りというよりは背筋が伸びた清楚な感じ。口に含むと予想以上に舌をピリピリ刺す刺激。味わいは酸味は弱く,やわらかな甘さを感じますが,飲み込むときにはまた苦味が通っていきます。時間が経って温度が上がってくると,ピリピリした感じが減り,やわらかさが前面に出てきます。もう少し酸があれば,言うことありませんが,べたっとした感じがないので,ヴィオニエはちょっと,という人でも大丈夫でしょう。シーザーズサラダに合うような気がしました。

Syrahはせっかくなので三つ並べてテイスティング。メンバーもいつになく真剣で,しばらく会話が全くなかったくらいです。

色は全部同じくらいの濃さ。カベルネにやや透明感を加えたくらいな感じです。

まずはCarnerosのLas Madresから飲みました。インクのような香り。酸がきれいでバランスがいいです。Syrahもやや癖があるイメージでしたが,これは素直でのびのびしたワイン。するする飲んでしまいそう。シラーみたいなピノという表現がありますが,言うならばこれはピノみたいなシラーです。

次はTrio。香りはLas Madresより少し強め。Cabernet/Francが20%入っているだけあって骨格が強い感じ。後味はすっきりしていていやみを感じさせません。Cabernetは飲みなれているけど,Syrahはちょっと,という人ならこれが一番合うでしょう。

三つ目はWhite Hawk。これは前の二つと比べてやや癖があります。インク感が強く,動物っぽい香り。口に含むと,むせ返りそうになるくらいの勢いを感じますが,ふくよかなやわらかさもあります。個人的にはこれが一番好き。ゆっくり時間をかけて飲んでいくと,次第に癖がおさまり,バランスも整っていきました。

一通り味わった後は食事に合わせて飲んでいきましたが,やはりWhite Hawkはほほ肉の煮込みのような強い味の料理によく合いました。TrioやLas Madresも肉が一番ですが,合う料理の幅はもっと広そうです。

番外:0906 Amber Ridge Pinot Noir Russian River Valley 2006
うえはらさんの差し入れで,最後にかんちゃん・ゆみたちの0906をいただきました。San Sakanaと同様,これもCrushpadで作ったワインです。これは優しいワイン。作った人が見えてくる気がします。ありがとう。