ソノマのロシアン・リバー・ヴァレー、特にその中でも太平洋に近い冷涼な地域として知られるグリーン・ヴァレー。このあたりで素晴らしいワインを産み出す土壌として知られているのがゴールドリッジです。その土壌の記事がワイン・エンスージアストに掲載されていました(Russian River’s Goldridge Soil Has the Midas Touch | Wine Enthusiast Magazine)。

グリーン・ヴァレーの中心地セバストポールはかつてゴールドリッジ・ディストリクトと呼ばれていました。リンゴやプラムなどの果物の名産地で、ルーサー・バーバンクという人がセバストポールに「ゴールドリッジ・ファーム」という農場を作り、有名になりました。

このゴールドリッジ土壌は砂が中心でロームやクレイが混じっている非常に柔らかい土壌です。場所によってロームが多かったりクレイが多かったりしますが、その柔らかさと水はけの良さが特徴です。 米国農務省の定義によると、この土壌は「弱く固まった砂岩から風化した材料で形成されている」となっています。水はけはいいですが粘土質が含まれているために多少水を保持してくれるのも、乾燥したこの土地では重要です。

この土壌はほとんど栄養分を保持しない痩せた土地です。それがブドウ栽培にとっては好都合となっています。すなわち、栽培中に栄養分のコントロールをしやすいからです。 メリー・エドワーズのワインメーカー、ハイディ・フォン・デア・メーデンは次のように言っています。

「自然に樹勢が弱くなることで、ワイン生産者は果実の品質をよりコントロールできるようになります。必要に応じて堆肥を施したり、不足分の灌漑を行ったりして、ブドウの木のバランスを保ち、最高の品質を生み出すことができるのです」

また、この土壌のやわらかさがタンニンをきめ細かくするという説もありますが、それに関しては科学的根拠は得られていません。

私の印象としては特にシャルドネの生産者がゴールドリッジの土壌を好んでいるように感じます。ソノマが世界に誇る土壌として知られるようになったらいいですね。