ナパの中でもパーカー100点ワインを10本以上輩出するワイナリーとなると、シュレーダーやハンドレッド・エーカーなどごく一握りに限られます。その中でも近年特に目立つワイナリーがレアム(Realm)。ワイン・アドヴォケイトでも2年連続してレアムだけに特化した記事が書かれている、再注目のワイナリーで、9月に発表された2019年のレポートでも2本の100点ワインがあり、合計13本に達しています。

2000年代初期に生まれたころにはぱっとしなかったこのワイナリーを一躍エリートワイナリーにまで変えたのが2011年にワインメーカーに就任したブノワ・トゥケ。レアムの95点以上のワインはすべて彼が来てからのもので、2011年には破産の危機に瀕していたレアムを救った実力者です。先日公開した「ナパのトップ・ワインメーカー3人の競演!? 『夢の新プロジェクト』発進」のフェアリスト・クリーチャーズでもトーマス・リヴァース・ブラウンなどと並ぶ3人の一人に選ばれています。

このブノワ・トゥケの個人プロジェクトがティーター・トッター(Teeter-Totter)。ティーター・トッターとはシーソーのことで、ラベルにはネズミとゾウがシーソーに乗っている絵が描かれています。

ここのカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネがしあわせワイン倶楽部に入荷しています。ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは税込みでも7000円台。トーマス・リヴァース・ブラウンの個人プロジェクトで、やたらとコスパの高いリヴァース・マリーでさえ、カベルネ・ソーヴィニヨンは1万円を超える中で、破格の安さです。しかも評論家のジェブ・ダナックは2016年、2017年と続けて95点の高評価。今回入荷している2018年のレビューはまだですが、2016、17年と比べても評価の高いヴィンテージなので、これを下回ることはないのではないかと思っています。なお、ワイン・サーチャーによる平均価格は75ドルなので、それよりも国内価格は安くなっています。

シャルドネは2017年がジェブ・ダナックで91点の評価。税込み6000円台となっています。

また、同じく彼の個人プロジェクトで、単一畑の高級カベルネ・ソーヴィニヨンに特化したフェ・マン(Fait Main)のベクストファー・ラス・ピエドラス2015も入っています。こちらは税込みで32780円と、税抜ならば2万円台の価格。同じ畑のシュレーダーのワインならばその倍の価格ですし、比較的安いポール・ホブスのラス・ピエドラスでも5万円くらいするのと比べたらかなり安いです。またレアムのベクストファー・ト・カロンやベクストファー・ドクター・クレーンなら7万円台とさらに高くなります。こちらもかなりのバーゲン価格といえるでしょう。ちなみに入荷している2015年はアドヴォケイトで97点、ジェブ・ダナックで97+とさすがの高評価となっています。