ダオ(Daou)についてはこれまで何回か取り上げてきていますが、まだ創設から10数年のワイナリーということで、「新星」といっても差し支えないでしょう。パソ・ロブレスで非常にコスト・パフォーマンスがワインを作っています。日本に輸入されるようになってからはまだ2年足らずというところで、まだまだ知られていないワイナリーですが、現在のパソ・ロブレスの実力を知るためにも飲んでおきたいワイナリーです。ちなみにワイン・アドヴォケイトはこのワイナリーだけの記事を2020年2021年と連続で書いています。それだけ注目に値するワイナリーです。今回はインポーターである新橋のワイン蔵Tokyoで試飲させていただきました。




ソーヴィニヨン・ブラン2019(3800円)は樽を使っていないタイプです。パイナップルなどのトロピカル・フルーツのフレーバーが豊かなワイン。パソ・ロブレスの陽光を感じます。旨味もありレベル高いワイン。

シャルドネ2020(3800円)は樽香やバターぽさもあるリッチなタイプ。果実味豊かで華やかです。リザーブ・シャルドネ(8000円)は2018年のものがワイン・エンスージアストの「世界のトップ・シャルドネ9選」という記事にえらばれています。今回はその次の2019年を試飲しました。普通のシャルドネも華やかですが、こちらの方がワンランク上。素晴らしいシャルドネでオーベールのAVAものあたりと比較しても面白いのではないかと思いました。

ロゼ(4800円)は、今回一番気に入ったワインの一つ。柑橘系にピーチのニュアンス。さわやかですが薄くなく美味しい。「世界のBEST ROSE30」に選ばれたというのも納得です。

赤ワインに移ります。

ボディガード2018(7500円)はプティ・ヴェルドがメインという珍しいワイン。プティ・ヴェルドが59%にプティ・シラーが41%。濃くてタニックな品種同士ですから、ノックアウトされそうなくらい濃くてパワフル。でも不思議にバランスの良さもあります。ワイン・エンスージアストで94点、ヴィナスで92点。

ペシミスト2019(5000円)はプティ・シラーが73%でジンファンデルが14%、シラー12%にグルナッシュ1%というブレンド。プティ・シラーらしいインクのように深みのある色合いでタニックでパワフル。ですが重さ一辺倒でなく、スパイシーさもあり、バランスもいい。これも今回非常に気に入ったワイン。ただ「ペシミスト(悲観論者)」という名前だけはなんとかならなかったのでしょうか。できたらオプティミストに改名してほしいところ。

カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ2018(1万円)は果実味豊かでバランスのいいカベルネ・ソーヴィニヨン。いかにもカリフォルニアワインのカベルネという美味しさです。ワイン・アドヴォケイトで93~95点。

最後は2017年のソウル・オブ・ライオン(2万2000円)。これはもう何度も試飲していますが、シルキーなテクスチャで本当に素晴らしいワイン。ナパのトップクラスのカベルネ・ソーヴィニヨンと比べても遜色ありません。今のパソ・ロブレスの実力を知るためにも多くの人に飲んでほしいワイン。ワイン・アドヴォケイトで97点。ジャンシス・ロビンソンも20点満点で17.5点と非常に高い点を付けています。

ダオのワインはどれもパソ・ロブレスらしい果実味の豊かさがあり、濃いワインであってもバランスの良さを感じます。「濃けりゃいいんだろ」的なところがなく、とてもよくできています。今回は特に新しく試飲したロゼとペシミストが気に入りました。