ナパとソノマを中心に、高級ソーヴィニヨン・ブランが増加しています(Napa and Sonoma Winemakers Market Luxury Sauvignon Blanc. Is Anyone Buying? | Wine Enthusiast Magazine)。これまではカリフォルニアの高級な白ワインというとシャルドネの独擅場という感がありましたが、ソーヴィニヨン・ブランも、それに対抗する、とまではいかなくても、高級ワインの一角を占めるようになってきました。

私が思うには、スクリーミング・イーグルのソーヴィニヨン・ブランというのがやはりインパクトが大きかった。最初は「こんな高いソーヴィニヨン・ブラン誰が買うの?」と思いましたが、ワイン・アドヴォケイトでカリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランとしては最高の98点を取り、現在はカベルネ・ソーヴィニヨン以上の高価格で取引されています。ビー・ヴァン・セラーズなど、2000年以降に台頭してナパのカベルネ・ソーヴィニヨンのトップクラスに入っているワイナリーもソーヴィニヨン・ブランを造るようになっています。

高級ソーヴィニヨン・ブランの躍進を支えている一人が著名ワインメーカーのフィリップ・メルカ。フランス出身でソーヴィニヨン・ブランにもこだわりを持っており、自身のフィリップ・メルカのソーヴィニヨン・ブランや、立ち上げ時からワインメーカーを務めるレイル・ヴィンヤーズの「ジョージア」ソーヴィニヨン・ブランなどの高級ソーヴィニヨン・ブランを造っています。昨年日本への輸入が始まったクレシェアのソーヴィニヨン・ブランもメルカが造っています。

このほかちょっと変わり種としては、元ウェイフェアラーのビビアナ・ゴンザレス・レーヴとピゾーニのジェフ・ピゾーニ夫妻によるシェアードノーツがあります。ボルドータイプのセミヨンとのブレンドとロワールタイプの2種のソーヴィニヨン・ブランだけを造るワイナリー。どちらも非常にレベルが高いです。

2種のソーヴィニヨン・ブランを造っているところとしてはピーター・マイケルも知られています。ただ、こちらはどちらもセミヨンとのブレンド。90%ほどソーヴィニヨン・ブランのラプレ・ミディと半々のクール・エ・クールです。後者は生産量も少なくかなり入手困難な銘柄。

あと、忘れてはならないのが、ロバート・モンダヴィです。1966年にワイナリーを立ち上げた後、最初のヒット商品となったのがフュメ・ブランという名前で売り出した樽熟成のソーヴィニヨン・ブラン。当時のソーヴィニヨン・ブランは甘口のものが主流だったのですが、これで初めてシリアスなソーヴィニヨン・ブランが知られるようになったといっていいでしょう。ト・カロンの畑の「Iブロック」にはカリフォルニアで一番古いと言われているヘッド・プルーンのソーヴィニヨン・ブランが植えられています。現在も素晴らしいソーヴィニヨン・ブランを生み続けています。

スポッツウッドのソーヴィニヨン・ブランは比較的リーズナブルな価格で、高級ソーヴィニヨン・ブランの入門としてもいいと思います。

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