ilovecalwineの試飲会で、コブ(Cobb)の新入荷ワインを試飲足ました。

コブはデイビッドとロスの親子が始めたワイナリー。当初はコーストランズ(Coastlands)という畑でピノ・ノワールを育ててウイリアムズ・セリエムなどに売っていましたが、2001年から自身のワイナリーを立ち上げています。ワインメーカーのロス・コブは、ウイリアムズ・セリエムやフラワーズなどでソノマの冷涼地域のワインを造り、その経験を自社のワインでも生かしています。

ソノマ・コーストのピノ・ノワールは冷涼さによって酸がしっかり残りながら、強い日差しによってアルコール度数が高く、パワフルさも持つことがしばしばありますが、コブのピノ・ノワールは非常にエレガント。アルコール度数も13%台。畑に霧が残る時間などによるものなのでしょうか。非常にピュアなフルーツの味わいがあり、熟成も期待できるワインです。

今回はソノマ・コースト・ピノ・ノワール2020とライススピーパック・ピノ・ノワール2018を試飲しました。

ソノマ・コーストのAVA版のピノ・ノワールはワイナリーのページにも掲載していないワイン。ちょっとでも手の届きやすいワインということで造ってもらっているそうですが、細かい情報はほとんどありません。ストロベリーやラズベリーのジャム、酸がとてもきれいです。これを飲んでカリフォルニアのピノ・ノワールだと思う人はほとんどいないのでは? とても美味しく、安い値段ではないですが、それでもコスパ的に優秀と感じました。

ライススピーパックはセバストポールの町の近くにある畑で、砂混じりのロームと火山灰とが混じった土壌。ディジョン系とスワンのクローンを使っています。ソノマ・コーストと同様、ピュアな果実味がとてもエレガントで、旨味系やミネラル系の風味もあります。ソノマ・コーストよりも熟成を楽しむタイプといっていいでしょう。個人的には、今飲むならソノマ・コーストで十分だと思いますが、10年熟成させるなら、こちらを選びたいと思います。

ピノ・ノワール2種に加えてコール・ランチ・リースリング2020も試飲しました。こちらは非常にドライなリースリング、白い花や濡れた石、ミネラル感にあふれたリースリングです。カリフォルニアではリースリングを飲むことはあまりないので、きちんと評価するのは難しいですが、とても美味しく感じました。