カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州に山火事による煙のセンサーネットワークを作るプロジェクトが始まっています。まず、ナパ・ソノマで実験的にセンサーの設置が始まりました(New Smoke Sensor Stations Installed in California Vineyards)。

センサー

これは米国農務省 (USDA) の特別作物研究イニシアチブ (SCRI) の総額750万ドルに及ぶ助成金の研究プロジェクトによるもので、UCデーヴィス、オレゴン州立大学 (OSU)、およびワシントン州立大学 (WSU) の研究者によって実施されています。

センサーは、PM 1.0、PM 2.5、PM 4、および PM 10 の粒子状物質 (PM) 濃度を測定できます。一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素、オゾン、二酸化硫黄、硫化水素、メタンなどの大気質(AQ)/汚染物質化学物質揮発性有機化合物 (VOC)を検知します。AQ センサーは、温度、湿度、風速と風向を監視する各サイトのローカル気象ステーション センサーと同時にデータを収集します。

今回の実験ではナパとソノマの21の畑にセンサーを設置しました。カベルネ・ソーヴィニヨンの畑がメインですが、シャルドネやピノ・ノワールなどの畑も含まれています。

設置した畑ではブドウの実を定期的に採集して、センサーによるデータと比べて行きます。研究者は、大気科学者と協力してデータを分析し、煙曝露リスクをモデル化するプログラムを開発します。時間の経過とともに、煙の組成、濃度、曝露時間の長さ、煙の動きと天候パターン、および新鮮な煙と熟成した煙の影響に関連して、ブドウとワインの品質に影響を与える可能性を予測するのに十分な情報を収集することが目標です。

センサーはワシントンのThingy IoT社のものを採用。電力消費は1ワット以下で、太陽電池やバッテリーで動作するため設置は非常に簡単です。

煙の被害はないに越したことはないですが、こういった研究でその被害を減らせるようになるといいですね。