米国の各州にワイナリーがありますが、寒冷地であるミネソタ(93ワイナリー)やウィスコンシン(139ワイナリー)あたりでは、ブドウの栽培はかなり困難です。そのため、実質的には他の州からブドウを購入してワインを作っているところが多いようです。

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ミネソタ大学では以前から寒冷地向けのブドウ品種を開発しており、1995年に作られたフロントナック(Frontenac)や2006年のマルケッテ(Marquette)などは既に市民権を得ています。そこに新たに白ワイン用のブドウとして開発した品種がクラリオン(Clarion)です。

クラリオンという命名は今年ですが、MN1220としてこれまで20年近く実験的に栽培が続けられており、コンスタントに高品質なブドウを生み出しています。

ミネソタ州の中には冬期の気温がコンスタントに華氏-30°(約-34℃)にまで下がるゾーン4の地域もあり、クラリオンはそこまでの寒冷地には耐えられませんが、華氏で-20℃(約-29℃)程度までのゾーン5の地域であれば大丈夫であり、アイオワ州やウィスコンシン州で育てられるとのこと。

VB86-4 (Seyval Blanc x Pinot Noir) とFrontenac (Riparia 89 x Landot 4511)をかけ合わせて作ったクラリオンは他の寒冷地対応ブドウよりも育てやすい特徴もあります。成長が遅いことと、枝が直立する性質があるためVSPに仕立てるのが容易です。ブドウの実の付き方はややまばらで病害を受けにくくなっています。芽吹きは比較的早いので霜の危険はありますが、収穫は9月半ばに可能です。

できたワインは洋梨、柑橘、メロン、アプリコット、カモミールの風味があるとのこと。
ミネソタ大学はクラリオンを「open variety」として広げる予定です。