ワインの偽造によって2012年に逮捕されたルディ・クルニアワン。彼が作った偽造ワインはいまだに数百憶円相当分が市場に出回っているとも言われています。

(彼の事件については「世界を揺るがす大ワイン偽造事件のまとめ」「3分でわかるルディ・クルニアワン「ワイン偽造」事件」をご覧ください)
偽造ワイン
2014年に10年の懲役の判決が出て、エルパソの刑務所に収監されていましたが、2020年11月に釈放されました。

その後、米国から故郷であるインドネシアに送還されたことは判明していますが、それ以降の行方は杳として知れませんでした。それが、最近になって再び活動を始めたという話が伝わってきています。Wine Fraudというサイトを主宰するモーリーン・ダウニーという人が、ルディ・クルニアワンに依頼して偽造ワインを作ってもらい、それを自身のワイン会において同じワインの本物と一緒に提供したというのです。

ゲストの多くは本物よりもルディによる偽造ワインを好んだとのことで、あるゲストは「我々はルディのワインに関する知識、イマジネーション、そして技巧のマジックを再び体験するためにここに来た」「ルディ・クルニアワン氏はワインの天才である」と書いていたそうです。

報じられているワイン会は2回あり、それぞれ1990年のロマネコンティとペトリュス、1990年のジャック・フレデリック・ミュニエ ミュジニィ、1982年のシュヴァルブランが偽造されたとのことです。

今回のワインについては法に触れる部分はないと考えられますが、また本格的にワイン偽造ビジネスに入っていくのではないかという見方も出ています。

ちなみに、クルニアワインがいない時代もワイン偽造はむしろ増えており、偽造防止用のシールでさえ偽造してしまうといったことが起こっています。また、高級ワインだけでなくイエローテイルの偽造ワインも見つかっているそうです。

ワインだけでなく蒸留酒でも偽造は増えており、今はむしろワインよりもそちらが中心になっているという見方もあります。