太陽光発電を部分的,あるいは全面的に取り入れるワイナリは年々増えています。2007年正月にソノマのClineがシャープのテレビCMで取り上げられたのは覚えている方も多いでしょう。

SF Chronicleの記事によると「太陽光発電」の先進地域でもあるナパ,ソノマでまた新しい試みが始まりました。Far Nienteによる「電池舟」発電です。灌漑用の池に130艘の平底舟を並べ,そこに944枚の太陽電池パネルを設定します。陸上にも306枚,合わせて1250枚のパネルを発電に使います。

発電量は最大377kW。これはFar Nienteのワイナリやテイスティング・ルーム,クラシックカー・コレクション(Far Nienteはこれで有名です),ケイブなどで必要になる電気の容量を超えているとのこと。

ただし,コストは相当かかっています。ブドウ畑が一つ買えるほどだとも。Larry McGuire社長は次のように述べています。
If you're just trying to deal with profitability, certainly short-term profitability, you probably wouldn't make this decision. But if you're thinking about long-term profitability - and with a social conscience - that's where you'll probably come to the conclusion that this is a good thing.

Far Nienteは株式を公開しておらず,オーナーたちから了承が得られたというのも大きなポイントですが,PG&E(電気とガスを提供する会社)から200万ドルのキャッシュ・リベートを得られることなど,見返りもあります。こういった再生産可能なエネルギー利用については,これからも続々と採用が進みそうです。

なお,元記事には大きな写真もあります。ぜひご覧ください。