ボブ・レヴィは、ワインメーカーとしてはあまり知られていないかしれません。しかしHarlan Estateのワインメーカー兼Bondのワインメーカーとして数々の素晴らしいワインを作り出してきました。Harlan成功の影の主役といっても過言ではないでしょう。例えばWine Advocate誌で100点を得たワインだけを見てもHarlanで5本、Bondで2本、計7本というのはナパのワインメーカーの中ではトップです。

1976年にU.C. Davisを卒業したレヴィはCuvaisonで働いた後、1982年にRombauerのワインメーカーになります。1983年にBill HarlanがMerryvaleを設立するときにワインメーカーになることを請われ、Merryvaleで1998年までワインメーカーを務めます。

並行してHarlan Estateのプロジェクトにも加わります。Harlan EstateはオーナーのBill Harlanが完璧を目指して作ったワイナリであり、欧州の様々な一流ワイナリを調べた結果、ヒルサイドが一番いいワインができるという結論に至り、畑を切り開きました。

Bill Harlanが「あらゆるレベルで選択を行った」というように、畑から様々な醸造技術まで、あらゆることをテストし、いいものを残して行った結果が今のHarlanになったわけです。例えば、Harlanの畑は約40エーカーですが、これを斜面の向きや品種、ルートストックなどで40の区画に分けています。それぞれ最適な収穫時期に収穫します。半日ずれただけでも味が変わってしまうというのですから、シビアです。

Bondにしても、ナパの70あまりの畑からブドウを買い付け、一番いいものを選んでいった結果の産物です。選別を始めてから、最終的にBondとして契約する畑を決めるまで12年。

このようにHarlanにしてもBondにしても経験を積み重ねた結晶として成り立っている部分が多く、ボブ・レヴィが当初から携わっている意味合いの大きさが分かります。Harlan/Bondファミリーには2012年からPromonteryという新しいプロジェクトも加わります。さらにボブ・レヴィの役割は重要になりそうです。

Cuvaison(Cellar Assistant) 1977-1981
Rombauer Vineyards 1982–1987
Merryvale 1983-1998
Harlan Estate 1984-
Bond 1999-
Promontery