Wine Advocate誌の202号が出ています。年に一度のセントラルコースト特集です。南はサンタ・バーバラから北はサンタ・クルーズ・マウンテンズまで幅広い地域を扱っています。

今回は98点以上のワインが1本(Ridge Monta Bello 2009)だけと、高得点を期待する向きには若干低めの点数だったようです。

私の印象としては、(1)ピノ・ノワール、シャルドネ、カベルネ、シラーと様々なワインで高得点ワインを出したのはSanta Cruz Mountains(SCM)、(2)SyrahはPaso Roblesを中心にして強い、(3)Calera強い、(4)Sta. Rita Hillsは全体に点数伸び悩み、でした。

SCMについてはRidgeのほかMount Edenのピノ・ノワール2010が96点、Varner(およびNeely)がピノ・ノワール、シャルドネで95点以上の高評価続出、Rhysのピノ・ノワールがこぞって高評価、Big Basinのシラーも高評価といった具合です。Antonio Galloniは「there is no doubt in my mind the Santa Cruz Mountains is the single most exciting place to visit in California.」と書いています。

シラーに関しては、相変わらずSaxum、Alban、Sine Qua Non、TensleyなどPaso Roblesやその近郊のブドウを使ったワイナリが軒並み高評価でした。ただ、これも相変わらず米国ではシラーが売れない状況が続いているようで、一部のワインを除いては価格も落ち着いており、お買い得なワインが数多くあるようです。

カレラは昨日ド・ヴィリエ(de Villiers)の96+というのを紹介しましたが、2009年の単一畑ではJensenが97点、SelleckとMillsが95点、Reedが93点と軒並み高得点です。Wine Spectatorで93点が付いた2010年のセントラルコースト・ピノも91点と、価格を考えれば十分以上の点数でした。このワインは今年の我が家の常備ワインになっています。

Santa Rita Hillsでは多くの有名ワインが90点台前半の評価と、Robert Parker時代に比べると、やや低めの評価。特にDiatomについては辛口のレビューが付きました。唯一気を吐いたのはPaul Lato。シラーIl Padrino Bien Nacido Vineyard2010の96点を筆頭に、94~95点の評価を多くのワインが得ています。

2010、2011年は気候的にやや難しい年であったことも冷涼なSanta Rita Hillsには響いているのかもしれません。