ちまたで流行っているという女子会。自宅で開くというパターンもかなり多く、その場合、飲み物はたいていワインだといいます(筆者おじさんにつき、これらは全部伝聞です、笑)。

ワインに詳しい人ならともかく、そうでないと何を買ったらいいのか悩んでいる人も多いだろう、とのことで、女子会向けワイン(ただし、カリフォルニアワインに限る)を選んでみました。

選択基準としては、(1)価格帯は2000円台~3000円台が基本、(2)何かしらありきたりでない部分がある、(3)美味しい、といったことを考えています。

なお、実店舗で売っているワインももちろんありますが、カリフォルニアワインについてはネットで買うほうが確実です。店舗を持っている店でもネットの方がはるかに多くのワインを売っているからです。例えば神田の柳屋には私もよく行きますが、店頭に並んでいるカリフォルニアワインはせいぜい100種くらいでしょう。同店の場合、ネットで買っても店頭取り置きにすると送料がかからないので、私はそれを使うことが多いです。(柳屋のサイト)

では本題に移りましょう。


テーマ1●やっぱり泡はいいよね
女性は男性とくらべてもスパークリング・ワイン好きが多いような気がします。口当たりがよくて飲みやすいし華やかさがあるので、鉄板のチョイスと言えるでしょう。

ここでは数あるスパークリング・ワインの中でも、華やかさが1ランク上のロゼを選びたいと思います。
まずはロデレール・エステートのブリュット・ロゼ。ロデレール・エステートはシャンパーニュの「クリスタル」で知られるルイ・ロデレールがカリフォルニアに作ったワイナリで、本国と同じ手法を使って作っていて品質は見劣りしませんが、価格はほぼ半分。3000円台で購入できます。

ロデレール・エステートのロゼを検索する

ソノマにあるJ(ジェイ)のロゼもお薦めです。2011年にはSFクロニクルというサンフランシスコの新聞(ここのワイン欄はとても充実しています)で年間トップ100に選ばれた逸品。このワインはなんといってもボトルの美しさが際立っています。スパークリング・ワインの品質に大きく影響するボトル内での熟成期間が42カ月と長いのも特徴です(ロデレールのロゼは2年以上となっています)。

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スパークリングの最後はロゼではありませんが、これも華やかなワイン。映画監督としても知られるソフィア・コッポラの名前を冠したスパークリング・ワインです。このワイン、ソフィアが父親であるフランシス・フォード・コッポラ監督に「シャンパーニュほどガスが強くなくて飲みやすいスパークリング・ワインが欲しい」とリクエストしてできたもの。ラベルも綺麗です。ボトルだけでなく187mlの缶もあります。アウトドアなどで飲むのにはいいでしょう。

ソフィアを検索する

もう1つおまけ。結婚する女子がメンバーにいる場合など、アイアン・ホースのウェディング・キュベもお薦めです。ロゼではないですが、ほのかなピンク色のスパークリング・ワイン。


テーマ2●スパークリングでなくてもロゼ
ロゼの消費量は全世界的に上がっているそうです。ちょっと力の抜けた感じがいいのかもしれません。以前は中途半端な感じのワインが多い印象もありましたが、最近は品質も上昇しています。

先ほど紹介したソフィアにはスパークリングではないロゼがあります。これもボトルの美しさが際立っているワインです。


生産量や輸入量が少なく、入手は難しいのですが、個人的にとてもお薦めなのがルーシーのロゼ。これはルシアというワイナリが作っています。このワインが使っているピゾーニやゲイリーズという畑には、ブルゴーニュの銘醸畑ラ・ターシュから取ってきた枝から作られたぶどうの樹が使われていると言われています。このロゼは1本売上ごとに1ドルが乳がん研究のピンクリボンに寄付されます。とてもおいしいロゼです。

CWGでも売っています
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テーマ3●やっぱりピノでしょ
ピノ・ノワールは赤ワインの中ではエレガントであり、食事にも合わせやすいワインです。特にカリフォルニアのピノ・ノワールは果実味豊かで、あまり酸っぱくないので、誰にとっても飲みやすいワインが多くあります。

2000円~3000円台というのはピノ・ノワールとしてはちょっと微妙な価格帯ではありますが、その中でまずはずさないのがカレラのキュヴェV。ここも、ロマネコンティの畑からもらってきた枝が元になっているという伝説があり「カリフォルニアのロマネコンティ」といった異名が付いたこともあります。その真偽はともかくとして、近年は安いものから高いものまで安定しておいしいことでも特筆できると思います。

このキュヴェVは日本市場専用に作られたもので、外部の畑から購入したブドウに加え、自社畑の若い樹のブドウを入れています。外部のブドウだけでできている「セントラルコースト」より1つ格上で、自社畑のそれぞれの名前が付いたものより格下という位置付けです。輸入量が多く、入手しやすいのもメリット。

カレラ・キュヴェVを検索する

予算に余裕があって、入手可能であれば、カレラの上級ものもお薦めです。畑は6つありますが、価格や入手しやすさからはライアンかド・ヴィリエがいいでしょう。

ライアン、ド・ヴィリエを検索する

サンタ・バーバラを代表するワイナリであるオー・ボン・クリマは、かつてはカレラと並んでカリフォルニアのピノ・ノワールのトップとして極めて入手困難でした。中でもフラグシップでオーナーの娘の名前を付けた「イザベル」は大人気。近年は以前からは想像できないほど入手しやすくなっており、お薦めです。三角形のラベルが印象的です。

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パート4●ガッツリ赤
赤ワイン飲むからには、ガッツリじゃなきゃねえという肉食系の人も少なからずいるだろうと思います。カリフォルニアワインといえばナパのカベルネといったイメージもあるでしょう。5000円くらい出すとカベルネの選択肢は豊富になるのですが、2000円~3000円台はちょっとむずかしいところ。

その中でお薦めはニュートンのクラレットです。クラレットとはボルドー系の赤ワインのこと。

ニュートンは現在のオーナーがドクター・スー・ファ・ニュートンという女性。このひとはとんでもない才人で、元々はファッションモデルであり、様々な学位を持つと同時に語学も堪能。母国語は中国語ですが、英語はもちろんフランス語も話します。ニュートンのワイナリや庭園の設計を手がけ、ワイン作りは歴代のワインメーカーから学んで、自身がワイン作りも行なっています(現在はワインメーカーを雇っています)。夫のピーターが亡くなって以降はオーナーとしても活躍しています。ちなみに映画「サイドウェイズ」にもここの庭園が映っています。

クラレットだと2000円台ですが、4000円台でもOKならば同じニュートンのアンフィルタード・カベルネ・ソヴィニョンもいいでしょう。

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パート5●え、白ワインないの?

白ワインではシャルドネが無難な選択でしょう。カリフォルニアらしい果実味たっぷりなものが、万人に好まれやすいとおもいます。
お薦めの1つはクロ・ペガスのシャルドネ「ミツコズ・ヴィンヤード」。ミツコというのはオーナーの夫人だった日本人女性ですが数年前に惜しくも亡くなりました。このオーナー宅では石田純一が結婚式を執り行っています。シャルドネ「ミツコズ・ヴィンヤード」はここを代表するワインの1つです。

ミツコズ・ヴィンヤードを検索する

もう1つ日本人関連でフリーマンのシャルドネを紹介しましょう。ここはオーナー夫妻の奥さんの方が「アキコ」さんという日本人。ピノ・ノワールでは「アキコズ・キュヴェ」というワインもあります。シャルドネは「涼風」という名前が付いています。フリーマンのワインは成城石井が輸入元なので、成城石井の店舗でも見つかる可能性があります。

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パート6●熟成したワインが飲みたい!
ワインの魅力の1つが熟成。とはいえなかなか熟成したワインは売っていないし、自宅で熟成させるにはワインセラーが必要と、なかなか味わう機会はないものです。

カリン・セラーズは10年以上熟成してからワインの出荷を始めるという極めて珍しいワイナリ。4000円を超えてしまいますが、希少価値もかなり高いので、ワイン会に持って行ったら目立つこと請け合いです。セミヨン、シャルドネ、ピノ・ノワールがあります。



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いかがでしょう。参考になれば幸いです。ここに挙げた以外にもお薦めはありますから、TwitterFacebookで気軽に聞いていただけたらと思います。