春は勉強を始める季節。ワインの勉強がしたくて本を読む人もいるでしょうが、ここでは勉強よりも楽しくカリフォルニアワインが分かる本を紹介したいと思います。絶版のものもありますが、幸いなことにアマゾンではマーケットプレースで中古品も簡単に買えます。いい時代になったものです。

●最高のワインをめざして―ロバート・モンダヴィ自伝
カリフォルニアワインを有名にした一番の立役者が亡くなったロバート・モンダヴィです。90年代半ばに書かれたこの自伝はまさにモンダヴィが絶頂期を迎えようとしていたころのもの。何よりも50台という普通ならば人生の後半になってからが、モンダヴィにとってはカリフォルニアワインを一流にするための始まりだったことに驚かされます。


●ロマネ・コンティに挑む―カレラ・ワイナリーの物語
90年代から日本で人気のワイナリであり、一時期低迷するも近年かつて以上に人気・実力を兼ね備えるようになったのがカレラです。カリフォルニアのピノ・ノワール好きでカレラを飲んだことがない人はほとんどいないでしょう。そのカレラについて書かれた唯一の本がこれ。著者のド・ヴィリエの名前は、現在6番目の単一畑で使われていますから、オーナーのジョシュ・ジェンセンにとっても本書の意味合いは大きいのでしょう。


●パリスの審判 カリフォルニア・ワインVSフランス・ワイン
カリフォルニアワインにとって過去最大のエポックメーキングなできごとが1976年のパリ・テイスティング。これについて詳細に書かれたのが本書です。「ブティック・ワイナリ」が次々と興った当時のナパの雰囲気も伝わってきます。本書については、以前レビューを書いています。


●カリフォルニア・ワイナリーの四季
今回紹介する中では最も古い本ですが、中古も安いのでぜひ読んで欲しいのがこれです。ソノマのワイナリIron HorseのオーナーであるJoy Sterlingさんが書いた、カリフォルニアのワイナリにおける1年間を記したもの。さしづめ、南仏プロヴァンスの12か月 (河出文庫)のカリフォルニア版といったところです。これを読むとIron Horseに行きたくなります。


●無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》
最後は手前味噌で恐縮ですが、ナパのワインについては本書以上に詳しく書かれたものは日本にはありません。ワイナリ150個を掲載しているのが白眉ですが、それ以外にカリフォルニアワインの基礎や、ぶどう品種、歴史といったものもひと通り分かりますし、ワイナリに行くときのティップスもあります。ヘレン・ターリーなど著名なワインメーカーの経歴をまとめた資料も貴重だと思います。なにせ、書いた本人も分からないことがあると、まずこの本を調べるくらいですから(笑)。Kindle端末のほか、iPhone/iPadやAndroidでも読むことができます。