紆余曲折を経て、Wine Adovocate誌最新号でアントニオ・ガッローニによるソノマ・レポートが掲載されました。レビュー掲載本数は812本。昨年の約2割増です。

今回は、2011年のワインのレビューが加わっています。2011年はカリフォルニアでは珍しいほどの低気温だった年。収量は少なく、ワインの品質も懸念されていました。

結果としては、やはり全体的にアルコール度数が低く、酸が強いワインが多くなっているようです。しかし、ワインの出来が悪いわけではなく、2010年よりもいい出来のワイナリも少なからずあるとのこと。例えばガッローニは、Kistlerのピノは2010年よりも2011年の方が良くなりそうだとしています(ちなみに今回Marcassinのレビューはありません)。

レイティングを見ると96点以上は3本と少なく、ちょっと寂しさは否めないのですが、95点のところには興味深いワインが勢揃いしています。

中でも興味深かったものの1つが、最近日本への輸入が始まったKutch(クッチ)。2011年のピノ・ノワールがこぞって90点以上と高く評価されています。95点と一番店が高かったMcDougall Ranchは日本未輸入ですが、Savoyが93点、Sonoma Coastが90点。どれも2010年より2011年の方が点が高くなっています。2011年は除梗なしのブドウの比率を上げ、樽熟成の期間を18ヶ月から10ヶ月へと短くしたのが功を奏したようです。ただ、残念なことにSavoyの2011年はこのワインの最終ヴィンテージ。代わりに2012年からはHirschが、2013年からはAlder Springsが加わるとのことです。