8月7日にTBSで「『生きろ』~戦場に残した伝言~」というドラマがあります。報道ドラマということで、ほぼ史実に沿ったものになるのだと思います。

舞台は沖縄。第二次世界大戦で日本国内において唯一住民を巻き込んだ戦いが行われたところです。その沖縄戦のときに沖縄県知事だった島田叡(あきら)さんが主人公。

島田さんは元々沖縄の人ではなく、1945年1月に前知事の逃亡によって急遽派遣されたのでした。当時の状況において次に沖縄が戦場になることはほぼ確実。生きて帰れる可能性はほとんどないことを理解しての就任でした。

就任後はとにかく一人でも住民を生かしたいと、荒井警察部長とともに奮闘しました。

島田知事と荒井警察部長については「沖縄の島守―内務官僚かく戦えり」という優れたノンフィクションが書かれています。おそらくドラマもこれを元にしているのでしょう。本書については以前感想を書いています。ネタバレ部分もあるのでここでは引用を控えますが、お読みいただけたらと思います(読書2点「ざわわ ざわわの沖縄戦」「沖縄の島守―内務官僚かく戦えり」)。

沖縄戦というと日本軍のダメなところばかりが目に付くのですが、日本の官僚にもこんな立派な人達がいたことをぜひ知ってほしいと思います。ドラマは本と比べて多くの人の目に触れるでしょうから、すばらしい機会になると思います。



著者の田村洋三さんはほかにも沖縄戦関連の素晴らしいノンフィクションを書かれています。こちらも関心がある方はぜひご覧になってください。