Wine Spectator誌のカリフォルニアワイン担当であるJames Laubeが2011年のヴィンテージについて最近のブログで言及しています(The Curtain Is Dropping on California)。

それによると、2011年のワインには、カビ臭いものが多数見られるとのこと(mustyとmoldyの違いがよくわからないのですが)。これほどカビ臭を感じたヴィンテージはないとしています。また、赤ワインではタンニンがドライなものが目立つそうです。タンニンがドライであるというのは、いわゆるシルキーなタンニンの逆と思えばいいでしょう。

個々のワインの評価ではなく総体的なものなので、なんとも言えないところはあります。Laube氏も、いいものがないと言っているわけではありません。「素晴らしいワインを作っているところは最高の畑があり、細部にまで注意を払っているところだ」と述べています。

なお、これを受けて評論家のSteve Heimoffも同調する記事を書いています(More on the troubling 2011 vintage)。

これは主にピノ・ノワールについて書いていますが、実際にカビ臭さを感じるケースがかなり多かったとのこと。ナパ、ソノマといったノース・コーストだけでなく、セントラル・コーストのサンタ・ルシア・ハイランズやパソ・ロブレスでもカビにやられた畑がかなりあったといいます。

といってもヴィンテージとしては「bad」ではないと。ワイナリを選ぶ必要があるということだと。

逆に素晴らしいピノ・ノワールを作ったところとしては、以下のワイナリを挙げています。Williams Selyem, Merry Edwards, Paul Hobbs, Rochioli, Lynmar, Dutton-Goldfield, Joseph Phelps, Failla, Thomas Fogarty, Flowers, Testarossa, Tantara, Freeman, Sojourn, Siduri and Foxen。

よく言われることですが、いいヴィンテージはどのワイナリでもハズレを引かないが、あまり良くないヴィンテージは、いいワイナリを選ばないといけないということですね。