ワイナリー・ビジネスをコンサルティングしているシリコンバレー・バンクが先日、ナパの中小ワイナリーを対象に講演をしました(DtC Is Lifeblood of Wineries, Banker Says - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

それによると、ナパのワイナリーのワイン販売のうち、卸売が占める割合は4割以下。テイスティング・ルームが3割弱、ワインクラブ(メーリング・リスト)が2割強で、これら直販がほぼ半分を占めています。輸出は約3%。

ナパのワイナリーの95%は家族経営で78%は1万ケース以下の小規模となっており、卸売業者にとっては取り扱いにくい商品になりがちです。直販の重要性が増す理由です。

ただ、ナパのワイナリーでテイスティング・ルームを持っているところは80%とソノマなどと比べて低くなっています。また1990年に施行された法律のため、その後にできたワイナリーは予約のみとなっています。この割合は65%。ソノマの15%などと比べて極端に高くなっています。直販が重要なのに、直販のための壁が高いという状況です。

また、観光客を多く呼びこむような施策は許可を得るための壁が高く、認められないことも多々あります。

ナパのワイナリーというと高額ワインを販売でき、派手なイメージがありますが、実態はいろいろと大変なようです。

日本のインポーターにとってはナパは既に開拓されすぎて、新たにワイナリーを探すのは難しいという見方が多いようですが、このような状況を考えるとまだまだいろいろなビジネスチャンスはあるような気がします。