カリフォルニアでは、ワイナリーの家に生まれた子供が新たなワイナリーを作る例がよくあります。代表的なのが昨年日本への輸入が始まったベッドロック。ワインメーカーのモーガン・トゥエイン・ピーターソンはレイヴィンズウッドのジョエル・ピーターソンの息子です。

考えてみれば、パリ・テイスティングから来年で40年経つわけですから、世代交代しても全然不思議ではないのです。

幼いころからワインに囲まれて育ってきた彼らにとっては、欧州へのコンプレックスのようなものもなく、カリフォルニアオリジナルなワインを作るようになってきています。

その1つが今回紹介するテイクン。カルロ・トリンチェロと助手ジョシュ・フェルプスによるプロジェクトです。カルロ・トリンチェロはその名の通り、ナパのトリンチェロ・ファミリーの末裔。ジョシュ・フェルプスはドミナスの初代ワインメーカーだったクリス・フェルプスの子供です。

この二人が作っているワインがテイクン「Taken」。カベルネ・ソーヴィニヨンを中心とした赤ワインのブレンドを作っています。2012年ヴィンテージはWine Advocate誌の評価で93点。

パーカーは「このワインの名前はリーアム・ニーソンの同名の映画(邦題は『96時間』)から取ったものではなさそうだが、疑いなく、私はこのワインに夢中になっちゃった(taken)よ」と、ちょっとポップなレビューを書いています。takenという言葉は女の子が男の子に夢中になって周りが見えなくなっている様子を意味しているようです。日本語にしたら「メロメロ」?古いか。