NASAの観測によると、2016年は1998年並みのエルニーニョになる気配が濃厚です。

エルニーニョは赤道近くの東太平洋の水温が上昇する現象。これが起こると米国西海岸では雨が多くなり、荒れた天気になりやすくなります。

ここ十数年では1997年から1998年にかけての冬が典型的。カリフォルニア各地で洪水が起こり、春から秋にかけても不順な天気が続きました。カリフォルニアワインでは珍しいオフヴィンテージといわれました。

海面位の差分
写真提供:NASA

この図は1997年と2015年の10月における海面の変位を表したもの。水温が上がると水が膨張するため、海面が上がります。これを見ると、かなり広範囲に上がっている様子が伺えます。

エルニーニョの記録
写真提供:NASA

こちらは海面温度の記録(平年との差分)。1950年以降のエルニーニョの年のデータをプロットしています。7月から9月までの平均は、今年の場合平年よりプラス1.5度。これを上回っているのは1982年(プラス1.6度)、1997年(プラス1.7度)しかありません。

というわけで、状況としては強いエルニーニョになる気配が濃厚であると言えます。ただ、NASAはエルニーニョについての知見が十分でないため、断言はできないとしています。