ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは2016年1月19日、ナパの3生産者が、ワインの名称から「ポート」を抜くことにしたと発表しました。

米国とEUは2006年の合意により、ワインのラベルから「シャンパーニュ」や「ポート」、「シャブリ」などの「セミジェネリック・ネーム」をやめることになりました。ただし、温情的措置として、既存の生産者はラベルの付加的名称として書かれている場合に限って使い続けてもいいことになりました。

今回の3生産者(ボイド・ファミリー・ヴィンヤーズ、フリーマーク・アビー、ジェサップ・セラーズ)は、この「既存の生産者」に相当するので、ルール上はポートの名を使い続けてもよかったのですが、今回自主的に返上することになったわけです。

その昔、とあるスパークリングワインの生産者を訪問したときに、「ラベルにシャンパーニュと書くのはやめた方がいいのではないか」と言ったらすごく小馬鹿にした態度で接されたことを思い出しました。

当時は、まだ他国のブランドに頼る気持ちが多かったのだと思いますが、今となってはむしろ、ナパの名前を守ることの方が重要になったのでしょうね。