観光客は本当に地域の経済を発展させるのか、そういったテーマのシンポジウムがナパで開かれ、さまざまな数値から検証されました(Close to Home: Growing pains in a tourism economy | The Press Democrat)。
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確かに、観光客は地域にお金を落としていきます。しかし、それが地域に役立っているかどうかという面で見ると、そうでない部分も見えてきます。

神話その1:観光は収入と地域における仕事を増やす

確かに、一部は当たっています。しかし、給料の安い仕事ばかりがたくさん増え、さらに季節要因も大きくなります。結局生活のためには複数の仕事をしなければいけないかもしれません。

神話その2:ツーリズムは皆の利益になる

不動産やデベロッパー、金融など一部の業種にとってはメリットとなります。しかし、それ以外の人にとっては、家賃が上がったり、レストランが高くなったり、渋滞が激しくなったり、環境が悪くなるなどのデメリットがあります。観光への投資は大きな学になりますから、その分地域向けのサービスが減るかもしれません。

神話その3:成長が速いほど地域経済への貢献が大きい

Fodorが米国の100の大都市圏を調べたところ、成長率が高くなるほど世帯あたりの収入が急激に落ち込み、さらに失業率や貧困率も高くなることがわかりました。

このように、データを詳しく見ていくと、観光客が増えても、簡単に地域の発展につながるとは言えないことがわかります。とはいっても地域の収入は増えるわけですから、それをどう分配するかなど、行政側の差配が重要になるわけです。そういった緻密な計画を行ったところだけが長期的に観光で伸びていくとしています。

果たして日本の行政はそれをちゃんと考えているのだろうかと思わせた記事でした。