コパンのジャクソン・ファミリーへの売却がニュースになったと思ったら、翌日にはナパのファー・ニエンテ・グループが株式の大半をGIパートナーズという投資家グループに売却すると発表がありました(Winery Sales Continue at Brisk Pace - Wines & Vines)。売却額は120億ドル!
Far Niente
ファー・ニエンテ・グループは、高級なカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネを作るファー・ニエンテ(Far Niente、3万ケース)のほか、単一畑のカベルネ・ソーヴィニヨンに特化したニッケル&ニッケル(Nickel & Nickel、2万ケース)、デザートワインのドルチェ(Dolce、1500ケース)、ソノマでピノ・ノワールとシャルドネを作るアンルート(EnRoute、1万ケース)、ナパでカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドにこだわるベラ・ユニオン(Bella Union)があります。今回はこれらすべてが対象になります。

創設者のジル・ニッケルの家族などはワイナリーに残ります。

相次ぐワイナリーの買収ですが、経営がうまくいかずに売却したというところはあまりないようです。後継者の問題だったり、流通業者の合併により、ワイナリー側にも規模が必要になってきたり、といった要因があります。

流通の問題はかなり重要なようで、昨年クロ・ペガス、スワンソン、BRコーン、ヴィアンサなどを買い取ったヴィンテージ・ワイン・エステートのパット・ローニーによると、「150万ケースでも流通業者にとっては十分な量とは言えない」そうです。

昨今、消費者への直売が増えていることが話題になっていますが、流通業者を通さない、こういった販売を中心にするワイナリーには興味が無いと、パット・ローニーは語っています。

また、買う側にとってはカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールで名前が売れたワイナリーは喉から手が出るほどほしいようです。自力でブランドを確立するのがかなり大変な領域だからです。

といったようなことで、今後もワイナリーの買収ニュースは続きそうな雰囲気です。