11月というと、ボージョレ・ヌーボーの解禁日である第3週の木曜日が話題になりますが、日本にも「山梨ヌーボー」があり、11月3日が解禁日になっています。

山梨ヌーボーとは|山梨ヌーボー2016 11/3解禁」のページによると、「デラウエアーや巨峰などの新酒ワインは一足先に発売されていますが、日本が世界に誇る日本固有のぶどう品種である甲州とマスカット・ベーリーAで造られた新酒ワインを「山梨ヌーボー」と命名して解禁日を設けました」とのことです。解禁日の11月3日には東京の日比谷公園で「山梨ヌーボーまつり」というイベントが開催されています。

11月4日に東京・神田の柳屋に立ち寄ったところ、山梨のワイナリーの中でも高品質な甲州で、Decanter誌のコンクールで賞を受賞している中央葡萄酒(グレイスワイン)が試飲をしていました。

中央葡萄酒の試飲@柳屋

近年品質が高まっていると言われている「日本ワイン」には私も関心がありましたが、カリフォルニアだけでも手一杯で、なかなか飲む機会もないため、いろいろ話を聞きながら試飲してきました。

試飲した3種は新酒のセレナと、2015年の「グリド甲州」、「グレイス甲州」です。フラッグシップの「キュベ三澤 明野甲州」も置いてありましたがさすがに試飲対象外でした。

セレナとグレイスは甲州のフリーランジュースだけを使ったワイン。フリーランらしく、どちらもさわやかな味わい。セレナはきりっとした酸が特徴で、シャブリかと思ってしまうほど。ハーブっぽさも少し感じます。

グレイスの方は、さわやかさに加えてふくよかさもあり、バランスのいいワイン。2016年のDecanter誌のコンクールで95点。プラチナ賞とベストアジア賞を受賞したワインです。飲んだ3種の中では1ランク上の味わいでした。

もう1つの「グリド甲州」はプレスした果汁を使ったワイン。それだけに、一番コクがあり、苦味も少し感じます。面白いワインですが、個人的な好みの方向からは少しはずれていました。こちらはDecanterのアジアのコンクールでプラチナとベスト・イン・ショーを受賞しています。

日本ワインの話や、畑の話など、いろいろ伺いながら試飲できてかなり勉強になりました。

ワインは、味で選ぶならグレイスだったのですが、せっかく年に一度の新酒解禁の次の日ということで、今回はセレナを購入。さっそく自宅で飲んでいます。

日本食に合わせるなら、ボージョレ・ヌーボーよりはこちらの方がずっといいと思います。ぜひお試しあれ。

余談ですが、カリフォルニアにもヌーボーはないわけではありません。しかし、日本のように新酒を祝うという文化がないため、積極的に展開しているワイナリーは少なく、日本にも入ってきていないと思います。