ドナルド・トランプ次期大統領の移民政策は畑の労働者を移民に頼るカリフォルニアのワイナリーにとって、大きな懸念となっていますが、同時に起こったあることが、もう一つの懸念になりそうです。

あることというのは娯楽用マリファナの解禁。大統領選当日の投票によって、カリフォルニアでも娯楽用のマリファナが解禁になりました。これによって、マリファナの栽培も増えることが予想されますが、畑の労働者をマリファナに取られる恐れが増してきたのです(Harvest Wars - Wines & Vines)。

マリファナの栽培が盛んなメンドシーノでは、既にこの問題は懸念を超えています。メンドシーノでブドウ畑を管理するVineard Logisticsという会社では、今年の8月中旬には収穫担当が22人いたのに、6週間後には8人にまで減ってしまいました。

それというのもマリファナの収穫時期はブドウと重なる上、マリファナの方が労働は楽で、給料もいいのだそうです。

マリファナはブドウと比べると収穫までの手間も少ないのですが、ちょうど人手が必要なときが、ブドウと重なってしまうのです。

ブドウの収穫を機械化できればいいのですが、メンドシーノのAnderson Valleyでは、それも難しいといいます。というのはAnderson Valleyでは多くの生産者がホール・クラスター(茎を取り除かない状態)でブドウの実を収穫したいと考えているのですが、機械では実だけを収穫していまうからです。

マリファナの栽培とは、水の取り合いといったコンフリクトもあり、これから先、ブドウ栽培のライバルになってくる場面が増えるのかもしれません。

Cannabis sativa