新鮮なホヤを食べつくすというイベント「ホヤナイト」に参加してきました。主宰は「WADA-blog(わだぶろぐ)」の和田さん。ホヤは南三陸町の山内鮮魚店から取り寄せています。

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和田さんのブログからの受け売りですが、ホヤは8割が宮城産。2011年の東日本大震災で大きな打撃を受けましたがその後復興します(ホヤの生育には3年かかります)。ところが最大の消費地だった韓国が原発事故の汚染水の問題から、海産物の輸入をストップし、大量廃棄を余儀なくされてしまったのだとか。せっかく新鮮で美味しいホヤがあるのにもったいない、ということで和田さんが始めたのがこのイベント(今年で3回目)だそうです。

私は今年初参加だったのですが、ミッションとして、ホヤにワインが合うかどうかを検証したいと思いました。

ホヤはこれまで居酒屋などで食べたことはありますが、あまり味の記憶がないので、調べたところ、かなり「磯の風味」が強い食材であることがわかりました。お酒としてはやはり日本酒を合わせるのが圧倒的に主流なようです。

日本酒とワインの味の違いを考えると、ワインは酸があるのに対し、日本酒では酸はほとんど感じません。そのあたりがホヤに合うかどうかの分かれ目になるかと思い、あまり酸を感じないワインを選ぶことにしました。また、ホヤの「磯の風味」にどう合わせていけばいいかも難問です。塩っぽさを感じるワインとしてサンタ・リタ・ヒルズのシャルドネなど考えてみましたが、酸も強いものが多いので逆効果になりそうです。

そこで白羽の矢を立てたのが、たまたま手元に1本だけあったカリン・セラーズのシャルドネLD 1995年。シャルドネですが、20年の熟成で酸はあまり感じず、旨味がしっかりあるワインです。

ホヤ刺しとワイン

さっそく刺し身から食べてみましょう。刺し身は下のようなところから、自分でさばいています。

ホヤ

食べてみると、思った以上に塩分が強いです。そして、つるんとした食感と、噛むと出てくる甘みと旨味、ワタの苦味。塩分が強いので、醤油は付けない方が美味しい。

そのままワインを試してみました。悪くはないですが、マリアージュするわけでもない。酸味の弱いものを選んだのは正解だった気がします。また、日本酒と試してみたところ、やはりストレートな刺し身なら日本酒の方が合います。ただ、日本酒も吟醸酒のようなやわらかな味わいのものより、本醸造だったり熟成したものの方がホヤの強い味に負けないような気がしました。また、焼酎(ストレート)を試してみましたが、意外と合わないです。やはりちょっと甘みがあるものの方が合うかもしれません。

カルパッチョ
カルパッチョを食べてみました。ブラックペッパーとオリーブオイルでしょうか。こちらの方がワインに合います。これなら日本酒よりもワインの方がいいかも。

ホヤ刺しに、いろいろなものを合わせて食べてみました。白のバルサミコは、ホヤの味に負けてしまってあまりよくない(赤だったら合ったかも)。パクチーのチューブのは、悪くはないけど特においしくなるわけでもない。意外とよかったのがはちみつ。塩辛さを中和して味がマイルドになります。ストレートで食べるよりワインに合います。

そして、ベストマッチだったのがバジルペースト。バジルペーストとホヤ刺しを合わせて食べると風味がちょうどいい感じ。ワインにもとても合います。これは日本酒よりもワインでしょう。


バター炒め

バター炒めが出てきました。火を通すと塩気がマイルドになり、ホヤ自体の甘みやうまみがより感じられるようになります。ただ、食感はやわらかいイカみたいになりますので、刺し身のつるんとした感じはなくなってしまいます。ワインには火を通した方が合わせやすいでしょう。これならもっといろいろなワインに合うと思います。写真を取り忘れましたが、ホヤの酒蒸しもとても美味しい。これもワインによく合います。

パスタ

パスタも美味しいですが、これにワインは特に不要でした。プチトマトの甘みがホヤの塩辛さをよく中和しています。

酢の物

酢の物は意外と普通。ワイン向きではないですね。

アヒージョ

アヒージョはもちろん美味しい。これはワイン向け。オイルを吸わせるフランスパンが欲しかったかな。

ホヤの炊き込みご飯

炊き込みご飯もいいですね。絶品。ワインは不要です。

ホヤナイト

いろいろ試して結構ワインが進んでしまいました。とても楽しく美味しかったです。

結論として、ホヤとワインはマリアージュします。ただそのまま刺し身で食べるよりも、はちみつだったりバジルペーストだったりで味を中和させた方が合いやすいです。また、火を通したものは問題なくワインに合います。

ワインは今回は手持ちの熟成ワインを持っていきましたが(カリン・セラーズのワインに関心があるかたはこちらもごらんください「23年熟成のワインが新リリースで96点、「変態」ワイナリーの絶賛シャルドネ」)、そうでなければどんなものがいいでしょう。

甘めのリースリングはいいかもしれません。また酸を比較的感じないという意味ではヴィオニエあたりでしょうか。ジンファンデルももしかしたらいいかもしれませんが、赤は試してみないとわかりません。また、デザートワインという選択肢もあると思います。

和田さん、山内鮮魚店の山内さん、ホヤ男爵こと亀田さん、みなさん、ありがとうございました。