ドキュメンタリー映画「Somm」で扱われて注目されるようになったソムリエの最高資格「マスター・ソムリエ(MS)」。今年の試験で問題の漏洩が発覚しました(Somm scandal: Revelations of cheating at master sommelier examination lead to the invalidation of 23 new certifications - SFChronicle.com)。
マスター・ソムリエ
1969年に試験が始まって以来、約50年で274人しか合格していないという難しい資格で、MWと略されるマスター・オブ・ワインと並んでワイン業界の最難関の資格と言われています。

試験は試飲と理論と実技の3つに別れており、すべてに合格する必要があります。例えば理論に合格した場合、翌年は試飲と実技に受かれば合格となります。そのため、何年もかけて試験を受けるのが一般的になっています。

今回は3つの試験のうち試飲(ブラインド・テイスティングで6種類のワインの品種と産地、ヴィンテージを答える)で問題の漏洩があったことが発覚しました。具体的にだれがどのような形で漏洩したのかは公開されていません。

実際に誰がその情報を受け取ったのかも公開されていませんが、おそらく公平性を担保するためでしょう、今年の試飲試験は全員不合格ということになりました。その結果、24人のマスター・ソムリエ合格者のうち、前年に試飲試験に受かっていた一人を除いて、今年の合格者はなくなりました。

サンフランシスコのレストラン「アングラー(Angler)」のソムリエ長であるモーガン・ハリスが2018年の唯一の合格者となりました。「これまで5年間、試験についての情報が漏れてくることは全くなかったし、特に試飲試験についてはそういうことが起こるのは信じられない。誰が漏らしたのか想像もできない」と述べています。