今年6月に「マリファナ栽培に門戸を開いたサンタ・バーバラ、さまざまな軋轢」という記事でサンタ・リタ・ヒルズに世界最大のマリファナ農園が造られようとしていることを報じましたが、実際にいくつかの問題が起こっていることが明らかになっています(California's Largest Legal Weed Farms Face Conflict In Wine Country)。

その記事にも書いたように、マリファナは残存農薬(防カビ剤や殺虫剤)が全く認められていません。検知された場合は製品として流通できないことになります。そのため、近隣のブドウ畑では高価で効能の低い有機系の防カビ剤などに変えざるをえなくなったところがあります。ブドウの収穫量にも影響が出る可能性があります。同じような問題はさまざまな地域で、さまざまな農産物との間で起こっています。

2016年の投票で娯楽用のマリファナ解禁が決まった後も、実際にマリファナ畑(基本的にはビニールハウスで、年に5回も収穫できるとのこと)を作れるかどうかは、各郡での判断によっています。現在のところ半分以上の郡では禁止されています。

その中で、サンタ・バーバラは許可の件数が843。2位のハンボルト郡が653、3位のメンドシーノが305、4位のモントレーが280ですから群を抜いているといった状況です。

郡のスーパーバイザーによると、当初は非合法な栽培を合法な栽培に転換させるという目論見もあって、やや許可が甘くなっていた面があるとのこと。現在はもう少し絞る方向にあるようです。

カリフォルニア大学で経済学を教えているピーター・ルパートによると、サンタ・バーバラにおけるワイン産業は1億2000万ドル程度だったのに対し、マリファナは1億8000万ドルにもなるとのこと。税収アップをもくろむ郡にとっては大きな収入になります。