今、カリフォルニアで最もホットなワインメーカーの一人といってもいいでしょう、ビビアナ・ゴンザレス・レーヴのワインがきています。

2017年まで(2018年も収穫まで担当しているとのこと)ワインメーカーを務めたパルメイヤー(Pahlmeyer)とそのソノマ・コースト部門のウェイフェアラー(Wayfarer)では、パルメイヤーのシャルドネが2017年のワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれたり、ウェイフェアラーのピノ・ノワールがワイン・エンスージアストで99点、ワイン・アドヴォケイトで最高97+など、高評価が続出しました。ワイン・アドヴォケイトでは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンがウェイフェアラーだけの記事を書くほど高く評価しています。私も2016年に初めて試飲して以来、注目を続けているワイナリーです。

【2018年のセミナー報告はこちらから】
再注目のパルメイヤー、ゴージャスなシャルドネとシルキーなメルローに驚き
まだまだ進化中のウェイフェアラー、ピュアなシャルドネに感激、ピノ・ノワールに感嘆

彼女自身の評価ももちろん高いです。2015年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。ヴィナスのアントニオ・ガッローニも彼女を「米国でも最も才能がある若いワインメーカーの一人」と評しています。

パルメイヤーとウェイフェラーをやめた彼女が、現在注力しているのが自身のワイナリーであるカトレヤ(Cattleya)と、夫でピゾーニのワインメーカーであるジェフ・ピゾーニと一緒に手掛けるシェアード・ノーツ。今年から輸入が始まっています。

カトレヤのワインはピュアな果実味があり、とてもエレガント。シャルドネはミネラル感があり、同時にすごく柔らかさを感じました。ピノ・ノワールもとてもエレガント。スタイルとしてはIPOBなどバランス重視派に近いと思いますが、純粋な美味しさがあるので多くの人に好まれるワインだと思います。ちなみにカトレアでは単一畑のシャルドネやピノ・ノワール、シラーも作っていますが、今回はAVAものだけが入っています。どちらも希望小売価格は8500円。実際には7000円台で売っている店もあり、品質から見たらかなり割安感があります。



一方、シェアード・ノーツはソーヴィニヨン・ブラン2種だけを作るというユニークなワイナリー。シルバーオークのダンカン家が持っているトゥーミーの畑メリーノからのソーヴィニヨン・ムスケ(ソーヴィニヨン・ブランの一種で非常に香り高いクローン)などのブドウを使っています。

ワインはレ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)とレ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)の2つ。レ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)の方はロワールのスタイル、レ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)の方はボルドーのスタイルとのこと。

レ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)はとにかく香りが素晴らしい。ミネラル感も強くきりっと引き締まった味わい。素晴らしいです。レ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)はセミヨンが24%入っており、その分柔らかく、複雑さが増しています。全然違うスタイルですが、どちらも品質は極めて高いです。希望小売価格はどちらも1万1000円と高いですが、それだけのレベルはあると思います。

ワインの品質はどれも素晴らしいですが、難点は数が少ないこと。どれも生産量はわずか100ケース(1200本)ほど。当然日本に入って来ている数も2桁のかなり小さい方です。カトレヤの方は2カ月ほど前から入荷して既に店頭在庫もごくわずかになっています。購入するならお早めにどうぞ。