先日紹介したワイナートのカリフォルニア・ピノ・ノワール特集で取り上げられていたワイナリーの一つがオー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)です。筆者の立花さんは「筆者は常々、オー・ボン・クリマのワインはその極めて高い品質に比べて、価格付けが穏当、というか、はっきりいて『まあ、なんてお買い得!』と感じてきた人間のひとりだ」とそのコスパ具合を紹介しています。

私も今年2月の記事「ガッローニ96点で5000円台のピノか95点で4000円台のシャルドネか」で「実はカリフォルニアのシャルドネ、ピノ・ノワールの中でも抜きん出て、と言っても過言ではないくらいコスト・パフォーマンスが高いのがオー・ボン・クリマです」と書いており、立花さんには全面賛同しております。

さらにオーナーのジム・クレンデネンによると、フラグシップのピノ・ノワールであるイザベルについて「イザベルは、次のヴィンテージが25年目になる。名前の由来になった長女が、この春25歳になるからな。25年間、俺はこのワインの価格を1ドルたりとも値上げしなかった」とのこと。

私がカリフォルニアのピノ・ノワールを飲み始めた1990年代末のころ、イザベルの価格は1万円前後。当時は堀賢一さんが著書の中でDRCと間違えそうになったワインとして紹介したことでなかなか手に入らないワインでもあったのですが、今の価格は6000円台と、国内で見たらむしろ安くなっています。その頃、同じくらいの価格だったナパのカベルネなどは2倍3倍の価格になっているのが当たり前ですから、オー・ボン・クリマのコスパ具合は群を抜いています。

特に2016年はイザベルと、弟の名前を付けたノックス・アレキサンダーのどちらもがヴィナスで96点という過去最高の評価。ノックスはまだ国内は2015年までのようですが、イザベルは2016年も入ってきています。エレガント系が好きならイザベル、骨格がしっかりしたピノ・ノワールが好きならノックスがお薦めです。


ノックス2014はヴィナスで94、2015は93。評価がやや低い2015でさえ「絶対的にゴージャス」と書かれています。