ワイン・サーチャーにオレゴンのマルベックについての記事が出ていました(Malbec: Southern Oregon's Rising Star | Wine-Searcher News & Features)。

オレゴンというとピノ・ノワールのイメージが強いと思います。実際生産量の6割がピノ・ノワールと圧倒的です。2番めに多い品種はピノ・グリで14%。全体の1/4となる残りを10種程度の品種が分け合う形であり、どの品種もせいぜい数%という量です。

ボルドー系の品種やシラーなどは、オレゴンの北部では以前から作られています。ワラワラ・ヴァレー(Walla Walla Valley)やコロンビア・ヴァレー(Columbia Valley)はワシントン州のAVAというイメージがありますが、実際にはオレゴンにまたがっていて、内陸で温暖なためボルドー系品種がそのあたりでは主流です。

ただ、今回注目と言っているのはローグ・ヴァレー(Rogue Valley)やアムクワ・ヴァレー(Umpqua Valley)という、オレゴンの南端、カリフォルニアとの境界に近いところです。

従来、この地域で中心となっているのはテンプラニーリョでした。温暖な気候が長く続くカリフォルニアと異なり、オレゴンは緯度が高いため夏が短く、秋になると急に涼しくなります。夏の間は乾燥して暑く、テンプラニーリョが主要な品種であるスペインのリオハなどと近い気候です。

この気候はマルベックの産地であるアルゼンチンのウコ・ヴァレー(Uco Valley)にも似ており、マルベックにも合っていることがわかってきました。マルベックが熟すには暑さが必要ですが、熟すのにかかる期間は他のボルドー系品種よりも短いからです。

この地域の土壌の多様性もマルベックに向いているとのこと。

また、この地域のマルベックはボルドー系というよりもピノ・ノワールのようなフレッシュさを持っているそうです。

気になるワインではありますが、おそらく日本には全く入ってきていないと思います。オレゴンのテンプラニーリョも日本で見たことはないです。