ナパのケークブレッド・セラーズ(Cakebread Cellars)の創設者であるジャック・ケークブレッドが4月26日に亡くなりました。92歳でした(Jack Cakebread, Photographer Turned Napa Vintner, Dies at 92 | Wine Spectator)。おわかりになるようにワイナリー名は名字そのものです。意外と知らない人が多いのでは。

ジャック・ケークブレッドはカリフォルニアの生まれ。父親はオークランドで車の修理業者を始めた人でした。10歳のときにコントラコスタ郡に農場を購入してアーモンドやくるみ、ストーンフルーツなどを育てるようになりました。

ジャックは父親の車の修理業を手伝いながらフリーランスで写真家もやっていました。

1972年に「The Treasury of American Wines」という書籍の仕事でナパに行き、ラザフォードの友人宅で食事をしました。そのときに友人に、いつか土地を売るときがあったら僕が買うよといったところ、その日の午後に電話があり、土地を購入することになりました。

その後は近隣に土地を買い足したり、カーネロスにシャルドネやピノ・ノワールのための畑を買ったりして現在に至ります。環境に気を使っているワイナリーの代表格の一つでもあります。

ジャックは2002年に社長を息子のブルースに譲りましたが、2015年まではCEOを続けていました。一緒にワイナリーを始めた妻のドロレスは2020年に亡くなっています。

ナパを築いてきた一人がまた亡くなりました。ご冥福をお祈りします。

ケークブレッドのフラッグシップはこのワイン。パーカー100点を取っているそのものです。


廉価版のブランドもあります。