ワイン業界にも激震、シリコンバレー銀行破綻の影響は?」の続報です。ナパにワイナリー専門のオフィスを持ち、ワイナリーの顧客も多いシリコンバレーバンクが3月10日に経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入りました。

預金者は法律で保護されるのは25万ドルまで。特に、シリコンバレーのIT企業では給与支払いなどの資金繰りへの影響が懸念されていましたが、米政府が預金の全額保証を発表したため、パニック的状況が起こることは避けられたようです。

ただし、今後については予断を許さないところもあります。今後シリコンバレーバンクのアセットは他の銀行などに売却されていくことになります。それによって、今後の融資などがどうなるか。ワイナリービジネスに理解のある担当者がいないと、これまで融資されていたような案件でも融資が難しくなるかもしれません。

また、ワイン業界にとって最大の関心事は毎年2月に発表される「Stete of the Industry Report」が来年以降どうなるか、です。同レポートの執筆者であり、シリコンバレーバンクのワイン部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントだったロブ・マクミラン氏のところにも同様の問い合わせが多数来ているそうです。

レポートの執筆者は一人ですが、動画などさまざまな面を含めると数十人のスタッフが関わっているというプロジェクトであり、これまでは無償でレポートを公開してきたわけですが、かなりの費用がかかっています。スポンサーの申し出などもあるようなので、何らかの形で継続していく可能性が高そうですが、ロブ・マクミラン氏自身の今後が決まっていないので不透明な部分も多いです。

また、もう一つ近年作っていたDtC(direct-to-consumer)のレポートは今年は作れないだろうとのことです。