もりだくさんのイベントもいよいよ最後のディナーです。最後は「ナパヴァレー・ライブラリー・ワイン・ディナー」と称し、オーパス・ワン(Opus One)やコルギン(Colgin)などナパを代表する名ワインが振る舞われるディナーです。しかも各ワイナリーからワインメーカーなどが直々に列席し、話を聞けるというこの上ない贅沢なものです。

会場となったのはクインテッサ(Quintessa)です。ラザフォードに広大な自社畑を有し、貯水池まで持っています。

もう、この美しさだけですごいですよね。今回は建物の中はほとんど見られなかったのですが、テイスティング・ルームなどもとてもいいそうです。またゆっくり来たい。

で、ウェルカムワインがQuintessaのソーヴィニヨン・ブランIlluminationの2021年だったのですがこれがまたきれいで美味しいのです。今回ウェルカムワインでソーヴィニヨン・ブランを何回もいただきましたが、その中でも特筆できる美味しさでした。

ワインとディナーにいらっしゃった方を紹介しておきましょう。
コルギンは2006年のIX Estateです。マスター・ソムリエで共同CEOのポール・ロバーツさんが来場予定でしたが、急な事情で今回はダニエルさんという方の参加となりました。


ダラ・ヴァッレ(Dalla Valle)は2013年のマヤ(Maya)。いらしたのは今のワインメーカーのマヤさん御本人です。これまでオンラインミーティングでしゃべっているところを拝見することはありましたが、言葉を交わすのは初めてです。ちょっとクールですが、予想以上に気さくな方でした。日本にも実は毎年2回くらい来ているそうです。お母様の実家の神戸やスキーで北海道などに。

自分と一緒の写真を撮ってもらうことは少ないのですが、今回は例外です。

次はグレース・ファミリー(Grace Family)。ワインは2006年のグレース・ファミリー。いらっしゃったのはワインメーカーのヘレン・ケプリンガーさん。ヘレンさんももちろん会うのは初めて。来年くらいには日本に来たいそうです。席が遠くてあまりお話はできませんでしたがエレガントで素敵な方でした。


オーパス・ワンからは2007年のオーパス・ワン。いらっしゃったのはワインメーカーのマイケル・シラッチさんです。

2007年は初めて無灌漑での栽培に挑戦した年だったとのこと。ただ、無灌漑はいろいろ大変で収穫量も減り、今ではやっていないそうです。マイケル・シラッチさん、紙の名刺は持たず、オンラインの名刺にアクセスするQRコードを見せてくれるというなかなかユニークな方。料理の写真もスマホで撮っていましたし、意外とネット好きなのかもしれません。大物で最初はちょっと取っつきにくい感じもありましたが、細かい質問も嫌がらずに丁寧に教えてくださいました。

クインテッサからは2014年のクインテッサ。そして2016年のイルミネーションも供されました。出席されたのはワインメーカーのレベッカ・ワインバーグさん。珍しくちょっとシャイな感じの方でした。クインテッサからはジェネラルマネージャーのロドリゴ・ソトさんも。オンラインミーティングでは何回かお会いしていたのですが、リアルに会うのは初めてで、今回とても会いたかった人の一人だったので嬉しかったです(その割に写真撮るの忘れましたが)。


シェーファー(Shafer)は2012年のヒルサイド・セレクト。いらっしゃったのはワインメーカーのイライアス・フェルナンデスさん。ダグ・シェーファーさんとは何度もお会いしていますがイライアスさんとは初めて。あまり表に出て来ないのは人付き合いが好きじゃないのかと思っていたのですが、むしろ真逆でした。うるさいほどに(笑)よくしゃべる人。面白かったです。


最後にスポッツウッド(Spottswoode)からは、あえて難しい年だった2011年のスポッツウッド。いらっしゃったのはワインメーカーでヴィンヤード・マネージャーでもあるアーロン・ワインカウフさん。ご挨拶くらいしかできなかったのがちょっと残念でした。


料理ももちろん美味しかったのですが、ワインに圧倒されてあまり記憶にありません。




ワインの説明や感想を記していきます。

クインテッサのソーヴィニヨン・ブラン、イルミネーションはウェルカム・ドリンクの2021年のほか、2016年のワインが食事のときに供されたのですが、これがまた2021年を超えて美味しかったのです。熟成によって、酸は少し落ち、オレンジのような風味に白い花の香り、濡れた石や草のニュアンスも少しあります。ナッツの風味も加わり複雑さは倍増です。私がこれまで経験したソーヴィニヨン・ブランの中では間違いなくトップクラスの味わいでした。

2006年のグレース・ファミリーは何よりもエレガントさが際立っていました。重さを感じないワイン。赤黒果実に熟成によるハーブやきのこの風味も。

2006年のコルギンIX(ナンバーナイン)エステートも、リッチでグリップのある味わいですが、こちらも重くなくきれいなワイン。香りが素晴らしく、ミネラル感も感じます。

2007年のオーパス・ワンは前述のように灌漑なしに挑戦した年でしたが「災害一歩手前」だったそうです。翌2008年も収量少なく、現在は灌漑なしはやめています。この年のもう一つの特徴がプティ・ヴェルドをカベルネ・ソーヴィニヨンと一緒に発酵させるようになったこと。互いにいいところを引き立て合うようになったそうです。2001年からオーパス・ワンで働いているマイケル・シラッチさん、「誰のためにワインを作っているのか?」と聞かれたときには「2人いる。ロバート・モンダヴィとロスチャイルドだ」と答えたそうです。これには感動している人が多くいました。
ワインの味わいは、バランスの良さがともかく秀逸。どこをどうとってもよくできているワインです。本当に素晴らしい。熟成したオーパス・ワンは久しぶりでしたが、感服しました。

スポッツウッドはあえて難しい年の2011年でした。アーロン・ワインカウフさんがワインメーカーになって初めて作ったワインとして持ってこられました。非常に香り高く、これもきれいなワイン。シェーファーのイライアスさんは、自分のスピーチのときにまず最初に「彼がワインメーカーとしての最初の年が、この困難な年で、これだけ素晴らしいワインを作ったことを称えたい」と言ったほどです。

そのシェーファーは2011年の次の年の2012年。別の意味で難しい年で、収量が非常に増えてしまい、結果としてクオリティが伴わなかったワイナリーが多く出てしまいました。2011年が非常に収量が少なかったので、それを補おうという面もあったと思います。シェーファーではかなり収量を切り詰めることでクオリティを維持しています。1984年にシェーファーに入り、今年でもう40年目になるというイライアスならではの安定したワイン造りが伺えました。タバコやスパイスなどの複雑な風味がでてきてよかったです。

ダラ・ヴァッレのマヤはカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのブレンドで、カベルネ・フランが40%程度入ります。ナパのカベルネ・フランの可能性を示した最初のワインとも言われており、ロバート・パーカーが100点を付けた2つ目のカリフォルニアワインとしても知られています。2013年は前のワインメーカーのアンディ・エリクソンの時代のもの。これも香りの豊かさとエレガントさが際立っていました。

クインテッサは2014年のワイン。ここは前述のようにかなり広い畑を持っており、土壌の要素も場所によって様々に分かれています。それらをブレンドすることですばらしいワインを生み出しています。非常に複雑味のあるいいワインでした。


最後に参加者一同から列席した方々や、すべてのアレンジをしてくれたナパヴァレー・ヴィントナーズの方々に感謝を述べて、お開きになりました。