中川ワインの試飲会で美味しかったワイン(2023年秋)中盤
中川ワインの試飲会から後半です。なお、ピゾーニのワインについては「ピゾーニファミリーの輸入元は中川ワインに」をご覧ください。
まずはジンファンデルから、ペドロンチェリ・ジンファンデル・ブッシュネル・ヴィンヤード2021。ペドロンチェリは以前から中川ワインが輸入していますが、今回ラベルが変わりました。ワインもこれまでより少し高級ワインをめざしているようです。このジンファンデルもかなりタニックでパワフル、複雑味があります。
ベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデルは個人的にも大好きなワイン。今回の2021年はテクスチャもよく、ジューシーで旨味にあふれています。
ジャム・セラーズのバターといえばシャルドネのイメージですが、カベルネ・ソーヴィニョンもあります。バターの名に恥じないリッチ系の味わいですごく美味しい。カベルネ・ソーヴィニヨンの入門として飲んでほしいワイン。
デコイの上級版リミテッド・シリーズのカベルネ・ソーヴィニョンは5000円以下カベルネ・ソーヴィニヨンの中でトップクラスの味わい。
シャルドネでも紹介した新入荷のリンカーン・セラーズのカベルネ・ソーヴィニョン。ナパのヨントヴィルのブドウを使っており、ヨントヴィルらしい酸の高さと複雑味があります。
これも新入荷のナパのティストリアというワイナリー。リンカーン・セラーズがヨントヴィルの中心部のブドウを使っているのに対し、こちらはヨントヴィルの西側。ドミナスなどのある方面です。非常にバランスよく複雑さもあり美味しい。リンカーンとどちらがいいかは迷いますが個人的にはこちらに軍配を上げます。
ホーニッグのカベルネ・ソーヴィニョンはナパのカベルネ・ソーヴィニョンの中でも定番といっていいでしょう・ラザフォードの自社畑のブドウを中心にしています。黒鉛のような緻密な風味。複雑さがあって美味しい。
2010年代にナパで急成長したカベルネ・ソーヴィニョンの一つがテイクン(Taken)でした。モダンなラベルと価格を上回る品質で一躍人気ブランドになりましたが、それを始めたのがジョシュ・フェルプス。ドミナスなどでワインメーカーを務めたクリス・フェルプスの子供です。テイクンはトリンチェロと一緒に始めたのですが、2017年に持ち分をトリンチェロに売却。新たに自身のワイナリーとして始めたのがグラウンデッド(Grounded)です。写真のワインはそのグラウンデッドのステディ・ステートというカベルネ・ソーヴィニョン。ナパ各地のブドウをブレンドしており、バランスよく美味しい。
今回は、これまでやや手薄に感じられていた5000円から1万円未満のカベルネ・ソーヴィニョンが非常に充実しています。新入荷のものも多く、大変勉強になりましたが、このキャッターウォウル(Caterwaul)がその真打かもしれません。なんとワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。彼が作るカベルネ・ソーヴィニョンの中では最安ではないでしょうか。このブランドは彼がナパで6世代目の農家を継いだマット・ハーディンと組んで作るもの。キャッターウォウルというのは猫のギャアギャア鳴く声のことですが、二人の言い合う姿からこの名前を取ったそうです。それだけ真剣に取り組んでいるということなのでしょう。ブドウはハーディンの管理するポープ・ヴァレーやスタッグスリープなどの畑のものを使っています。トーマス・リヴァース・ブラウンらしい濃密な果実味ときれいな酸がありレベルが高い。彼のワインの入門としてもお薦めです。
そのトーマス・リヴァース・ブラウンといえばシュレーダーで名を馳せたわけですが、シュレーダーの廉価版で昨年はワイン・スペクテーターで年間1位を取って話題を呼んだのがダブル・ダイヤモンド。新入荷の2021年からはラベルが変わりました。相変わらずリッチで濃厚な味わい。世界で唯一モンダヴィ(コンステレーション)のト・カロンとベクストファー・ト・カロンの両方のブドウを使った贅沢なワイン。
スタッグリンからは今回営業のアンバー・ミーナさんが来日。別ブースでの試飲でした。スタッグリンはナパのラザフォードを代表するワイナリーの一つ。カベルネ・ソーヴィニョンとシャルドネをファーストとセカンド(サルース)の2つだけ作るというシンプルな製品構成。どれもナパらしい素晴らしい果実味を持ち、洗練さも感じさせる味わいです。今回知ったのはシャルドネはサルースとスタッグリンで使っているクローンが違うとのこと。サルースはマウント・エデンなどのカリフォルニアで使われているクローン、スタッグリンはムルソー由来のクローンだそうです。どちらもMLFはなし。リッチでパワフルですがきれいな味わいなのはそのためでしょう。
スタッグリンのカベルネ・ソーヴィニョンは洗練された味わいが特徴。ラザフォードのマヤカマス側のいわゆるラザフォード・ベンチのワインとしてトップの一つでしょう。おそらくライバルはイングルヌックのルビコンだと思いますが、ルビコンがボルドースタイルのクラシックな味わいなのに対してスタッグリンはモダンナパ系の味わい。セカンドのサルースもファーストほどの複雑さはないものの素晴らしいワインです。
今日の記事で最後までいくつもりでしたが、寝る時間がなくなりそうなので、残りは次の記事で!
まずはジンファンデルから、ペドロンチェリ・ジンファンデル・ブッシュネル・ヴィンヤード2021。ペドロンチェリは以前から中川ワインが輸入していますが、今回ラベルが変わりました。ワインもこれまでより少し高級ワインをめざしているようです。このジンファンデルもかなりタニックでパワフル、複雑味があります。
ベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデルは個人的にも大好きなワイン。今回の2021年はテクスチャもよく、ジューシーで旨味にあふれています。
ジャム・セラーズのバターといえばシャルドネのイメージですが、カベルネ・ソーヴィニョンもあります。バターの名に恥じないリッチ系の味わいですごく美味しい。カベルネ・ソーヴィニヨンの入門として飲んでほしいワイン。
デコイの上級版リミテッド・シリーズのカベルネ・ソーヴィニョンは5000円以下カベルネ・ソーヴィニヨンの中でトップクラスの味わい。
シャルドネでも紹介した新入荷のリンカーン・セラーズのカベルネ・ソーヴィニョン。ナパのヨントヴィルのブドウを使っており、ヨントヴィルらしい酸の高さと複雑味があります。
これも新入荷のナパのティストリアというワイナリー。リンカーン・セラーズがヨントヴィルの中心部のブドウを使っているのに対し、こちらはヨントヴィルの西側。ドミナスなどのある方面です。非常にバランスよく複雑さもあり美味しい。リンカーンとどちらがいいかは迷いますが個人的にはこちらに軍配を上げます。
ホーニッグのカベルネ・ソーヴィニョンはナパのカベルネ・ソーヴィニョンの中でも定番といっていいでしょう・ラザフォードの自社畑のブドウを中心にしています。黒鉛のような緻密な風味。複雑さがあって美味しい。
2010年代にナパで急成長したカベルネ・ソーヴィニョンの一つがテイクン(Taken)でした。モダンなラベルと価格を上回る品質で一躍人気ブランドになりましたが、それを始めたのがジョシュ・フェルプス。ドミナスなどでワインメーカーを務めたクリス・フェルプスの子供です。テイクンはトリンチェロと一緒に始めたのですが、2017年に持ち分をトリンチェロに売却。新たに自身のワイナリーとして始めたのがグラウンデッド(Grounded)です。写真のワインはそのグラウンデッドのステディ・ステートというカベルネ・ソーヴィニョン。ナパ各地のブドウをブレンドしており、バランスよく美味しい。
今回は、これまでやや手薄に感じられていた5000円から1万円未満のカベルネ・ソーヴィニョンが非常に充実しています。新入荷のものも多く、大変勉強になりましたが、このキャッターウォウル(Caterwaul)がその真打かもしれません。なんとワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。彼が作るカベルネ・ソーヴィニョンの中では最安ではないでしょうか。このブランドは彼がナパで6世代目の農家を継いだマット・ハーディンと組んで作るもの。キャッターウォウルというのは猫のギャアギャア鳴く声のことですが、二人の言い合う姿からこの名前を取ったそうです。それだけ真剣に取り組んでいるということなのでしょう。ブドウはハーディンの管理するポープ・ヴァレーやスタッグスリープなどの畑のものを使っています。トーマス・リヴァース・ブラウンらしい濃密な果実味ときれいな酸がありレベルが高い。彼のワインの入門としてもお薦めです。
そのトーマス・リヴァース・ブラウンといえばシュレーダーで名を馳せたわけですが、シュレーダーの廉価版で昨年はワイン・スペクテーターで年間1位を取って話題を呼んだのがダブル・ダイヤモンド。新入荷の2021年からはラベルが変わりました。相変わらずリッチで濃厚な味わい。世界で唯一モンダヴィ(コンステレーション)のト・カロンとベクストファー・ト・カロンの両方のブドウを使った贅沢なワイン。
スタッグリンからは今回営業のアンバー・ミーナさんが来日。別ブースでの試飲でした。スタッグリンはナパのラザフォードを代表するワイナリーの一つ。カベルネ・ソーヴィニョンとシャルドネをファーストとセカンド(サルース)の2つだけ作るというシンプルな製品構成。どれもナパらしい素晴らしい果実味を持ち、洗練さも感じさせる味わいです。今回知ったのはシャルドネはサルースとスタッグリンで使っているクローンが違うとのこと。サルースはマウント・エデンなどのカリフォルニアで使われているクローン、スタッグリンはムルソー由来のクローンだそうです。どちらもMLFはなし。リッチでパワフルですがきれいな味わいなのはそのためでしょう。
スタッグリンのカベルネ・ソーヴィニョンは洗練された味わいが特徴。ラザフォードのマヤカマス側のいわゆるラザフォード・ベンチのワインとしてトップの一つでしょう。おそらくライバルはイングルヌックのルビコンだと思いますが、ルビコンがボルドースタイルのクラシックな味わいなのに対してスタッグリンはモダンナパ系の味わい。セカンドのサルースもファーストほどの複雑さはないものの素晴らしいワインです。
今日の記事で最後までいくつもりでしたが、寝る時間がなくなりそうなので、残りは次の記事で!