最近買ったワインの本でお薦めを紹介します。

まずは『ゼロからスタート! 紫貴あきのソムリエ試験1冊目の教科書』。アカデミー・デュ・ヴァンの紫貴先生の書かれたソムリエ/ワインエキスパート受験用の入門書です。

この本のいいのは、とにかくさらっと分かりやすく書いてあり、ストレスなく読めること。ソムリエ/ワインエキスパートの教本はA4サイズで900ページ近くもあり(今年のページ数は未確認ですが)、とにかく重いし、文字も多く、見るだけで押しつぶされそうになり、プレッシャーを感じる人がほとんどだと思います。本書はA5判で200ページちょっと。単純に面積だけ考えても8分の1ですし、基本的に左ページは文章、右ページは図版になっていますから実質的にはもっとずっと少ないです。また、見開き単位で構成されていますから、適当に開いたページを読むといった使い方もできます。
null

逆に言うと、これだけで試験に合格することは絶対にできません。例えばフランスのAOCがどんなものかは書いてありますが、具体的にどういうAOCがあるかといった項目はありません。あくまでも勉強のイントロダクションとして使う本です。そういう意味ではこれまである程度ワインの勉強をしたことがある人はわざわざ買わなくていいかもしれませんが、ワインの勉強をどこから始めたらいいかわからない、といった人には、この本で概要をつかんでから、教本や、他の受験用の参考書を見ることで、よりすっきりと内容が頭に入ってくるだろうと思います。試験を受けない人にとっての入門書としても使えます。


ゼロからスタート! 紫貴あきのソムリエ試験1冊目の教科書



もう一つは『WINE ブラインドテイスティングの教科書』。鈴木明人さんが書かれた本です。副題に「科学的アプローチからワインを理解して品種を当てる」とあるように、化学物質にまで落とし込んでワインの香りや味わいを分析し、それを品種などを考える際にどう使うかを解説しています。著者の鈴木明人さんは製薬会社に勤務する薬剤師であり、化学はお手の物というわけで、理系的な人間にとってはとても納得感がいく解説になっています。

ブラインドテイスティングを楽しむ人だけでなく、一般のワイン愛好家やソムリエ/ワインエキスパートを受ける人にとっても役に立つ内容だと思います。ただ、内容はかなり高度なのですべてを自分のものにしていくのはかなり大変です。一気に読んで内容を理解するというよりも、一つひとつゆっくり咀嚼して身に着けていくのがいいのかなと思います。私もかなりゆっくり時間をかけて読んでいます。


WINE ブラインドテイスティングの教科書 科学的アプローチからワインを理解して品種を当てる