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Date: 2011/0729 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン評論家として著名なヒュー・ジョンソン氏が40年近く住んだ家が売りに出されています(Hugh Johnson's home on the market)。

エセックスにあるこの家,ワインセラーだけで5部屋あるとのこと。敷地は4.8ヘクタールなので,ざっと220m四方というとんdめおない広さです。

なお,価格は280万ポンド。日本円にして約3億4000万ドル。売却の理由はロンドンに引っ越すからだそうです。

いやあ,すごいですね。
Date: 2011/0725 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オーストラリアのアデレード港でワインを詰め込んだコンテナがフォークリフトから落下し,中に入っていたワイン,約100万ドル相当がほぼすべて失われてしまいました(Whoops! $1 million worth of wine spilled – This Just In - CNN.com Blogs)。

このワインMollydooker Velvet Glove shiraz 2010は定価185ドルという超高級ワイン。コンテナには5544本が詰め込まれていましたが,わずかに1ケースだけが残ったとのことです。

Mollydookerは2005年からワインを作り始めた新しいワイナリ。2006年のMollydooker Velvet Glove shirazはWine Advocate誌で99点を付けており,2007年も98点,2009年は97+と,その高価格に恥じない評価を受けています。

覆水盆に返らずといいますが,壊れてしまったボトルのワインは元に戻りません。このワイナリの売上の3分の1を占めるということであり,仮に保険でカバーできたとしてもショックは隠せないようです。
Date: 2011/0722 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイナリ・ツアーの計画は意外に面倒なものです。訪問したいワイナリの候補を作り,移動時間を調べ,予約を取り,ランチをいつどこで取るか考え,などなど,様々な要素を考えなければいけません。特に,ツアーの満足度を高めるには「予約のみ」のワイナリを組み込むのは必須であり,希望通りの時間に予約できないことも珍しくありません。こういった,手間のかかるワイナリ・ツアー計画を立てるのにすごく役立ちそうなサイトgovine.comができていました。

行くワイナリをリストアップして,道順や移動時間を調べたり,ホテルや飛行機,レンタカーの予約をしたりワイナリに予約リクエストを送ったり,といったことがワンストップでできます。

サイトへの登録から見ていきましょう

» 続きを読む

Date: 2011/0720 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアには3000近くのワイナリがありますが,スパークリング・ワインを作っているところとなると,おそらく20とか30とかくらいしかないのではないでしょうか。スパークリング・ワインの消費はカリフォルニアの4.6%と,まだまだ少ないのですが,それにしてもワイナリ数が比例するとしたら100以上はあってしかるべきだし,2010年の消費は前年より10%も増えているなど,伸びているカテゴリーでもあります。ワインライターのW. Blake Gray氏は,その理由が税金ではないかと述べています(The Gray Report: Why aren't there more sparkling wine producers? Taxes. )。

スチル・ワインの場合,アルコール度数が14.0%未満だと1ガロン当たり1.07米ドルの税金(1本当たり21セントくらい)かかり,14.0%以上だと1.57米ドル。これがスパークリング・ワインだと3.40米ドルと倍以上に上がってしまいます。

さらに年間生産量が25万ガロン(約10万ケース)未満の小規模ワイナリの場合,スチル・ワインでは1ガロン当たり90セントの控除が受けられるのに,スパークリングではこれがありません。したがって,この場合1ガロン当たりの税金はそれぞれ0.17ドル,0.67ドル,3.40ドルと,スパークリング・ワインは5倍あるいは20倍もの税金を課せられてしまうのです。

Gray氏は,このような高い税金は,禁酒法が解けたあと,高いシャンパーニュを飲む富裕層に向けて課さられたのではないかとしています。

理由はどうあれ,この高い税金がカリフォルニアでスパークリング・ワインを作るときの障壁の一つであることは確かなようです。近年ではオレゴンのArgyle,ワシントンのChateau Ste. Michelle,ニュー・メキシコのGruetなどカリフォルニア外で良いスパークリング・ワインが生まれる傾向もでてきています。

定番の生産者が高品質なワインを変わらずに作ってくれているのはもちろんいいことですが,新しい生産者が増えることでの分野の活性化というのは見逃せないところ。税金が変われば状況も変わるのであれば,ぜひそうあってほしいと思います。
Date: 2011/0715 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週のことですが,表題のイベントに参加してきました。「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」とは,20万部を超えるという大ヒットになった「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」の著者カーマイン・ガロ氏の最新作。前作がプレゼンに話を絞っていたのに対して,本書ではイノベーションを実現するための組織論が主題になっています。

初来日となった今回のイベントではイノベーションを実現するカギとして「パッション」と「ビジョン」に絞って話をしたガロ氏。さすがに話が上手です。Q&Aでは日本にビジョンのある会社はあるのか,といった暗くなってしまうような話もあったものの,ともかく個人としてはパッションとビジョンを持ち続けていきたいと思える前向きなものでした。

また,セミナー後の懇親会では久々にお会いした高校の大先輩や,シリコンバレーで起業したいという頼もしい後輩などと話もでき,僕も大いに刺激を受けました。ついでに,といっては何ですが,プレゼント大会ではEvernoteのTシャツをゲット。ありがとうございました。

集合写真
左から翻訳者の井口さん,日経BP社編集者の中川さん,カーマイン・ガロ氏,解説の外村さん,一部で「知子部長」として知られている日経BP社の高畑さん,今回の通訳を担当した滑川海彦さん(TechCrunchやFacebook本の翻訳などでも知られています)

と,イベント報告だけで終わってもいいのですが,この本の場合,読んで終わってしまうのではあまりにももったいない。やっぱり自分のパッションやビジョンを常に考える必要があるだろうと思うのです。

カリフォルニアワインの場合,ロバート・モンダヴィが「ナパを世界でトップクラスのワイン生産地にする」というビジョンを持ったことが今につながっているのは明らかです。ビジョンはどれだけ重要か,言うまでもないでしょう。

私も,このブログのオーナーとして「カリフォルニアワイン」にこれからもパッションを持ち,「カリフォルニアワインを日本でもフランスに負けない高品質なワインとして認めてもらう」ことをビジョンとして行きたいと思います。




Date: 2011/0713 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの人気ワイナリHess Collectionがソノマのピノ・ノワール・プロデューサMacPhailを買収しました(Hess Collection Buys Sonoma's MacPhail Wines)。ブランドと在庫を買い取るものの,ソノマのHealdsburgにあるワイナリ設備はMacPhailが維持するとのことです。

MacPhailによると,今回の売却は,ワイン作りに専念するためのものだとのこと。2002年にワイナリを設立し,ピノ専業でワインを作ってきたものの,次第にセールスに割く時間が増えていっていることにフラストレーションを募らせていたようです。

Date: 2011/0710 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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The American Association of Wine Economistsの研究によると,57%のワインはラベルに書いてあるよりもアルコール度が高かったそうです(Wine alcohol strength 'systematically' understated on labelling)。例えば13.1%とラベルに記載されているとき,実際のアルコール度の平均は13.6%。0.5ポイントの違いがありました。

チリ,アルゼンチン,米国が全体に「偽アルコール度」が多かったところですが,フランスやイタリア,スペインといった平均的にはアルコール度が低い地域も例外ではなかったとのこと。

研究者は,温暖化やワイン作りのテクニック向上がアルコール度の上昇に結びついており,それが主な理由ではないか,としています。

米国だと14%を超えるかどうかで税金が変わるため,14%未満か以上かはちゃんと測ると言われていましたが,実際のところはどうなのでしょうね? マニアほどアルコール度が高いワインを「熱っぽい」として避ける傾向がありますが,うまく作られたワインでは,アルコール度が高くても意外と気づかないといった話もあります。

参考までに,W. Blake Gray氏がSiduriのAdam Leeとアルコール度当て勝負をした記事がありますのでご覧になることをお勧めします。勝者は意外なところにいました(The Alcohol Challenge: Me vs. Adam Lee)。
Date: 2011/0709 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパは30年後にはプレミアム・ワインの産地から脱落するかもしれないと,スタンフォード大学の研究者が発表しています(Napa 'unsuitable' for premium wine in 30 years: study)。

その研究ではサンタ・バーバラ,ナパ,オレゴンのYamhill,ワシントンのWalla Wallaの気候変動を調べています。結果として2040年には半分以上の地域がプレミアムワイン用のぶどう作りに向かなくなる一方で,オレゴンやワシントンの一部の地域は,よりよい条件になってくるとのことです。

条件としては2040年までに温室ガスが23%増えることを想定しています。その結果地球の気温が平均1℃上がるとしています。

そのとき,上記の四つのエリアでも平均気温が上がると同時に摂氏35℃を超えるような「猛暑日」も増えます。ナパでは気温が1.1℃,猛暑日が10日増え,不適合な地域が増えるとのことです。

サンタ・バーバラではワイン作りに適した地域が20%減り,ワシントンのコロンビア・ヴァレーでも30%減ります。一方でオレゴンのウィラメット・ヴァレーではワイン作りに適した地域が増える見込みだといいます。

研究の著者によると,生産者は,45日の猛暑日にも耐えるような品種を選択するか,枝の伐採,灌漑などで樹の温度を下げる工夫をしなければいけなくなるだろう,とのことです。
Date: 2011/0708 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌のカリフォルニア担当James Laube氏によると,2009年のカリフォルニア・ピノ・ノワールは史上最高の出来ではないかとのこと(California’s 2009 Pinot Noirs Might Be Best Ever, Wine Spectator Says | Shanken News Daily)。

これまでのところ半数以上のワインが90点超の評価とのことで,これまでにない状況だといいます。

もっとも「史上最高」かどうかについては,「リリース直後に飲む」のか「完全に熟成して飲む」のか,などによrっても変わってくるとのこと。

なにはともあれ,Good Vintageで酒のつまみになりそうなネタが入ってくるのはいいことです。
Date: 2011/0707 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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かつてのSharoshooterやApple Mothのさわぎのように,害虫はカリフォルニアのワイン産業にとって重要な問題です。古くからフクロウなどは,虫の駆除に役立つとされていましたが,実はコウモリが貢献しているという話が出ていました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Bats Battle Bugs in California Vineyards)。

特に近年では持続可能なワイン作りということで,薬の使用も最低限にしたいという要望があります。コウモリは人知れず活躍してきたようです。
Date: 2011/0706 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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6月末のニュースですが,Galloがセントラル・コーストにあるEdna Valley Vineyardを買収すると発表しています(Gallo Winery Buying Edna Valley Vineyard | News | News & Features | Wine Spectator)。

Edna Valleyは1980年にDiageoとParagonのジョイント・ベンチャーとして設立された年間30万ケース生産の中規模ワイナリ。シャルドネが中心で,シラーやピノ・ノワールも作っています。

地元のSan Luis Obispoのワイナリは今回の買収を喜んでいる様子。Galloの力でEdna Valleyの名前が広がることを期待しているようです。
Date: 2011/0702 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌195号で6本のワインがロバート・パーカーから100点と評されたVérité。まだまだ知られていないし,私も実はきちんと調べたことがありませんでした。いい機会なので,どういうワイナリなのか紹介させていただきます。

Kendall-Jacksonの創設者として知られるJess Jackson(先日残念ながら亡くなられてしまいました)がVéritéを設立したのは1998年のこと。ボルドーの七つのシャトーでワインメーカーやテクニカル・ディレクタをしていたピエール・セラン(Pierre Seillan)を招いて「ペトリュスと同じくらいいいメルローを作りたいんだ」と言ったそうです。ソノマの土地を見て回ったピエールの回答は「どうして(ペトリュスより)もっといいワインを作らないの?」でした。以来,ソノマの山麓の畑のブドウを使って,その土地を表現したワインを作っています。

畑は四つ。Alexander Mountain Estateは標高900フィートから2400フィート。メルローとカベルネ・ソヴィニョンが植わっています。火山性の痩せた土壌です。標高550~629フィートのJackson ParkはBennettヴァレーにあり,砂地でメルローに最適です。標高500フィート~960フィートのKnights ValleyにあるKellogはカベルネ・ソヴィニョンとメルロー。Vérité Valeはチョークヒルにある畑でMerlotのほかカベルネ・フラン,プチ・ヴェルドが植わっています。標高は160~225フィート。

ワインは3種。La Museはポムロールにインスパイアされたメルロー中心のブレンド。La Joieはポイヤックを意識したカベルネ・ソヴィニョンのブレンド。Le Désirはサンテミリオンに経緯を評したカベルネ・フランを多く使ったもの。例えば2007年はカベルネ・フランが44%,メルローが44%,カベルネ・ソヴィニョンが8%,マルベックが4%となっています。

パーカーによると,ここのワインは極めて長熟型につくられており30~50年持つとのことです。例えば,今回100点を取った2001年のLa Museは飲み頃が2016年~2056年!。気を長くして飲みましょう。

ワイナリは予約をすればテイスティング可能です。テイスティング・フィーは50ドル。ワインを購入すれば返金されます。約2時間かかるというから,半日費やすつもりで訪問しましょう。


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Date: 2011/0701 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の195号が発行されました。カリフォルニアの主担当を外れたパーカーが、過去ビンテージの試飲結果を発表したのですが、これがなんだかすごいことに。

パーカー担当のパートは四つに分かれており、良年と言われる2001年のカベルネ水平、BeringerのCabernet Sauvignon Private Reserve垂直、Veriteの水平垂直、Colgin Cariadの垂直となっています。

Veriteではこれまで発表されていた2本の100点ワイン(Le Joie 2007、Le Desir 2008)に加え、La Muse 2008、La Muse 2007、Le Desir 2007、La Muse 2001と4本が100点に。La Muse 2008なんて今年2月に96点だったのから100点なのですから「ちょっとパーカーさん、それは変えすぎなんじゃない」と言いたくなるほどです。

Colgin Cariadは2005年と2007年が100点。2005年は96+という評価からのランクアップです。

2001年のカベルネは、当初の評価ほど良くないのではないかという話も出てきていましたが、今回新たに6本が評価を上げて100点になるなど(前述のLa Museのほか、Lokoya、Bont St. Eden、Abreu Madrona Ranch、Abreu Thorevilos、 Shafer Hillside Select)、やはり高評価です。ただ、当初97-100だったByrantが90点(2003年12月の評価では91点)に落ちるなど、落ちているのがないわけではありません。

この発表を受けて早速うごいたのが柳屋。Colgin Cariad 2005を税抜3万6000円で出しています。このワイン米国では400ドル~700ドル。実質的にはこちらの方が安いくらいです。



Veriteあたりもこれから動き出しそうな気がします。