Archives

You are currently viewing archive for 2017
Date: 2017/1107 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
コンティニュアム(Continuum)のティム・モンダヴィの息子、カルロとダンテがナパを離れてソノマで作ったワイナリーがレイン(Raen)です。
参考:
モンダヴィ家の最新ワイナリーはピノ専業で高評価
【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜 ←余談ですが、これ本当に力作なんです。モンダヴィ関係でだれがだれだかわからなくなったら、僕もこの記事で復習しています。

記事タイトルでも「ピノ専業」などと書いてしまっていますが、実はシャルドネも始めているんだよということで、最初のヴィンテージを早速購入されたKさんからお誘いを受けました。

ワイン会にきちんとは参加できなかったのですが、ちょっとでもということでずうずうしく試飲だけさせてもらいに行ってしまいました。場所は赤坂の「あじる亭 カリフォルニア」です。
ConundrumのスパークリングとRaenのシャルドネ
レインだけいただくつもりだったのですが、ほかに持ち寄られたワインもいただいてしまいました。本当に恐縮です。

まずは、ケイマス系列のコナンドラムが25周年で作ったスパークリングという珍しいワインです。軽いイースト香、花の香りやメロンの風味など、ヴィオニエ風の味わいに、アフターをちょっと引き締めるような軽い苦味はソーヴィニヨン・ブラン由来でしょうか。セパージュの詳細は明らかにされていませんが、白のコナンドラムと基本的に同じだそうです。スパークリングとしては比較的酸がおだやかなので、ふだんスパークリングを敬遠している人でもすいすい飲めるようなワインです。

次が本命のレインのシャルドネ。2016年で畑はソノマ・コースト(AVAはフォートレス・シーヴュー)のチャールズ・ランチ。フランスワイン風のラベルは畑の名前よりも「フォートレス・シーヴュー」というAVAの名前が目立つユニークなデザイン。

image
ボトル番号が振ってあり、111番というのは奇しくもこの日の日付11月1日と重なっています。

オレンジなど柑橘系の香りが、びっくりするような濃度で押し寄せてきます。飲んでみると、意外と果実味は少なく、エレガントさが引き立つ味わい。酸はかなり強め。ハーブやいわゆるミネラルっぽさなど、果実味以外の要素がしっかりと感じられるワインなので、5年以上熟成させると魅力がさらに上がってくるのではないかと思いました。カリフォルニアワインファンからすると、もう少し果実味を前面に出してもいいのでは、という気もしました。

a.p. vin garys
次はA.P. Vinのピノ・ノワール ゲイリーズ・ヴィンヤード2014。ゲイリーズのワインを飲むのも久しぶりです。A.P.Vinは、ローリングやオーガスト・ウエストなどの流れを引くワイナリーですが、比較的エレガントなワインを作るとされています。一方、ゲイリーズは、サンタ・ルシア・ハイランズの3大著名畑と言っていいピゾーニ、ゲイリーズ、ロゼラズの中でも芯の太いワインができるので有名な畑。エレガント系かボールド系かどちらに行くのだろうと味わってみると、煮詰めたジャムのような、あま苦さがあり、これはまさにゲイリーズ。久しぶりにこの味飲みました。最近、ピノ・ノワールもかなりエレガントな方向にスタイルが移行していますが、ここまでゲイリーズらしさを打ち出すのは、逆にすがすがしいですね。個人的には好きです。

参考:A. P. Vin: 新世代ピノ・メーカーの筆頭格

Switchback Ridge
最後はナパのワイナリー「スイッチバック・リッジ」のカベルネ・ソーヴィニヨン2002。15年たって果実味が落ちてきて、それ以外の要素が次第に出てこようとしている感じのワイン。もうちょっと時間をかけて味を引き出したかったです。

ワイン持ち寄られた方々、ごちそうさまでした。
Date: 2017/0829 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
タブラス・クリークはフランスはローヌ地方の名門、シャトー・ド・ボーカステルがカリフォルニアのセントラル・コーストに作ったワイナリーです。有機農法のぶどう作りやワイン作りなど、ボーカステルをなぞったような内容になっています。

エスプリ・ブラン・ド・タブラス

今回飲んだのはその白ワインブレンド「エスプリ・ブラン・ド・タブラス」。

酸味は穏やか。白桃のような柔らかい果実の味わい。グイグイ押してくるワインと言うより、控えめに受け止めるようなワイン。飲みやすく、すいすい飲んでしまいそう。ちょっと危険です。

ラベル見ていなかったらヴィオニエかなあという感じ。実際はルーサンヌが64%でグルナッシュ・ブランが26%など。ルーサンヌとか普段飲まない品種はわからないですね。
Date: 2017/0726 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
お薦めした以上、うなぎでワイン飲みました。ちゃんとジンファンデル。しかもベッドロック。

ただ、お薦めしたオールド・ヴァインがなかったので、Lorenzo's Heritageです。本当はもうしばらく寝かしておきたかったワインですが、勢いで開けちゃいました。
Bedrock Lorenzo's Heritage 2012

うなぎは鹿児島産。220g以上あるとのことだったので、2人で1匹分です。高いしね。
うな丼

写真でわかるようにかなり肉厚です。山椒は京都で買ったものをたっぷりめに。香りがいいです。

ロレンツォズ・ヘリテージはかなりスパイシー。果実感よりも、スパイスを強く感じます。アルコール度数は15.4%と高いですが、重さはさほどありません。やっぱりいいワインだなあ。うなぎの山椒ともよく合いました。

美味しかったです。

今年は8月6日にも土用の丑の日があります。お試しあれ。

Date: 2017/0717 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
久しぶりにスポッツウッドのソヴィニョン・ブランを開けました。2011年はソノマのブドウが55%でナパが45%という作り。

ソヴィニョン・ブランとしては比較的酸はおだやか。白桃やメロンといったとろっとした感じのフルーツの風味を感じます。かといってヴィオニエ的にはならないのはやっぱり酸のおかげなのか。

昨日の記事の話ではないですが、熟成してブーケが出て来るといったタイプのワインではないと思います。2011年のワインとしては、今が飲み頃最後の時期かもしれません。
Spottswoode



Date: 2017/0716 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
1997年のカベルネ・ソーヴィニョンを比較して飲んでみましょうという会に参加させていただきました。

5本のワイン

一番左がボルドーのワイン(シャトー・オー・ベルジェイ)で、後は左からスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(Stag's Leap Wine Cellars)のCask23、リッジ(Ridge)のモンテベッロ(Monte Bello)、シルバーオーク(Silver Oak)のアレキサンダー・ヴァレー(Alexander Valley)、ピーター・マイケル(Peter Michael)のレ・パヴォ(Les Pavots)とそうそうたるワインばかりです。

なお、ワインをご提供いただいたのはリッジで醸造家を務める大塚食品ワイン部の黒川さん。そのほかの方々も布袋ワインズの川上社長など、こちらもそうそうたるメンバーでした。

レストランは南麻布の「ルエ ヴェル ロール」。千葉和外ソムリエのレストランです。料理長が代わってからは初めての訪問。

今回のテーマとなった1997年のカベルネ・ソーヴィニョンですが、2000年ころ、このヴィンテージのワインが出てきたころには大変な評判の高さでした。例えば、ロバート・パーカーはスクリーミング・イーグルやハーラン・エステート、ブライアント・ファミリーなどに100点を付けており、満点のワインがまだまだ珍しかった当時としては大変な大盤振る舞いでした。2000年前後のいわゆる「カルト・ワイン」のブームが最高潮だったのもこのころと言っていいでしょう。

ただ、この年は非常に温暖で収穫量も多く、果実味豊かな半面、酸が少なく、熟成力は意外と低めだったことがだんだんと判明してきました。近年ではむしろ、難しい年として評価が低かった1998年の方が、おいしく熟成するという意見の人がかなり多くなっているようです。

そういうわけで、期待が高い一方で、ちょっと心配な面もあるのが1997年のワインです。

普通のワイン会であれば、まず泡で乾杯したり、最初1杯は白を飲んだりするものですが、今回はいきなりカベルネ・ソーヴィニョンで開始です。しかも5本のうち3本を一気に比較です。
最初の3本
グラスの順番は上のボトルと違います。
左からシャトー・オー・ベルジェイ、モンテベッロ、Cask23

最初にこの3本を選んだのは、スタイルが共通するから。ボルドーのワインはもちろん、Cask23やモンテベッロはクラシカルなスタイルで果実味に頼らないワイン作りを信条としています。それが故に評論家の評価は低めに出ることも多くなっています(例えばCask23の1997年はWSで88点、モンテベッロ1997年はパーカーが90-91点)。

ただ、ソムリエの千葉さんによると、ワインの風味のうち果実味による部分と果実味以外による部分を分けると、果実味は年数が経つと次第に落ちていくのに対して、果実味以外のタバコやスパイスなどの風味は逆に増していくとのこと。これらクラシカルなスタイルのワインは果実味以外の要素がしっかりとあるので、1997年のワインであってもしっかりと熟成するはずだ(上記のような1997年は熟成しないという意見には当てはまらない)とのこと。

では、Cask23から飲んでみましょう(Facebookで川上さんの的確で詳しいコメントを見てしまったのでものすごく書きにくいですが、素人ということで許してください)。

インクや鉛筆の芯のフレーバー、カシスなどの果実味も少し感じます。酸はそれほど強くなく、ふくよかさとやわらかさもあります。

Cask23は、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズの有名な2つの畑「FAY」と「SLV」をブレンドしていますが、FAYは比較的やわらなかな味わいで、SLVは骨格がしっかりした味だとのこと。Cask23は、若いときはSLVと比べてややぼんやりした味にも思われるときがあるそうですが、熟成すると非常にバランスがいいワインであることがよくわかります。実はこれまでほとんど飲む機会がなかったワインであり、今回やっとその実力を味わえました。

次にモンテベッロ。

香りがとても特徴的です。よく熟成したワインで湿った土とか枯葉の香りといいますが、僕の印象だと枯葉というよりも、牧草や芝がちょっと発酵しているときのような、ちょっともわっとした懐かしい香りに感じました。
Cask23よりも酸が強く、筋が通った印象。果実味はCask23よりも少なめですが、骨格のしっかりとした味わい。個性は違いますがCask23と甲乙つけがたいレベルです。

3つめはシャトー・オー・ベルジェイ。

なめし革のような獣っぽい香りが特徴。これもしっかりと熟成しており、おいしいです。

残り2本はモダンなスタイル。千葉ソムリエによると、こういったモダンなスタイルは元々フルーツ以外の要素がほとんどないので、熟成しても新たにそれが出てくるということはあまりないとのこと。

後の2本
左がPM、中央がシルバーオーク

シルバーオークは今でもフルーツの香りがあります。ソフトな味わい。元々アレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョン自体、ソフトさが身上なので、そのスタイルは残っているといっていいでしょう。もっと落ちちゃっているのではないかとちょっと心配だったワインですが、意外と今でも美味しく飲めます。アルコール度数は13%台なので、最近のワインと比べるとまだ低め。過熟感がなかったのが幸いしたのかもしれません。

ピーター・マイケルもカシスやブルーベリーなど果実の味わいがいまだ優勢。この日のワインの中ではちょっとアルコールの高さによると思われる熱っぽさがありますが、個人的には全然許容範囲です。千葉さんによると、おいしく飲むためであればもっと温度を低く提供するとのこと。今回は比較のために温度も同じにしてあるので、ピーター・マイケルとしてはちょっと不利だったかもしれません。

同じヴィンテージのワインでもスタイルによってこれだけ熟成が違うというのは、実際に味わうと驚きがありました。モンテベッロやCask23の真の実力を改めて感じました。

最後に料理を紹介します。個人的には「鮎のコンフィ カダイフを纏わせて」がすごく好きでした。ガスパチョに水なすを入れて「味変」させるのも面白い。
前菜盛り合わせ
ガスパチョ(with 水茄子)
鮎のコンフィ カダイフを纏わせて
和牛内もも肉のグリル バルサミコ風味のソース
デザート

ちなみに、カベルネ5種飲んだあと、最後はシャンパーニュで締め。このパターンは初めてでした。

ご一緒いただいた方々、ありがとうございました。
Date: 2017/0619 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
ちょうど1年前のナパ・ツアーでいただいたスプリング・マウンテン(Spring Mountain Vineyard)のワイン(ハーフボトル)を開けました。

Spring Mountain

ナパのカベルネ系としては、それほど濃厚というわけではなく、ミディアム・ボディからややフル・ボディ。カシスやブラックベリーの風味、軽くスパイスや紅茶のフレーバー。タンニンはまろやかになっており、シルキー。これはおいしいです。

カベルネ・フランの印象が少し強いような気がしたので、2~3割入っているかと思いましたが、カベルネ・ソーヴィニョンが86%でカベルネ・フランは12%、メルロー2%でした。

スプリング・マウンテン、日本ではあまり見かけないワイナリーですが、果実味を主張しすぎないあたりの味わいは結構日本人好みなのではないかなあと思います。エチケットはちょっと地味すぎるかなあと思いますけどね…
Date: 2017/0612 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
ちょっとおいしい白が飲みたくなって、セラーから何となく引き抜いてみたワインがオー・ボン・クリマのシャルドネ ニュイ・ブランシュ・オー・ブージュ2007でした。もったいない気はしましたが、飲みごろを過ぎてしまってももったいないので勢いで開けてしまうことに。

オー・ボン・クリマ、ニュイブランシェ

10年前のヴィンテージですが、ワインは予想以上にフレッシュで、やわらかな酸味が心地よいです。果実味もまだあり、ナッツの風味と合わさって、すばらしいアンサンブルを奏でます。こんなに美味しいとは、とちょっと驚くほど。個人的には96点くらいあげたい。

この後の熟成がどうなっていくのかはよくわかりませんが、おそらくまだ4~5年は相当おいしく飲めるのではないでしょうか。

先日から価格の話をよく書いていますが、このワインは多分買ったときは4000円くらいだったと思います。ニュイ・ブランシュは今も4000円台で買えますから価格あまり変わっていないですね。

1万円程度のシャルドネと比べても全く見劣りしないワインです。オー・ボン・クリマがお買い得というのはこれまでも何回か書いていますが、あらためてそう思いました。

Wassy'sさんには2004年の在庫があります。これも今がいいころかも。


あとは2012年か2013年ですね。2012年は残り僅少。


Date: 2017/0608 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
リースのワインはいくつか飲みましたが(最近飲んだワイン~リース・ピノ・ノワール・ファミリー・ファーム・ヴィンヤード2012最近飲んだワイン~リース(Rhys) ピノ・ノワール・ベアワロー・ヴィンヤード 2012最近飲んだワイン:リース・ピノ・ノワール・ホースシュー・ヴィンヤード2013最近飲んだワイン:リース・ピノ・ノワール・アルパイン・ヴィンヤード2013)、シャルドネは初めてです。

Rhys

リースのワイン、ある程度時間がかかるイメージがありましたが、このワインは意外と早く熟成が進んでいる印象です。色はゴールドで比較的濃く、酸味は比較的おだやか。白桃やトロピカルフルーツの香り、ナッツの風味。風味が爆発するというよりも、抑制が効いた感じが他のリースと、やや共通するものがあるように感じました。

ヴァーナーがサンタ・クルーズ・マウンテンを去ってしまい、サンタ・クルーズ・マウンテンのピノ・ノワール、シャルドネは今後リースと、マウント・エデンがリードしていくのでしょう。これからにますます期待したいワイナリーです。



Date: 2017/0413 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
コンビニワイン買いの9本 レベルに驚嘆、価格に感嘆|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE」という記事で紹介されていた、ファミマで売っているオーストラリア・ワイン「Heyword」を試してみました。フルボトルが税込みで498円という1コイン以下の値段。

Heywood


あっさりしていて飲みやすいです。「フルーティーさのなかに桃やマスカットのような華やかなアロマがあり、ほどよいボディーもある」と書いてありましたが、ボディはあまり感じなかったかな。でも安ワインにありがちな嫌な味はなかったので、すいすい飲めてしまいます。正直言って1000円以上出すかと言われると微妙なレベルではありますが、500円は文句なく安いです。

欲を言えば、これが250mlで200円程度で飲めたらもっと嬉しいです。コンビニでワインを買うときって、ちょっと夜に飲みたいとかそういうシチュエーションだと思うんですよね。フルボトルだと最低でも2、3日は続けて飲まないといけないからちょっと敷居が高いです。

というわけで、次はセブンイレブンで250mlのを買ってみたいと思っています(通り道にないのが難点ですが)
Date: 2017/0407 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
サンタ・クルーズ・マウンテンズを代表するピノ・ノワール/シャルドネのプロデューサーがリース(Rhys)です。以前、2本のワインをいただきましたが(「最近飲んだワイン~リース・ピノ・ノワール・ファミリー・ファーム・ヴィンヤード2012」、「最近飲んだワイン~リース(Rhys) ピノ・ノワール・ベアワロー・ヴィンヤード 2012」)、今度は2013年のものをピノ・ノワール2本(500mlボトル)とシャルドネ1本(ハーフボトル)いただきました。

Rhys

その中からまずはアルパイン(Alpine)ヴィンヤードを試飲しました。

畑は太平洋から16kmほどのところ、標高360~450m、最大斜度40%という斜面の畑です。プリシマ層(Purisima Formation)という石灰質の地層のようです。かなり涼しく、急斜面で、根を伸ばすのも大変そうなブドウにとっては過酷な畑のようです。夏場でも最高気温は25℃くらいです。

ワインの色は意外と濃いです。若干濁っているような感じもあります。ベリーに花の香り。味わいは赤系の果実と青系の果実が7:3くらいの感じ。以前飲んだファミリー・ファームが完全にブルゴーニュ寄り、ベアワローが完全にカリフォルニア寄りという感じでしたが、これはその間、どちらかというとベアワローに近いかもしれません。

まだ若さを少し感じます。タンニンもしっかりしています。酸がきれいなのはリースの特徴の1つでしょう。青系の果実味がある程度入ってきても重さを感じずにすうっと飲めてしまいます。

リースのワインは熟成能力もかなりあるようなのですが、これだけおいしいと熟成させるまで我慢するのが大変ですね。

ちなみにWine Advocate誌では94点、Decanter誌では95点だそうです。

Date: 2017/0401 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
登美の丘ブラッククイーン2014

コストコで売っていた日本ワインです。エッチングが施されたボトルが何やら高級感を醸し出しているので、ちょっと期待して買ってみました。価格は2000円台後半だったと思います。

写真で分かるように、いろはかなり濃いです。プチ・シラーか何かのよう。味わいも濃いのかと思ったのですが、果実味乏しく、酸がかなり勝った味わい。わずかにスパイスも感じますが、やはり酸っぱい。

結局1本開けるのに5日もかかってしまいました。日にちが経つにつれ、酸もだんだんなじんでそれなりに飲みやすくはなりましたが、残念ながら美味しいと思える味ではなく。

もしかしたら、自分の舌がカリフォルニアワインに慣れすぎているからかもしれませんが、日本ワインの赤で納得できる味のものにはなかなか出会わないですね(そもそもまだほとんど飲んでないですが)。

こんな僕をギャフンと言わせる(古!)ようなワイン、教えてください
Date: 2017/0328 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
コスタ・ブラウンのマイケル・ブラウンが作る、新たなピノ・ノワールのプロジェクトがサーク(Cirq)です。

過去記事:
これから伸びてきそうなカリフォルニアのワイナリ
マイケル・ブラウンの新プロジェクト「Cirq」のワインが日本入荷
マイケル・ブラウンの「Cirq」はむちゃくちゃ美味しかった

このサークの2011年から2013年までを試飲する会に参加してきました。

キスラーとサーク

サークはピノ・ノワールしか作っていないので、白ワインはキスラーのシャルドネでした。ヴィンテージは2012年で畑はハドソン(Hudson)とデュレル(Durell)です。

ハドソンはメロンやパイナップルのようなトロピカル・フルーツのフレーバー。バニラ、濃厚ですが、酸がしっかりしているので嫌味ではありません。いかにもカリフォルニアなシャルドネですが、美味しいです。時間が経つと柑橘系が出てきて、より美味しくなってきました。

デュレルはもっとミネラリーな感じ。香りにも塩っぽさがあります。オレンジやレモンなど柑橘系の味わいに、樽の風味が加わり、これも美味しいです。個人的にはデュレルの方がハドソンよりわずかに好印象。でもどちらも美味しいです。キスラーのシャルドネも久しぶりに飲んだような気がしますが、やっぱり美味しいなあと改めて思いました。

余談ですが、自分的評価ではハドソン94点、デュレル95点としていたのですが、パーカーの評価はハドソン96点、デュレル94点。ハドソンが「sexiest」というのは納得ですが点数はちょっと違いました。

サークはツリーハウス(トゥリーハウス、Treehouse)が2011、2012、2013の3本。ブートレガーズ・ヒル(ブートレッガーズヒル、Bootlegger's Hill)が2013年の1本。これまでリリースされたワイン全部です。

ツリーハウスは太平洋から8マイル(13km弱)のところにある畑。AVAはロシアン・リバー・ヴァレーのようですが、おそらくソノマ・コーストにも入っているのではないでしょうか。標高230mくらいの高さがあり、霧のかかるラインよりも上なので、太平洋からの距離が近い割には、昼間の気温があがり、日照もいい畑になっているようです。地質は鉄分に富んだ火山性のもので、保温性が高く、それで果実がよく熟すとのこと。

【追記】ツリーハウスは先日紹介したリヴァース・マリーで使っているシルバー・イーグル(またの名をUV-SL)の隣だそうです。ただし、地質はだいぶ違っており、ツリーハウスは真っ赤、シルバー・イーグルは茶色がかっているとのことです。

一方のブートレガーズ・ヒルも標高は同じくらいですが、地質はゴールドリッジ。軽い砂状の地質で水はけがいいのが特徴です。ツリーハウスよりも少し気温が低いことと、水はけのよさによってブドウの樹が水不足のストレスをより受けることで、ツリーハウスよりもエレガントなワインができるとのこと。

【追記】ブートレガーズ・ヒルはツリーハウスから2kmほど南だそうで、ソノマ・コーストに入っているようです。

まずはツリーハウスの2011年から。第一印象はちょっと熱にあたったかのような感じがあり、ワインの要素がばらけてしまっていました。実は2011年だけが国内の小売店から買ったもので、その他は米国から直接買ったものです。購入後は定温倉庫にずっと預けていたワインなので、流通の過程に何か問題があったのかもしれません。ただ、時間を置くと赤系の果実味がだんだん出てきてワイン自体の味も好印象になってきたので、ワインが閉じているフェーズだった可能性もあります。

ツリーハウスの2012年はバランスよく、明るい味わいのおいしいピノ・ノワール。すごくきれいな味わいです。

ツリーハウスの2013年は思わず「おいしい」と口に出てしまうほどおいしいピノ・ノワール。この中では一番濃く、赤系の果実味だけでなく、ブルーベリーのような青系の果実味もかなり含まれています。ただ、コスタ・ブラウンのような濃い甘系ではなく酸がすごくしっかりとしていてバランスがきちんと取れています。

ブートレガーズ・ヒルの2013年もツリーハウスの2013年に負けていません。旨味が半端なく、おいしいより前に「うまい」と思いました。確かにツリーハウスよりエレガントですが、深みがあります。「シャンボール的」と評していた人もいました。

サークも独断と偏見で採点すると、2011が91点、2012が93点、2013年がどちらも96点。これも今、パーカーの点数を見てみました。パーカーの評価は2011年はなく、2012年が93点、2013年のツリーハウスが97点、ブートレガーズ・ヒルが96点。かなり近いですね。やっぱりパーカーは濃い系の方が評価高いのでしょうか。

どちらもまだ若い畑のようなので、これからもっと美味しくなるでしょうね。コスタ・ブラウン的なワインを期待するとちょっと違う印象になりそうで、むしろコスタ・ブラウンと関係なく飲むのがいいのではないかと思います。カリフォルニアのトップ・レベルのピノ・ノワールの1つだとあらためて思いました。コスタ・ブラウンと比べると知名度が低いので、日本では今のところ入手もそれほど難しくはなさそうです。2013年が日本に入ってくるときは要チェックですよ。

おまけでこの日の持ち込み料理から「黒柳牧場の中ヨークシャー×デュロックの塊肉」をプレゼしたもの。肉も脂もげきうま。
豚肉のプレゼ

チョコレートが絶妙においしいHUGO&VICTORのケーキ。
image

さくらはまだまだ。一番咲いているところで3分咲き程度。目黒川の花見クルーズの船が寒そうでした。
さくら

Date: 2017/0327 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
Seven Deadly Zins

今や米国ナンバーワンのジンファンデル・ブランドとなったマイケル・デイヴィッドのセブン・デッドリー・ジンズ(Seven Deadly Zins)を飲みました。ヴィンテージは2013年です。

マイケル・デイヴィッドは、ロバート・パーカーがここのワインだけの記事を書くほどのお気に入りでもあり、ロウダイを代表するワイナリーになったといっても過言ではないでしょう。

想像していたのは、むちゃくちゃパワフルで甘いジンファンデルだったのですが、飲んでみたら予想以上にバランス重視派。甘みよりもしっかりとした酸を感じるジンファンデルでした。もちろん、ジンファンデルらしさもあるし、果実味もたっぷりあります。

マイケル・デイヴィッド プティ・シラー 

これより前に、同じワイナリーのプティ・シラー「プティ・プティ」を飲んだのですが、こちらも予想以上のいいバランスでしたが果実味爆発度では上でした。ヴィンテージは2014年。

何を求めるかにもよりますが、個人的にはマイケル・デイヴィッドを飲むときは、濃厚で甘い味わいを欲しているような気がして、セブン・デッドリー・ジンズはちょっと肩透かしな感じがあったのは否定できません。なお、パーカーの評価はどちらも90点です。

Date: 2017/0212 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
image
またまた教えてもらって「鶴齢」を作っている新潟・青木酒造の「雪男」の活性にごり酒を飲みました。メーカーサイトによると1000本限定だとか。

このお酒、活性と書いてあるように発泡しています。スパークリングワインのように、栓がワイヤーで止めてあるのではなく普通のスクリューキャップなので、吹かないようにするために冷蔵保存が必須とのこと。

飲んでみると、シュワシュワ発泡が楽しく、旨味もしっかりあって、新鮮な味わいでした。スパークリングワインとは方向性が違う感じですが、面白いお酒です。

ボトルデザインもかわいいです。

Date: 2017/0117 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
ピーター・マイケルのシャルドネ2種とピノ・ノワール2種、それに加えてオーベールのシャルドネ2種を試飲する会に出席しました。
Peter Michaelの会

オーベールはカーネロスとソノマ・コーストのシャルドネ2013。2カ月前に「オーベールのちょい古ヴィンテージを試飲、ピノとシャルドネで意外な結果」で紹介したのは2009年でしたが、そのときはソノマ・コーストが好印象でした。

今回はカーネロスの方がソノマ・コーストよりも芳醇な味わい。トロピカルフルーツというより柑橘系が勝った印象ですが、すっぱ過ぎもせず、バランスもよく、かなりいいできのシャルドネだと思いました。

ソノマ・コーストは第一印象は予想以上にリーンでしたが、時間が経つとレモンやパイナップルの風味が出てきてだいぶよくなってきました。ソノマ・コーストの方が味わいが落ち着くまで時間がかかるのでしょうか。

なお、AVAものといっても、それ用にブドウを購入しているわけではなく、単一畑としてボトリングしなかったものを使っているので、カーネロスであればハイド、ソノマ・コーストであればリッチーのブドウが中心というとても贅沢なAVAものです。ローレンなどの爆発的味わいこそないですが、非常によくできたシャルドネですので、オーベールの入門用には最適かと思います。

さて、本番のピーター・マイケルですが、シャルドネが2014年のBelle CoteとLa Carriere。ピノ・ノワールが同じく2014年のLa Moulin RougeとLe Capriceです。

Belle Coteは濃密な果汁が印象的。色もかなり濃く、中身が詰まった感じがします。非常に芳醇でいいワインですが、バランスが少し難しい印象もあります。状態によっては濃いだけのワインに感じられてしまうこともありそう。ポテンシャルはありますが、開けるときによっていい方に転ぶかどうか心配になりそうです。ちなみにパーカーは98点をつけています。

Carriereはリッチでふくよかですが、Belle Coteのように行き過ぎる心配のないおいしいシャルドネ。個人的には100点満点で97点くらいあげたいワインでした。美味しかったです。ちなみにパーカーは95点。

Le Moulin Rougeはサンタルシアハイランズのピゾーニのブドウを使ったピノ・ノワール。ピゾーニらしい濃厚さやアメリカン・チェリーのようなダークな果実の味わいがありますが、全体的には上品なワイン。果実味よりもスパイス的な味わいをやや強く感じました。なお、低温劣化しているのではないかという話もありましたが、僕はよくわかりませんでした。パーカーは90点。

Le Capriceはより赤系の果実味が感じられるワイン。これも低温劣化かという話がありましたが、美味しかったです。個人的には95点くらいあげたい。パーカーは92点。



Date: 2017/0112 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
10日は誕生日でした。すき焼きを作るというので、開けてみたワインはマイケル・デイヴィッドのプティ・シラー「プティプティ(Petite Petit)」。ヴィンテージは2014年、コストコで購入したワインです。

マイケル・デイヴィッド プティ・シラー "プティ・プティ" 

プティ・シラーとプティ・ヴェルドのブレンド。紫色の濃いワインですが、飲んでみると予想したほどの濃厚さではなく、むしろバランスの良さが目立ちます。カシスやブルーベリーなど青系の果実の豊かな風味に、軽くスパイス。いやあ、これはなかなかおいしいですね。プティ・シラーでこのレベルのものに出会えるチャンスはあまりありません。

象の絵が印象的なラベルもなかなかです。

今はコストコにもありませんが、また入らないかなあ。

Date: 2017/0105 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
正月のお節にはやっぱりワインよりも日本酒を飲みたくなります。いつもは720mlのボトル1つを三が日で空けるくらいですが、今年は珍しく2本買ってみました。どちらも近所の酒屋で売っていたものですが、限定品のようです。
お正月用に買った。どちらも限定品らしい #獺祭 #無濾過 #鶴齢 #五百万石 #日本酒 #大吟醸 #特別純米

獺祭はもう説明必要ないほど有名ですよね。山口県の旭酒造が作る日本酒で、吟醸酒以上に特化しています。杜氏がおらず、データを中心にした管理をするなど、ビジネスモデル的にも面白いところです。下の本で、その逆転ストーリーが読めます。



今回買った獺祭の「槽場汲み(ふなばぐみ)」は日本酒としては珍しく無濾過で作られる酒。低温で保管する必要があるため、獺祭の取り扱い店舗の中でも、蔵元が選んだところだけに出荷しているそうです。

もう一方の鶴齢は新潟の青木酒造が作る日本酒。2015年に新潟に旅行に行ったときに買ったものが美味しく、その後も何度か飲んでいます。今回買った「五百万石」は、その名前の原料米を使ったお酒。醸造後半年、蔵で熟成してから出荷しています。

獺祭は華やかで、コクがあるお酒。無濾過だけあって旨味が非常にあります。かなりボリュームを感じます。

鶴齢は、熟成による旨味に加え、キレもあるお酒。コクでは獺祭に譲りますが、家族はこっちの方が好きとのこと。僕はちらかというと、獺祭かなあ。どちらもいいお酒だと思います。