セカンドワインが全くないもの(ロコヤなど)、レイティングなどが公表されていないもの(オーパス・ワンなど)は除き、またプライド・マウンテンのリザーブに対しては普通のカベルネ・ソーヴィニヨンをセカンドワインという位置づけとするなどしております。
セカンドワインはそれほど熟成させて飲まないでしょうから2005年から2016年までが調査対象です。
では結果を発表しましょう。
ファーストの方も再掲しておきます。
93点を超えたのはプランプジャック(Plumpjack)のカベルネ・ソーヴィニヨンと、スケアクロウ(Scarecrow)のセカンド、ムッシュ・エタン(M Etain)。ただ、ムッシュ・エタンはセカンドといっても4万円近くするので、オーパス・ワンあたりとほとんど変わらない価格です。
ちなみに、セカンドワインは価格のバラツキが大きく、10万円近くするスクリーミング・イーグルのセカンド・フライトから1万円を切るナパヌックや、リッジ、ジョセフ・フェルプスのレギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンまであります。お買い得かという観点からすると、価格も含めて見たほうがいい気がします。
それを考えるとスクリーミング・イーグルやハーラン、スケアクロウのセカンドは他のファーストか、それ以上の価格にもなるので、コストパフォーマンスでは今ひとつです。やはりこれらのファーストの雰囲気を味わいたいという目的が中心になるように思います。
ボンドのメイトリアーク(Matriarch)も2万円台なので、インシグニアやドミナスあたりとさほど変わらない価格。ハーラン系では圧倒的に安いワインですが、純粋に評価と価格という面で見るとそれほどではありません。
その点、プランプジャックのカベルネ・ソーヴィニヨンやシェーファーのワンポイントファイブは1万円台の価格帯なので、ファーストの価格帯よりは安く、メリットが感じられます。
また、平均評価は少し下がりますが、1万円を切る3種はコストパフォーマンスではかなり高くなっています。
標準偏差はセカンドの方が大きくなるかと思いましたが、意外とそうでもなかったです。ただ、やはりあまり評価が高くない2011年のような年はセカンドの評価はファーストより落ち込みが大きい感じがします。2011年を除いて集計すると平均は0.2~0.5ほど上がります。例えばナパヌックは2011年の評価が87点。これを除くと平均は91.9から92.4にまで上がります。難しい年を避けるようにするとセカンドのお得度は増します。
セカンドは意外とファースト以上に選び方が難しいですが、コストパフォーマンスの面ではドミナスのナパヌック、リッジのエステート・カベルネ・ソーヴィニヨン、プランプジャックのカベルネ・ソーヴィニヨン、シェーファーのワンポイントファイブがお薦めです。
あと、評価が意外と低かったスポッツウッドのリンデンハースト(Lyndenhurst)ですが、そもそもレビューがこの期間では3ヴィンテージしかありませんでした。それも関係したかもしれません。
ナパヌックの2013年は93点。それで1万円切りはコストパフォーマンス高いです。
ドミナス ナパヌック[2013] |
リッジの2012年は92点。
リッジ カベルネ・ソーヴィニヨン エステート [2012]Ridge Cabernet Estate |
プランプジャックの2012年は96点と高得点。
シェーファーのワンポイントファイブ2013は94+。これで1万2000円台は安いです。
Shafer One Point Five シェーファー ワン・ポイント・ファイヴ2013 No.103486 |
2017年だけで、米国産ピノ・ノワールを850種もテイスティングしているとのことで、そこから高得点のものを今回挙げています。カリフォルニアとオレゴンと分けて掲載されていますが、これはカリフォルニアのもの。1軍が11本、2軍が21本あります。
1軍選抜
2015 Benovia La Pommeraie Russian River Valley Pinot Noir 98
2016 Kutch McDougall Ranch Sonoma Coast Pinot Noir 98
2015 Paul Lato “Atticus” John Sebastian Vineyard Sta. Rita Hills Pinot Noir 98
2014 Big Basin Vineyards Lester Family Vineyard Santa Cruz Mountains Pinot Noir 97
2015 Ferrari-Carano Sky High Ranch Mendocino Ridge Pinot Noir 97
2016 Kutch Bohan Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 97
2014 Maggy Hawk Jolie Maggy Hawk Estate Vineyard Anderson Valley Pinot Noir 97
2015 Paul Lato “Seabiscuit” Zotovich Vineyard Sta. Rita Hills Pinot Noir 97
2015 Paul Lato “Lancelot” Pisoni Vineyard Santa Lucia Highlands Pinot Noir 97
2015 Cattleya Cuvée Number One Russian River Valley Pinot Noir 96
2014 Drew Family Cellars Morning Dew Ranch Anderson Valley Pinot Noir 96
クッチ(Kutch)、ポール・ラトー(Paul Lato)は日本にはilovecalwineが輸入していますね。この2つだけで5本とすごい勢いです。ビッグ・ベイスン(Big Basin)は布袋ワインズの扱いです。ドリュー・ファミリー(Drew Family)は以前はときどき日本で見かけましたが、最近は記憶にないです。
2軍選抜
2014 Dutton-Goldfield Deviate Sonoma Coast Pinot Noir 96
2014 Goldeneye Confluence Vineyard Anderson Valley Pinot Noir 96
2015 Kutch McDougall Ranch Sonoma Coast Pinot Noir 96
2014 Maggy Hawk “Stormin” Maggy Hawk Estate Vineyard Anderson Valley Pinot Noir 96
2015 Paul Lato “The Contender” Drum Canyon Vineyard Sta. Rita Hills Pinot Noir 96
2015 Pisoni Pisoni Estate Santa Lucia Highlands Pinot Noir 96
2015 Chasseur Soft Asylum Russian River Valley Pinot Noir 95
2014 COBB Emmaline Ann Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 95
2015 Domaine De La Côte Memories Sta. Rita Hills Pinot Noir 95
2015 Eric Kent Sasha Marie Sonoma Coast Pinot Noir 95
2015 Kutch Bohan Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 95
2015 Kutch Falstaff Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 95
2014 LaRue Emmaline Ann Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 95
2015 Lucienne Lone Oak Vineyard Santa Lucia Highlands Pinot Noir 95
2015 Morgan Double L Vineyard Santa Lucia Highlands Pinot Noir 95
2014 Pisoni Pisoni Estate Santa Lucia Highlands Pinot Noir 95
2015 RAEN Royal St. Robert Cuvee Sonoma Coast Pinot Noir 95
2013 Soliste Sonatera Vineyard T Block Sonoma Coast Pinot Noir 95
2016 Valerie’s Vineyard One Acre Carneros Pinot Noir 95
2014 Wayfarer The Traveler Wayfarer Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 95
こちらもヴィンテージ違いも含めクッチが3本。ピゾーニ(Pisoni)とコブ(Cobb)もilovecalwineです。エリック・ケント(Eric Kent)はWine Peopleが輸入。ラベルも素敵です。ゴールデンアイ(Goldeneye)、ドメーヌ・ドゥ・ラ・コート(Domaine de la Cote)、ウェイフェアラー(Wayfarer)は中川ワイン。ワイン・イン・スタイルが輸入しているレイン(RAEN)も入っています。
ポール・ラトーは、該当するワインが入ってますね。
ポール ラトー ジョン セバスチャーノ ヴィンヤード ピノノワール [2015] Paul Lato John Sebastiano Vineyard Pinot Noir [2015] |
ポール ラトー ゾトヴィッチ ヴィンヤード ピノノワール [2015] Paul Lato Zotovich Vineyard Pinot Noir[2015] |
ポール ラトー ピゾーニ ヴィンヤード ピノノワール [2015] ピソーニ Paul Lato Pisoni Vineyard Pinot Noir[2015] |
レインもそのものです。
レイン ロイヤル・セント・ロバート キュヴェ ピノ・ノワール ソノマ・コースト[2015] Raen Royal St. Robert Cuvee PinotNoir SonomaCoast[2015] |
Wine Squirrelというこの保存容器は一種のデカンタですが、プレス式のコーヒーメーカーの「プランジャー」のような蓋が付いていて、ワインを空気に触れないようにできます。そのため、ワインが酸化せず、長期間保存可能になるそうです。また、押し込む「プラジャー」はハンドル部分が外れるようになっています。かさばらずに保存できます。
人気のコラヴァンと比べてみましょう。
コラヴァンより良い所
ランニングコストがかからない。
コラヴァンに劣る所
何ヶ月もの長期保存はできない。ワイン1本にひとつ必要
といったところでしょうか。得意な場面が違うので、これはこれで役に立ちそうです。
すべてのワインを見るのではなく、カベルネ・ソーヴィニヨンだけを担当します。アレキサンダー・ヴァレーとナイツ・ヴァレーの自社畑におけるブドウの栽培から見ていくとのこと。
トーマス・リヴァース・ブラウンは「アレキサンダー・ヴァレーとナイツ・ヴァレーはカベルネで重要になりつつあるエリアだ。特に品質を重視したワインが増えつつある。人々はプレミアムなカベルネのソースとしてナパ以外に目をつけはじめており、フェラーリ・カラーノのエステートのマウンテン・ヴィンヤードはその動きにあったものだ」と述べています。
フェラーリ・カラーノはシャルドネなども、いいものを持っているので、そちらも担当するのかと思ったらカベルネだけでした。日本にも輸入されているはずですが、見たことほとんどないですね。
トーマス・リヴァース・ブラウンはただ単に美味しいワインを造るというだけでなく、ワイナリーやテロワールの個性をどこのワインでも発揮しているのがすごいと思います。その彼がフェラーリ・カラーノを選んだということは、今後のソノマのカベルネには一層注目すべし、というところなのでしょう。
昨日紹介したリヴァース・マリーのカンツラーはほんとお得なので、再掲しておきます。
リヴァース・マリー ピノ・ノワール カンツラー・ヴィンヤード[2014] |
1つはリヴァース・マリーのピノ・ノワール「カンツラー・ヴィンヤード」2014。米国で70ドルくらいするワインが税抜きでは5780円という安さ。アントニオ・ガッローニは91点を付けています。リヴァース・マリーのピノ・ノワールの中ではかなりボールドなスタイル。コスタ・ブラウンのカンツラーと比べてみるのも面白いかもしれません。リヴァース・マリーのピノ・ノワールはトーマス・リヴァース・ブラウンが造るワインの中では圧倒的に安く(例えばアストンなら2万円、ボアズビューなら3万円超です)、品質も高いので、普通でもかなりお買い得だと思いますが、これは特にお得です。
リヴァース・マリー ピノ・ノワール カンツラー・ヴィンヤード[2014] |
もう1つはドミナスのセカンドワイン「ナパヌック」。先日の記事「カリフォルニアのカベルネ系でパーカー評価が一番高いワインは?」で紹介したワインの中にはセカンドワインを作っているところもかなりありますが、その中でもナパヌックは評価が高く価格が安いのでお買い得です。
おそらく、これらのセカンドワインの中で実売1万円を切るのはナパヌックだけだと思います。米国でも税抜き70ドルくらいからなので、日本の値段はかなり安いです。今回は2013年が税込みで7800円と現地価格以下。Wine Advocateで93点、アントニオ・ガッローニのヴィナスで94点、ジェームズ・サックリングが94点と評論家の評価もこぞって高いです。パーカーはナパヌックは、ただセカンドというだけでなく、それ自体魅力的だとしており、ファーストのドミナスよりも早飲みできる(それでも飲みごろは15年くらい続きます)としています。特に、初期のレビュー(1回めのレビューでは94-96を付けており、2回めに93になった)では、過去最高のナパヌックで、出荷されたら買い占めるべきだとまで書いていました。この価格帯のカベルネの中でも相当魅力的でお買い得なワインと言えるでしょう。
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ここの特徴は、内奥は決まっておらず、リクエストできること。僕はもちろん全部カリフォルニアで、とお願い。プラスして、ちょっと飲んでみたかったピノをリクエストしてみました。
内容を明かしてしまうのは、ルール違反かと思うので、ヒントだけ書いておくと、リクエストのピノは入っていました。後はソノマのジンファンデル、セントラル・コーストの有名ワイナリー2つからそれぞれシャルドネ。合計でざっと実売1万3000円台くらいでしょうか。
シャルドネが重なってしまったところは若干残念ですが、どちらも安心して飲める銘柄なので、クオリティは十分すぎるくらいあると思いました。
1月末までの受付です。お正月用の調達ならお早めに。
2018年 新春福袋(そ) 4本 |
2018年 新春福袋(あ) 6本 |
ワインは以前の記事でもお薦めしたグロリア・フェラーのロイヤル・キュヴェ。ここのブラン・ド・ノワールが我が家では定番なのですが、1ランク上のこちら(といっても200円しか変わらない)にしてみました。Wine-Searcherの平均価格29ドルに対して税抜き1980円という、圧倒的安さです。リンゴやトースト、軽いナッツのフレーバーでおいしいです。料理との相性ではブラン・ド・ノワールの方がよかったかもしれないけど、ワインとしては、こちらの方が少しおいしいと思います。コスパは抜群。
料理は中央の大皿に盛ってあるのが、コストコで買った「御殿場高原 山賊のスペアリブ」という商品。豚のスペアリブをBBQにしたもので、カットして電子レンジで軽く温めるだけで食べられます。賞味期限も結構あったので、先日コストコに行ったときに買ってみたものです。700gくらいあって1398円と価格もそんなに高くありません。
これだけだとちょっと足りないのでチキンは今年は自作(いつも買っていた近所の鶏屋さんは、今年は丸焼きしかやらないというので)。4本で550円という格安のもも肉を使って炊飯器で低温調理したコンフィです。前の日から塩麹とガーリックパウダー、ブラック・ペッパーで漬け込んで、今日は午前中から6時間くらい炊飯器の調理機能(保温機能でも大丈夫だと思います)を使って6時間くらい放置したものです。最後はフライパンで焼け目を付けています。
これもなかなか美味しくできました。買ってくるのより美味しいという意見も。ローストするより肉がしっとりと柔らかく食べやすいです。
で、何よりもコンフィに使ったオリーブオイルと肉汁が絶品。フランスパンを漬けて食べたらいくらでも食べられる感じ。
スペアリブも柔らかくて味付けもよく、これは来年も買いたいです。調理不要で豪華に見えるのでお薦めですよ~。
送料入れるとちょっと高くなりますが、通販でも売ってますね。サイズは「ハーフ」と書いてありますがうちが買ったものの3分の1くらいのようです。
山賊のスペアリブ(ハーフ)【2個】 豚肉 ローストスペアリブ 骨付き肉 お取り寄せグルメ おかず ディナー 惣菜 おつまみ 酒の肴 お酒のお供 自分買い オードブル パーティー |
グロリア・フェラーは安すぎます。4000円くらいのシャンパーニュと比べても引けを取らないと思います。
【5,000円以上送料無料】グロリア フェラー ロイヤル キュヴェ ブリュット 750ml |
対象としたワインはこれまでWine Advocate誌のレビューで98点以上を複数回取ったワイン。これが全部で14種ありましたが、うちオーベール(Aubert)が5本、ピーター・マイケル(Peter Michael)が4本と、これだけで約3分の2を占めてしまいました。
残りはキスラー(Kistler)のキュベ・キャスリーン(Cuvee Cathleen)、マーカッサンのマーカッサン(Marcassin Marcassin Vineyard)、コングスガード(Kongsgaard)のザ・ジャッジ(The Judge)、モレ・ファミリー(モルレ・ファミリー、Morlet Family)のクードクー(Coup de Coeur)、ポール・ホブス(Paul Hobbs)のキュベ・アグスティーナ(Cuvee Agustina)です。
計算方法などは前回と同じですが、ヴィンテージは2006~2016年を採用しています。シャルドネはそれほど熟成して飲むことは多くないと考えたからです。
では結果を見てみましょう。
おそらくほとんどの人が予想した通り、マーカッサン(マーカッシン)が一番でした。一番低い年で96点と安定しています。100点は2008、2012、2013の3回。
これに迫るのがオーベールのシュガー・シャックとイーストサイド。シュガー・シャックは2012年、イーストサイドは2011年からレビューされている比較的新しいワインです。シュガー・シャックは満点はないものの97~99のレイティングしか取っていないという安定さ、イーストサイドは2011年に94点というちょっと低い(この中では)評価がありますが、後は98点以上。2013年に満点。
5番目だったオーベールのCIXも2011年からの掲載で、2011年の91点を除くとすべて97点以上で2015年に満点を取っています。
4番目はピーター・マイケルのポイント・ルージュ(Point Rouge)。これはピーター・マイケルの中でもベストのシャルドネをブレンドしたもの。ピーター・マイケルのシャルドネの中では最高峰という位置づけであり、それを裏付ける結果となりました。
コングスガードのザ・ジャッジはもっと上に来るかと思いましたが僅差で6位。マーカッサンとは約1点の差がありました。
7位はまたもオーベール。ローレンは長く続いている単一畑で、シャルドネの中ではフラッグシップ的な位置づけ。何回か試飲していますが、すばらしいシャルドネです。
8位はモレ・ファミリーのクードクー。ただ、これも2009年に89点という突出して低いレイティングを取っており、そのヴィンテージをはずすと平均は98点を超えます。
大体ここまでがトップ・グループと言っていいのではないでしょうか。
どのワイナリーも日本への輸入はありますが、オーベールは今回のワインは入ってきていないようです。モレ・ファミリーのクードクーも多分入っていないでしょう。また、入ってきているものも本数は相当少ないです。カベルネ系に比べるとシャルドネのトップクラスを入手するのはかなり大変そうです。(聞いた話では、コングスガードのジャッジなどは抱き合わせ販売で、ほかのものを相当買わないと入荷できないそうですし)
なお、キスラーのキュベ・キャスリーンは平均95.9。ここまでの上位と比べると若干評価は下という感じです。
[2008] マーカッシン マーカッシン・ヴィンヤード シャルドネ |
[2009] ピーター・マイケル シャルドネ ポイント・ルージュ |
[2012] コングスガード シャルドネ・ザ・ジャッジ |
キスラーは価格もちょっと安くなります。
[2012] キスラー シャルドネ キュヴェ・キャスリーン ※ラベル傷あり |
この2日ほどで、増えた延焼面積は200エーカーほどにとどまり、包囲した部分もうまく機能している様子。サンタ・バーバラなどの避難命令もすべて解除されました。
まだ、5600人もの消防士が奮闘中ですが、最大だったころより1000人は減り、地元に帰ったとのこと。
10月の火事ではボーイング747が消火剤を撒いて話題になりましたが、基本的には火事への対策は人手頼り。ここを越えさせないというファイアー・ラインを作るという大変で地道な作業が中心になります。今回は風が強すぎて作ったファイアー・ラインを越えて延焼するといったことも多々あったようです。
まだ終わってはいないですが、消防士さんたちお疲れ様でした。クリスマスは一人でも多く家で過ごせるといいですね。
前にFacebookで聞いたところでは、セレックが好きだという人が多かったです。優等生的に美味しいジェンセンよりも、当たり外れが激しいセレックの方がマニア好みなのかもしれません。
2009年のジェンセンです。8年経っているので飲み頃としてもよさそうです。
<正規品>カレラ ジェンセン ピノノワール[2009] |
セレックの97点評価だった2013年です。
【送料無料】カレラ セレック ピノ・ノワール[2013]正規輸入代理店輸入品※ボトル画像はイメージです。※こちらは出荷まで3営業日以上 お時間を頂戴致します。 |
まだWine Advocate の評価が出ていない2014年のセレックはちょっと安いです。ヴィンテージ的には97点以上取って不思議はないところなので、狙い目です。
カレラ セレック ピノ・ノワール マウント・ハーラン [2014]750ml |
ちなみに3位にもチリの「セーニャ2015」が入っています。アルマヴィーヴァと同様、サックリングは満点を付けています。
どちらのワインも1万円台。チリのワインの中では高価ですが、オーパス・ワンが4万円近くになっていることを考えると半額で手に入ります。先日「カリフォルニアのカベルネ系でパーカー評価が一番高いワインは?」で取り上げたワインも実売価格は2万円を超えます。やはりチリのワインはまだ格安です。おそらく20年後には「あのころはアルマヴィーヴァも1万円台で買えたんだよなあ」と遠い目で思っていそうな気がします。
実は今年はちょっとチリワインにも縁があったので、このあたりのワインも気になります。
なお、カリフォルニアでトップだったのは8位に入ったリトライのピノ・ノワール「ヘイヴン」2014でした。サックリ具はカベルネ系に高い点をあげる傾向があるので、その中でエレガント系のピノ・ノワールが入ったのは快挙です。
ウメムラは16時までの注文は即日発送です。今日頼めばまだギリギリクリスマスに間に合うと思います。
アルマヴィーヴァ [2015]750ml |
セーニャもあります。
セーニャ [2015]年 750ml 【赤ワイン】【フルボディ】 |
昨日の記事の最後に包囲率は上がっている旨を記しましたが、さらに進展して現在は50%に達しています。ただ、これで小康状態に入っているかというと、実は全然そうではなく、延焼面積は27万1750エーカー(約1100km2)と過去3番めの規模にまで拡大しています。
避難区域もだんだん西に寄っていっています。上の地図で赤い太線が燃えている範囲。濃いピンク色のところが強制避難、オレンジが自主避難の地域です。サンタ・バーバラの市街地のすぐ北まで強制避難の地域になっています。
サンタ・バーバラの東、スマーランドにあるサマーランド・ワイナリー(Summerland Winery)と、サンタ・バーバラにあるマージュラム(Margerum)のテイスティング・ルームは現在クローズしています。マージュラムはサンタ・バーバラの有名ワインショップWine Caskのオーナーのワイナリーで、ホワイトハウスの公式晩餐会にも使用されたことがあり、日本にも輸入されています。
マージュラム ソーヴィニヨン・ブラン "シバライト(スターレーン・ヴィンヤード他)" ハッピーキャニオン [2014] (正規品) Margerum Sybarite |
まだ、ワインカントリーの畑の南端からは35マイル(約56km)離れているとのことですが、風がまた強く吹いているため、いつどこに飛び火するか予断を許さない状況が続いています。
もうこの火災が始まってから2週間ということで、期間も非常に長くなっています。
最新情報はTwitter:VCFD PIO(@VCFD_PIO)さん | Twitter
Facebook:Ventura County Fire Department - ホーム
でも発信されています。
火事の直後からワイン造りは再開しており、ロックパイルのジンファンデルは収穫して醸造に移り、そのほかにもブドウを購入していくつかのワインを今年作っているそうです。
また、焼け跡に一時的なテイスティングルームを作り、その後は今回の火事のメモリアルとして、焼け跡を含んだ展示施設を構築するとのこと。
写真に挙げたLOVEの字は焼け残り、火事からの復興のシンボルのようにも使われています。これまで1000組以上のカップルが挙式を挙げた人気の結婚式場でもありましたが、既に何組かから、このサインの前で挙式を挙げたいという問い合わせが来ているそうです。
なお、南カリフォルニアの火事の続報ですが、少し風が弱くなり、包囲率は45%に上がっています。まだまだ落ち着いたとは言い難いですが、ちょっとだけ朗報でした。
●■パラダイス リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング シャルドネ[2015]長澤鼎 かなえ |
いろいろ意見はあると思いますが、まずはWine Advocate、いわゆるパーカーポイントに基いて調べてみました。方法は、2001年から最新ヴィンテージまでのWine Advocate誌のレイティング(レビュアーはパーカーだけではありません、念のため)から、平均と標準偏差を求めています。94+など「+」が付く場合は94.5点など0.5点加算、92-94など幅がある場合は上と下の平均を取っています。
ポイントが高いと思われるワイン27種類について調べた結果が次の表です。
昨日のレアム「アブソード」が一番平均が高く98.6となっていますが、最近の4ヴィンテージ以外は2005年に93点というのがあるだけなので、ちょっと標本数が少ないです。これを除くとシュレーダーのCCSが98.4とさすがの高得点でした。標準偏差も1.77と低く、安定して高い点を取っていることが分かります。
このほか平均が98点を超えたのはコルギンのIX(ナンバーナイン)エステート、ハーラン・エステート、ハンドレッド・エーカーのカイリ・モーガン、ロコヤのマウント・ヴィーダーでした。
コルギンやハーランは順当なところですが、ハンドレッド・エーカーやロコヤはここまで評価が高いとは思っていなかったのでちょっとびっくりです。ロコヤは100点のワインでも5万円台で売っていることもあるので、お買い得かもしれません。
マウント・ヴィーダー 2012ロコヤ・エステートMount Veeder 2012Lokoya Estate |
ハンドレッド・エーカーもリーズナブルとまでは言えませんが、評価と比べると多少割安な感じがします。
【新入荷★特別価格】[2006] ハンドレッド・エーカー カイリー・モーガン・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ※ラベル汚れ・シワあり |
エイブリューのマドローナ・ランチは標準偏差が1.66と一番小さく、安定感では抜群です。ボンドのヴェシーナはさすが、スクリーミング・イーグルは価格から見ると意外と評価は高くないという気もしないでもないです。
その次の3本、スポッツウッド、シェーファーのヒルサイド・セレクト、ドミナス・エステートは平均97.4~97.5。標準偏差がちょっと大きく、評価のブレは大きめではありますが、ヴィンテージによっては2万円台で買えることもあるので、やはり狙い目にはなりそうです。
プランプジャックのリザーブやメイバックは、このリストの中では知名度は比較的低いかもしれませんが、評価では負けていません。
さて、注目の1つはオーパス・ワンですが平均95点というのは予想以上に高い点。マイケル・シラッチ体制になってからだともう1点くらい評価が上がります。ばらつきも少ないです。カリフォルニアを代表するワインとして納得のいく評価でしょう。
そのオーパス・ワンを評価で上回っているのがティム・モンダヴィのコンティニューム。将来はスポッツウッドなどに並んでくる可能性が高いのではないでしょうか。
今回のワインのセレクションは、過去のレイティングなどを見て高そうなものや、これは美味しいと思うものを入れていますが、いろいろ抜けもあると思います。これも調べろ、というのがあったら教えてください。
もちろん、評価法についてのご意見も歓迎です。
そんな「パーカー100点」を4ヴィンテージ続けているのがRealm(レアム)のAbsurd(アブサード、アブソード)。同誌でのレビューは2005年(93点)以降とだえていましたが、2012年から最新の2015年まで、いきなり4ヴィンテージ連続の満点です。
レアムの歴史などについては、こちらをご覧ください
ナパの最注目ワイナリー「レアム」の旧ヴィンテージが現行の半額以下
レアムのワインはベクストファー・トカロンをはじめとした単一畑のものと、ブレンドのものとがありますが、このワイン「Absurd」はブレンドのもの。ルールは単純で、とにかく一番おいしいものをブレンドするとのこと。結果として単一畑になることもありえるし、品種構成も毎年変わります。2005年に最初にこのワインを作ったときはプティ・ヴェルドが38%も入り、あまりにも馬鹿げていると思ったことからこの名前が付いたとのこと。
このブレンドは日本には入ってきていないのかと思っていましたが、実はごく少量だけ入っているようです。価格はもちろん高いですがレア度は格別です。生産量はわずか250ケース。
レアムセラーズ ジ・アブソード レッドワイン ナパヴァレー[2014]The Absurd Red Wine Realm Cellars |
ナパでは同じようなルールが2005年から適用されており、ソノマもそれにならった形になっています。
今回の調査は、最初に2008年にワインを飲む米国の大人409人に対してソノマの各AVAの認知度を調べ、次に2016年に403人の対して同じ質問をしています(調査対象の人は異なっています)。性別や地域、年齢の分布などはほぼ同じような形になっています(詳しくは元記事をご覧ください)。
質問ではソノマ郡やそのAVAについて認知度合いを5段階(1が一番低く、5が一番高い)で評価してもらっています。
その結果、ソノマ郡が2008年の2.86から2016年の3.21と、ラベルルールが変わって以降の方が認知度が高まっています。また、面白いのはAVAの認知度も同時に上がっていることです。ロシアン・リバー・ヴァレーでは1.47から2.03に、ドライ・クリーク・ヴァレーは1.32から2.06に、カーネロスは1.16から1.69に、グリーン・ヴァレーは1.09から1.97へといずれも上昇しました。
と、なかなか興味深い結果です。ラベルルールが認知度上昇の理由なのかどうかははっきりしない感じもありますが(例えば、比較のために他地域のAVAの認知度も調べてみて、それが上がっておらず、ソノマだけ上がっていたらラベルルールの貢献をより明確に示せたと思います)、AVAの認知向上が進むのはいいことだと思います。
あとは全く余談ですが、「ノーザン・ソノマ」(Northern Sonoma)というAVAをご存知(覚えている)人はどれくらいいますかねえ? 多分、カリフォルニアのAVAの中でも一番政治的(ビジネス的?)に決められたAVAだと思うのですが、今ではもう無意味なので、なくしてもいいのではないかと思っています。
ちなみにこのAVA、ガロがノーザン・ソノマの名前を付けたワインの販促のために作ったと言っても過言ではありませんが、もう今はノーザン・ソノマのワインって作ってないですよね?
2000年代に入り、エチュードを売却した後はオレゴンに自身の名前の付いたワイナリーを作り、シャルドネやピノ・ノワール、スパークリングワインなどを作っています。オレゴンワインのパイオニア、とまでは言えませんが、いち早くオレゴンの将来性に目をつけた一人とは言えるでしょう。
参考:
ワインメーカーの系譜(3)――トニー・ソーター&ミア・クライン「最強コンビ」
そのソーターのシャルドネやピノ・ノワールが現地価格に近い価格になっています。
まずは廉価版の「プラネット・オレゴン」のピノ・ノワール。廉価版とはいえ、Wine Spectatorでは90点を取っていますし、米国の価格は20ドル程度ですが、税抜き2380円とほぼ現地価格並みです。
【わけありワイン】ソーター ”プラネット・オレゴン” ピノノワール オレゴン |
シャルドネのノース・ヴァレーは米国では約30ドルするのが3300円台からとこれも現地価格以下からの安さです。
白[2012] シャルドネ ノース・ヴァレー(ソーター)Chardonnay North Valley(Soter) |
【わけありワイン】ソーター ”ノースヴァレー” シャルドネ ウィラメットヴァレー |
ピノ・ノワールのノース・ヴァレーはシャルドネほどではないですが、格安です。
ソーターヴィンヤード ピノ・ノワール ノース・ヴァレー [2014]750ml |
また、延焼面積はは25万エーカーとなり、2007年にサンタ・バーバラで起こったザカ・ファイアーを超えてカリフォルニア史上4番目の規模になりました。また、消火活動にあたっていた消防士が一人亡くなっています。
今の勢いだと、まだ落ち着くまではかなりかかりそうな雰囲気です。せめて風がやんでほしいものですが…
後任は2014年に就任したジェイソン・ケスナー。キスラーは今後は自身のオキシデンタルに専念します。正式な移譲の時期は今月中とのこと。
スティーブ・キスラー(左)とジェイソン・ケスナー(右)
オキシデンタルの設立と、ジェイソン・ケスナーに移譲するのではないかという話は、2014年に何回か記事に書いています(下記のリンク)。ようやくそのタイミングが来たということですが、今年11月にはスティーブ・キスラーとキスラーを作ったマイク・ブリクスラーが亡くなり、今後の見通しも変わってくるのかと想像していましたが、既定路線通りの決着を迎えました。
過去記事:
キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ
スティーブ・キスラーの新ワイナリは、ちょっとガセっぽかった
キスラーの新ワイナリ、さらに続報
「ガセネタ」ではなかったケスナーのキスラー・ワインメーカー就任
地図でわかるように、特にピンチなのがオーハイ(Ojai)。火に囲まれた状態です。言うまでもなく有名なオーハイ・ヴィンヤードがあるところですが、オーナーのアダム・トルバックによると、何とか危機的な状況は免れたそうです。
下の写真もオーハイにあるトパ・マウンテンというワイナリーのもの。写真のようにワイナリーの一部で被害がありましたが、なんとか大きな被害には至らなかったようです。
まだ包囲率は25%と低く、西のサンタ・バーバラでも避難指示が出るなど、混乱は続いています。南カリフォルニアはこの秋、少雨傾向が続いていたため、火の広がりが速いと言われています。ワイナリーに直接被害がなくても従業員の住居など、間接的な被害は既にかなり広がっています。早く延焼が止まることを期待します。
前回の記事:急げ!ジョエル・ピーターソンの「ワンス&フューチャー」が入荷
このワインの試飲レポート:これはすごい、カリフォルニアワインの親子鷹、ピーターソン父の新作
ワンス&フューチャー、レイヴェンズウッドのキャッチフレーズである「ノー・ウィンピー・ワイン」(軟弱なワインはないよ!)がぴったりくるワイナリーです。特に、プティ・シラーはお薦め。
他のショップです。
ワンス・アンド・フューチャー・ジンファンデル・ベッドロック・ヴィンヤード 2015【赤ワイン】【パーカー92点】【ジョエル・ピーターソン】【750ml】【アメリカ】【カリフォルニア】 |
ワンス&フューチャー ”フランクス・ブロック・テルデスキ・ヴィンヤード” ドライクリークヴァレー |
ワンス アンド フューチャー プティシラー パリセーズ ヴィンヤード カリストガ ナパヴァレー[2015] |
色はガーネット。ピノ・ノワールらしい色です。もうちょっと濃い目かなあと思ったので少し意外でした。味わいはチェリーやストロベリーの赤系の果実に、ちょっと煮詰めたようなジャムのニュアンス。甘苦さを感じます。樽の感じもあります。酸は弱め。
個人的にはもう少し酸があって樽が少ないほうが好きですが、これはこれで飲みやすくていいと思う人も少なからずいるでしょうね。好みの方向性ではなかったのでリピートするかどうかは微妙ですが、悪くはないと思います。高いピノ・ノワールを開ける気分じゃないけど、ちょっとピノ・ノワール飲みたいって思うことはよくあるので、そういうときの選択肢にはなりそです。
ちょっと調べていたところ、雑誌「ワイン王国」でも星5つの高い評価だったそうです。
1本1000円しないワインですから、ケース買いもありでしょうね。
世界のピノ・ノワール飲み比べのセットに入っていたりもします。カリフォルニア代表ということだと責任重大ですね(笑)。
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ところでWine Enthusiastのベストバイのリストを見ていたら13位には「スリー・シーヴス(Three Thieves)」のカベルネ・ソーヴィニヨン2014が入っていました。コスパワインやハンバーガーショップで知られるジョエル・ゴットが「南仏プロヴァンスでのワイン造りを経て、アメリカではワシントン州のチャールズ・スミスとのジョイント"Charles & Charles"で一世風靡したチャールズ・ビーラー。11歳で起業し様々なビジネスを手がけた後1999年よりワイン造りに転じたロジャー・スコメーニャ」(布袋ワインズの紹介ページより)と組んで造るワインです。何回か試飲したことありますが、これのコスパは納得。お薦めです。
スリー・シーヴス カベルネ・ソーヴィニヨン カリフォルニア 750ml (ワイン) 【wineday】 |
ところが逆に、日本の方が価格が安かったり、ほとんど同じといったワインもあります。調べると特にスパークリングワインでは日本で格安で手に入るものが多いのです。クリスマスや正月などを迎えるこれから、せっかくだったら格安で美味しい泡を飲みましょう。
Wine Advocate誌でカリフォルニアのスパークリングの得点上位を独占しているのがシュラムスバーグ。フラッグシップのJ.シュラム2008も94+点という高得点です。このワイン、120ドルですが日本でも税込み1万2000円台から手に入ります。あれ、今の為替ってどうだったっけ、と一瞬思ってしまいました(今は113円くらいです)。
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リザーブの2007も94点。米国ではやはり120ドル程度するのが日本では1万2000円台~。
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価格差逆転の最たるものがドメーヌ・カーネロス。テタンジェがカーネロスで造るスパークリングです。ここのフラッグシップ「ル・レーヴ」。2008年ものが米国では100ドル以上、日本ではなぜか6000円台~。半額に近い安さです。
しかもこのショップは15日まで1割引のクーポン配布中。実質5000円台になります。
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ちなみに、ロゼだと米国で36ドルくらいなのが税込み4400円台~。これも全然高くないですが、上の安さと比べてしまうと、なんだかちょっと損した気分になりますね。
ドメーヌ・カーネロス ブリュット・ロゼ・キュヴェ・ド・ラ・ポンパドゥール[NV][正規品] スパークリング/辛口/ROSE[750ml] Domaine Carneros Brut Rose Cuvee de la Pompadour NV |
グロリア・フェラーのフラッグシップはカーネロス・キュヴェ。米国で70ドル近くするのが日本では6000円台と、やはり価格差逆転です。ボトルも高級感ありますね。
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高級感はないですが、個人的に一番よく飲むのがここのブラン・ド・ノワール。これも米国で19ドル(税抜き)が日本で税込み1900円台だから日本の方が安いです。日経の記事でも3000円以下のスパークリングで1位に選ばれたことがあります(クリスマスに楽しみたいスパークリングワイン 何でもランキング|エンタメ!|NIKKEI STYLE)。
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Jのブリュット・ロゼは個人的に一番好きなロゼ・スパークリングです。これは米国36ドル前後が日本だと5000円前後なので、価格差逆転はしませんが、十分リーズナブルな範囲だと思います。ともかくボトルが美しいので、女性にプレゼントするならお薦めです。
ジェイ ブリュット ロゼ |
ロデレール・エステートのエルミタージュ・ブリュット・ロゼは米国で平均68ドルが8600円台。逆転はしませんがリーズナブルな価格と言えるでしょう。ロデレールと聞くと、何か高級感を感じます。
[2006] ロデレール・エステート エルミタージュ・ブリュット・ロゼ 【正規品】 750ml |
最後に紹介するのは、先日のコスパ100にも登場したコッポラ「ソフィア」のブリュット・ロゼ。待望のロゼ泡です。米国20ドルが3000円台は、これまでの格安を見ていると高く見えますが、一般的にはこれくらいの値付けのワインが多いと思います。これも女性受けは確実でしょう。ボトルを覆うフィルムも含まれています。
ソフィア・ブリュット・ロゼ[2016]フランシス・コッポラ(泡・ロゼ)[Y] |
山火事(wildfire)といっても、今回は「ベルエアー」というLAの邸宅外近くまで火が来ており、太平洋まで到達したとの話もあります。
ベルエアーといえば有名なのがワイナリー「モラガ(Moraga)」。現在はメディア王として知られるルパート・マードックがオーナーで、マードック氏自身、このワイナリーの住居に住んでいます。そこにも火が迫っており、少なくとも畑の横の建物一つが焼失しています。
現在は付近に避難指示が出ており、マードック氏ももちろん家を離れていますが、今のところ畑もワイナリーも無事だと表明しています。
ペタルマ・ギャップはソノマコーストの南東部。太平洋から、サンパブロ湾に風が吹き抜ける隘路となっていることから、ギャップの名が付いています。
ソノマコーストはAVA策定当初から広すぎると言われていましたが、地域の重要性が次第に増して行くなかで、サブAVAを作る機運も高まっていきました。2015年に申請し、2016年10月のパブリックコメントでは反対意見もなかったことから、2017年早々には認められるのではないかと期待されていました。ところが、米国のトランプ政権設立のゴタゴタで、米財務省の、許可を出すポジションが空席で、許可が得られないという状況に陥りました。8月にやっと人が決まり、AVAも認められた次第です。
ペタルマ・ギャップの畑ではギャップス・クラウンや、グリフィンズ・レア、またサンジャコモのいくつかのサイトなどがあります。
AVA、認められて良かったです。
分野は軽めの白、リッチな白、エレガントな赤、ビッグな赤、ロゼ、スパークリングの6つ。それぞれカリフォルニアからの選出をピックアップしましょう。
●軽めの白
89 $14 JOEL GOTT Sauvignon Blanc California 2016
89 $15 PEDRONCELLI Sauvignon Blanc Dry Creek Valley East Side Vineyards 2016
●リッチな白
91 $17 KUNDE ESTATE Sauvignon Blanc Sonoma Valley Magnolia Lane 2015
90 $12 HESS SELECT Chardonnay Monterey County 2015
90 $20 LA CREMA Chardonnay Monterey 2015
89 $14 THE SEEKER Chardonnay California 2015
●エレガントな赤
89 $18 BRIDLEWOOD Pinot Noir Monterey County 2014
88 $18 JOSH CELLARS Pinot Noir Central Coast 2014
●ビッグな赤
90 $20 TURLEY Zinfandel California Juvenile 2015
89 $18 TENSLEY Fundamental Central Coast 2015
89 $20 FREI BROTHERS Zinfandel Dry Creek Valley Reserve 2015
89 $20 ROBERT HALL Syrah Paso Robles 2014
88 $19 PEDRONCELLI Cabernet Sauvignon Dry Creek Valley Three Vineyards 2014
●ロゼ
90 $20 TENSHEN Rosé Central Coast 2016
89 $14 FERRARI-CARANO Sangiovese Sonoma County Rosé Dry 2016
88 $20 LA CREMA Pinot Noir Monterey Rosé 2016
●スパークリング
89 $16 KORBEL Brut California Organic Grapes 2016
88 $19 SOFIA Brut Rosé Monterey County Sofia 2016
88 $20 SCHARFFENBERGER Brut Mendocino County Excellence NV
ラ・クレマとペドロンチェリ、それからテンスレーが低価格ブランドのテンシェンと合わせて2つずつ選ばれています。ペドロンチェリは日本の輸入元である中川ワインは「毎日飲んでも裏切らない」というキャッチフレーズをつけています。その通り、いつ飲んでも安定しておいしいワイン。安定感は抜群です。今回は選ばれていませんが、ロゼなどもお薦め。派手なワインではないので、なかなか記事で紹介する機会はありませんが、安心してお薦めできるワインです。今回選ばれたワインでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが現行ヴィンテージです。
【よりどり6本以上送料無料】 ペドロンチェリ ワイナリー カベルネ ソーヴィニヨン スリー ヴィンヤーズ 2014 750ml アメリカ カリフォルニア 赤ワイン |
ラ・クレマはソノマをベースとしておりピノ・ノワールなどが有名ですが、選ばれた2本はどちらもモントレー産というのがちょっと面白いところ。日本にも入ってきていますが今のところヴィンテージ違いです。日本にはリリースしてしばらくしてから入荷することが多いので、この手のランキングでは現行ヴィンテージとずれてしまうことが多いのがちょっと残念ですね。もうしばらくすれば同じヴィンテージになるとは思うのですが。
テンシェンのロゼは日本にも入っています。ちょっとお高めになってしまいますが。
テンスレー テンシェン ロゼ[2016] 750ml Tensley Tenshen Rose[2016] |
軽めの白で選ばれたジョエル・ゴットもヴィンテージ違いが入っています。ここもペドロンチェリと同様、安定したおいしさのワイン。上手に作っているなあと思います。
ヘス・セレクトのシャルドネも日本はヴィンテージ違い。
THE SEEKERとBRIDLEWOOD、JOSH CELLARSは知らないワイナリーです。日本にも多分入っていません。
ターリーのジュヴナイルは、ターリーの入門的ワインとして日本でも人気がありますが、日本の価格は4000円台。ちょっと高いですね。
スパークリングのコーベルは日本にも入っていますが、選ばれたのは有機栽培ブドウを使った、普通とは別のブリュット。これは日本未入荷なようです。
ソフィアのロゼはこれまでスティル・ワインしかなかったのですが、2016年に初めてスパークリングのロゼを作ったのが選ばれています。普通のソフィアのスパークリングも人気ですが、ロゼは一層でしょうね。ラッピングもきれいで安ワインのイメージはないですから、プレゼントなどにも十分使えると思います。
ソフィア・ブリュット・ロゼ[2016]フランシス・コッポラ(泡・ロゼ)[Y] |
最後に「シャッフェンベルガー」というのはロデレール・エステートの廉価ブランド。20ドルのワインが、日本でも2500円くらいですから安いですね。
【6本〜送料無料】シャッフェンベルガー ブリュット エクセレンス NV ロデレール エステート 750ml [発泡白]Scharffenberger Brut Excellence Roederer Estate |
赤3本、白1本で税抜き9999円。内容は4500円のナパ・カベ、4900円のプティ・シラー、オレゴン・ピノ、3200円のシャルドネです。定常的に販売しているワインは入れないというポリシーなので、ヒントはありますが、なんだか想像しながら注文するのが楽しいと思います。
個人的には最近、試飲会で美味しいプティ・シラーに何回か当たったので、温故知新という感じですが、今後また注目される品種になる可能性もあるかもと思っています。
ヤナギヤ年末年始恒例 ワイン福袋2017 [赤3白1セット] (正規品) Wine Fukubukuro #16400 |
ほかにも福袋を探したところ「銘醸ワイン専門 CAVE de L NAOTAKA」では1万円のカリフォルニアワイン2本が入って5本で2万円というのがありました。カリフォルニア以外はシャンパーニュが2本とムートンが造るワインが1本(これは安そう、笑)となっています。
ワイン福袋 5本入 2万円税別 送料無料 |
あと、注文したことはないのですが「ウメムラ」の福袋はいつも気になっています。ここはセットが決まっているのではなくて、リクエストに答えてくれるのが特徴です。つまり「カリフォルニアだけで」とリクエストすれば、それで作ってくれるとのこと。口コミの評価は非常に高いようです。1万円から30万円までいろいろあります。
2018年 新春福袋(そ) 4本 |
2018年 新春福袋(あ) 6本 |
Twiceのライブチケットがはずれたら買ってみようかな(笑)。
ダックホーン・スリーパームズ・メルロー 2014アメリカ 赤ワイン 750ml フルボディ 辛口 |内祝い 還暦祝い フルボディワイン ギフト プレゼント お酒 |
Medical marijuana took a bite out of alcohol sales. Recreational pot could take an even bigger one. - The Washington Post)。
これまでの研究によると、マリファナ許可でアルコール消費が下がるというものと逆に上がるというものがあります。2016年の調査によると39の調査結果のうち16はマリファナでアルコール消費が減り、10は逆、残りはどちらでもないという結果だったとか。
今回の結果がどれくらい確かなのかは分かりませんが、もしマリファナを許可することでアルコール消費が減るのであれば、マリファナの許可は今後ますます増えていく可能性が高いでしょう。カリフォルニアなどでの娯楽用マリファナ許可がどういう影響を与えるか、今後注目されることになりそうです。
ちなみに、この記事によるとマリファナはアルコールと比べて「安全」なものとみなされているようです。マリファナ中毒で死ぬことはありませんが、アルコールはより中毒的であり、交通事故などを起こす原因にもなり、暴力的行為とも結びつきやすいのです。
日本だとマリファナは、医療用でも許可されていませんし、覚醒剤などと同じ範疇で捉えられていますが、米国ではこのような見方もされていることは認識しておいた方がいいかもしれません。
ワインもワイナリーにあったものはもちろんダメになってしまいましたが、別の倉庫に保管されているワインもありました。「長沢鼎」の名前をつけたシャルドネもその1つ。このほど再入荷しています。
再建を誓うパラダイス・リッジ応援のためにもぜひよろしくお願いします。
パラダイスリッジ カナエ ザ・グレープ・キング シャルドネ 14 |
パラダイス・リッジ・シャルドネ・カナエ・ザ・グレープ・キング2015 |
ジンファンデルもあります。
パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング ジンファンデル [2013]赤ワイン アメリカ カリフォルニア |
ふるさと納税では故郷の鹿児島にあるいちき串木野市が返礼品にしています。
【ふるさと納税】鼎(カナエ)・ザ・グレープキング 赤・白 ワイン 2本セット |
スクリーミング・イーグルのセカンドワインが7万円台。セカンドとしては破格の高さではありますが、普段は15万円台という…
【タイムセール★特別価格】[2013] スクリーミング・イーグル セカンド・フライト |
ハーランの新プロジェクト「プロモントリー」が税抜き7万円台。普段は9万円台だから安いです。
【タイムセール★特別価格】[2011] プロモントリー プロプライエタリー・レッド |
スケアクロウも特価。ナパで一番古いと言われているカベルネ・ソーヴィニヨンの畑から作られる貴重なワインです。
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マーカッシンのマーカッシン・ヴィンヤード・ピノ・ノワールが税抜き3万円台です。
【タイムセール★特別価格】[2010] マーカッシン ピノ・ノワール マーカッシン・ヴィンヤード |
オーパス・ワンは2002年が特価。
【タイムセール★特別価格】[2002] オーパス・ワン |
オーパス・ワンの「セカンド」オーバチュアも2000円ですが安くなっています。
【タイムセール★特別価格】オーバーチュア【オーヴァーチュア】 1本Overture NV |
まずは、セミナーでも試飲したシャルドネのモンテベロ2012。リーンなタイプのシャルドネの中で、一番好きなワインかもしれません。かなりレモニーで酸が強いですが、軽くバニラのニュアンスもあります。チョークっぽさも特徴。
次はジンファンデル系4種。パソ・ロブレス2015、イースト・ベンチ2014、ガイザーヴィル2014、リットン・スプリングス2014です。
この中ではパソ・ロブレスが一番陽性のジンファンデル。ラズベリーやプラムの風味。イースト・ベンチは値段的には入門的な感じなのですが、結構骨格がしっかりしており、リッチでタンニンもあります。リッジらしいかっちりした感じのジンファンデル。コスパ高いですね。
ガイザーヴィルとリットン・スプリングスはいずれもソノマの100年を超える畑のもの。ガイザーヴィルはスケールが大きく、どーんとした感じ。リットン・スプリングスはスパイシーで、花の香りもします。とても複雑な味わいのワイン。しっかりしたジンファンデル系が飲みたければガイザーヴィル。リットン・スプリングスはそれ自体が1つの個性に感じます。
リッジ・ヴィンヤード ”イースト・ベンチ” ジンファンデル ドライクリークヴァレー[2014] |
最後にボルドー系から3本。メルロー2012、カベルネ・ソーヴィニヨン2012、モンテベロ2006。メルローはセミナーでも試飲しましたが、かなりしっかりした味わいです。カベルネ・ソーヴィニヨンのエステートは、スパイスやロックなど果実味以外がしっかり出ているワイン。モンテベロの2006年もスパイスがしっかり、かなりタニックです。
リッジ シャルドネ・モンテベロ [2012]Ridge Chardonnay Monte Bello |
モルレ・ファミリーは2017年10月のWine Advocateでも100点のワインを2本出し、これまで4本が100点。98点以上となると19本にもなります。なんだかいつの間にか超一流ワイナリーの仲間入りをしています。
ワインメーカーは元ピーター・マイケルのルーク・モルレ。シャンパーニュ地方出身のフランス人です。現在のピーター・マイケルのワインメーカーは兄のニック・モルレですから兄弟合わせるとさらにすごいワインだらけになります。ただ、ピーター・マイケルほど知名度がないせいか、まだワインは比較的安め。狙い目になっています。
今回のワインもWine Advocate誌では98点。フルボディのシャルドネです。
モルレ マ・プリンセス シャルドネ ソノマカウンティ [2013]750ml |
安い方から5万円の赤白、10万円の赤白、20万円(WAで100点ワインばかり)の5種類です。
白の5万円は
[2012] キスラー シャルドネ キスラー・ヴィンヤード 750ml 通常販売価格 22,800円(税込24,624円)
[2013] コングスガード シャルドネ 750ml 通常販売価格 17,800円(税込19,224円)
[2009] ピーター・マイケル シャルドネ モン・プレジール 750ml 通常販売価格 24,800円(税込26,784円)
の約7万円相当。WAのレイティングは上から95+、96、93です。
カリフォルニア白3本 5万円福袋 |
赤の5万円は
[2010] コングスガード カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml 通常販売価格 32,800円(税込35,424円)
[2008] ピーター・マイケル レ・パヴォ 750ml 通常販売価格 24,800円(税込26,784円)
[2014] ケイマス カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml 通常販売価格 10,000円(税込10,800円)
約7万3000円相当。WAではそれぞれ94+、95、94です。
カリフォルニア赤3本 5万円福袋 |
白の10万円は
[2008] コングスガード シャルドネ ザ・ジャッジ 750ml 通常販売価格 64,800円(税込69,984円)
[2013] シン・クア・ノン レジステ 750ml 通常販売価格 42,800円(税込46,224円)
[2011] ピーター・マイケル シャルドネ ラ・キャリエール 750ml 通常販売価格 22,800円(税込24,624円)
約14万円相当です。シン・クア・ノンと「ジャッジ」が両方入るというのはレア度でもすごいですね。ちなみにシン・クア・ノンはルーサンヌやシャルドネなどのブレンドです。WAではそれぞれ97、97、93。
カリフォルニア白3本 10万円福袋 |
赤の10万円は
[2005] ダラ・ヴァレ マヤ 750ml 通常販売価格 88,000円(税込95,040円)
[2012] ケイマス スペシャル・セレクション カベルネ・ソーヴィニヨン 750ml 通常販売価格 24,500円(税込26,460円)
[2013] ジョセフ・フェルプス インシグニア 【正規品】 750ml 通常販売価格 22,980円(税込24,818円)
約14万6000円。WAでは96、96、98+です。
カリフォルニア赤3本 10万円福袋 |
最後の20万円福袋は
[2013] スケアクロウ 750ml 通常販売価格 128,000円(税込138,240円)
[2006] コルギン ナンバー・ナイン エステート 750ml 通常販売価格 88,000円(税込95,040円)
[2010] シェーファー カベルネ・ソーヴィニョン ヒルサイドセレクト 750ml 通常販売価格 59,800円(税込64,584円)
約30万円相当です。前述のように3本ともWAで100点。なんといっても極めてレアなスケアクロウが入っているのがすごいですね。ちなみに米国で買ったとしても3本合わせたら20万円を超えるのは確実です。また、KatsudaではボルドーでもWA100点のワイン2本(マルゴー2000年とラ・トゥール2010年)の福袋がありますが、そちらは30万円!
パーカー100点 カリフォルニア赤3本 20万円福袋 |
初夢にでもこんなワイン飲みたいものですね。
シルバーオークといえば、カリフォルニアのカベルネの中でもユニークな存在。カベルネ・ソーヴィニヨンしか作っておらず「Life is Cabernet」を標榜しています(現在は他の品種はTwomeyで手がけています)。アメリカンオークで熟成させ、そのフレーバーも特徴の1つとしています。アメリカンオークを使っているワイナリーには、先日レポートを書いたリッジもありますが、リッジがアメリカンオークであることを思わせない作りなのに対し、こちらはアメリカンオークらしさをむしろ強調しています。
そのあたりで好き嫌いが分かれるワイナリーではありますが、その飲みやすさやわかりやすいおいしさは、多くの人を捉えています。個人的にも最初に好きになったワイナリーの1つで非常に思い入れのあるところです。そういう人は結構いるんじゃないでしょうか。
シルバーオークのカベルネ・ソーヴィニヨンにはナパ・ヴァレーとアレキサンダー・ヴァレーの2つがありますが、アレキサンダー・ヴァレーの方が若いころから飲みやすいワイン。9年熟成してちょうどいいころではないかと思います。
例えば非営利の医療クリニックOLEヘルスは、住民の5人に一人がかかりつけ医として利用しているとのこと。ここはNVVの最大の出資先となっています。
また、10月の山火事の際には、以下のような活動がありました。
・初期対応部隊として避難所に派遣されたOLEヘルスの医師、看護師、医療助手、薬剤師が医療を提供したり、診療所や薬局までの送迎を行いました。
・コープ・ファミリーセンターのトラウマ専門スタッフが、不安定で先の見通しが立たない環境でも子供たちが安全な場所で安心して遊んだり本を読んだり笑って楽しく過ごせるように、ナパヴァレー・カレッジ避難所に子供のプレイエリアを設置しました。
・アルデア・チルドレン&ファミリーサービスの訓練を受けたスタッフが、避難所や地域の支援センターで数百時間にわたり被災者の心のケアを行いました。
・アップヴァレー・ファミリーセンターはバイリンガルの事例管理を行い、森林火災によって金銭問題を抱えた被災者への緊急融資を提供するとともに、被災した家族やお年寄りに対して地方・州・国から受けられる災害支援サービスを案内しました。
NVVは毎年6月に開催されるオークション・ナパ・ヴァレーの収益を地域医療などに提供しています。
ワインはオーストラリアのシラーで、まず6本のワインを持ってきて、うち3本をコラヴァンでオープン。試飲しました。1本でなく3本開けたのはボトル差を見るためなのかと思います。ワインはすべて、グレイ氏とマスターソムリエのピーター・グラノフ氏がサインしました。
3カ月後、コラヴァンがそれらのボトルを持ってきて検証しました。今度はコラヴァンで開けたボトルと、今回初めて開けるボトルを1本ずつ選び、コラヴァン側が両氏に見えないように、5つのグラスに注ぎました。どちらが2つのグラスでどちらが3つのグラスに入っているかを当てるというクイズです。
結果は予想した以上。どちらを2つのグラスに入れたか以前に、五つのグラスの区別がつかなかったのでした。見事に汚名返上したスクリューキャップ用コラヴァンです。普通のコルク用と比べて長期保存できないと言われていますが、少なくとも3カ月は大丈夫なことが立証されました。
ところで、我が家のセラーにも7月にコラヴァンで開けたワインが1本入っています(借りたコラヴァンで開けたので、現在手元にコラヴァンはありません)。
一応半年経ったら残りを飲んでみようかなと思っています。もう4分の3くらい空になっているので、条件としては結構ハードです。セラーで横置きにしているのも気体に触れる表面積が大きくなるので、厳しい条件なはず。これで、状態変わらなければ、窒素でもかなり行けるなあという感じがします。
リサはこのほかカリフォルニアのソノマとナパ(公式アナウンスはありませんが、最新号からパーカーに代わって担当しています)の担当があり、以前のロバート・パーカー並みのカバー範囲を受け持つことになります。
また、ブルゴーニュは英デカンター誌で編集をしていたウィリアム・ケリーがWine Advocateに移籍して担当することになります。ウィリアム・ケリーはカリフォルニアのセントラル・コーストも担当します。ウィリアム・ケリーはこれまでデカンターでカリフォルニアワインの記事を数多く書いており、かなり面白いものが多かったので今後も期待できそうです。
2017年6月にはWine Enthusiast誌からジョー・チェルウィスキーが移籍してきましたが、それに続く大手メディアからの移籍ということになります。
ワイン・メディアの戦国時代が始まり、という感もありますが、一方で専門家の権威が以前ほど絶対的でなくなってきているという感じも強く受けます。
例えば、今回のニール・マーティンの移籍でWine Advocate誌のフォーラムではさまざまな意見が出ていましたが、アントニオ・ガッローニのヴィナス(Vinous)を評価する声の中で意外と大きかったのが、「ヴィナスのサイトはセラー・トラッカーと連携していて便利」というものでした。
セラー・トラッカーはいわゆるCGM(Consumer Generated Media)で、一般のユーザーがワインの感想を書き合う形です。もちろん、個々のレビューの品質で言えば専門家にはかないませんし、好みの違いということもあります。ただ、複数のレビューを見ていると、なんとなく傾向だったり熟成の度合いだったりが見えてくるということもあります。日本で言えば食べログのレビューにも通じるところがありますが、評点そのものよりも書かれている内容には参考になる部分があります。
これがただちに評論家の権威失墜につながるとは思わないのですが、ワインのレビューにもいろいろな形があり、「パーカーポイント」だけではない、ということは重要な動きなのだと思います。この問題については、半年くらい前からずっと考えていて、実は書きかけの記事をずっと放ってあるのですが、まだ結論は出ていません。
ともかく、今回のニール・マーティンの移籍に伴うさまざまな動きは、ワイン・メディアの大きな地殻変動であり、それは評論家だけの問題ではないということは、ワイン・マニアとして心にとめておきたいことだと思います。
また、選ばれている顔ぶれを見ると、Wine Spectatorとは全く重なっていません。こちらの方が地域や品種などかなりユニークなものが多い印象です。Wine Spectatorは比較的有名どころが上位に入っていますが、こちらは10位にアマドール郡にあるイーストン(Easton)のジンファンデルが入っていたり、15位にハイツ(Heitz)が入っていると思ったら、カベルネとかではなくグリニョリーノという品種のロゼだったり、大分意表をつかれました。35位にはニューヨーク州のハーマン・J・ウィーマー(Hermann J. Wiemer)のリースリングが選ばれています。知らないワイナリーもだいぶありました。
1位はGary Farrell(ギャリー・ファレル、ゲイリー・ファレル)のシャルドネ。大手資本に売却されてどうなってしまうのか一時は心配だったワイナリーですが、最近は以前にも増して高品質になってきている様子。6位にもソノマからウィリアムズ・セリエム(Williams Selyem)。
18位にはアイアンホースのウェディング・キュヴェ。32位はモンダヴィ、トカロンのフュメ・ブランと懐かしい名前も入っています。
1位:Gary Farrell 2015 Russian River Selection Chardonnay (Russian River Valley、WE95、$35)
6位:Williams Selyem 2014 Coastlands Vineyard Pinot Noir (Sonoma Coast、WE98、$75)
10位:Easton 2014 Old Vine Rinaldi Vineyard Zinfandel (Fiddletown、WE95、$30)
11位:Trisaetum 2016 Ribbon Ridge Estate Dry Riesling (Ribbon Ridge、WE96、$32)
14位:Sineann 2015 Wy'east Pinot Noir (Columbia Gorge (OR)、WE95、$36)
15位:Heitz 2016 Grignolino Rosé (Napa Valley、WE95、$24)
17位:Shea 2014 Shea Vineyard Chardonnay (Willamette Valley、WE95、$35)
18位:Iron Horse 2013 Wedding Cuvée Sparkling (Green Valley、WE94、$44)
21位:Koehler 2014 Mourvèdre (Santa Ynez Valley、WE95、$30)
23位:Gundlach Bundschu 2016 Estate Vineyard Dry Gewürztraminer (Sonoma Coast、WE94、$25)
27位:Stolo 2014 Estate Syrah (San Luis Obispo County、WE96、$40)
31位:Two Vintners 2014 Syrah (Columbia Valley (WA)、WE93、$21)
32位:Robert Mondavi 2015 Reserve To Kalon Vineyard Fumé Blanc (Napa Valley、WE92、$52)
35位:Hermann J. Wiemer 2015 Dry Riesling (Seneca Lake、WE93、$19)
36位:Clendenen Family 2013 Le Bon Climat Pinot Noir (Santa Maria Valley、WE96、$50)
40位:Miraflores NV Muscat Canelli (El Dorado、WE95、$50)
45位:Talley 2015 Oliver's Vineyard Chardonnay (Edna Valley、WE95、$38)
47位:Bonterra 2014 Made With Organic Grapes Cabernet Sauvignon (California、WE92、$16)
51位:Stolpman 2016 Para Maria de los Tecolotes Red (Santa Barbara County、WE93、$22)
53位:Galerie 2016 Naissance Sauvignon Blanc (Napa Valley、WE94、$30)
59位:Vina Robles 2013 Suendero Red (Paso Robles、WE95、$56)
62位:Quady North 2015 Steelhead Run Vineyard Viognier (Applegate Valley、WE93、$23)
67位:K Vintners 2014 The Boy Grenache (Washington、WE94、$50)
70位:Mt. Brave 2013 Cabernet Sauvignon (Mount Veeder、WE95、$75)
79位:Kevin White 2015 Red (Yakima Valley、WE92、$18)
82位:Raptor Ridge 2015 Pinot Gris (Willamette Valley、WE92、$20)
83位:Woodward Canyon 2014 Artist Series #23 Cabernet Sauvignon (Washington、WE93、$59)
88位:Alloro 2014 Estate Pinot Noir (Chehalem Mountains、WE93、$35)
93位:Cadence 2015 Coda Red (Red Mountain、WE92、$28)
99位:No Girls 2014 La Paciencia Vineyard Grenache (Walla Walla Valley (OR)、WE94、$75)
18位に入ったウェディング・キュヴェ
アイアン・ホース ウェディング キュヴェ |
35位に入ったニューヨーク州のリースリング
ハーマン・J・ウィーマー ドライ・リースリング[2015]白(750ml) Hermann J. Wiemer Dry Riesling[2015] |
36位はオー・ボン・クリマのジム・クレンデネンによる別名義のワイン。
ル・ボン・クリマ ピノ・ノワール サンタ・マリア・ヴァレー [2013] クレンデネン・ファミリー・ヴィンヤーズ <赤> <ワイン/カリフォルニア> |
47位は有機ワインで有名なボンテッラ(Bonterra)。16ドルという比較的安価で、日本でもよく見かけるブランドです。この価格でトップ100入りは快挙でしょう。
シャルドネとピノ・ノワールの専業で、今後はマーカッサン(Marcassin 、マーカッシン)やキスラー(オキシデンタル)、ピーター・マイケルなどと並んで、ピノ・ノワールのビッグネームになる可能性があると思います。
2017年11月頭に発表されたWine Advocateの最新号では、編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンがウェイフェアラー単独の記事を書いています。
リサが今年一番感激した畑だというその畑は、フォートレス・シーヴューにあり、標高12007フィート、太平洋からも近い涼しいところ。マーカッサンの畑から道を上がって行ったところにあるそうです。実はこの場所を発見したのも当時はパルメイヤーのワインメーカーだったマーカッサンのヘレン・ターリー。畑作りはデイビッド・エイブリューが担当しています。
当初はパルメイヤーのワインとして作られましたが、2008年以降独立したブランドに。2012年に新しいワインメーカーを迎えて品質に磨きがかかっています。
例えば同誌の評価だと、2015年のウェイフェアラー、ヴィンヤードのピノ・ノワールが96点。同じくシャルドネは96+。
近隣だとマーカッサンをライバル視するシュレーダー傘下のボアズ・ヴュー(Boar's View)、マイケル・ブラウンのサーク(Cirq)なども注目ですね。エレガント系ではモンダヴィ系のレイン(Raen)などもあります。ピノ・ノワール・ファンにとっては見逃せない地域です。
2012年は94点。
ウェイフェアラー ヴィンヤード ピノノワール フォート ロス シーヴュー[2012] Wayfarer Vineyard PinotNoir Fort Ross Seaview[2012]△ |
2013年のトラベラーも94点,
■ウェイフェアラー ピノ ノワール マザー ロック[2013] 750ml WAYFARER Pinot Noir Mother Rock[2013]【出荷:7〜10日後】 |
2013年のマザーロックも94点。
■ウェイフェアラー ピノ ノワール マザー ロック[2013] 750ml WAYFARER Pinot Noir Mother Rock[2013]【出荷:7〜10日後】 |
トーマス・リヴァース・ブラウンについては、このあたりをご参考に。
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
今年のWine Spectator年間7位もトーマス・リヴァース・ブラウン作でした。
Wine Spectator年間7位はトーマス・リヴァース・ブラウン作
ウォリス・ファミリーはナパのダイアモンド・マウンテンのワイナリー。いわゆる山カベですね。かなりタニックな作りのようです。リトル・シスターはそこのセカンド的なワインですが、ヴィナスのアントニオ・ガッローニがWine Advocate時代に今回のワインをレビューしています。レイティングは89と決して高くないのですが、悪い評価をしたというよりも、試飲をした2012年の段階ではあまりにもタニックで閉じていて、「ほとんど評価不可能」だったとのこと。飲み頃は2016~2025年としていますから、もしかしたら今はすごくおいしくなってきているかもしれません。
いずれにしろ、トーマス・リヴァース・ブラウン作のカベルネで1万円切るのは滅多にないこと、というか初めて見るような気がします。
ウォリス・ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン "リトル・シスター" ダイヤモンドマウンテン(ナパ・ヴァレー) [2010] (正規品) Wallis Family Estate Little Sister |
ちなみに、トーマス・リヴァース・ブラウンのリヴァース・マリーのピノ・ノワールは1万円切るものもかなりあります。個人的にはかなりおすすめ。自社単一畑のスーマでも税別なら6000円台。
【よりどり6本以上送料無料】 リヴァース マリー ピノ ノワール スーマ ヴィンヤード 2012 750ml アメリカ カリフォルニア 赤ワイン |
ソノマ・コーストなら5000円台。これも相当おいしいです。
【よりどり6本以上送料無料】 リヴァース マリー ピノ ノワール ソノマ コースト 2013 750ml アメリカ カリフォルニア 赤ワイン |
レッド・カーは2000年にロスアンゼルスで設立。当初は趣味のワイン作りで、派手なラベルにワインも濃い味付けだったのが、ソノマ・コーストに畑を購入し、バランス重視派になっていきました。
今のレッド・カーのワインもおいしいのですが、昔のケレン味のあるワインも捨てがたい、というか、それはそれで良かったと思うんですよね。特にワインごとに違っていたラベルも統一してしまったので、なんだか普通のワイナリーみたい、と思ってしまうのです。
アントニオ・ガッローニはWine Advocate時代に、ファンシーな名前やラベルをやめるのは、今の真摯なワイン造りにあっていると書いていますが、そこは違うんじゃないかと。「そのセリフ、マンフレッド・クランクル(シネ・クア・ノンのオーナー)にも言えるのか?」と小一時間問い詰めたい所存です。
もう、市場に出回っているレッド・カーのワインはほとんどが新ラベルのものになっていますが、まだ「トロリー」シリーズなど少しは残っています。買うなら今のうち、のワインです。
レッド・カー トロリー シャルドネ [2012] Red Car Trolley Chardonnay [2012] |
レッド カー ワイナリー キュヴェ 22 シラー 2009 |
第1会 DRCエシュゾー2009年
第2会 シャトー・マルゴー1981年
第3会 ドン・ペリニヨン・ロゼ2004年
第4会 シャトー・ディケム1910年
第5会 ドメーヌ・不ルーロ・ラローズ ル・モンラッシュ1991年
という5話の構成で、タイトル通り、東京で開かれるワイン会での人間模様を描いています。
主人公は26歳で不動産会社に勤めるOLの桜木紫乃(しの)。紫という字を使ったのはワインの色にかけているのか、それとも源氏物語の紫の上とイメージを重ねているのか。というのは、彼女は第1会で、同僚の雨宮千秋に初めてワイン会に連れられていき、そこでIT会社社長の織田一志と知り合いになるのです。織田はワインに詳しく、毎週のようにワイン会を主催しているのですが、事情があってしばらくそれに出られなくなります。そこで紫乃に代わりにそれに出て報告を送ってもらうというそういう契約をするのです。この、織田が紫乃をワインマニアとして育てていく感じが、ちょっと源氏物語チックに感じられたのですが、それは穿ち過ぎでしょうか。
ともかく、こうしてワイン会に参加するようになった紫乃ですが、彼女は『神の雫』ばりにイマジネーション豊かなテイスティング・コメントをつぶやくのです。織田もその才能に惚れ込んだということなのでしょう。ただ、神の雫のテイスティング・コメントは、いきなり情景の中に飛び込んでしまうのに対し、この小説ではもっと普通の、アロマや味わいを表現する言葉も使われています。その分、こちらの方が実際の味は想像しやすい感じがします。
このように、味覚・嗅覚、そしてそれを言葉にすることは天才的な紫乃ですが、ワインについては素人ですから、一生懸命勉強して知識を身に着けていきます。本書はそういったワインの教科書的な部分もあります。ワインを知らない人が、これを読んで「ワインっておいしそう」「このワインの世界に触れてみたい」と思えば、作者にとっては願ったりかなったりだと思います。正直、僕もここに出てくるワインを飲みたくなりました。
ちなみに、カリフォルニアワインで登場するのは第1会の初めてのワイン会で「ザ・プリズナー」が出てきたのと、第3会でオーパス・ワンの2013年が出てきただけでした。どちらも、否定的には書かれていなかったのでよかったです。
小説の中での取り上げやすさを考えると、やはりボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュになってしまうだろうな、というのはわかります。それでも1話くらいニューワールド系を主役にしてほしかったとも思います。フランスのワインへのあこがれでワインを飲み始めた人は、どうしてもニューワールドを下に見てしまいがちですから(そういえば、第1会の最初のワイン会はニューワールドが中心で、織田さんはそれをちょっと否定的なニュアンスで使っていました。そこは気になったところ)。
という愚痴は置いておいて、気軽に読めて、ワインを飲みたくなる、そんな小説です。
マーク・ビクスラーはMITやUCバークレーで化学を学び、キスラーではラボを担当するほか、セールスやマーケティングも一手に引き受けていました。
キスラーのメーリングリストも彼が立ち上げたもの。リストの顧客からも大変高く支持されていました。
キスラーの顔といえばもう一人の創設者で、ワイナリー名にもなっているスティーブ・キスラーですが、現在はワインメーカーを元ハドソン・ヴィンヤードのジェイソン・ケスナーに譲り、新ブランドのオキシデンタルに注力していると言われています。それに引き換え、マーク・ビクスラーは現在もセールスやマーケティングなどの中心であり、今後の運営が気がかりです。
購入する株式は60%。残りはアン・コルギン夫妻が所有します。
LVMHはシャンパーニュではクリュッグやドン・ペリニヨン、モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコなどを所有、ボルドーではイケムやシュヴァル・ブランを所有、このほかニュージーランドのクラウディ・ベイなど、多数の有力なブランドを抱えています。
カリフォルニアではこれまでニュートンだけを所有していました。
カリフォルニアだけ抜き出した結果がこちらです。
1位:Duckhorn Merlot Napa Valley Three Palms Vineyard 2014(WS95)
8位:Meyer Cabernet Sauvignon Napa Valley 2014(WS95、$70)
9位:Pahlmeyer Chardonnay Napa Valley 2015(WS95、$75)
10位:Booker Oublié Paso Robles 2014(WS95、$80)
12位:Bedrock Zinfandel California Old Vine 2015(WS93、$25)
16位:Turley Zinfandel Paso Robles Ueberroth Vineyard 2014(WS95、$48)
21位:Hartford Family Zinfandel Russian River Valley Old Vine 2015(WS94、$38)
22位:Saxum James Berry Vineyard Paso Robles Willow Creek District 2014(WS97、$98)
24位:Justin Justification Paso Robles 2014(WS94、$50)
25位:Roederer Estate Brut Anderson Valley NV(WS92、$24)
26位:Tablas Creek Patelin de Tablas Blanc Paso Robles 2015(WS93、$25)
28位:Kendall-Jackson Chardonnay California Vintner's Reserve 2015(WS91、$17)
53位:PlumpJack Syrah Napa Valley 2014(WS94、$60)
57位:Mason Sauvignon Blanc Napa Valley Yount Mill Vineyard 2016(WS90、$19)
67位:The Calling Chardonnay Russian River Valley Dutton Ranch 2015(WS91、$32)
77位:Oberon Merlot Napa Valley 2015(WS90、$23)
79位:Alban Syrah Edna Valley Reva Alban Estate 2013(WS94、$98)
81位:Dutton-Goldfield Pinot Noir Russian River Valley Dutton Ranch 2015(WS92、$44)
82位:Pali Wine Co. Pinot Noir Sonoma Coast Riviera 2015(WS90、$22)
86位:Lancaster Cabernet Sauvignon Alexander Valley 2014(WS94、$75)
89位:Daou Cabernet Sauvignon Adelaida District Estate 2014(WS94、$85)
93位:Revana Cabernet Sauvignon Napa Valley 2014(WS96、$165)
11位以下ではまず12位にベッドロックのオールドヴァイン ジンファンデル2015。ベッドロックのオールドヴァインについては、このブログでも再三取り上げていますが、ベッドロックらしさ、カリフォルニアの19世紀に植えられた古木の畑らしさ(ジンファンデルがメインではありますが、同じ畑に多数の品種が植えられています)をいかんなく発揮していて、価格もむちゃくちゃ高くはないという、よくできたワインです。カリフォルニアワインのファンだけでなく、ほかの国のワインのファンにもぜひ飲んでみてほしいと思うワイン。ベッドロックが過去にトップ100に入っていたかどうか未確認ですが、12位という上位はすばらしいです。日本にも当該ヴィンテージが入っています。
ベッドロック オールドヴァイン・ジンファンデル カリフォルニア |
16位、21位とジンファンデルが続きます。そういえばトップ10常連だったセゲシオは今年は入ってないですね。
24位にはパソ・ロブレスの雄、ジャスティンのジャスティフィケーション。ちょっと懐かしい名前です。
【20%OFF】ジャスティン・ヴィンヤード・ジャスティフィケーション・パソ・ロブレス2014 |
22位にはサクサムのジェームス・ベリー・ヴィンヤード ウィロー・クリーク・ディストリクト2014。ジェームス・ベリーは飲んだことありますが、これはさらに一区画のブドウだけを使ったもの。日本にも現物が入ってきています。
サクサム プロプライエタリーレッド "ジェームス・ベリー・ヴィンヤード" ウィロウ・クリーク・ディストリクト(パソロブレス) [2014] (正規品) Saxum James Berry |
25位にはロデレール・エステートのブリュット。日本にはなぜか廉価版のカルテットと、高級版のエルミタージュだけが入っていて、普通のブリュットは入っていないようです。
28位にはなんとケンダル・ジャクソンのヴィントナーズ・リザーブ・シャルドネ2015。なんというか、こんなメジャーなワインがこのリストに入るのはなんだか不思議な感じもしますが、よほどこのヴィンテージがよかったのでしょうか。日本には次の2016年も入ってきています。2015はこちら。
[2015] ケンダル・ジャクソン ヴィントナーズ・リザーヴ シャルドネ |
77位、オベロンのメルロー2015。日本にも当該ヴィンテージが入っています。
オベロン メルロー ナパヴァレー[2015] (750ml)赤 Oberon Merlot Napa Valley[2015] |
81位のダットン-ゴールドフィールド、ダットンランチ・シャルドネ2015も当該品が入っています。これは日米価格差もかなり少ないです。
Dutton Goldfield Dutton Ranch Chardonnay [2015] / ダットン・ゴールドフィールド ダットン・ランチ シャルドネ [US][白] |
93位にはレヴァーナのカベルネ・ソーヴィニヨン2014が。これは8位のMeyerと同じくトーマス・リバース・ブラウンがワインメーカーを務めるワイナリーです。
ニール・マーティンはWine Advocateではボルドーとブルゴーニュ、南アフリカ、ソーテルヌ、トカイを担当。同誌がワイン業界に影響力を一番持っているボルドーのプリムールなども担当しています。
Wine Advocateは、今年ローヌやカリフォルニアのセントラル・コーストなどを担当していたジェブ・ダナックが自身のメディアを立ち上げるために独立しており、2人の重要なテイスターを失ったことになります。
ジェブの担当分野や、これまでパーカーが担当していたナパ、ソノマは現在編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンが担当していますが、注目度の高いボルドー、ブルゴーニュの担当を失うのは大きな痛手です。代わるレビュアーがどうなるのか、今後の同誌の運営が問われることになります。
【追記】
Wine Advocate誌のフォーラムでは、現在の契約期間が終わったら、Wine Advocateをやめるという表明が次々に出ています。
デルーカ(DeLuca)ヴィンヤードというこの畑は1961年に自根で植樹されたものでデルーカ家がこれまで管理していました。マイケル・デイヴィッドは2004年からセブン・デッドリー・ジンズ用に購入を始め2009年からは全量を購入していました。
セブン・デッドリー・ジンズ用の畑の中でも高品質のブドウを作る畑であり、今回同家から畑自体を購入するこおtになりました。
マイケル・デイヴィッドのワインは名前がちょっとユニークで際物に見えるかもしれませんが、品質はすごくまっとうで、パーカーも高く評価しています。ジンファンデルとプチ・シラーは特にいいと思います。もし飲んだことなかたらお試しいただきたいワインです。
マイケル・デイヴィッド オールドヴァイン・ジンファンデル "ザ・セブン・デッドリー・ジンズ" ロダイ [2014] (正規品) Michael David The Seven Deadly Zins |
マイケル・デイヴィッド プティ・シラー "プティ・プティ" ロダイ [2015] (正規品) Michael David Petite Petit |
価格はWine-Searcher.comで調べても76ドル~(平均86ドル)するのが日本では5000~6000円台。ナパでエステートの単一畑ものでこの価格となると、もう比較の対象になるワインもないくらいです。ちなみにワイナリー価格は100ドルですから約半額。
あの「シャネル」が所有するワイナリーということで、ブランドとしても価値は十分。
ワインのタイプはビッグでフルボディーな、いかにもカベルネ・ソーヴィニヨンというタイプ。そういうタイプのワインを飲みたい人にはぜひ候補に入れて欲しいワインです。
サン・スペリー ダラーハイド ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン 2013 750ml (ワイン) 【wineday】 【楽ギフ_包装】 【楽ギフ_のし】 |
サン スペリー ダラーハイド カベルネ ソーヴィニヨン 750ml [アメリカ/赤ワイン] |
前年の2013年のこのワインは何度か試飲しているのですが、そのたびに「これはおいしい」と思います。例えば「ダックホーン/パラダックス・セミナー 試飲編」では、
そしてスリー・パームスはやっぱりこの日のハイライト。90年代のメルローブームのときに粗悪なメルローに山ほど当たってきた私としては、映画「サイドウェイ」のマイルズのように「くそったれなメルロー」と言いたい気持ちはよくわかるのですが、このメルローは文句なし。しなやかでエレガント、でもしっかりとストラクチャーもある。と書いています。錚々たるワインが並ぶ中川ワインの試飲会でも、このワインの美味しさは目立っています。ちなみに2013年のWine Spectatorでの評価は92点、今回の2014年は95点。ということで2014年のものはさらにおいしいようです。
これは楽しみですね。
ダックホーン メルロー ”スリー・パームス・ヴィンヤード” ナパヴァレー |
セラー・セレクションというのはワインセラーに置いておきたい、熟成を楽しめる価値のあるワインのリスト。
ちなみに、これより上位にランクインしているカリフォルニアワインだと4位にスポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨン2013、9位にシュラムスバーグのJシュラム・ロゼ2008、13位にジョセフ・フェルプスのインシグニア2014といったそうそうたるワインが入っています。50ドルという定価は、25位までの最安。日本でもほとんど同じ価格、というかむしろ安いくらいで買えるのがありがたいワインです。
以前からたびたび書いていますが、オー・ボン・クリマは今の日本ではすごく過小評価されていると思います。価格も安すぎるくらい。カリフォルニアのシャルドネやピノ・ノワール飲むなら買わないともったいないワイナリーです。
しあわせワイン倶楽部では、現在このワインのセール中(今回の情報もここのメルマガで知りました)。
オー・ボン・クリマ ピノノワール ”ノックス・アレキサンダー” サンタマリアヴァレー |
ワイン関連ではこれまで、第2回(2008年)に故ロバート・モンダヴィが、第3回(2009年)に、シェ・パニース・レストランのアリス・ウォータースが選ばれています。また、ワインで選ばれたわけではないですが、第8回(2014年)にはフランシス・フォード・コッポラも選ばれています。
カリフォルニアの名誉の殿堂は、2006年に、カリフォルニアの先進的な精神を実現し、歴史に名を刻んだ人物を称えるために設立され、サクラメントにあるカリフォルニアミュージアムにその功績が展示されます。
なお、これはCulinary Institute of Americaが選ぶカリフォルニアワインの名誉の殿堂(Vintners Hall of Fame)とは別物です。こちらは2007年から2013年まで選ばれ、その後ストップしています。2017年内に「Wine Hall of Fame」と改名する予定になっています。
さすが中川さんですね。すばらしい顧客をたくさん抱えているからこそ、この実績ができたのだと思います。
次は12月5日に「ワインエイドが、ナパなどの大火事に向けチャリティパーティ開催」で紹介した「#California Kizuna Project」ですね。みなさんも奮って参加ください。
8位はナパのカベルネ・ソーヴィニヨン「Meyer」(メイヤー)。フライパンで有名なブランドのオーナーが作ったワイナリーで、ナパの南東の端ゴードン・ヴァレーというところにあります。ナパも、オークヴィルやラザフォードなど中心部分はほとんど開発しつくされているので、ナパ郡の中でも地理的なナパ・ヴァレーをはずれたクームズヴィルやチャイルズ・ヴァレーなどがこれからは面白そうです。
ワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。さすがですね。
参考:
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
残念ながらこのワインは日本には輸入されていないようです。
10位から8位までカリフォルニアワインが続きました。例年3~5本くらいだと思うので、今年は多いですね。山火事の後で忖度があった? というのは冗談ですが。上位にも期待したいところです。
7位はフランスのサンテミリオンのワイン。シャトー・カノン・ラ・ガフリエール2014。これは日本にも入っています。
【よりどり6本で送料無料】[2014] シャトー カノン ラ ガフリエール 750ml(サンテミリオン特別級)赤ワイン【コク辛口】 【ワイン】【AB】^AKGF0114^ |
トーマス・リヴァース・ブラウン自身のブランド「リヴァース・マリー」のカベルネ・ソーヴィニヨンなどは日本にも入っています。ほかにレヴァーナ、プリド~ウォーカー、シュレーダーなどありますが、どれも高価です。
ミッション種というのは、スペインの宣教師がキリスト教の布教のために伝道所「ミッション」をカリフォルニアに次々と建てていったのですが(南はサンディエゴ、北はソノマまで21のミッションが作られ、それをつなぐ道が「エルカミノ・リアル」でした)、そこでワインを作るために植えられた品種が「ミッション」です。
いわば、カリフォルニアで一番古いワイン用ブドウの品種ともいえるわけですが、現在ではミッションはほとんど残っていません。このサマーズ・ヴィンヤードのブドウもいつ植えられたものだかはっきりしないのですが、最低でも60年は経っているものとみなされています。
ミッション種は赤ワインようのブドウですが、色がさほど濃くならないため、このワインではボージョレ・ヌーボーと同じマセラシオン・カルボニックで色を抽出しています。比較的淡い味わいで、一般的なカリフォルニアワインとは大きく異なりますが、カリフォルニアワインの歴史を感じられるワインとなっています。
で、タイトルに戻りますが、このミッション種はチリでも同様に布教とともに広がり(カリフォルニアより古く16世紀のことです)、「パイス」と呼ばれています。パイスは庶民用のワイン(酸化した味わいで決しておいしいものではないらしいです)を作るために使われたため、今でも広く作られていますが、近年ではより洗練されたワインを作るために使う生産者も増えています。
カリフォルニアワインのインポーターである布袋ワインズもそういった歴史に共鳴してパイスのワインを輸入しています。これも軽い味わいでおいしいワインです。Wine Advocate誌で92点。濃いワインに高い点を付けると言われている同誌ですが、こういったワインもちゃんと評価しているのはさすがだなあと思います。
このほか、色が濃くないことをいかしてロゼのスパークリングを作っている生産者もいます。エノテカが輸入しているミゲル・トーレス・チリのものは試飲したことがありますが、チャーミングで予想以上においしいスパークリングでした。
古くて新しいワイン、パッションとパイス。ある意味、「ネオクラシカル」などといわれる流行の最先端のワインです。
《ブロック・セラーズ》 ミッション “サマーズ・ヴィンヤード” ロダイ [2016] Broc Cellars Mission Somers Vineyard, Lodi 750ml [カリフォルニアワイン ロウダイ/ローダイ赤ワイン] |
■ヴィーニャ・マイティア アウパ ピペーニョ[2014](750ml)赤 Vina Maitia Aupa Pipeno [2014]【出荷:7〜10日後】 |
[NV] サンタ・ディグナ・エステラード・ブリュット・ロゼ / ミゲル・トーレス・チリ チリ マウレ・ヴァレー / 750ml / 発泡・ロゼ |
9位はパルメイヤーのシャルドネ2015。パルメイヤーのシャルドネというと映画「ディスクロージャー」を思い出してしまうのですが、この映画は1995年。もう20年以上前ですね。最近はあまり話題に上がらなくなってしまったパルメイヤーですが、実はいいワイン作っています。ただ、私としては、パルメイヤーがソノマ・コーストで作る「ウェイフェアラー」に結構気を取られていたので、パルメイヤー自身のワインはちょっと盲点になっていました(ちなみにウェイフェアラーのピノはおいしいですよ、要注目です)。
日本には今のところ前のヴィンテージまでしか入っていないようですね。
■パルメイヤー シャルドネ ナパヴァレー[2014] PAHLMEYER Chardonnay Napa Valley[2014]【出荷:7〜10日後】 |
まずはモンテベロの畑について基本的なことをおさらいです。サンタ・クルーズ・マウンテンズの山の上の方にある畑で標高は406~815m。海底火山が隆起した地形で石灰岩があるのが特徴です。石灰岩はワインにミネラルや酸、リッチなタンニンを与えるとされており、世界の偉大なワインの多くが石灰岩の土地に畑があります。カリフォルニアでも、カレラが石灰岩の畑を求めて人工衛星の画像を調べたという逸話は有名です。
1999年から有機栽培に取り組んでおり、モンテベロのカベルネ・ソーヴィニヨンは2017年から100%オーガニックになっています。発酵は天然酵母で行い、畑の区画ごとに醸造しています。ポンプ・オーバーを使ってやさしい抽出を行っています。そのまま3~4カ月貯蔵している間にマロラクティック発酵は自然に進みます。また、リッジはアメリカンオークの樽を使っていることでも知られています。注意深く作れば、フランス製の樽と品質は変わらず、コストは半分以下に抑えられるとのことです。
モンテベロのカベルネ・ソーヴィニヨンは、できたワインのうち40%程度のものから作られます。ブレンドを決めるのは、醸造と栽培のチーム・メンバーだけ。マーケティング的な視点はいれず、純粋においしいワインを作るという目的だけでブレンドを決めているとのこと。これはかなり珍しいそうです。
試飲はモンテベロのシャルドネ2012からです。これもアメリカンオークを使っています。レモンの香りにチョーク、バニラ、はちみつといった香りもします。味わいは香りに比べると少しまろやかで、オレンジにチョーク、ストラクチャーのしっかりとしたシャルドネです。16カ月シュール・リーで熟成しているとのことで非常に風味豊かです。出荷時のPHは3.2とのことで、やはり酸度はかなり高いです。収穫から5年たってもまだフレッシュな風味を残しているのはそのためなのでしょう。個人的に、昔からすごく好きなシャルドネの1つです。
ちなみに、リッジには1970年代からのこのワインが貯蔵されているそうですが、こういった古いワインを今開けてもやはりフレッシュさが残っているそうです。
次はメルローのエステート。エステートの畑とはモンテベロのことです。モンテベロと名乗らない理由については聞き損ねました。カシスや花の香りに、チョークを感じるのは石灰岩という刷り込みが頭に入っているせいでしょうか。タンニンも酸もしっかりとあるワインで、メルローとしては非常にストラクチャーを感じます。ちなみに、このメルローはフランスのポムロールから苗木を持ってきたものだとのこと。クローンの選択はメルローにおいて非常に重要だそうです。ちなみにカベルネ・ソーヴィニヨンのモンテベロは当初カベルネ・ソーヴィニヨン100%でしたが、今はメルローをブレンドしているそうです。
以下4種はカベルネ・ソーヴィニヨンのモンテベロです。ヴィンテージは2013年、2012年、2010年、2008年。
2013年は旱魃の影響でメルローのできが悪く、5%しかメルローを使っていません、代わりにプチ・ヴェルドを8%入れています。カシスやブルーベリーの果実味がしっかりとあり、甘草やロック、ブラックペッパーなどさまざまな風味が出ています。モンテベロの特徴はこういった果実味以外の風味をしっかりと持っていることです。非常に味が詰まった感じがします。
2012年は2013年と比べると赤系の果実がゆたかです。リッチでカラフル、パワーもあります。香りがすばらしい。22%
2010年になると熟成の雰囲気が出ています。カシスやブラックベリーの果実味に、杉や洗練されたタンニン。いいですね。
最後の2008年はオレンジにピールの味わい、カシス。ストラクチャーを感じます。酸は2010年と比べると少なめ、これも味が詰まったワイン。
リッジのモンテベロをこれだけ試飲したのは初めてです。とても貴重な経験ができました。ただ、この美味しさを言葉で使えるのはちょっと難しいですね。
リッジ シャルドネ・モンテベロ [2012]Ridge Chardonnay Monte Bello |
【正規品】リッジ メルロ エステート[2012]Ridge Merlot Estate 750ml [2012] |
【木箱発送可】 リッジ カベルネ・ソーヴィニヨン "モンテ・ベッロ" サンタクルーズマウンテン [2013] (正規品) Ridge Monte Bello |
[Decanter100点]リッジ・ヴィンヤード ”モンテベロ” サンタクルーズマウンテン[2013] |
まずは、火事の話から。ダグ・シェーファーの自宅はセント・ヘレナにあるのですが、日曜日の夜10時10分ごろ、息子がスタッグス・リープ方面に火や煙が出ているのを見つけ、急いで車で向かったそうです。ものすごい強風で、火と煙は竜巻のようになっていたそうです。朝7時にはワイナリーぎりぎりまで火が来ましたが、ブドウ畑が自然の防火帯になって、ワイナリーや近くにある父親の家は難を免れたとのこと。レンタルハウスが1つ燃えてしまったのが最大の被害でした。
この日は本当に風が強く、カリストガで発生したタブズ・ファイアーの場合、そこからサンタ・ローザまでわずか3時間で燃え広がってしまったそうです。
シェーファーでは収穫も済んでおり、5日間停電はありましたが、その間は発電機でまかなえたのでワイン作りにも支障はきたさなかったとのこと。
あと、一般論として煙の被害については確かに否定できないのですが、対処法についてのマニュアルもあるので、各ワイナリーのワインメーカーは最善を尽くすでしょうとのこと。そして、ナパは何よりも品質を大事にする地域なので、実際のワインに汚染が認められたら、それをそのまま出荷することはなく、実際に出荷するワインの品質が落ちる心配はさほどないのではないか、とのことでした。例えば近年だと2011年は雨が多く難しい年でした。クオリティーに達しないワインは売ってしまったので、実際に作られたワインの品質は担保されたといいます。
余談ですが、そういえばシェーファーには以前「ファイアーブレーク」(防火帯)というサンジョベーゼ・ブレンドのワインがありました。このワインは、1981年の山火事の際に防火帯となっていたところを畑にしたことから名付けられたのですが、今回は畑そのものが自然の防火帯になったとのことでした。
ワインは2015年のシャルドネ・レッド・ショルダー・ランチ、2015年のTD-9、2014年のカベルネ・ソーヴィニヨン・ワン・ポイント・ファイブ、そして2013年のカベルネ・ソーヴィニヨン・ヒルサイド・セレクトでした。
まずはシャルドネからです。これがびっくりするくらいおいしい。シェーファーというと赤ワインのイメージが強いですが、これは主役を張れるくらいの実力があります。例えば、オーベールのAVAものと同レベルに感じました。ダグも「おいしいでしょ」っていっていたので、かなり自信あるのでしょう。なお、25%ステンレスのバレルを使っているとのこと。
オレンジやクリーム、はちみつの香り、華やかな果実味にバニラやクリームブリュレのようななめらかな味わい。ホワイトペッパーの風味。フルボディのワインだが、マロラクティック発酵を行っていないので、フレッシュな味わいを強く残しています。
次が新作TD-9。
シェーファーにとってメルローは頭痛の種でした。自社畑はあるのですが、収量が安定せず、購入したブドウも合わせて作られていました。2015年の収穫時期のある日、ワインメーカーのイライアス・フェルナンデスがダグにいいました。「メルローという名前をやめればもっといいワインができるよ」。メルローと名乗るためにはメルローを75%以上使っていないといけないわけですが、その縛りを解きたいというのです。「ならやってみてよ」とダグ。エルナンデスが研究室にこもって1時間。「できたよ」というので行ってみたところグラスが2つ用意されていました。比べてみたところ「右のグラスがいい」と二人の意見が一致。それが、ブレンドになりました。それで、メルローという名前をはずすことにし、代わりに、シェーファー家がナパに来て最初に買ったトラクターの名前をワインに使うことにしました。
TD-9のコンセプトは「一番おいしいブレンドを作る」ことなので、ブレンド比率は毎年変わります。最初のものはメルローが56%になりました。残りはカベルネ・ソーヴィニヨンが28%、マルベックが16%。自社畑のブドウがメインで、メルローは外からの購入を止めたそうですが、マルベックなどは買いブドウも含まれているそうです。
日本ではシェーファーのメルローは昔から人気のワイン。確かに、このサイトを始めた1990年代末期にもシェーファーといえばメルロー、カリフォルニアのメルローといえばシェーファーといっても過言ではないくらいポピュラーなワインでした。それをやめてしまうことについては、素直に「ごめんなさい」とのこと。ただ、メルローは今でも好きだし、メルローを今も育てているし、それをやめる気はさらさらない。ただ、それを使ってもっといいブレンドを作るのだということで理解してほしいと、ダグは言っていました。
さて、実際のワインですが、やわらかさとストラクチャーを併せ持ったワインです。濃いですが重くない。洗練されたタンニン。後述のカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインがストラクチャーを前面に出したような味わいであるのと比べると、TD-9はメルローの比率が多いぶん、ソフトで飲みやすい印象があります。若いときに飲むのならこちらの方がおいしいくらい。いいワインです。
次は2014年のワン・ポイント・ファイブ。ワン・ポイント・ファイブというのは「1.5世代」という意味。シェーファーを作ったジョン・シェーファーと現当主であるダグ。ダグも最初からワイン作りに携わっていたので第2世代というよりも、1.5世代だということだそうです。
ワインはTD-9と比べるとストラクチャーがよりしっかりとし、スパイシーな味わいもあります。カベルネ・ソーヴィニヨンが95%とのこと。
最後は2013年のヒルサイド・セレクト。カベルネ・ソーヴィニヨン100%で作られるシェーファーのフラッグシップです。
カシスやブルーベリーなどの濃厚な果実味。しっかりとしたストラクチャー。ヒルサイド・セレクトを飲むといつも、そのかっちりとした味わいに、いいカベルネ・ソーヴィニヨンだなあと思います。100%のカベルネ・ソーヴィニヨンのお手本といってもいいワインでしょう。杉やなめし革のような複雑な味わいもあるので、熟成してもおいしいのは間違いないでしょう。というか、開くのにある程度時間がかかるので、すぐに飲むなら、これよりもTD-9やワン・ポイント・ファイブの方がおいしく感じられるかもしれません。
最後に、会場となったANAインターコンチネンタルホテル「ステーキハウス」の料理を紹介します。どれも美味でした。
シャーファーのメルローが懐かしいという人は今のうちに買っておきましょうね。
Shafer Vineyards Merlot [2014] / シェーファー メルロー ナパ・ヴァレー [US][赤] |
■シェーファー ナパヴァレー メルロー[2014]赤(750ml)SHAFER Napa Merlot[2014]【出荷:7〜10日後】 |
●最終作 《シェイファー》 メルロー “ナパヴァレー” [2014] Shafer Vineyards Merlot Napa Valley シェーファー 750ml [カリフォルニアワイン ナパバレー赤ワイン] |
シェーファー メルロー ナパヴァレー |
リンク先には地図がありますが、山火事で焼けた範囲の地図と、ブドウ畑の地図を重ね合わせることで、直接被害を受けた畑を調べています。
それによるとソノマは800エーカー、ナパは700エーカー、計1500エーカー(約6平方キロメートル)が被害を受けており、これは両地域の畑の面積の1.6%に相当するとのこと。
1.6%を大きいと思うか小さいと思うかその評価は難しいところですが、データとしては参考になります。
コングスガードといえば、シラーなどもむちゃくちゃ美味しいですが、やっぱり白眉はシャルドネですね。2013年にWine Advocateで100点を取ったフラッグシップの「ザ・ジャッジ」は個人的にもカリフォルニアで最高のシャルドネだと思っている一品で本ヴィンテージも98-100という点数が付いています。ただし、今回は単体販売はなさそう。ナパ・シャルドネも96-98という高評価。
コングスガード・ナパ・ヴァレー・シャルドネ [2015]年 750ml【白ワイン】【辛口】 |
コングスガード シャルドネ(ハイド×ハドソン・ヴィンヤード) ナパ・ヴァレー [2015] (正規品) Kongsgaard |
ジャッジ入りは、今は12本のアソート(うち1本だけジャッジ)しかないようです。
コングスガード・ナパ・ヴァレー・シャルドネ[2015]年 750ml 11本&ジャッジ [2015]年 750ml 1本の12本セット【白ワイン】【辛口】 |
別ヴィンテージならジャッジ単体もあります。2009年は98+の評価。
【新入荷★特別価格】[2009] コングスガード シャルドネ ザ・ジャッジ |
2014年は98点。
【新入荷★特別価格】[2014] コングスガード シャルドネ ザ・ジャッジ |
参考:
Kosta Browne Winery: ピノ時代の寵児になった21世紀的ワイナリ
コスタ・ブラウンは2018年春に、初めてテイスティング・ルームをオープンする予定。そして、創設者のダン・コスタとマイケル・ブラウンは、出資者としては残るもののワイナリーのオペレーションから離れていくことになります。
未だに、メーリング・リストは数年の待ち行列ができていますが、社長兼CEOのスコット・ベッカーは、「このままでは滅びてしまう」と懸念しています。
こんなエピソードがあります。2015年からワインメーカーを務めるニコ・クエバとベッカーがニューヨークの有名なレストラン「ブレスリン」に行ったとき、ニコ・クエバは「ジョリー・レイド」という、ソノマでマイナー品種のワインを作るワイナリー(このブログで紹介しているワイナリーだと、マイケル・クルーズやブロック・セラーズのようなところ)のTシャツを着ていったところ、ソムリエは「そのワイナリーから来たの? そこのワインは好きだよ」といい、コスタ・ブラウンという名前については「聞いたことない」という反応だったそうです。
IPOBのような活動においても、コスタ・ブラウンは「濃くて甘くて、食事に合わないワイン」の典型だとしてやり玉にあがることが多くあります。そのスタイルでの成功が自らを苦しめる元になりつつあるのです。
現在、マイケル・ブラウンとダン・コスタはそれぞれのプロジェクトを始めています。マイケル・ブラウンは「サーク(Cirq)」、ダン・コスタは「アルデンアリ(AldenAlli)」です。どちらもソノマ・コーストのブドウを使い、コスタ・ブラウンと比べてエレガントなスタイルになっています。
コスタ・ブラウンでも、大樽を使った醸造や熟成、天然酵母などを試しているとのことで、今後は大きくスタイルを変えていくことになりそうです。そういえば、2016年には「コスタ・ブラウンがアンダーソン・ヴァレーのセリースを買収」というニュースもありました。リトライで知られる「薄旨」系のセリースの畑を買ってどうするのだろうと思ったものですが、背景にはこういったスタイルの変革があるのですね。
分かれていく3者がいずれも同じような方向性に行くというのも、ちょっと奇妙な感じがしないでもないですが、コスタ・ブラウンでさえも、時代の流れには逆らえないということでしょうか。個人的には、コスタ・ブラウンだけは、あのスタイルを堅持してくれてもいいのではないかとも思うのですが。
コスタ・ブラウンが「ブレイク」するきっかけになった2003年の貴重なワインです。この年のワインがWine Spectatorで絶賛されたことがピノ・ノワール・ブームの走りにもなりました。
コスタ・ブラウン ピノノワール コーン・ヴィンヤード [2003] 750ML |
2012年の単一畑もの。10年前は単一畑どころかAVAものも入手困難でした。
コスタ・ブラウン ピノ・ノワール "ゲイリーズ/カンツラー/ギャップス・クラウン/コプレン/キーファー・ランチ" [2012] (蔵出し品) Kosta Browne |
調べていて気付いたのですが、このサークはむちゃくちゃ安いです。Wine-Searcherの平均価格で172ドルですから。世界一安いかも。全力でおすすめします。
参考:サーク(Cirq)はやっぱりおいしかった(キスラーも)
[2011] サーク トゥリー・ハウス・ヴィンヤード ピノ・ノワール ルシアン・リバー・ヴァレー CIRQ TREEHOUSE VINEYARD PINOT NOIR |
概要:
開催日:2017年12月5日(火) 18:30開場 19:00開演
会 場:アグネスホテルアンドアパートメンツ東京
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-20-1
TEL : 03-3267-5505
http://www.agneshotel.com/access/
会 費:10,000円(税込)
※会費より利益のすべてを支援金として寄付いたします。また10,000円以上のご入金を頂いた場合は差額の全てを寄付いたしますので何卒よろしくお願い申し上げます。
来場者数は最大120名。
申込みはこちらからです。ワインエイドが集金などをうけおっています。
参考:
モンダヴィ家の最新ワイナリーはピノ専業で高評価
【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜 ←余談ですが、これ本当に力作なんです。モンダヴィ関係でだれがだれだかわからなくなったら、僕もこの記事で復習しています。
記事タイトルでも「ピノ専業」などと書いてしまっていますが、実はシャルドネも始めているんだよということで、最初のヴィンテージを早速購入されたKさんからお誘いを受けました。
ワイン会にきちんとは参加できなかったのですが、ちょっとでもということでずうずうしく試飲だけさせてもらいに行ってしまいました。場所は赤坂の「あじる亭 カリフォルニア」です。
レインだけいただくつもりだったのですが、ほかに持ち寄られたワインもいただいてしまいました。本当に恐縮です。
まずは、ケイマス系列のコナンドラムが25周年で作ったスパークリングという珍しいワインです。軽いイースト香、花の香りやメロンの風味など、ヴィオニエ風の味わいに、アフターをちょっと引き締めるような軽い苦味はソーヴィニヨン・ブラン由来でしょうか。セパージュの詳細は明らかにされていませんが、白のコナンドラムと基本的に同じだそうです。スパークリングとしては比較的酸がおだやかなので、ふだんスパークリングを敬遠している人でもすいすい飲めるようなワインです。
次が本命のレインのシャルドネ。2016年で畑はソノマ・コースト(AVAはフォートレス・シーヴュー)のチャールズ・ランチ。フランスワイン風のラベルは畑の名前よりも「フォートレス・シーヴュー」というAVAの名前が目立つユニークなデザイン。
ボトル番号が振ってあり、111番というのは奇しくもこの日の日付11月1日と重なっています。
オレンジなど柑橘系の香りが、びっくりするような濃度で押し寄せてきます。飲んでみると、意外と果実味は少なく、エレガントさが引き立つ味わい。酸はかなり強め。ハーブやいわゆるミネラルっぽさなど、果実味以外の要素がしっかりと感じられるワインなので、5年以上熟成させると魅力がさらに上がってくるのではないかと思いました。カリフォルニアワインファンからすると、もう少し果実味を前面に出してもいいのでは、という気もしました。
次はA.P. Vinのピノ・ノワール ゲイリーズ・ヴィンヤード2014。ゲイリーズのワインを飲むのも久しぶりです。A.P.Vinは、ローリングやオーガスト・ウエストなどの流れを引くワイナリーですが、比較的エレガントなワインを作るとされています。一方、ゲイリーズは、サンタ・ルシア・ハイランズの3大著名畑と言っていいピゾーニ、ゲイリーズ、ロゼラズの中でも芯の太いワインができるので有名な畑。エレガント系かボールド系かどちらに行くのだろうと味わってみると、煮詰めたジャムのような、あま苦さがあり、これはまさにゲイリーズ。久しぶりにこの味飲みました。最近、ピノ・ノワールもかなりエレガントな方向にスタイルが移行していますが、ここまでゲイリーズらしさを打ち出すのは、逆にすがすがしいですね。個人的には好きです。
参考:A. P. Vin: 新世代ピノ・メーカーの筆頭格
最後はナパのワイナリー「スイッチバック・リッジ」のカベルネ・ソーヴィニヨン2002。15年たって果実味が落ちてきて、それ以外の要素が次第に出てこようとしている感じのワイン。もうちょっと時間をかけて味を引き出したかったです。
ワイン持ち寄られた方々、ごちそうさまでした。
前回はハーランなどがかなり安くなっていましたが、今回の目玉はオーパス・ワンの1980年代や1990年代のもの、それからダラ・ヴァレのフラッグシップ「マヤ」です。
オーパス・ワンは1984年が4万9800円、1985年が5万9800円など、税抜き価格ですが4万円台から5万円台で多くのヴィンテージが出ています。古いヴィンテージは保存状態などが気になるところですが、このショップはフランスの銘醸ワインのオールド・ヴィンテージものなども数多く扱っているので信頼はできるでしょう。キャップシールの腐食や、ラベル破損などについてはサイトに写真付きで載っています。全部で10ヴィンテージほど出ています。
オーパス・ワンのセール品一覧
マヤはWine Advocate誌で100点がついた2013年が7万9800円、98+点だった2010年が4万9800円、96点だった2008年が4万4800円(いずれも税抜き)など。マヤが税込みでも4万円台というのは、これまで見たことあるかどうか…1990年代末のカルトワインブームのときにサンフランシスコのワインショップで300ドル台で売っているのを見て、値段の高さにびっくりしたものですが、当時から日本では7万円くらいしましたから、高級ワインが全般に当時の2~3倍程度に値上がりしていることを考えると、相対的にはずいぶん安くなった感じがあります。スクリーミング・イーグルやハーラン、コルギンあたりに比べると話題に上ることは少なくなりましたが、おそらくそれはワイナリー側があえて積極的なマーケティングをしていないだけだと思います。評価は相変わらず高いです。
【新入荷★特別価格】[2008] ダラ・ヴァレ マヤ |
【新入荷★特別価格】[2010] ダラ・ヴァレ マヤ |
【新入荷★特別価格】[2013] ダラ・ヴァレ マヤ |
というかマヤをこれだけのヴィンテージそろえて売っているだけでもかなりすごいです。
マヤの一覧
過去30年以上にわたって作られてきたこのワインですが、畑はバックリン(Bucklin)という家が持っています。10月の山火事で、ソノマのグレン・エレンやケンウッド、ナパのマウント・ヴィーダ―(先日、今年のワインをあきらめたという話を紹介したマヤカマスはここにあります)に大きな被害をもたらしたナンズ・ファイアーで建物2軒が焼けたほか、畑周辺の木も燃え、ソノマで最も古いといわれているジンファンデルの古木も一部焼け焦げてしまいました。
収穫はかなり済んでいましたが、レーヴェンスウッドの親会社であるコンステレーション・ブランズの契約しているブロックはまだ手付かずでした。そのブロックそのものは火にはやられませんでしたが、何日も濃い煙にまかれた状態が続きました。
火事が一段落した後、コンステレーションがブドウを調べたところ、煙の汚染物質がブドウから見つかり、コンステレーションは今年のブドウを購入しないことを決めたそうです。
しわよせがワイナリーではなく、畑の生産者に来るのはなんだかかわいそうです。そういったことに対応する保険もあるそうですが、バックリン家は加入していませんでした(今後は加入する意向だとか)。バックリン家では、自家のワイナリーでこのブドウを使ってみる予定ですが、ワインとして売れるかどうかはわからないとのこと。
ジンファンデル以外のフラッグシップが「アイコン」。いくつかの古木の畑のブドウをブレンドしており、オールド・ヒルも使われています。
試食したのは4つの新作。まずは11月の下旬に発売される「セブンプレミアム 苺のケーキサンド」です。
まだ、パッケージも完成していないとのことで、ジッパー付きの袋で配られたこのアイス、サンドしている生地がふわふわで柔らかいのです。亀屋万年堂のナボナのようなやわらかさと食感、味わいの生地でした。アイスはコチコチに凍った状態なのに、生地でこの柔らかさを出すのはかなりの技術が必要だったようです。中のアイスは苺の風味がよく、甘さは少し控えめな感じ。アイスクリームケーキ的なアイスです。
次もサンド系で「チョコが濃厚なブラウニーサンド」。生地はブラウニーになっています。
先程のとは打って変わって、サンドはサクサクした食感。かなり濃厚なチョコレート感。バニラアイスとの相性もいいです。かなり満腹感のあるアイスでした。
次は10月下旬に発売した「どら焼きアイス」です。
この生地もスポンジケーキのようにふわふわですが、先程の苺のケーキサンドほどは柔らかくなく、まさにどら焼きのよう。粒餡のあんこもあずきバーのように固くなく、ほどよい感じ。餡や生地の香りや食感もすばらしいです。これはどら焼きとしても新しいジャンルを築くのではないかと思うほど秀逸です。どら焼き好き、あんこ好きの人にはぜひ食べて欲しいアイスです。
最後は「トップスチョコレートケーキアイスバー」。
赤坂のケーキ屋さんトップスのチョコレートケーキは有名ですが、これをアイスバーにしたものです。今年4月に一度発売したそうなのですが、そのときは瞬殺。あっという間に売り切れてしまったとか。
写真がピンぼけでわかりにくいですが、中にくるみが入っていて、食感も味わいもまさにトップス。トップス好きの人なら納得する味わいだと思います。あえて難点をいうと、ほかのアイスよりもちょっと溶けるのが速く、若干食べにくかったこと。このアイスを食べるときは食べることに集中した方がいいとおもいます。
今回のアイス4作。さすがの美味しさでした。なお、こういった新作のアイスは工場と、生産個数で契約をしているようで、一定個数売れたら売り切れということになります。大体1~2カ月くらいの製品寿命を見込んでいるそうですが、売れ行きがいいともっと早くなくなる可能性もあります。特に「トップス」は早く売り切れてしまう可能性が高そうなのでお早めに。
見て分かるようにワイナリーのすぐ裏手の岩のところまで焼けています。今は焼け跡で黒くなっていますが、これが真っ赤に燃えていたらと思うと、ぞっとしますね。木村さんからは「山火事が寸前まで迫っていたのは、恐怖でした。シルバラード方面のワイナリーは火が寸前で消し止められているところが多くみられました」というコメントをいただいています。
スタッグス・リープ・ディストリクトのシルバラード・トレイルより東側のワイナリーは、多かれ少なかれ、同じような恐怖に直面したのだと思います。同じ道沿いのダリオッシュもかろうじて被害を免れたとの話でした。
火事で行くのを躊躇されいてる方もいらっしゃると思いますが、Visit Californiaは以下のような投稿をしています。
訪問することが現地の元気につながると思います。
久しぶりに火事関連の記事を書いているのでいくつかアップデート情報を記しておきます。
まず、ナパやソノマなどに大きな被害をもたらした山火事はいずれも10月末に「100% Contained」の状態になりました。まだすべて火が消えたわけではありませんが、とりあえず、一定の地域内に収めたという形になります。「Contained」という言葉の意味するところについては、また項を改めて説明したいと思います。それにしても3週間近くの火災、奮闘した消防士の方々は本当にお疲れ様でした。
ナパのマウント・ヴィーダ―にある老舗のワイナリー「マヤカマス」(先日の「ニュー・カリフォルニア試飲会でおいしかったワイン(後編」でも紹介しています)も、大きな被害を受けたワイナリー。ワイナリーのメイン・ビルディングは無事でしたが、隣のレジデンスは焼け落ち、畑も2割近く焼けてしまいました。そして2017年のワインはすべてダメになった可能性が高いようです。というのも、当時ワインは醸造中で蓋のついていない醸造槽に入っていました。そこで何日もの間、煙に触れてしまったので、まずだめだろうということです。残念なことです。
地域全体の被害額については、いろいろな試算が出ています。10億ドルといった数字も上がっていますが、それはかなり少なめの数字で、現在は30億ドルとか60億~80億ドルといった数字が出ています。
で、閉じたテイスティングルームがどうなるかというと、今度は模様替えして「プリズナー」のテイスティングルームになるとのこと。オープン時期は未定です。
実は、フランシスカンもプリズナーもコンステレーション・ブランズ傘下のワイナリー(モンダヴィやクインテッサなどもあります)。だから同じグループ内でテイスティングルームを交代したということです。
確かに、大人気ワイナリーのプリズナーがテイスティングルームを持っていないのはもったいない。フランシスカンのテイスティングルームはハイウエイ29沿いで人が集まるセントヘレナの町からも近い、超一等地。企業論理的には理解できますが、何か寂しいですね。
余談ですが、フランシスカンは以前はフランシスカン・オークヴィル・エステートと名乗ってました。そして、実はワインの大半はラザフォードのブドウを使っており、テイスティングルームはセントヘレナ。なんだか面白いなあと思ってました。「ラザフォードベンチ」はもうないのかなあ…
なお、フランシスカンのカベルネは間違いなくお買い得なワイン。超おすすめです。
フランシスカン ナパヴァレー カベルネソーヴィニヨン |
上級版のマニフィカもあります。
●【最上位版】パーカーヴィンテージチャート98点2013年 《フランシスカン・エステイト》 マニフィカ ナパヴァレー (カベルネソーヴィニヨン主体) [2013] Franciscan Estate MAGNIFICAT Napa Valley 750ml [カリフォルニアワイン ナパバレー] フランシスカン6本で送料無料 |
アルノー・ロバーツのシャルドネ「トラウト・ガルチ・ヴィンヤード」2016。畑はサンタ・クルーズ・マウンテンズにあります。きれいな酸とふくよかなボディ。レモンやオレンジの柑橘系フレーバー。最近のカリフォルニアのシャルドネは本当においしいものが増えていると思います。
リバース・マリーのピノ・ノワール「スーマ・オールド・ヴァイン」2013。リバース・マリーの作るワインの中でもうまみが強く、複雑味があり、果実味以外の要素を多く持っているワイン。
昨日の記事でも紹介したラ・クラリーヌ・ファームの「ピエディ・グランディ」2015。ネッビオーロとムールヴェードルのブレンド。果実味もしっかりしているのですが、旨味も強くおいしいワイン。
ここからは布袋ワインズ輸入のワインです。
レオ・スティーン(Leo Steen)の「シュナン・ブラン ジュラシック・パーク・ヴィンヤード」2014は、今回始めて試飲したワイナリー。シュナン・ブランも最近取り組むところが増えている印象があります。親しみやすい味わいのものが多いですが、このシュナン・ブランは複雑さがあり高級感のある味わい。
ベンチと、その左にあるバリックは同じ作り手が作っているそうですが、味わいはかなり違います。個人的な好みはベンチの方。はちみつやオレンジの芳醇な味わいに爽やかさもあります。3000円台のシャルドネとしては出色では。
カリン・セラーズの「シャルドネ キュベLD」1994年はもう4、5回試飲していると思いますが、そのたびに感心するワインです。20年以上の熟成でうまみたっぷり。これだけきれいに熟成した白ワインはそうそうないのではないかと思います。これのどこがニュー・カリフォルニアワインなのかというと難しいところではありますが、唯一無二の個性を放っているというのも今の時代に合っているような気はします。
リトライの「ソノマ・コースト ピノ・ノワール2015」。リトライの本領を発揮するのは単一畑ものだと思いますが、1万円以下でリトライらしさを味わえるという点では、このAVAものも捨てがたい気がします。
地震でワイナリーが全焼してしまった、パラダイス・リッジのジンファンデル。ラベルに長沢鼎があしらわれています。ミディアムボディでおいしいジンファンデルです。
カベルネ・ソーヴィニヨン3連続。右のベンチと左のスカラー&メイソンはタニックでクラシックな作り。バリックはこの中では一番モダンなスタイル。「ニューカリフォルニア」という意味では形容矛盾なようですがクラシックな両脇の方が面白いです。
ここからはワイン・イン・スタイルが輸入するワインです。
タトマーはサンタ・バーバラのワイナリー。リースリングをメインで手がけている珍しいワイナリーです。個人的にはあまり飲まない品種ではありますが、この「ヴァンデンバーグ 2015」はおいしかったです。
スクライブ(Scribe)はソノマに2007年にできた新しいワイナリー。「テロワール」を重視したワイン作りをしています。
上の写真の左はドライなリースリング。酸がきれいです。右はいわゆる「ペティアン・ナチュール」(発酵途中に瓶詰めすることによってできる微発泡なワイン)のリースリング。最近ペティアン・ナチュールが人気だという話はここかしこで聞き、実際試飲すると、とても口当たり良く飲みやすいワインが多く、その人気もなるほどと思っています。このペティアン・ナチュールも問答無用なおいしさ。本来クラブメンバー限定のワインをごく少量輸入するそうなので、どれだけ出回るかわかりませんが、今回の試飲会のワインの中でも一番「今っぽい」ワインかもしれません。
下は「サン・ローラン」という品種のワイン。この品種を飲むのは多分初めてです。軽いけれども美味しいワインです。
レイン(Raen)はロバート・モンダヴィの孫(父親はコンティニュームのティム・モンダヴィ)がソノマで作るワイン。「ロイヤル・セント・ロバート・キュベ ピノ・ノワール2015」。酸がきれいでうまみもあります。
マサイアソンのシャルドネは柑橘系の味わいとバランスのよさを感じるワイン。IPOBのメンバーでした。
ハンゼルはIPOBにも入っていました。シャルドネもピノ・ノワールも高品質です。
マヤカマスは懐かしい味。特にカベルネ・ソーヴィニヨンはタニックですが山カベのよさが出ています。
フェイラのワインはどれもレベル高いです。特によかったのは「シャルドネ エステート・ヴィンヤード フォートロス・シービュー2015」。「ピノ・ノワール ソノマ・コースト2015」もコスパが光ります。
ユニークなワインを作るスコリウム・プロジェクトでは一番左のサンソーを使った「1MN」がよかったです。
終盤はちょっと息切れ気味。どれが美味しかったか以上のコメントがあまりできていません。すみません。精進します。
参加するインポーターは、ilovecalwine、モカルト、ミライズ。ilovecalwineでは今回ワイナリーが全焼してしまったシニョレッロが作る、トリム、エッジ、フューズという3部作のカベルネ・ソーヴィニヨンを扱っています。
【日時】 11月11日(土) 19:00~21:30
【会場】 赤坂あじる亭カリフォルニア
東京都港区赤坂4-2-3ディアシティ赤坂・一ツ木館2F
【会費】 お1人さま¥10,000(ドリンクチケット4000円分付)
無料でお飲み頂けるワインも沢山ご用意しております。
【人数】 30名様まで
*店内に椅子のご用意もございますが基本立食となります
*満席になり次第受付を終了させて頂きます
ilovecalwineのワインでは上記3つは無料で飲め、このほかポール・ラトーのワインが有料(ドリンクチケット対象)で提供されます。
モカルトはジンファンデル2種が無料対象。有料(ドリンクチケット対象)はカベルネ・ソーヴィニヨン3種となります。
ミライズは先日紹介したポートフォリオとトカドを輸入するインポーター。さすがにポートフォリオは有料(ドリンクチケット対象)になりますが、トカドは無料で飲めます。
ワイン売上の半分は寄付になるとのこと。
申込みはFacebookで
Pray for Californiaワイン会
から「参加予定」にするか、直接各インポーターにご連絡ください。会費は当日直接会場での支払いになります。
ただバランス重視というのはニュー・カリフォルニアワインの1つの側面であって、それ以外にも土着品種の見直しなど、ニュー・カリフォルニアワインには多様な要素があります。結果として今回の試飲会はIPOBの試飲会と比べてもさまざまなカリフォルニアワインの姿が出ていたように思います。
前置きが長くなりましたが、4社(中川ワイン、富士インダストリーズ、布袋ワインズ、ワイン・イン・スタイル)の中から中川ワインと富士インダストリーズのワインをまず紹介しましょう。
オー・ボン・クリマは90年代に堀賢一さんが、ブラインド・テイスティングで多くのソムリエがオー・ボン・クリマのピノ・ノワール「イザベル」をロマネ・コンティと間違えたというエピソードを披露したことから、すごい人気を博しました。近年は昔ほど話題には上りませんが、良質なワイン作りを続けています。シャルドネ「ニュイ・ブランシェ」はかつては、「果実味たっぷりで樽を効かせた」スタイルでしたが、現在はバランスが取れたワイン作りになっています。とはいえ、新樽もある程度(以前聞いたときは60%という話でした)使っていますし、マロラクティック発酵もしているクラシックなシャルドネのスタイルですが、やり過ぎにならないところがすごくいいワインだと思います。もっと評価されていいワインだといつも感じます。
IPOBの中心メンバーだったワイナリー。IPOBの試飲会では、確かにワインはバランスが取れておいしいのですが、逆にアルコール度数や果実味を抑える方向にワインの焦点がいってしまっていて、複数試飲していると単調に感じられてしまうこともなきにしもあらずでした。このシャルドネ「エステロ ロシアン・リバー・ヴァレー2014」は、そこに陥らず、果実味を含んだ様々な要素が現れていると思います。ピノ・ノワールの「ラグーナ ソノマ・コースト2013」もお手本的においしいワインでした。
リースのシャルドネ「アルパイン・ヴィンヤード2014」は、いわゆるミネラルっぽい味わいを持ったワイン。果実味もあるのですが、それ以外の味わいが重厚さ(味が重いということではなく)を出しています。ピノ・ノワールの「ホースシュー・ヴィンヤード2014」も果実味以外の、落ち葉やなめし革のような味わいをしっかりと持ったワイン。熟成が楽しみなタイプのピノ・ノワールです。
マウント・エデンのシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンはどれもハイレベルで長熟が可能なスタイル。今回は特に山カベスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンがいい感じでした。
リースとマウント・エデンはともにサンタ・クルーズ・マウンテンズのワイナリー。この地域にはほかに長熟なカベルネ・ソーヴィニヨンで知られるリッジもありますし、今はこの地域を去ってしまいましたが高品質なシャルドネやピノ・ノワールでIPOBのメンバーだったヴァーナーもありました。ニュー・カリフォルニアワインとこの地域との相性がいいのか、気になるところです。
ここからは富士インダストリーズのワインです。中川ワインがシャルドネやピノ・ノワールを中心としたある意味トラディショナルなセレクションだったのに対し、ここのワインはもっととんがっています。
今回、日本に届いたばかりというのがラ・クラリーヌ・ファームのワイン。シエラ・フットヒルズにあるこのワイナリーは日本の「自然農法」提唱者である福岡正信の影響を受けた農法を実践しています。一時はバイオダイナミクスの認証まで受けましたが、「プレパレーション」を多用したその方法はむしろ自然ではないということで、この農法に行き着いたとか。ワインはスペイン系の品種を使ったものが多いようです。「モマ(Mo-Ma)」というこのワインは赤ワインを作るムールヴェードルと白ワインを作るマルサンヌの頭文字を2文字ずつ取ったもの。収穫後に一緒にプラスティック製タンクに入れて天然酵母で発酵、そのまま熟成して瓶詰めしているとのこと。色はロゼというより薄い赤で、「うすうま」という言葉がよく似合うワイン。癖になりそうな味わいです。
リキッド・ファームはサンタ・リタ・ヒルズのワイナリーで、自然なワイン作りを志しています。「ホワイトヒル シャルドネ2014」はシャブリを意識しているといいますが、オレンジやクリームの味わいもあり、おいしいシャルドネ。もう1つの「ゴールデンスロープ シャルドネ2014」はとても旨味を感じるシャルドネ。どちらもおいしいです。
アーバン・ワイナリーとして何回か紹介したブロック・セラーズはカリフォルニア各地の知られざる畑からワインを作っています。古い畑や急斜面など、非常にユニークな環境のものが大多数。「スパークリング・シュナン・ブラン2016」はパソ・ロブレスにあるシェル・クリーク・ヴィンヤードという有機栽培の畑のもの。植樹は1972年というからかなり古い畑です。やわらかな酸でクリーミーなスパークリング・ワイン。
ブロック・セラーズからあと2本紹介します。ラブ・ホワイトはここの入門的ワイン。オレンジの風味。とても飲みやすいワイン。ここのワインが好きになるかどうか気になる人は、まずラブ・ホワイトとラブ・ロゼを飲んでみるのがいいと思います。もう1つのジンファンデルはジンファンデルとしてはかなり酸が強く、うまみのしっかりしたワイン。いわゆるジンファンデルの概念を改めるようなワインです。好き嫌い分かれるところかもしれませんが。
ロバート・モンダヴィの醸造責任者として知られているジェヌヴィエーヴ・ジャンセンスのプライベート・ブランド「ポートフォリオ」(Portfolio)を扱うミライズさんの試飲会に行ってきました。といってもワインはポートフォリオと、ソーヴィニヨン・ブランの「トカド」(Toquade)の2つだけです。
参考
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
エレガンス系カベルネの究極? 「ポートフォリオ」にうなる(2012年の試飲です)
トカドは、クリスティーン・バーベ(Christine Barbe)さんが作るソーヴィニヨン・ブラン専業のワイナリー。クリスティーンは以前モンダヴィでジェネヴィエーヌさんの下で働いていたことがあり、その縁で紹介されたワインだとのことです。ナパのヨントヴィルで無灌漑のオーガニックの畑で栽培されているブドウを使っています。ステンレス・スティールのタンクで発酵。シュール・リーでそのまま半年澱の上で熟成してボトル詰めされています。今回試飲した2015年は収穫量が少なく、非常に収穫時期が早かったヴィンテージです。希望小売価格は4200円。
ライチや白桃などの甘いフルーツの香りがすばらしいワイン。酸味はソーヴィニヨン・ブランとしては比較的おだやかですが、次第にオレンジなどの柑橘の風味もでてきます。やわらかい味わいで、ワンランク上のソーヴィニヨン・ブランという感じです。高級ソーヴィニヨン・ブランとしては価格も安いと思います。
ポートフォリオの新ヴィンテージ2013年は、近年でも特に品質が高いと評判のヴィンテージです。畑はヘンドリーのブロック8のカベルネ・ソーヴィニヨンが83%とオークヴィルにあるデタート・イーストのカベルネ・フランが17%。きちんと確認していませんが、デタートの畑は元々のトカロンに含まれるところだと思います。ヘンドリーの畑はオークノール。ナパでもかなり古いカベルネ・ソーヴィニヨンが植わっている畑です。希望小売価格は3万5000円。
ブルーベリーやカシスの香り、鉛筆の芯のような香りもあります。口にふくむとブルーベリー、ブラックベリーなど青系の果実の風味が広がりますが、あとから甘草やなめし革のような味わいもやってきます。とても上品。ポートフォリオとしては凝縮感があるヴィンテージとのことですが、ナパのカベルネでよく見られる爆発的な濃厚さではなく、上品さの中での濃厚さになっています。
似た雰囲気のワインとしては、コルギンのIX(ナンバー・ナイン)エステートを思い起こします。コルギンはプリチャード・ヒルの丘、こちらはヴァレー・フロアと大分畑の場所は違いますが、イメージは共通します。なんてことを思っていたら前インテージのときも「カルト系のワインだと、コルギンが「女性的」とよく言われ、実際にそういう印象もありますが、コルギンの女性らしさは米国の女性に似たゴージャスさと明るさ。それに対してポートフォリオには日本女性のようなしなやかさと芯の強さがあるような気がします」と書いていました。
価格帯で言えばオーパス・ワンの現行ヴィンテージと同等か少し安いくらい。オーパス・ワンもナパのカベルネ・ソーヴィニヨン系としては比較的上品ですが、ポートフォリオよりは男性的なイメージがあります。生産量も輸入量も大きく違いますので、直接比べる意味はあまりありませんが、ポートフォリオの方がラベルも含めて芸術肌。ひと味違うものが好きな方への贈答などにもいいと思います。
まだ新ヴィンテージは入っていませんが…
理由はコルクの欠陥。2017年5月にボトル詰めしたときに、コルクの欠陥によるパラフィンのかけらに気づき、すぐいボトル詰めをやめてコルクメーカーに問い合わせました。するとコルクメーカーは問題を認識していて、次のロットでは大丈夫だと請け負ったそうです。
しかし、ボトル詰め後、新しいコルクを使ったワインにパラフィンなどを発見。検査したところすべてのワインが汚染されていたとのこと。汚染されたワインの中にはフラッグシップのバイオニック・フロッグやカユーヴ・ヴィンヤードなどが含まれていたそうです。
汚染されたワインは3000ケース。300万ドルにもなると言われています。
良い知らせとしては、畑は無事だったこと。また、これも被害の大きかったソノマのケンウッドにもう一つのテイスティングルームを持っていたのですが、それが無事だったことが判明しました。このテイスティングルームについては、だいじよという話と、焼け落ちたという噂が混在し、現地に行くこともできずやきもきしていたそうですが、避難解除でようやく無事が確認されました。
オーナーがいま心配しているのは、旅行者がソノマに来ないこと。ほとんどのワイナリーは無事に再開していますから、旅行者が来て、ワインを飲んでくれることが、現地にとっての1番の応援です。
パラダイスリッジのワインもまだ日本にありますからぜひ飲んであげてください。先日、ジンファンデルを試飲しましたが、バランスよくいいワインでしたよ。
2本セット パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング シャルドネ[2014] ジンファンデル[2013]PARADISE RIDGE Kanaye The Grape King Chardonnay Zinfandel Sonoma |
パラダイスリッジ カナエ ザ・グレープ・キング シャルドネ 14 |
パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング ジンファンデル [2013]赤ワイン アメリカ カリフォルニア |
パラダイス・リッジ・シャルドネ・カナエ・ザ・グレープ・キング2015 |
【ふるさと納税】鼎(カナエ)・ザ・グレープキング 赤・白 ワイン 2本セット |
日時: 2017年11月12日(日) 17:00~
会場: リビエラ青山 2F ザ・パーチ
〒107-0062 東京都港区南青山 3-3-3 TEL.03-5411-1140
会費:15,000円(税込) 当日現金でお支払ください。
今回は会場費、食費を除いたすべてを寄付するとのこと。寄付先は以前も触れた「CAWineStrong」です。
立食形式で食事はビュッフェ、ワインは中川ワインが今回の被災地となった、ナパ、ソノマ、メンドシーノのものから提供します。ボンド、ルイス、ダックホーン、ホーニッグ、シュグ、ノリア、ベッドロック、ゴールデンアイなど15種類ほどを予定しています。ボンドとかルイスとかが出るなんて、さすが中川さんです。ベッドロックやノリアも嬉しい。
このほか、有料試飲として、ハーラン・エステート、スケアクロウ、シュレーダーをそれぞれ1本ずつ、グラス1杯5000円(50ml)で提供する予定です。この売上はすべてチャリティに回されます。チャリティ・オークションも行い、その売上もすべて寄付に回されます。
申し込み方法は次の3種類のいずれかです。
① 中川ワインにお電話でお申込みください。 TEL 03―3631-7979 (受付時間:平日 10 時から 17 時迄)
② 申込書にご記入の上、FAX 下さい。 FAX 03-3161-7980
申込書のダウンロードはこちら(PDF)
③ お名前、ご連絡先、参加人数を記載の上、contact@nakagawa-wine.co.jp へメール下さい。
人数は100人限定です。お早めにどうぞ。
Youtubeより
撒かれた難燃材の量は260万ガロン、約1万立方メートルにも達したそうです(More than 2.6 million gallons of fire retardant dropped)。
この難燃材、かなりベトベトしたものだとのこと。口に入っても害はありませんが、これが着いたブドウなどを食べるのは推奨しないそうです(そりゃそうだ)。
畑のブドウの樹に影響ないかも気になりますが、そもそも畑の上にはほとんど撒かれていないようです。
今回の火事でブドウ畑はどちらかというと、火災の広がりを抑える防火林的な働きが目立ったそうです。なので、敢えてそこに難燃材を撒く必要はなかったようです。
ヴィノスやまざきさんが、11月に上野の「パルコヤ」(パルコが松坂屋併設でオープンする新店舗)に店舗を開くのを機会に開いたワインメーカーズディナーに参加しました。
サンタ・ルシア・ハイランズのパライソからはマイク・ファイン氏。パライソは元々ナパなどのワイナリーにブドウを売っていたのを、自社でもワインを作るようになってきたとのこと。ヴィノスやまざきにはパライソ・ブランドのワインのほか、ヴィノスやまざき専用に作っている「ディアリッチ」を卸しています。ちなみにディアリッチ(DearRich)はヴィノスやまざきの社長が、パライソの当主だったリチャードさんに送った手紙の冒頭「Dear Richard」から取った名前だとのこと。ラベルにもそのときの手紙の文が描かれています。
ディアリッチのシャルドネ2016はさわやかな香りと酸味に、ヴァニラやオレンジ、はちみつの風味が豊かなワイン。リッチさと軽さのバランスがよくできています。2780円という価格としては非常にいいできのワイン。
ちなみに会場は東京アメリカンクラブ。料理もおいしいです。
次はナパのウォーターストーンからブレント・ショートリッジ氏。ウォーターストーンは畑も醸造設備も持たないワイナリー。テイスティング・ルームも構えず、コストを抑えてワインを作っています。今回の火事の被害も特にはなかったようです。現在のワインメーカーはベリンジャーから来たモーリーさんという女性。
「スタジオ」の白はオレンジの風味。おだやかな酸味にカスタードやヴァニラ、メロンなどリッチな味わい。ヴィオニエとマルサンヌ、ルーサンヌのブレンドとのこと。ワインの酸が苦手という人が喜びそうなワイン。2980円はかなりのコスパ。
写真を撮り忘れましたが、次は各種チーズに合わせてディアリッチのピノ・ノワール。ピノ・ノワールはコストが厳しいという理由でこのところなかったのをなんとか作ってもらったとのこと。濃いめのピノ・ノワールで樽がしっかり利いています。酸味が苦手だったり、パワフルなピノ・ノワールが好きな方に向くワイン。クローン7種をブレンドすることで複雑さを出しているとのこと。これも2980円ですからがんばってますね。
次はウォーターストーンの「スタジオ」の赤。これはカベルネ・ソーヴィニヨンにプティ・シラーなどをブレンドしています。タニックでスパイシー、カシスや鉛筆の芯のような風味。樽もかなり利いています。赤ワインはガツンとこなきゃ、という人に向きそう。3980円でこの凝縮感は立派でしょう。
サーロインステーキ。
ステーキに合わせて、両ワイナリーから特別なワインが。
アレキサンダー・スミスのシラーは赤系の果実にスパイス、タニック。パワフルですが、おもすぎずおいしいワイン。
ウォーターストーンからはカベルネ・ソーヴィニヨンのリザーブ2012年。こちらはミディアムボディのカベルネ・ソーヴィニヨン。なかなかおいしいです。
ヴィノスやまざきのワイン、ものすごく高級だったりマニア向けだったりはしないですが、多くの人が喜びそうな味わいをそこそこの価格で実現しているのは立派だと思います。どちらのワイナリーのワインも普段使いプラスアルファ的にはとても優れていると感じました。
この画像はナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの小枝さん若下さんがナパを応援するために作ったものです。お店で募金箱に貼ったり、空きボトルに貼って一輪挿しに使ってくださいとのこと。業務用にはステッカーも作ってくださっているので問い合わせはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズさんへ。
ユーザーができる一番の応援はワインを買って、飲むことなので、被災地のワインを中心に、しばらく紹介していきたいと思います。
まずは、しあわせワイン倶楽部で期間限定価格になっているロバート・モンダヴィのナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨン2013/2014。モンダヴィのナパ・カベといえばナパのカベルネの一番のスタンダードと言っても過言ではないワイン。2013年のものでWine Spectator90点など、評価も安定しています。今回の火事では、ソノマのケンウッドなどからナパのマウント・ヴィーダ―などに広がったナンズ・ファイアーがロバート・モンダヴィの所有地の近くにまで迫りましたが、到達はしなかったようです。
次はモンダヴィはモンダヴィでも故ロバート・モンダヴィの長男であるマイケル・モンダヴィのワイナリー(ちなみに孫の一人の名前はロバート・モンダヴィ・ジュニアです)。ここのフラッグシップは「M」というワインですが、その次に位置づけられている「アニモ(Animo)」というワイン、これの2017年のものが今回の火事で作れなくなってしまったそうです。アトラスピークにあるオーガニックの畑のブドウを使っていたのですが、火事で畑自体がだいぶ焼けてしまった上、残ったブドウを摘んでみたものの、醸造しようとしたら、やはり煙の汚染がひどく使い物にならなかったとのこと。
最後は、火事でワイナリーが焼けてしまったシニョレッロ関係のワイン。ここのお値打価格ワインのシリーズに「トリム」「エッジ」「フューズ」というカベルネ・ソーヴィニヨン系の3つのワインがあります。その中から「エッジ」を紹介します。4000円前後の価格帯は、今ナパのカベルネではかなりホットな領域。各インポーターさんがかなり戦略的にこのゾーンを狙ってきており、コスト・パフォーマンスが高いワインが多いです。エッジもその1つといっていいでしょう。
利益はすべて、以前紹介した「CAWineStrong」を通じてワインカントリーに寄付される予定です。
今のところワインセットは4種類。
ガーギッチ ヒルズ / ジンファンデル & ヒュメ ブラン 12800円【送料無料】
シルヴァラード / カベルネ ソーヴィニヨン & シャルドネ 11300円【送料無料】
ブロック セラーズ / ジンファンデル & カリニャン 9200円【送料無料】
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどの声明でも、ワインカントリーに来たり、そこのワインを飲んだりすることが一番の応援になると言っています。ワイン飲みましょうね。
David Girard Vineyards
このワイン、その名の通り「おけいさん」という日本人にちなんで作られたもの。ではこのおけいさんとはどのような人物だったのでしょう。
長沢鼎が薩摩から英国に渡った3年後の1868年、戊辰戦争で敗れた会津から米国に移民として渡った人たちがいました。グループを率いていたのはジョン・ヘンリー・スネルという人。武器の商人として会津藩と関係を持ち、最後は平松武兵衛という名で軍事顧問まで勤めました。スネルには日本人の妻がおり、その子の乳母として渡ったのが当時弱冠17歳だった「おけい」でした。
彼らはエルドラド郡ゴールドヒルに入植し、「若松コロニー」と名をつけました。茶や絹を作ろうと奮闘しましたが、失敗し、スネルは資金調達のため日本に行くといったきり行方知らずに。グループもいつしか崩壊してしまいました。
おけいは、コロニーの土地を管理していた人に雇われましたが、翌年病気で亡くなりました。まだ19歳でした。同じように引き取られていた日本人が彼女の墓を作り、それが数十年後に「発見」されて、若松コロニーの悲劇も知られるようになったとのことです。
会津では『八重の桜』の八重さんと同じくらい知られた話だとのことですが、私は全然知りませんでした。
長沢鼎のように華々しい経歴ではありませんが、彼女のためにワインを作ってくれたのはありがたいですね。
ワインから紹介しましょう。
1本目はサンタ・バーバラのワイナリー「デメトリア(Demetria)」のリースリング2016。ヴィナスのアントニオ・ガッローニが「カリフォルニアの隠れた宝石」と呼んだワイナリーです。
Demetria Estate
このリースリングは完全にドライ(残糖なし)のもの。千葉さんが甘いワインが苦手とのことで、このリースリングを選んだのだそうです。スミレのような香り、リンゴ、軽い酸味、アフターに軽い苦味。和食の出汁の味わいを消さない繊細さがあります。
2本めはソノマのワイナリー「エリック・ケント(Eric Kent)」のシャルドネ「サンジャコモ グリーン・エイカーズ・ヒル2013」。著名なサンジャコモ・ヴィンヤードの中から非常に古い木の区画のブドウを使ったワインです。ラベルのアーティストはMel Kadelという人。ここのワインは皆ラベルが素敵です。表ラベルには一切文字を入れず、必要な情報は裏ラベルに入れるという潔さもいいですね。
非常に柔らかな味わいのシャルドネ。ヴァニラの香り、ビロードのようななめらかさ。メロンやパイナップルなどの果物。ただ、フルーツ爆弾系ではなくもっと穏やかな味わい。おいしいです。
このワイン、樹が病気でやられてしまい、2016年のヴィンテージを最後になくなってしまうそうです。貴重なワイン。
3本目もエリック・ケント。2014年のロゼで64%ピノ・ノワール、36%シラー。アーティストはYellena James。
世界的なロゼブームでカリフォルニアでもいいロゼが次々と作られていますが、これもその1つといっていいでしょう。シラーが入ることで、非常にストラクチャーがしっかりしたロゼになっています。色もやや濃い目。味わいはラズベリーやストロベリーなど赤い果実系とうまみを感じます。料理のポン酢との相性もよかったです。
4本目はもう1つエリック・ケントからスティリング・ヴィンヤード ピノ・ノワール2013。ラベル・アーティストは Eliza Frye。ヴィナスで90点がついています。スティリングはロシアン・リバー・ヴァレーの畑です。
引き締まった味わいのピノ・ノワール。ラズベリーなど赤系果実に軽くスパイス。うまみがあります。これも出汁に合うワイン。
5本目は最初のワインと同じデメトリアで「パンセオン」2013。ちなみにデメトリアというのはオーナーの娘さんの名前からとっていますが、名前からわかるようにギリシャ系です。ワインにもギリシャ系の名前がついています。これはグルナッシュ62%、シラー28%、ムールヴェードル10%。
ブルーベリーなど青系の果実味に、スパイシーさ。結構パワフル。
最後はナパのワイナリー「ギブス(Gibbs)」のカベルネ・フラン。カベルネ・フランは個人的に好きな品種。青臭さが出やすいのが欠点と言われていますが、いいものはシルキーで、カベルネ・ソーヴィニヨンより少し軽い味わいがいろいろな料理に合わせやすいと思います。
2013年という強いヴィンテージだけあり、パワフルでタニックです。しかしそこに上品さがあるのがフランらしいところでしょうか。今日の料理にはカベルネ・ソーヴィニヨンより合うと思います。
最後に料理の写真を挙げておきます(Photo by Kentaro Ebisawa)。
こうなると気になるのが火事の煙がワインにどう影響するかです。ナパやソノマでは90%、メンドシーノでは75%ほど収穫が終わっているとの報告がありますが、残っているブドウの多くは、一番単価が高いカベルネ・ソーヴィニヨンでしょうから、金額的には影響もまたかなり気になるところです。
例えば、過去にはマーカッサンが煙の影響でピノ・ノワールを1年作るのをやめたことがありました。
マーカッサン、2008年のピノ・ノワールは中止
煙のワインへの影響については、まだそれほど多くの研究がされているわけではないようですが、UC Davisの研究者が現時点でわかっていることをまとめています。
Latest Information | Viticulture & Enology
これはかなり細かく書いてありますが、素人にとっては難しすぎるので、もっと紐解いて書いてある記事を見つけました(Six Misconceptions About Smoke Taint)。内容は上記のものをだいぶ踏まえているようです。
「煙汚染についての6つの誤解」というこの記事の内容をもう少し見ていきましょう。
●誤解1:煙の生育の後期におけるリスクは小さい
オーストラリアの研究によると、ヴェレゾンが始まって7日めくらいが一番影響が大きいとのことですが、収穫時期もやはり影響はかなりあります。煙に触れている期間ができるだけ短くなるよう、早く収穫することが大事です。
●誤解2:ブドウを洗浄すれば汚染は落ちる
灰を落とすことはできますが、煙によって生成された物質はブドウの中に入っていくので、洗ってもほとんど意味はないとのことです。
●誤解3:煙は翌年の収穫にも影響する
翌年以降の収穫の質には影響しません。
●誤解4:逆浸透膜法で汚染は完全に除去できる
逆浸透膜法によって一部の生成物を取り除くことは可能ですが、時間が経つと汚染が「戻ってきてしまう」そうです。「hydrolysis of glycoconjugated precursors」(上記Davisの記事に出ています、「複合糖質前駆体の加水分解」?)のためだそうです。
●誤解5:濾過によって汚染を取り除ける
濾過によって一部の煙汚染の生成物を取り除くことは可能です。ただ、濾過は特定の物質だけを取り除くことはできないので、取り除きたくないものまで取ってしまうことになります。高級なワインにとっては使いたくない方法です。
●誤解6:ワインが熟成すれば煙の影響はなくなる
逆に時間とともに影響は強くなっていきます。したがって早く飲んでしまうことがお薦めです。
思った以上に煙の汚染は難物のようです。影響が少なければいいのですが。
CA Wine Strong
ここに寄付をすると、3つの郡に分配してくれるとのこと。寄付は下のリンクから行えます。
CAWineStrong: Fire Relief Mendocino, Napa & Sonoma | Emergencies & Disasters - YouCaring
それぞれの郡に寄付したい場合は、次のリンクからどうぞ。
ナパ
Fire donation page
ソノマ
Sonoma County Resilience Fund | Community Foundation Sonoma County
メンドシーノ
Disaster Fund for Mendocino County | Community Foundation of Mendocino County (CFMC)
さて、先週はワイン・インスティチュートのカリフォルニアワイン試飲会がありました。火事で大変な中、来日してくれた生産者も多数おり、あらためてワインを飲むことが私達ができる一番の応援ではないかと思っています。
ということで、試飲会からおいしかったワインをいくつか紹介します。今回はあまり時間がなかったので、最近試飲しているワインは遠慮させていただいたものが多かったです。なので、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの試飲会の記事も合わせてご覧いただけるといいと思います。
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(前編)
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(後編)
ロスのシャルドネとピノ・ノワールは、ジューシー、チューイーなおいしさ。マニア向けというより大多数が喜ぶタイプ。
ファイアーストーンのソーヴィニヨン・ブランはとても香りよし。これで2200円はコスパが光ります。
パリ(Pali)のシャルドネはフレッシュでジューシーな味わい。これも3350円という価格に見合わないおいしさ。
タワー15の「ザ・スウェル(The Swell)」はカベルネ・ソーヴィニヨン中心のブレンド。樽の香りが嫌味でなく、飲みたい気持ちをそそります。
サマーウッド(SummerWood)のグルナッシュ・ブラン。最近少しずつ増えてきている品種がグルナッシュ・ブラン。穏やかな酸味はヴィオニエあたりと共通するものを感じますが、ヴィオニエよりもくどくなりにくいのがいいところのように感じます。これもなかなかいいワイン。
日本で見るのはかなり久しぶりのローリング「Loring」。2000年代のピノ・ノワールブームを牽引したワイナリーの1つで、かなり濃い目のピノ・ノワールで知られていましたが、やはり時代の変化か以前よりもバランスの取れた作りに変わってきているようです。ただ変わらないのはそのおいしさ。思わず「おいしい」と口に出てしまうような果実味などは昔のままとも思いました。最近、日本で見ることが減ったサンタ・ルシア・ハイランズの銘醸畑「ゲイリーズ」や「ロゼラズ」などを相変わらずラインアップに入れているのもうれしいところ。
トルシャードは実はナパの試飲会でも紹介しているのですが再掲。ブドウの大部分をフロッグズ・リープなど他のワイナリーに卸しているというところですが、非常にコスパ高いです。自社畑のあるカーネロスでカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルまでも作っているのも面白いところ。これがまた意外においしいのです。
スタンダードな品種のワインが多いなか、異彩を放っていたのがブロック・セラーズ。ここのワインは以前「「ニューカリフォルニア」の注目株、ブロック・セラーズの魅力」でも紹介しているので、それ以外のもので面白かったのを紹介しましょう。写真中央はなんと「ミッション」種のワイン。ミッション種はスペイン人の宣教師がカリフォルニアに伝道にきたときに植えた品種で、カリフォルニアワインの一番最初のものとなりますが、今ではほとんどなくなってしまっています。それを「発見」して作ったワイン。その左の「ククー・カベルネ・フラン」も普通のカベルネ・フランのイメージとは大分違いますが、意外においしいワインでした。普通のワインで飽き足らない人は、ぜひ試してみてください。面白いワインが多数あります。どれもすいすい飲めるおいしさです。
ロックウッドのシャルドネ。これも2500円という安さにびっくりする本格派のシャルドネです。
懐かしい「シュグ」も出ていました。ウォルター・シュグさんが亡くなった後、娘さんがドイツから帰国してマーケティングを担当しているそうです。安定のおいしさは昔と変わりません。
ロドニー・ストロングも懐かしい名前。ジンファンデル「ノッティ・ヴァインズ」は昔ながらの濃厚な味わいのジンファンデル。昨今のバランスを重視した味わいのワインもいいですが、久しぶりにこういうスタイルのジンファンデルを飲むと、懐かしいと同時に、やっぱりカリフォルニアのよさはこういうところにあるのではないか、とも思うのです。
皆さん、カリフォルニアワイン飲みましょうね。
「the love in the air is thicker than the smoke」という言葉を書いたポスターが、ソノマの被災地域などに数多く貼られています。作者不詳のこの標語、ナパやソノマを元気づける言葉として広く使われ始めています。
Twitterやインスタグラムのハッシュタグでも、#napastrongなど、被災地を元気づけようとするものがだんだん増えています。
ナパヴァレーヴィントナーズでは数年前の地震のときに作った募金の仕組みを再活用して、今回の火事への募金を集めています。下のリンクからPayPalなどを使って募金可能です。
Napa Valley Community Foundation | Napa Valley Community Disaster Relief Fund
アトラス・ファイアーとタブズ・ファイアーは鎮火率が40%台にまで上がっています。不眠不休で働く消防士さんたちには頭が下がります。
Firefighters struggle with fatigue as NorCal is battered by wildfires that are nowhere near over. https://t.co/TWBLWXHQ7b via Sebastopol FD pic.twitter.com/8W2SCXMt1S
— NBC Bay Area (@nbcbayarea) 2017年10月13日
また、ブログFermentationでは、隠れたヒーローとして、ソノマ在住のワインライター、サラ・スターチさんを取り上げています。ソノマ・ヴァレーに大きな被害をもたらしているナンズ・ファイアーについて、火災発生直後からTwitterで発信を続けています。情報が錯綜する中、現地で正しい情報を送る彼女のツイートに数多くの人が助けられています。
Sarah Stierch(@Sarah_Stierch)さん | Twitter
一方、悲しいお知らせとしては、亡くなった方は35人に達しました。
ワイナリーではナパにあるパラス・エステート(Paras Estate)、プリド・ウォーカー(Pulido-Walker)、シル・ファミリー(Sill Family)が新たに大きな被害を受けたことが判明しました。
金曜日の晩はまた高温、強風の危険な条件になりそうとのことで、気が休まりませんが、今日はちょっと気を休めたいと思います。
日本からできることは限られていますが、まずはこれ以上被害が広がらないことを祈りましょう。追ってまた紹介しますが、日本から可能な募金もあります。また、ナパやソノマ、メンドシーノのワインを買ったり飲んだりしてあげるのが、現地の人への1番の応援になるのではないかとも思っています。
未亡人で博物館館長も務めるジーン・シュルツさんは夜中の2時に家を脱出して無事だとのこと。いまは義理の息子のサンタ・バーバラの家に滞在しているそうです。
California Wildfires Take Charles Schulz’s Home; Museum Safe https://t.co/WhvxEujPYi pic.twitter.com/5U8cwovoVg
— Ray Pride (@RayPride) 2017年10月13日
亡くなった方は26名。ただ行方不明者がソノマだけで460人以上いると伝えられています。
ワイナリーの被害ではアトラス・ファイアーでナパのロイ・エステート(Roy Estate)が破壊されたとのこと。フィリップ・メルカがワインメーカーでロバート・パーカーが最高96+を付けている高級ワインのワイナリーです。アトラス・ファイアーではパットランドという小さなワイナリーも焼失しました。ステージコーチの近くだとのことですが、ステージコーチに被害があるかどうかは判明していません。レッドウッド・ヴァレーではバックボーン・ヴィンヤーズが破壊。ワイナリーは全焼、過去5年分のワインも失われました。
ナパのカリストガとマウント・ヴィーダーには強制避難命令が出ました。シャトー・
モントレーナなどの被害が懸念されます。
残念ながらまだ、いいニュースはほとんどありません。あ、サンタローザのスヌーピーの博物館は無事なようですよ。
【追記】しかしながら故チャールズ・シュルツさんの自宅は燃えてしまったとのこと。未亡人は無事だそうです。
ナパ、ソノマで山火事による緊急事態宣言発令! 長沢鼎ゆかりの建物も消失!?
ナパ、ソノマの山火事続報、ワイナリー3軒が焼失など
まず、全体の動向から見ると、亡くなった方は2名増えて17人に。ただ、まだ連絡がつかない人が数百人いるので、この数は今後増える可能性が高いです。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのレポートによるとメンバーのうち5つのワイナリーが完全に焼失してしまったか、大幅なダメージを受けたとのこと(具体名は上がっていませんが、1つはこれまでにも報じられているシニョレッロ、もう1つは後述するホワイト・ロックだと思います)。
ナパの収穫は約90%終わっているそうです。ですが、今残っているのはおそらく一番高価なカベルネ・ソーヴィニヨンがほとんどでしょう。10%といえども被害が小さいとは言えなさそうです。煙がついてしまったブドウを醸造するとワインもスモーキーな味わいになってしまいます。日が経てば影響が減るのかどうかが気になるところです。
また、既に収穫が終わっていても、ナパの多くで停電しているため、醸造に影響が出ます。多くのワイナリーが使っているステンレスのタンクは冷やすのに電気が必要であり、さまざまな情報をモニターするのにも必要です。現在はほとんどのワイナリーの機械が電動ですから、停電が回復しないとワインにも影響が出てしまいそうです。
他の情報では1870年にできたナパでも古いワイナリーであるホワイト・ロック・ヴィンヤーズが全焼したと、従業員からの報告があったそうです。写真などはあがっていないようです。
ソノマではガンロック・バンシューからワイナリーは無事との報告がありましたが、家族が住む家は全焼してしまったとのこと。
ニコルソン・ランチは焼けたという噂がありましたが、火に包まれたものの無事だったそうです。メイヨー・ファミリーは自宅が全焼、ワイナリーは無事とのこと。シャトー・セント・ジーンは情報が錯綜していますが、オーナーが、いくつかの建物に被害があることを認めたそうです。
ソノマでは古木の畑にも大きな被害が出たという報告がありますが、具体的にどの畑なのかは分かりません。ワイン・サーチャーの記事には「オールド・ヒル」の名前が出ていましたが、被害は不明です。
メンドシーノではフレイ・ヴィンヤーズのほかオスター・ワイン・セラーズが大きな被害だったそうです。
火事は3日目に突入しましたが、まだまだ鎮火にはほど遠い状況です。
ナパの「アトラス・ファイアー」は42,349エーカーが延焼しており、まだ3%しか鎮火していません。
ソノマでも被害がひどいケンウッドあたりの「ナンズ・ファイアー」は7,626エーカーが延焼。鎮火は2%。
サンタ・ローザ周辺を焼き尽くした「タブズ・ファイアー」は28,000エーカー延焼。鎮火は不明です。
現地からは少し風がおさまったとか、湿度がちょっと上がったとかいう話も出ていますが、こちらも確認はできていません。
避難生活をしている人も相当数いるはずです。
早く元の生活が取り戻せますように。
前の記事:ナパ、ソノマで山火事による緊急事態宣言発令! 長沢鼎ゆかりの建物も消失!?
被害の状況としては、少なくとも15人が死亡、ワイナリー3軒が焼失、ホテル2軒が焼失など、非常に大きくなっています。
ソノマでは前の記事でも書きましたが、サンタ・ローザが大きな被害。特にパラダイス・リッジ・ワイナリー付近はひどく、ワイナリーが焼失した上、ファウンテングローブ・インというホテル、長沢鼎時代に作られた長沢ゆかりの歴史的建造物「Round Barn」などすべて燃えてしまいました。
写真はパラダイス・リッジのFacebookページから。
サンタ・ローザではヒルトンホテルも全焼してしまいました。
ソノマではソノマ・ヴァレーのケンウッドやグレン・エレン地域でも火事がひどく、シャトー・セント・ジーンも焼けたという噂がありましたが、いちおう建物は無事と見られています。
ナパではシルバラード・トレイルにあるシニョレッロのワイナリーが焼失。
同じくシルバラード・トレイル沿いのウイリアム・ヒルは、表の看板が焼け焦げたもののワイナリーの被害はないと伝えられています。
近隣にはダリオッシュ、スタッグス・リープ・ワイナリー、シェーファーなどがありますが、今のところ目立った被害の報告はありません。ただ、立ち入れてないところも多いので今後明らかになる被害があるかもしれません。
このほかメンドシーノでFrey Vineyardsが燃えたという情報があります。
同時並行でいくつかの火事が起こっているので事態が把握しづらいですが、ソノマではサンタ・ローザのあたりで火事が発生しています。長沢鼎ゆかりのファウンテン・グローヴあたりでも避難命令が出ており、長沢鼎時代に作られたとされている「round barn」が焼失してしまったもようです。
Devastation. #TubbsFire #SantaRosa @NorthBayNews @CAL_FIRE @SantaRosaFire pic.twitter.com/F0VGpqhEDt
— Kent Porter (@kentphotos) 2017年10月9日
Historic Round Barn burns in #SantaRosa #TubbsFire @NorthBayNews @CAL_FIRE @SantaRosaFire pic.twitter.com/T0V4a33pfq
— Kent Porter (@kentphotos) 2017年10月9日
一方、ナパではカリストガやアトラス・ピークのあたりで山火事が発生しており、こちらも各地で避難命令が出ているようです。現在、北東から強い風が吹いており、火事は急速に広がっているとのこと。
Napa wine country dealing with spreading forest fire. The site of many great memories and wonderful sips, sad to see. More on 6abc pic.twitter.com/pDR0tZDm7R
— Tamala Edwards (@TamEdwards6abc) 2017年10月9日
まだまだ事態は進行中で、被害の広がりが懸念されています。まだ収穫されていないブドウの場合は、煙による被害のおそれもかなりあります。9月以降、自然に振り回された今年の収穫ですが、まさかさらにこんなことが起こるとは。さまざまな被害が最小限にとどまることを祈りたいと思います。
続報はこちら
ナパ、ソノマの山火事続報、ワイナリー3軒が焼失など
17年6月にジェブ・ダナックがやめたあと、セントラル・コーストのレポートは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンが引き継ぐことになっていましたが、当初は10月と12月に掲載することになっていました。それを早めて9月と10月の掲載にしたようです。今回はパソ・ロブレス(215本)、サンタ・リタ・ヒルズ(151本)などが中心になっています。
参考:
Wine Advocateのジェブ・ダナック、個人メディアを立ち上げへ
Wine Advocateに新レビュアー、Wine Enthusiastから移籍
レイティング上位のワインを見ると、シネ・クア・ノン(Sine Qua Non)のシラー、グルナッシュ計5本(2013年のシラー「Le Supplement」、2013年のグルナッシュ「Jusqu' a l'os」、2014年のシラー「Piranha Waterdance」、2014年のグルナッシュ「Shakti」、2015年のシラー「Trouver L’Arene」)に満点が付くなど、ロバート・パーカー時代のセントラル・コーストのレポートと同様、シラー系に高い評価のものが目立ちました。
このほか、目立ったものだと、ポール・ラトーではシラー「イル・パドリーノ」2015が97、シャルドネ「イースト・オブ・エデン」2015が96+、ピノ・ノワール「ランスロット」と「ソロモン・ヒルズ」2015が95など高得点が続出。オー・ボン・クリマのイザベル2014が92+、シャルドネ「ニュイ・ブランシュ」2014が92。ロアーのピノ・ノワール「ロゼラズ」2015が93。サムサラのピノ・ノワール「カルガサキ」2014などが94+。ヒルト(Hilt)のピノ・ノワール「ヴァンガード」2015が94。ブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール「ハプグッド」2015が95+、ピノ・ノワール「459」とシャルドネ「3D」の2015が95。ダイアトムのシャルドネ「サントス・ロード」2015が94、などなど。
既存のコラヴァンと組み合わせて使うようになっており、カートリッジからの不活性ガスを使ってワインを霧状に吹いて表面積を増やします。
価格は69ドル95セントだったそうです。
カーネロスの「Duke's Folly Wines」というワイナリーのワインメーカーであるジョー・ワイゼンホーンは、今年9月、キュヴェソンでピノ・ノワールのロゼのために、果汁の一部を別のステンレスの樽に入れて蓋をしておきました。いわゆるセニエ方式です。
この果汁が予想外に発酵してしまって、樽が膨れ上がってしまっていました。屋外に移して栓を取ったところ、ワイン(というか発酵しかけの果汁というか)が噴水のように吹き出しました。
時間にすれば十数秒だったそうですが、ワイゼンホーンはその様子をスローモーションの動画に収め、インスタグラムやワイナリーのFacebookページで公開したところ、Facebookだけで300万回近く再生されるといった、予想外の大ヒットになってしまったそうです。
実際の動画はこちらでご覧ください。
ベッドロック(Bedrock)のオークヴィル ファームハウス ヘリテージレッド2015がごく少量、日本に入荷しています。このワインのブドウの供給元であるオークヴィル ファームハウスというのがナパの19世紀を再現するような、びっくりする畑なのです。
場所はオークヴィルの中でも超一等地であるトカロンのすぐ南。南といってもハイウェイ29側ではなくマウント・ヴィーダ―に向かう丘の方です。ハーランやハイツのマーサズともすぐ近く、ハーランが所有するプロモントリーの下あたりに位置する非常に小さな畑です。
こんなところですが、植わっているブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンではなくネグレット、モンデュース、ジンファンデル、プティ・シラー、カリニャン、シュナン・ブラン、セミヨン、などなど。赤だけでなく白の品種も混ざったいわゆるフィールド・ブレンドとなっています。
トカロンを作ったハミルトン・クラブという人が当時作っていた「ブラック・バーガンディ」というワインがあるのですが、これが主にはモンデュースを使ったものだったことがわかっています。そして、オークヴィル ファームハウスにはオークヴィルで最古のモンデュースがあり、また畑自体がオークヴィルで一番古く植えられたものとなっています。まさに、ハミルトン・クラブ時代のトカロンのワインに一番近いワインと言えるでしょう。
これにはロバート・パーカーでさえも「A real discovery by Peterson that’s almost hard to believe」であり「This is an amazing lost story of Napa’s history brought to life in a dramatic and flamboyant way by Morgan Twain-Peterson. 」と驚嘆しています。
【追記】あとりえに再入荷していたので追加しました。
参考:
キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ
Kosta Browneが出資者を変更
ニュースまとめ,Tim Mondavi復活,Kistler買収か,SFに二つ目のワイナリなど
ワインは当然、デュレルやギャップスクラウンのブドウを使ったものが中心。ほかにもロシアン・リバー・ヴァレーを中心にブドウを調達しています。
このほど、この2015年のヴィンテージから日本への輸入も始まりました。輸入量はごくわずかなようですが、今後が期待されるワイナリーです。
船橋の山城屋さんにはちょうど入荷したようです。
通常価格が14万5000円のところが5万9800円(税別)。Wine-Searcherによる海外の平均価格603ドルよりも安くなっています。国内の他の店よりは大体2万~3万円以上安いといっていいでしょう。
安くなっているといっても、むちゃくちゃ高いし、セカンドワインにそんなに出すのかというのもわかりますが、本家のスクリーミング・イーグルと比べたら3分の1とか4分の1くらいの価格です。それよりも、ここまでくるとブランドですからブランドの価格をうんぬんするのは野暮なのかもしれません。
なお、畑はスクリーミング・イーグルと全く同じですが、セパージュはメルローが多めとなっています。
初日は昼に仁川国際空港に到着。ホテルにチェックインする前に向かったのは学生の街「新村」にあるタッカルビの店「春川家(チュンチョンチッ)タッカルビ マックッス」
春川家(チュンチョンチッ)タッカルビ マックッス|新村・梨大(ソウル)のグルメ・レストラン|韓国旅行「コネスト」
頼んだのはスタンダードなタッカルビ。日本ではチーズタッカルビが大人気で、行列になっていると聞きますが、我が家はあまりチーズは好まない人が多いので、普通のです。鶏がやわらかく、なかなか美味でした。
ホテルにチェックイン後は、SMTOWNのビルに行ったり、娘が服を見に行ったり。夜は広蔵市場(クァンジャンシジャン)に。
広蔵市場「うまいもん通り」 | 韓国のうまいもん横丁|韓国旅行「コネスト」
「麻薬キンパ」や「ピンデトッ」と言われるお好み焼き(油をたっぷり敷いて揚げ焼きにしている)などで有名なこの市場。屋台の店もたくさん出ており、美味しそうでしたが、暑かったので「冷房あるよ」の声に誘われてフラフラと店舗に。
野菜たっぷりのビビンパ
おまけで出してくれたカルグクス(うどん)。これも美味でした。
生きていたタコの刺し身。まだうねうね動いているのをコチュジャンをつけていただきます。おいしい。
これがピンデトッ。予想以上に美味しい。くせになりそう。おみやげでもう一枚買って帰って次の朝に食べました。
豚足(チョッパル)。
日本ではほとんど食べられなくなってしまったユッケ。これもおいしかった。実は隣の人からのおごり。
隣席には韓国人の親子とおばさん?の3人連れがいたのですが、僕らが日本から来たのだと知るとすごく興味をもたれ、あれも食べろこれも食べろと自分たちが食べているものを分けてくれます。「カムサハムニダ」と片言の韓国語でお礼を言うと「韓国語しゃべれるんだね」と大喜び。ユッケはわざわざうちのために注文してくれました。
店の名前は不明。
木洞ポリパッの写真アルバム |仁寺洞・鍾路(ソウル)のグルメ・レストラン|韓国旅行「コネスト」
の近くだと思います。
2日めの朝は前述のピンデトッと同じく市場で買った「麻薬きんぱ」(細い一口サイズのキンパ)。
その後は、妻と娘はチマチョゴリをレンタルして景福宮(キョンボックン)へ。
この日もいい天気で暑かったです。昼にチマチョゴリを返した後は、近くで古い町並みなどが見られる北村へ。
ランチはカルグクスの店。
黄生家カルグッス(旧 北村カルグッス)|三清洞・ソウル北部(ソウル)のグルメ・レストラン|韓国旅行「コネスト」
ここが予想以上の大ヒット。カルグクスももちろん美味しいのですが、韓国風の餃子がすごく美味しく、またキムチや水キムチも絶品でした。
餃子。かなり大きい。
冷たい豆乳のカルグクス
普通のカルグクス
キムチと水キムチ。もちろんおかわりは自由
散策のあとはかき氷(はやりのタイプではなく昔ながらのもの)を食べ、明洞へ。ロッテ百貨店が月1の休みの日で、免税店だけのぞいて、屋台街の方へ。
これは食べてないけど、やたらカラフルな綿菓子。インスタ映え狙いなのでしょう。
明洞の屋台は「麻薬きんぱ」の値段が前日の市場の倍以上など、やはり観光客向け価格なのかなあという感じ。お店もガイドブックに載っていたところで既に閉店しているところがたくさんあるなど、移り変わりが激しそうでした。いろいろ悩んだ結果行ったのは
ポンスニ(鳳順)BONGSUNI 本店|明洞(ソウル)のグルメ・レストラン|韓国旅行「コネスト」
僕は豚プルコギを食べましたが、メイン以外のおかずが10種類以上も出てきます。
いろいろ食べられて楽しかったです。
三日目の朝はホテル(場所は麻浦)の近くでブラブラしながら、適当に。
これはおかゆ。
その後は、これもホテルの近くの市場をちょっとブラブラ。
「チヂミ通り」の店。天ぷらが多数。
チョッパル(豚足)通りの店。臭いがすごい
ホテルをチェックアウトした後は、新村にある「ドラム缶焼肉」の店に。実は前の晩にここに行くつもりだったのですが、店の前までいって定休日(月曜日)だということが判明したのでした。
延南ソ食堂|新村・梨大(ソウル)のグルメ・レストラン|韓国旅行「コネスト」
とても有名なこの店は開店前から行列ができます。メニューは骨付きカルビだけなので、それ以外(ごはんやキムチなど)を食べたい人は自分で持ち込みます。ちなみに飲み物は有料ですが、水は持ち込み可です。また、荷物は床に直接置くので、みんなビニール袋を持ってきてそれに入れておきます。
焼く前。タレはニンニクたっぷり。
ハサミで切り分けて食べます。
一人骨付きカルビ2個も食べてしまいましたがまだまだ食べられそうでした。次行くときはご飯持って行きます。
最後は空港で一服。
2泊3日でも、行きは午前、帰りは夕方の飛行機だったので、初日と3日目も結構充実して使えました。
主に2016年のヴィンテージについて見ています。ガッローニによるおすすめのワイナリーは以下のもの。
Alma Rosa – Richard Sanford has gone through more ups and downs than most people could handle. It’s nice to see quality wines emerging from Alma Rosa.
Andremily – Jim Binns’ 2015s are gorgeous. It will be interesting to see what Binns does now that he can focus on his own wines exclusively.
Steve Beckmen’s 2015 Syrahs – The wines are rich, ample and strikingly beautiful.
Bien Nacido Estate – Trey Fletcher is making Chardonnays, Pinots and Syrahs of true distinction.
Brave & Maiden – This new project headed by winemaker Josh Klapper and consultant Paul Hobbs appears to be set to achieve great things.
Ryan Deovlet is making terrific wines under his own label at Refugio Ranch.
Chanin & Lutum – Gavin Chanin turned out a bevy of fabulous wines at both Chanin and Lutum.
Diatom – It’s great to see Greg Brewer’s Diatom back in action with terrific wines that are less severe than those of the past.
Dierberg & Star Lane – In just a few short years winemaker Tyler Thomas has catapulted both estates into California’s upper echelon. Readers will not want to miss the current releases.
Domaine de la Côte – The 2015 Pinots are the finest wines I have ever tasted from Rajat Parr and Sashi Moorman at their estate winery.
Dragonette – Sauvignon Blanc, Pinot Noir and Syrah are all superb.
Frequency – Zac Wasserman’s 2016s are stellar and full of potential.
The Hilt – Matt Dees and his team are doing brilliant work at The Hilt. Dees is arguably the single most talented and versatile young winemaker in Santa Barbara, and perhaps California, today.
Kimsey – For the first time, the Kimsey wines are about finesse and not just power.
Lieu Dit – The two Cabernet Francs and the Malbec are must-haves.
Piedrasassi – Sashi Moorman’s 2015 Syrahs are compelling.
Piro Wine Company – Marc Piro is one of Santa Barbara’s most promising young Pinot producers.
Presqu'ile – The Murphy family continues to step it up with the arrival of Domaine Dujac’s Jeremy Seysses as consultant.
Rancho Viñedo – Santa Maria Chardonnays of real distinction.
Storm – Ernst Storm killed it with his 2015 Pinots.
Tyler – Justin Willett’s bottled 2015 Pinots are every bit as thrilling as they were from barrel last year, while the Chardonnays are among the best of the vintage.
The 2016 Vintage – The wines I have tasted so far show quite a bit of energy, freshness and verve.
グレッグ・ブリュワーの復活ダイヤトムもほめられています。
リンク先はそのまとめ記事ですが、そこからいくつか興味深いトピックスを紹介します。
まず、セミナーに先立って行われた調査によると米国のワイナリーの3分の2は来年ワインを値上げする予定であること。その最大の理由は「プレミアム化」。値上げすることによって、自社のワインがよりプレミアムになったことを誇示するのが目的になっているようです。
ケンダル・ジャクソンは1本11ドル以上のシャルドネの人気トップ10リストを挙げましたが、2013年と2017年を比べると、いくつかブランドの入れ替わりがあるものの、平均価格は4ドル上昇しているそうです。11ドル以上のワインで4ドルというと、最大2割くらいの上昇ですから、かなりの値上がりです。
消費の底上げをしているのが、いわゆるミレニアル世代。先月20ドル以上のワインを買った人の比率が17%と、他の世代よりも高いという結果が出ています。
ただ、懸念されることの1つはこの世代は食事の宅配をよく使うこと。宅配にワインがあることは少なく、アルコール飲料をまったく提供しない宅配も多いとのこと。宅配にはボトルワインよりも、グラスに蓋をしたような形態の方が合っているという議論もされたそうです。
ロバート・モンダヴィの次男で、現在ナパのプリチャード・ヒルにコンティニュウム(Continuum)を持っているティムの息子二人がソノマで作っているピノ・ノワール専業のワイナリーです。2013年にオープンした、まだ新しいワイナリーですが、すでに高い評価を得ており、今回紹介する2015年のワインは「ロイヤル・セント・ロバート・キュヴェ」がヴィナスで94点、「ホーム・フィールド・ヴィンヤード」が同じくヴィナスで95点となっています。ちなみにロイヤル・セント・ロバート・キュヴェの方は複数の畑のブドウをブレンドしたもので、ワインの名前は祖父のロバート・モンダヴィにあやかっています。2014年のものは以前飲んだことがありますが、とても上品でおいしいピノ・ノワールでした。
ワイナリー全体で年間400ケースほどしか作っていない小さなワイナリーで、現地では売り切れですから、日本に入ってきているのはありがたいことです。
といってもまだまだごくわずかな消費量ではありますが、日本酒を好むマニアは確かに存在し、高いお金を払ってでもおいしい日本酒を買いたいという傾向があるそうです。
ボトル価格は10ドル台から100ドルを超えるものまである業者が多く、ワインと比べても上位カテゴリーのものが売れているようです。
ナパのワインをレストランでより楽しめるようにしようというこのイベント、参加レストランはグラスワイン(2種類以上)だけでなく、ボトルワインも4種類以上用意することになっています。
今年の参加店舗は上記リンクをご覧ください。現在のところ関東34軒、中部3軒、関西12軒、九州1軒の計50軒が参加予定になっています。
昨年レポートしたレストランのうち、銀座のエド・パーラー、恵比寿のロウリーズ・ザ・プライムリブは今年も参加しています。
まさに銀座の隠れ家、狭小レストランで楽しむカリフォルニアワインとビストロ料理
ジューシーな牛肉をグラスワインと堪能 ちょっといい日に行きたいロウリーズ・ザ・プライムリブ
ロウリーズは、今年は赤坂にも店舗が増え、そちらでも開催しています。プライムリブまた食べたい…
また、先日のナパの試飲会はこのフェアのためのワインを飲食店が選ぶためのものでした。なので、もしかしたら私が紹介したワインが店舗で提供されているかもしれません。
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(前編)
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(後編)
選考の基準については詳しく書かれていませんが、「バイイング・ガイド」の一部として選んでいるので、ここのワインがお薦めであるということで間違いないでしょう。バイイング・ガイドは10月10日発行です。
トップ100は以下のワイナリーです。カリフォルニアのワイナリーは太字にしました。オレゴンやワシントン州のワイナリーはその旨記しました。間違っていたらそっと教えてください。
Achaval Ferrer
Adelsheim(オレゴン)
Fratelli Alessandria
àMaurice Cellars(ワシントン)
Andrew Will(ワシントン)
Marchesi Antinori
Bernard Baudry
Domaine des Baumard
Bergström(オレゴン)
Blandy's
Henri Boillot
Bryn Mawr
Comm. G.B. Burlotto
Chambers Rosewood Vineyards
Champalou
Domaine Chanson
Cobb
Domaine Coffinet-Duvernay
Elvio Cogno
Col Solare(ワシントン)
Concha y Toro
Corison
Craggy Range
Cristom(オレゴン)
Domaine Marcel Deiss
DeLille Cellars
De Martino
DeMorgenzon
Diamond Creek
Dosnon
Duckhorn
Dutton-Goldfield
Evening Land Vineyards(オレゴン)
Domaine Faury
Forjas del Salnés
Frog's Leap
Fuligni
Gai'a
Genium Celler
Ktima Gerovassiliou
Giant Steps
González Byass
Gramercy Cellars(ワシントン)
Green & Red
Grosset
Henriques & Henriques
Hidalgo-La Gitana
Hirsch
Inglenook
Iron Horse
J. Christopher(オレゴン)
Louis Jadot
Jurtschitsch
King Estate(オレゴン)
Kir-Yianni
Krug
Lioco
Pierre Luneau-Papin
Le Macchiole
El Maestro Sierra
Anselmo Mendes
Château du Moulin-à-Vent
Moutard Père et Fils
Movia
Occhipinti
Penfolds
Prinz Salm
Produttori del Barbaresco
Radio Coteau
Le Ragnaie
Ravenswood
Ravines
Red Car
Reynvaan
Ridge
Louis Roederer
Salomon-Undhof
Paolo Scavino
Silverado
Skerlj
Skinner
Soalheiro
Stag's Leap Wine Cellars
Domaine de la Taille aux Loups
Tapiz
Taylor Fladgate
Tenuta delle Terre Nere
Terroir Al Limit
Tinto Negro
Undurraga
Vadiaperti
Vadio
Vega-Sicilia
C. von Schubert
von Strasser
Robert Weil
The Withers
Walter Scott(オレゴン)
Yalumba
Domaine Zind-Humbrecht
それによると、35歳以下の層では居酒屋やコンビニでワインを飲んだり買ったりすることが多く、お酒の1つとして、ワインの位置付けは下がっているとのこと。また、これらの店舗の特徴として、価格は安いですが、ワインの情報が十分に消費者に与えられないため、ワインという比較的教育が必要なものでは問題になっているとのこと。その知識のギャップを埋める手段としてはソーシャルメディアの活用が考えられるとしています。
「Wine Intelligence Japan Landscapes 2017 Brochure V 2.pptx - Google ドライブ」にはレポートの概要や、サマリーが掲載サれています。
それによると、赤も白も果実味の豊かなソフトのワインを日本のコンシューマーは好んでいるとのこと。
果実味に関してはカリフォルニアワインは他の地域のワインに引けを取ることはほとんどありませんから、価格の問題がクリアされればチャンスは大いにあると思います。
先日、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの試飲会でストーンヘッジのメリタージュ2013(2980円、価格はオンラインショップでの税抜き価格)を紹介しましたが、このワインはヴィノスやまざきの赤ワインの一番人気だとのこと。
今回も改めて試飲しましたが、若干甘めではありますが、果実味豊かで骨格もしっかりしています。2000円台としては傑出しているといってもいいと思います。
同じワイナリーのリザーブのメリタージュはNo.506とNo.616の2種類(どちらも6800円)。506はフレンチオークを使っているそうで、やわらかい香りとまろやかな味わい。アメリカンオークを使っているという616はかなりタニックで酸もしっかりしており、熟成が必要なタイプ。
レンウッドのジンファンデル(2480円)はプラムなどの果実味たっぷりで、酸やタンニンもしっかり。やや素朴な味わい。
ウォーターストーンのスタディ・イン・ブルー(3980円)はオークション用に作ったワインを再現したものとのこと。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローとシラーのブレンド。タニックだが果実味もくっきり。
ウォーターストーンのアンサンブル・カベルネ・ソーヴィニヨン(2980円)は酸がしっかり、ストラクチャーがあり、個人的には上のスタディ・イン・ブルーよりも好きな味わい。これはコスパ高いです。
39ノース・カベルネ・ソーヴィニヨン2010(5800円)はこの日のラインアップでは随一といっていい冷涼感のあるカベルネ・ソーヴィニヨンのメンドシーノの北向けの畑で有機栽培されているブドウを使っています。醸造はストーンヘッジ。
白は2種類だけでしたが、比較的よかったのはストーンヘッジのメリタージュ・ブラン2015(2980円)。ソーヴィニヨン・ブランにセミヨン、ミュスカデのブレンドで、酸味はおだやか。いちじくや白桃のようなとろっとした果実味が特徴です。
試飲会の最後には特別なピノ・ノワールが登場。「K」とだけラベルに書かれたこのワイン。ソノマ・コーストのものですが、ワイナリー名は明かさないとのこと(ワイナリーか人名の頭文字がKらしいです)。これまでも同じように「D」「H」、「C」「S」といったワインを出してきたそうです。
味わいは一昔前のRRVのピノ・ノワールっぽい感じです。ブルーベリーなどの青系の果実味が濃厚で、酸は低め。ピノ・ノワール好きな人よりも、ふだんピノ・ノワールをあまり飲まない人に向きそうなワインです。Kはどこでしょうね。Kanzler?、Keller?。ワインのイメージからするとちょっとKanzlerっぽいかも。価格は5800円です。
カリフォルニアだけを紹介しましたが、今回は他国のワインも試飲しています。南アフリカのソーヴィニヨン・ブランなど、ちょっといいかなと思ったのもありましたが、これはどうしても紹介したいというほどのものには残念ながら出会えず。やっぱり舌がカリフォルニアなのですね。
カリフォルニアも、今回はカベルネ系がほとんどだったので、もう少し他の種類も欲しかったなと思いました。
一般向けの試飲会はあまり行ったことなかったので、面白かったです。
現行ヴィンテージの実売価格では税抜き28ドルするのが税込み2786円とかなりの安さ。品種はシラーが中心で73%。あとはムールヴェードル24%、グルナッシュ3%。
ラセター・ファミリーは、ピクサーでトイ・ストーリーなどの監督をつとめ、現在はディズニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーでもあるジョン・ラセターのワイナリー。設立は2002年と意外と古く、単なる金持ちの趣味以上に力を入れています。ワイン作りは息子さんが見ているようで、ブドウ栽培はオーガニック。シラーのブロックの隣にはみつばちの巣をいくつか持っているとか。サスティナブルであることをかなり強く意識しています。
このロゼはWine Spectatorでは88点。近年の同ワインは91点などを取っているので、ちょっとだけ見劣りしますが、ロゼとしては十分な品質だと思います。
この調査は、カリフォルニア州内からのビジターと州外からのビジターを分けて調べていますが、州外に海外は含まれていないようです(海外からの旅行者のプロフィールも知りたかった)。
全般に意外な結果はなく、比較的裕福な人たちが多く、満足度も高いといったことになっています。一つ興味深かったのは、ベビーブーマーが4割近くと依然として多かったのに対し、ミレニアル世代も36%とそれに迫っていたこと。ジェネレーションXは20%強と完全に置いていかれた格好になっています。
参考までに、IPOB解散が発表されたときに、各ワイナリーからいただいたコメントを以下の記事で紹介しています。
驚! IPOBが年内に活動を終了へ
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(スティーブ・マサイアソン)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ボブ・ヴァーナー、マット・リックライダー)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ニック・ペイ)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(ジム・クレンデネン)
なぜ、このタイミングでIPOBをやめるのか(ジャスミン・ハーシュ)
なぜ、このタイミングでIPOBをやめるのか(ラジャ・パー)
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(サシ・ムーアマン)
正直、IPOBのワインが日本で売れたのかどうかは、私にはわかりません。「失敗した」というインポーターがいるのであれば、セールスが今ひとつだったということなのでしょう。このブログで紹介したワインに限って言えば、ヴァーナーなどはかなり反応があったように感じましたが、そもそも輸入量が少ないので売上というところでは大したことはなかったのかもしれません。
ただ、カリフォルニアでこういう動きがあるということを世間に知らせたという意味ではやはり無駄ではなかったと思うんですよね。短期的にはセールスにつながらなくても、カリフォルニアもいつまでも、濃い甘いワインだけではないということを発信することは必要だと思います。
パリ・テイスティングから40年たちましたが、それでもまだカリフォルニアのワインの産地としてオールドワールドより下に見る人はたくさんいます。人の印象を変えるのは大変です。IPOBのような活動も本来、10年20年といったタームで評価すべきものでしょう。
それだけに短期間で解散してしまったことは、今でも残念ですし、IPOBという方向性は正しかったと思うのですが、そのグループの運営という面では失敗したところもあったとは思います。
例えば、IPOBのメンバーを絞ることにより、グループに入れなかったワイナリーからの反発があったと聞いています。大きなムーブメントにするには、もっと門戸を広げる方向が必要だったでしょう。
ワインの種類をピノ・ノワールとシャルドネに限ってしまったのにも不満はありました。例えばカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルなどでも新しいスタイルのものは出てきていますし、近年では古い品種を改めてピックアップするような動きもあります。例えば、ウルトラマリンで超人気のマイケル・クルーズや都市型ワイナリーで、各地のユニークな畑のブドウからワインを作るブロック・セラーズのようなワイナリーはIPOBでは取り上げられませんでした。
参考:ナパ・ガメイ? ヴァルディギエ?
そのように、自らの動きを制限してしまったことは、残念なところではありました。
一方で、最後の例のようにIPOBというグループがあるかどうかにかかわらず、バランスを重視したワインへの動きは今も続いています。少なくともジョン・ボネが提唱した「ニュー・カリフォルニア」の火は消えたわけではありません。
なんてことをつらつら思っていたら、10月には「ニュー・カリフォルニア」の試飲会があるという話も伝わってきました。やはり日本のインポーターも、この動きを消してはいけないと思っているのでしょうね。
ルンバ885のときは、掃除時間にムラがありすぎるのが悩みではあったものの、肝心の掃除の出来については満足していました。普通に掃除機をかけるのとくらべてもきれいにしてくれているような感じがしました。
680はどうでしょうか。
結論としてはここは少し不満が残りました。掃除が終わった後で見て、明らかに見て分かるゴミが落ちていたこともありましたし、細かいゴミも取り切れていない感じがありました。
我が家は絨毯のところがほとんどなので、どうしても絨毯に髪の毛が絡んでしまいます。普通の掃除機の場合でもローラー機能がない掃除機だと髪の毛を取るのはかなり大変です。また、髪の毛は掃除機のローラーに絡みやすいので、そのメンテナンスも問題になりやすいところです。
ルンバ885の場合は「ルンバを使って感心したこと、気になったこと」で書いたように、髪の毛をちゃんと取っていましたし、それを取り除くのも簡単でした。ルンバの駆動部がゴムになっていて髪の毛が絡みにくいのには感心しました。
680の場合は下の写真のようなブラシになっています。普通の掃除機のブラシと比べてもちょっとスカスカな感じがあります。
取ったゴミを見ると、なんだかふわふわな感じ。ほかの掃除機で吸ったものとなんだか感じが違います。
最近の家はフローリングが多いようですから、多分問題になりにくいのでしょうが、我が家のように絨毯が多い場合は800番台の高級機でないと取り切れないなあと思いました。
最後に、ゴミ捨てについて。
680は写真のようなダストボックスになっていて写真の一番上にある黄色いつまみを開いてゴミを捨てるようになっています。これが若干使いにくいのと、開口部が広いために捨てる袋が必要以上に大きくないとゴミがこぼれてしまうという問題がありました。開けるところが広いので埃もたちやすい感じがしました。885の該当部は写真を撮っていませんでしたが、もっと使いやすかったような記憶があります。
というわけで、個人的には選ぶなら800番台の機種だなあというところでした。この当たりは各家の環境によっても大きく違うと思いますので、我が家のことがどの家にも当てはまるとは言えませんが。
というわけでルンバのレポートを終わります。
理由はコストに見合わないから。ジンファンデルのブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンなどと比べると取引価格が低く、また、古木の畑は生産性が低いため、利益はほとんど出ません。そのため、別の品種に植え替える生産者が後を絶たないのです。
人気ジンファンデルで知られるマイケル・デイヴィッドの「セブン・デッドリージン」、このワインの秘密に、実はその半分近くがジンファンデルの古木でできている、というのがあります。マイケル・デイヴィッドのフィリップス家は、多くの畑を購入していますが、それでも減少するのを追いかけるのがやっととのこと。
なんとか、適切な収入が得られて栽培を続けられるようになってほしいものす。
余談ですが、マイケル・デイヴィッドがフィリップス家というのが、一番の驚きでした(笑)。マイケル・フィリップスとデイビッド・フィリップスが作ったからマイケル・デイビッドなのだそうです。
そのあたり、今回の680ではどうでしょうか。
結論から言うと、680では、前回のようなやたらに時間がかかったり、逆にあっという間に終わってしまうということはありませんでした。前の記事でちょっと書いたようにラグに登れず、その横だけちょこちょこっと掃除して止まってしまったということはありましたが、明示的に分けて掃除するようにしてからは、大体いつも同じくらいの時間で掃除していました。
885は賢すぎたのでしょうか?
ともかく掃除する場所の能力では680でも問題なかったと言えます。
2013年に始まったこのオークション、ナパのナパ・ヴァレー・オークションと同様、一般客向けのオークションで、ロットにはワインだけでなく、さまざまなツアーや食事などのオプションが付いています。例えばトップの落札額となったウィリアムズ・セリウムが出品したロットはブロードウェイでの「Hello Dolly!」「Dear Evan Hansen」のショーチケット4人分、ニューヨークのNoMadホテル2部屋宿泊、同ホテルのレストランでのワインメーカーズ・ディナーが含まれています。落札額は21万ドルで、2ロット出品のため42万ドルとなりました。
また、このオークションでは「ファンド・ザ・フューチャー」という、ソノマの子供達の読み書き向上に充てられるロットが毎年設けられます。昨年は650人の入札で合計270万ドルの寄付が集まりましたが、今回は180万ドルでした。落札総額にはこれも含まれています。
ナパのオークションのゴージャスな雰囲気と比べるとアットホームなソノマのオークション。少しずつですが成長を続けているのはうれしいです。
サンタ・ローザでは2時間の間に0.23インチの雨が降ったとのこと。日本から比べたら微々たるものですが、平年と比べると湿度も高く、カビのおそれがましたことで、収穫を急ぐ生産者もいたようです。
順調と見られていた今年の収穫ですが、熱波の影響で、平年以下の収穫量となりそうです。
なお、熱波の影響についてはジョーダン・ワイナリーのブログがすごく詳しく書いています(How the 2017 California Heat Wave Affected Vineyards: Sonoma County Grape Harvest Update - The Journey of Jordan Winery)。
詳しい内容は割愛しますが、最後のパラグラフに、話をした生産者は口をそろえて「今までで一番クレイジーな年」だと言っているとのこと。
こんなに波乱万丈な年になるとは思わなかったです。
前回の記事:
ルンバが家にやってきた
ルンバが家にやってきた~その2(掃除にかかる時間を計ってみる)
気まぐれなルンバに振り回される
ルンバを使って感心したこと、気になったこと
前回はルンバ885という上位機種でしたが、今回は680というスタンダードなモデル。その違いを中心に検証したいと思います。
まず、付属品から見ると、885には、ルンバの動く場所に「結界」を張るバーチャルウォールが2つ付属していましたが、今回の680にはバーチャルウォールは1つ付属。また、885にはリモコンがありましたが、680にはありません。
ルンバというと、留守の間に家を掃除してもらうというイメージがありますが、我が家はものが多く、何箇所かに分けていろいろなものをどかしつつ掃除してもらうというパターンに前回もなっていました。今回もそれは同じ。そのときにバーチャルウォールはかなり重要です。
例えばリビングにラグが敷いてあるのですが、ルンバはその境を乗り越えるのがちょっと苦手。乗り越えられるときもありますが、失敗して止まってしまうこともあります。実は今回は掃除できてませんでした、ということでは困るので、確実に掃除をしてもらうためにはラグの上と下は分けて掃除してもらわないといけません。そうすると、ラグの2辺にバーチャルウォールを置きたい(残りの2辺は壁なのでOK)のですが、バーチャルウォールが1個だと残る1辺にはものを置いて物理的な壁を作らないといけません。
というわけで、バーチャルウォールはやはり2つある方がいいと思いました(別売で購入可能です)。ルンバの価格は機種によって結構違う(並行輸入品も多いのでかなりわかりにくい)のですが、600シリーズと800シリーズだとだいたい1万5000円くらいの価格差と見ればいいかと思います。バーチャルウォールは8100円なので、価格差の半分くらい。それでも安いと見るか、それなら上位機種と見るかは難しいところです。
一方、リモコンですが、これはなくても困らないですね。基本的には掃除したいところに持っていってスイッチオンするだけですから。
そんなこんなで使った報告を書いていきます。
プリンスヒルの元オーナーは、オレゴンのパイオニアでありディック・イレース(Dick Erath)。彼のイレース・ワイナリーはかつてはオレゴン最大のワイナリーでしたが2006年にワシントン州のシャトー・サン・ミシェルに売却しています。プリンスヒルの畑は自宅があるため、そのときに売却しなかったものですが、80代になり、ここも整理することにしたようです。
一方、トゥーミーは1999年に、カベルネ・ソーヴィニヨン以外の品種のワインを作るためにダンカン家が設立しました。メルローとピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランが中心的でしたが、現在はピノ・ノワールが完全に主軸になっているそうです。
今回の買収とは特に関係ありませんが、オレゴンのピノ・ノワールは今後ますます注目されるでしょうね。
レイモンド・リザーヴ・セレクション・メルロー[2012]年・レイモンド社・ナパ・ヴァレー・アルコール度数14.5%RAYMOND Reserve Selection Merlot [2012] Napa Valley
中川ワインが輸入するルナ(Luna)のサンジョベーゼ(4000円)。イタリアのサンジョベーゼと同じ味がするかといえば、別物ですが、これはこれで美味しいです。ルナのワインはコスパ高いものが多いですが、その代表格の1つです。
《ルナ・ヴィンヤーズ》 サンジョヴェーゼ ナパヴァレー (オークヴィル) [2013] Luna Vineyards Sangiovese Napa Valley (Oakville) 750ml [ナパバレー赤ワイン カリフォルニアワイン ブルネロ・クローン]
クヴェゾン(キュヴェゾン、Cuvaison)といえばカーネロスのピノ・ノワールが有名ですが、カーネロスのシラー(4000円)も意外によかったです。エレガント系シラー。インポーターは富士インダストリーズです。
順番が前後しますがサッポロビールが輸入するエチュードのカベルネ・ソーヴィニヨン(1万5000円)。モダン系のカベルネ・ソーヴィニヨン。シルキーなタンニンで若くても飲みやすいワイン。久しぶりに飲みましたがやっぱりおいしい。
エチュード ナパヴァレー カベルネソーヴィニヨン[2012]赤 Etude Napa Valley Cabernet Sauvignon[2012]
オルカ・インターナショナルが輸入するテキストブック(Textbook)のカベルネ・ソーヴィニヨン(4600円)。最近、この価格帯のカベルネ・ソーヴィニヨンに力を入れているところが多いですが、その中でも安心して飲める1本。
■テキストブック カベルネソーヴィニヨン ナパヴァレー[2014] Textbook Cabernet Sauvignon Napa Valley[2014]【出荷:7〜10日後】
モカルトが輸入するピーコック(Peacock Cellars)のカベルネ・ソーヴィニヨン2011(1万8000円)。高いからおいしいのは当たり前ですが、いいワイン。2011年という涼しい年のせいか、比較的エレガントに感じます。
ナパの中でもコスパ系ワイナリーとして有名なカモミ(Ca'momi)。一番印象的だったのはシャルドネ・リザーブ2012(3980円)。
カモミ シャルドネ リザーヴ ナパヴァレー
先日、ニュースでも紹介したフープス(Hoopes)の、比較的低価格系のブランドがフープラ(Hoopla)。メルロー中心のレッド・ブレンド「ザ・マット」は飲みやすく、おいしいワイン(3980円)。
フープラ・レッド・ブレンド "ザ・マット" 2014【アメリカ】【赤ワイン】【750ml】【ミディアムフルボディ】【辛口】【ナパ・ヴァレー】
アグリが輸入するトルシャード(Truchard)はジンファンデルやカベルネ・ソーヴィニヨンもカーネロス産というユニークなワイナリー。味もよかったです。
あるインポーターさんとも話をしていたのですが、さすがにこれだけワインがあると(全部で200種類近くでしょうか)、細かい味わいを把握しきれなくなってきます。別途試飲会などある場合は、ご連絡いただけると、もっとじっくり紹介する機会が増えると思いますのでよろしくお願いします。
インポーターと小売を兼ねているヴィノスやまざきからはストーンヘッジ(Stonehedge)のメリタージュ2013(3500円)。ブレンドものですが、ソフトでバランス良く飲みやすいワイン。店頭で一番人気だというのがうなづけるワインです。
ストーンヘッジ・ナパ・ヴァレー・メリタージュ 2013
ワインピープルが輸入するギブス(Gibbs)のカベルネ・フラン2013(6900円)。ナパでカベルネ・フランを単独の品種として作るところはそれほど多くありませんが、わざわざ単独にするというのは、自信があるのだろうと思います。カベルネ・ソーヴィニヨンのようなストラクチャはありませんが、シルキーな味わいはカベルネ・ソーヴィニヨンほどの熟成を必要としていないと思います。
ワイン・イン・スタイルが輸入するヴァインクリフ(Vine Cliff)のカベルネ・ソーヴィニヨン・ロック・ブロック2009(5900円)。セカンドワインですが、ほどよく熟成しておいしい。これはかなりお買い得です。
[やや熟ワイン2009年]ヴァイン・クリフ ”ロック・ブロック” カベルネソーヴィニヨン ナパヴァレー
同じくワイン・イン・スタイルからマサイアソンのシャルドネ リンダ・ヴィスタ2015(4400円)。IPOBのメンバーでもあったマサイアソンはナパでも多くの人から尊敬されているワインメーカーの一人。このシャルドネはとても酸が豊か。柑橘系の味わい。魚介類によく合いそうです。
マサイアソン シャルドネ リンダ・ヴィスタ・ヴィンヤード ナパ・ヴァレー [2014] <白> <ワイン/アメリカ>【■MTV1C14】 ※即刻お取り寄せ品!欠品の際はご連絡します!
トレジャリーワインエステーツジャパンが輸入するスターリングのメルローとカベルネ・ソーヴィニヨン(どちらも4065円)。スターリングはナパの歴史上重要なワイナリーの1つです。日本に輸入されるのは久しぶりのようですが、この価格は20年前とあまり変わっておらず、うれしいです。メルローで有名なワイナリーの1つだけあって、メルローもお薦めできます。
スターリング ヴィンヤーズ ナパヴァレー メルロー[2014]赤(750ml) Starling Vineyards Merlot Napa Valley[2014]
ナパ・ワイン・トラストが輸入するプリースト・ランチのグルナッシュ・ブラン2016(価格未定)。ナパではかなり珍しいグルナッシュの白です。香り豊かで美味しい。
サッポロビールが輸入するスタッグス・リープ・ワイナリー(Stags’ Leap Winery)のレギュラーのプティ・シラー(6600円)とネ・ケイド・マリス プティ・シラー2012(1万5000円)。パリスの審判で有名なStag's Leap Wine Cellarsではない方のスタッグス・リープ。ここのシグネチャーといえばプティ・シラーです。レギュラーの方はとてもよくできたプティ・シラー。パワフルで濃厚。フラグシップのネ・ケイド・マリスの方はパワフルでありながらエレガント。非常にすばらしいプティ・シラーです。
余談ですが、先日試飲したワンス&フューチャーのプティ・シラーも素晴らしかったですが、これもよかった。またそれぞれスタイルが大分違うのも面白かったです。プティ・シラーを自分から選んで飲むことはこれまであまりなかったですが、認識を改めないと、という気になっています。
【お取り寄せ】★スタッグス・リープ・ワイナリー ナパ・ヴァレー・プチシラー 750ml
【お取り寄せ】★スタッグス・リープ・ワイナリー ネ・ケイド・マリス・ナパ・ヴァレー・プチシラー 750ml
残りは後編で。
参考:オーパス・ワン2013の世界市場向け出荷が始まる 値上がりも激しい争奪戦
小売の価格は250英ポンド(約3万6500円)程度で、Liv-exによると過去10ヴィンテージの中では一番安くなっているそうです。値上がり傾向も一服というところでしょうか。
デカンター誌のレビューでは93点。2012年、2013年の94点と比べるとちょっとだけ低いですが、それでも高い評価が続いています。2013年は多くのメディアで過去最高に近い評価でしたから、これも十分以上なできだと思います。
参考:ジェームス・サックリング、オーパス・ワン2013に100点献上
ただし、飲みごろは2020~2037年とのことで、やや長熟タイプのようです。
相変わらず引く手あまたで、英国では早くも品薄状態になっているそうです。
日本市場に出回るのは10月末くらいからでしょうか。2013年も、だんだん出回らなくなってきますから、それくらいまでには購入した方がいいと思います。
スペインのワイナリーGitが作るこの「blue wine」、果皮に含まれるアントシアニンを植物由来のインディゴと混ぜることで、青い色を出しているそう。
目論見は当たって大ヒットしたのですが、スペインのワイン法に反しているとのことで、ワイナリーには罰金が科せられ、ワインという言葉も使えなくなったとのこと。それでもヒットを続けており、さらにはもっと法律の緩い国で、真似したものを作るところも出てきているとか。また、このほどようやく米国でも販売を始めるそうです。
なお、甘みを付加しているとのことで、食事と共に飲むにはあまり向かないかも。
調べたらこのワイン、日本でも売ってました。
日本で作られている青いワインもあるようです。どういう作り方をしているのかは調べてません、すみません。Gitと比べるとだいぶ淡い感じですね。
なお、カリフォルニアにはラ・シレナの「モスカート・アズール」が青いボトルのワインとして昔から人気ありますね。これはワイン自体は白ワインですが。ハイジ・バレットが作るワインですから、味は保証付きです。
フープスはこれまで畑は持っていたものの、ゲストを迎えられるテイスティングルームなどがありませんでした。小規模なワイナリーにとってDtC(Direct to Consumer)と呼ばれる消費者との直接のコネクションによる販売の重要性は年々増しており、テイスティングルームがないことは事業継続の足かせになりかねなかったようです。
ホッパー・クリークはヨントヴィルのダウンタウンから少し南。ハイウェイ29と並行して走るワシントン・ストリートに面しています。ハイウェイ29を北上する旅行者にとってはワイナリー密集地帯に入る手前にあるワイナリーということで、集客効果はありそうです。
フープスのワインは日本ではアイコニックワインが輸入しています。非常にコストパフォーマンスが高い「フープラ」というブランドと、上級の「フープス」があります。知名度はそれほど高くないですが、どちらもいいワインです。
まずは白ワインからクラインのファームハウスホワイト2015(2000円)。ヴィオニエ43%、パロミノ40%などをブレンドした白ワイン。味わいの親しみやすさとバランスの良さが特徴。2000円はかなりのコスパです。
ナヴァロのゲヴェルツトラミネール(4500円)。品種はゲヴェルツトラミネール。香り豊か、きれいな味わい。
キャッスルロックのソーヴィニヨン・ブラン(2000円)。ドライなソーヴィニヨン・ブラン。しっかりした味わいでコスパ高い。
グロスのソーヴィニヨン・ブラン(3900円)。リッチな味わい。高級系ソーヴィニヨン・ブランの味。
ジョーダンのシャルドネ(6100円)。果実味豊か、酸もしっかりしておりバランス良い。
カリン・セラーズのシャルドネ「キュヴェLD」1994(6100円)。20年近くも熟成させてから発売するという変態ワイナリー。しかもリリースのタイミングとヴィンテージの順番が逆転することも多いのでわけわからないです。ここのワイン、さすがに酸化のニュアンスを感じることもありますが、今回のキュヴェLDはそれもなく、うまみ豊か。いい熟成をしています。
シャルドネ3つまとめて。右からロンバウアーの2015年(6300円)。レイミーのソノマ・コースト2014年(6500円)。ロキオリのエステート2015年(7900円)。ロンバウアーはリッチ系シャルドネの代表格。樽のニュアンスもしっかりでおいしい。レイミーは酸がきれい。全体にハイレベルなシャルドネ。ロキオリもリッチ系。おいしいです。
ここから赤ワイン。
コスパ系ピノ・ノワール2つ。シーグラスのサンタ・バーバラ・カウンティ2015(2600円)。10%シラーをブレンドしてコクを出しています。邪道かもしれないけど、味わいはイチゴやラズベリーなど赤系の果実味が中心でおいしいです。もう1つはキャッスルロックのカーネロス2012(2700円)。これも赤系の果実味がしっかり。エレガントだけどコクもあります。
ナヴァロのピノ・ノワール「ア・ランシェンヌ」2012(5700円)。バランス良くきれいな味わい。おいしい。
エレガント系カリピノの代表格であるリトライのソノマ・コースト2015(9500円)。AVAものとはいえ、このレベルのピノ・ノワールが1万円切るのはすばらしい。リトライの入門に。
ロキオリのピノ・ノワール エステート2015(1万400円)。リッチ系カリピノ。果実味しっかり、うまみたっぷり。おいしいです。
ヴァレンタインの蔵出しものメルロー2004年(3900円)。13年たってますが、まだタンニンもしっかり、凝縮感あり。まだ数年楽しめそう。お買い得です。
シェーファーの「TD-9」2015(9900円)。シェーファーのメルローといえばメルローの定番でしたが、2015年からはメルロー中心(56%)のブレンドに変わったようです。カベルネ・ソーヴィニヨンも28%入り、これまで以上にしっかりした味わい。TD-9というのはシェーファー一家が1973年にシカゴからナパに越してきてワイナリーを始めたときに、最初に買ったトラクターの名前。その冒険心にあやかってつけたとのこと。このワインのコンセプトは「一番おいしいブレンドを作る」とのことで、ブレンド比率も毎年変わるそうです。
スカラー&メイソン カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2015(4300円)。5000円以下のナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては最良のものの1つでしょう。ストラクチャがしっかりして、スパイスも効いた味わい。新入荷のワインです。
こちらも新入荷で、同じくナパのカベルネ・ソーヴィニヨン「CLRT」2014(4500円)。ワイナリーはブラックスミス。これもこの価格帯では非常にいいカベルネ。上と甲乙つけがたい味わい。
右はレイミーの「クラレット」2014(6900円)。バランス良くレベルの高いカベルネ・ソーヴィニヨン系ブレンド。これもコスパ高いです。左はホールのカベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2013(9500円)。モダン系のカベルネ・ソーヴィニヨンとして非常にレベル高いです。リッチでおいしい。
ホールの上級キュベ「キャサリン・ホール」2013(2万5000円)。これはダントツ。無茶苦茶おいしい。モダン系カベルネ・ソーヴィニヨンが好きな方へ。このヴィンテージからラベルにウサギ入り。
セゲシオのジンファンデル ロックパイル2014(7100円)。セゲシオのロックパイルは初めて試飲しましたが、複雑さやストラクチャがあってレベル高いです。
試飲会レポート、今のようにいいと思ったものを羅列するのがいいのか、もっと数本に絞った方がいいのか、2回くらいに分けた方がいいのか、ちょっと迷ってます。ご意見いただければ。
先週、カリフォルニアに熱波が訪れるという記事を書きましたが、ソノマのヒールズバーグで114F(46℃)、モントレーのサリナスで107F(42℃)、サンフランシスコでさえも106F(41℃)と、各地で最高気温を更新したそうです。
ブドウはこれだけの暑さになると、熟成を止め、水分を失っていってしまいます。冒頭の写真はソノマ・コーストのハーシュ・ヴィンヤーズ(Hirsch Vineyards)のものですが、ブロックによってはかなりの被害があったようです。
一方で、灌漑によって救われたブロックもかなりあるとのことで、ときには悪者扱いされてしまう灌漑は、カリフォルニアにおいてはやはり必要な設備といえそうです。
また、この熱波で収穫を急いだ生産者も多くいますが、糖度は急速にあがったもののフレーバーがまだ追いついていなかったというブドウもあったようで、ワイナリーによっては今年のワインの品質にも影響がありそうです。
今年は問題の少ないシーズンになりそうと思っていましたが、とんだ伏兵がいましたね。
4月に「元スクリーミング・イーグル・オーナー、有罪を認める」という記事を書いていますが、その後有罪が確定して4年の懲役と750万ドルの罰金が課せられました。
その後、マヤカマスのオーナー権などについて共同オーナーであるショッテンシュタイン氏と法廷で争うなどしていました。紆余曲折あったようですが、ともかくマヤカマス株については手放すことになったようです。
バンクスはこれら資産の処分のために収監の延期を求めていましたが、9月5日には収監されたもようです。
バンクスはマヤカマスのほか、テロワール・キャピタルという会社を通じて、複数のワイナリーを持っていますが、その1つであるニュージーランドのトリニティ・ヒルのディレクター職は既にやめたとのこと。
いろいろな情報が錯綜してわかりにくいことになっていますが、ともかくバンクスは収監され、おそらく3年後に仮出所になるでしょう。
マヤカマスに関しては、手放すことを表明しているのでそうなると思います。
下の写真右がチャールズ・バンクス
2016年1月には「元スクリーミング・イーグルのオーナーがワイナリー投資家として目指すもの」という記事を書いており、「彼のこれからに、もっと注目していこうと思います」と締めていますが、こういう形で注目することになるとは思いもよりませんでした。
まず一押しはプティ・シラー
《ワンス&フューチャー》 プティシラー “パリセーズ・ヴィンヤード” カリストガ, ナパ・ヴァレー [2015] Once & Future Wine Petite Sirah Palisades Vineyard, Calistoga, Napa Valley 750ml [ナパバレー赤ワイン カリフォルニアワイン] |
次に、やっぱり息子のベッドロックの畑のジンファンデル。
《ワンス&フューチャー》 オールドヴァイン ジンファンデル “ベッドロック・ヴィンヤード” ソノマ・ヴァレー [2015] Once & Future Wine Old Vine Zinfandel Bedrock Vineyard, Sonoma Valley 750ml [赤ワイン カリフォルニアワイン] |
やっぱりこれは同じ畑のブドウを使った息子のワインと飲み比べたいところ。
これも前記事からのコメント。
ワンス&フューチャーのベッドロックがジンファンデル85%なのに対し、こちらは同じ畑ですがジンファンデル55%。父親のワインよりもバランスや複雑さを出すことを中心にしているように感じました。ここのワイン作りは極めてクラシカルな手法を使っていますが、味わいの出し方はやはりモダン。同じ畑でありながら、父親との方向性の違いもまた面白いところです。
次に、もう一つのジンファンデル「テルデスキ」。
ベッドロックでこれに相当するのは「ロレンツォ」。ベッドロックの畑より少し上品な気がします。
ベッドロック ロレンツォズ ヘリテージレッドワイン[2014] (750ml)赤 ロレンゾ Bedrock Lorenzo's Heritage Red Wine[2014] |
最後にマタロ(ムールヴェードル)。
《ワンス&フューチャー》 マタロ “オークレイ・ロード・ヴィンヤード” コントラ・コスタ・カウンティ [2015] Once & Future Wine Mataro Oakley Road Vineayard, Contra Costa County 750ml [赤ワイン カリフォルニアワイン] |
どれもわずか数本ですのでお早めに!
マスター・オブ・ワインは全世界で368人という狭い門で、そのうち半分以上が地元英国在住です。米国在住は2番めに多く、それでも46人。
モーガン・ピーターソンはカリフォルニア在住のワインメーカーとしては初のマスター・オブ・ワインとなりました。実は今回は比較的ワインメーカーが数多く合格しており、ほかにワシントン州のワラワラにあるRasa Vineyardsの創設者/ワインメーカーであるYashodhan (Billo) Naravane、E.&J.ガロのインターナショナル・ワイン・グループの長であるNigel Sneyd、コンステレーション・ブランズ傘下のニューヨーク州のCanandaigua Wineryや、自身のTrestle Thirty Oneでワインメーカーを務めるNova Cadamatreが合格しています。ノヴァは女性のワインメーカーとしては初のマスター・オブ・ワインです。
マスター・オブ・ワインになるには学科での合格のほか、テイスティングのテストに受かること、そして最後に研究論文が認められることが必要となっています。
モーガン・ピーターソンの場合は研究論文は「19世紀後期に植樹されたカリフォルニアの古樹の残る畑と現代の栽培における関連性―1888年植樹のベッドロック・ヴィンヤードを基にして」。大学で歴史を学び、Historic Vineyard Societyの発起人でもあるモーガンのまさに得意とするところです。論文もぜひ読んでみたいところです。
ちなみに、Nigel Sneydの論文は普通の透明なボトルと紫外線保護した透明なボトルとで、ドライな白とロゼワインの味わいがどう違うかを官能検査および化学的に調べたもの、Nova Cadamatreの論文は樽の洗浄に関するもの、Yashodhan (Billo) Naravaneは二酸化窒素をオレゴンのピノ・ノワールとワシントン・シラーにおいて高分子色素形成を促進するために、発行前に積極的に使えるかどうか、といったものです。
他のワインメーカーが化学的なアプローチを中心としているのに対して、モーガンは歴史的、やはりそこにモーガンらしさが現れているのだと思います。
おめでとうございます。
楽天のスーパーセールでウメムラがカレラのリードとミルズの2…14年を通常より1000円程度、安く出しています。2014年のレビューはまだ出ていないようですが、セントラルコーストのピノとしてはいいヴィンテージだと思います。
カレラ リード ピノ・ノワール マウント・ハーラン [2014]750ml |
【12本限定スーパーセール特別価格】カレラ ミルズ ピノ・ノワール マウント・ハーラン [2014]750ml |
ハーランぽさ、ボンドぽさとはちょっとベクトルが違うかもしれませんが、バランス良い優秀なカベルネが2万円そこそこということで、やっぱりいいワインだと思います。
2013年は輸入元在庫はもうないとのことで、各ショップにある分が最終となりそうです。
目玉はハーラン・エステートなどの「半額」セール。とはいっても、この店の普段の価格の半額なので、普通安い店で10万円前後するハーランが5万円になる、とまではいきませんが、税込み6万円台からと、相当安いのは間違いありません。
このほか福袋でもハーラン+メイデンで約10万円など、4割以上の割引です。オーパス・ワンとオーバチュアのセットなどもあります。
楽天のセールのときはポイントの倍率を上げやすいので、高いものを買うにはチャンスですね。
【スーパーセール★特別価格】[2000] ハーラン・エステート |
2003年はWine Advocate誌で98+
金曜日(9月1日)と土曜日(9月2日)は最高気温が華氏108度の予報。摂氏で言えば42度を超える高温です。
すでに収穫が近い状態にあるブドウはこの熱波で過熟に陥ってしまう危険もあり、ワイナリーは収穫を急ぐ構えです。ただ、人手の問題や、収穫した後の醸造場所を手当できるかといった問題もあり、なかなか大変なようです。
ちなみに上記の気温はナパ市の予報。ソノマ市では金曜日の最高気温が115度(摂氏46度)という予報も出ており、涼しいセバストポールなどでも100度を超える予報になっています。収穫時期の早いシャルドネやピノ・ノワールが多いソノマではナパ以上に収穫ラッシュかもしれません。
さらに、熱波で火事の危険も増しているため、消防も気を引き締めているとのこと。いろいろと大変そうです。
ワシントン州のグラマシー・セラーズのヴィオニエ(4000円)です。2016年のヴィンテージになりました。すごくエレガントなヴィオニエ。ここのヴィオニエを試飲するのはこれで3、4回めだと思いますが、個人的にはおいしいヴィオニエのスタンダード的な位置づけになっています。
ホーニッグのソーヴィニヨン・ブラン(3500円)。非常に香り豊か。ソーヴィニヨン・ムスクが入っているのかと思いましたが、そうではなさそう。おいしいです。
ロドニー・ストロングのシャルドネ(3000円)。この価格帯にしては、複雑さがありレベルの高いシャルドネです。
ルイスのシャルドネ(9800円)。樽のしっかり効いたシャルドネ。最近また、こういうタイプがおいしく感じられるようになってきています。やりすぎず、バランスはしっかり取れています。
トアーのデュレル・ヴィンヤード シャルドネ(1万2500円)。この値段ですからまずかったら困りますが、文句なくおいしいです。
中川ワイン向けに作られているオー・ボン・クリマの「ミッション・ラベル」シャルドネ(3980円)。海苔の風味がサンタ・バーバラらしいところ。バランスいいです。
「50ドル未満のすばらしいピノ・ノワール15選」で紹介したドメーヌ・ド・ラ・コートのピノ・ノワール(8000円)。日本ではさすがに50ドルとはいきませんが、おいしいピノ・ノワール。果実味とスパイシーさのバランスが高いレベルで取れています。
中村倫久さんの作るピノ・ノワール(7500円)。やわらかい果実味。やさしい味わい。
リヴァース・マリーのオキシデンタル・リッジ ピノ・ノワール(8800円)。トーマス・リヴァース・ブラウンの作るワインにはずれなし、と思います。バランスいいワイン。
解散してしまったIPOBの中心メンバーだったリオコのピノ・ノワール ハーシュ・ヴィンヤード(1万2000円)。IPOBのワインというと、酸が強いというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、ハーシュ・ヴィンヤードのワインは、パワーがあり、そのバランスが高いレベルで達成できているものが多いように思います。
トーマス・リヴァース・ブラウンが作るアストンのピノ・ノワール(1万7000円)。ここは上記の逆で、非常にパワフルなんだけど、酸がきれいなので嫌味にならないワイン。「トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)」でも紹介していますが、個人的には大絶賛中のワインです。できれば試飲会でなくゆっくり飲みたいワイン。
リースのホースシュー・ヴィンヤード シャルドネ(2万3000円)。フルーツにスパイス。美味しいです。ちょっと値段が高いですが…
三ツ星レストラン「フレンチ・ランドリー」のハウスワインとして有名になったシフレット。その後継となるのがこの8687ワインズです。8687とは後を継いだ姉弟の生まれ年である86年、87年から付けたものだとか。カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーが50%ずつというレッド・ブレンド(5400円)。面白くておいしい。親しみやすいワイン。
ヴィオニエを紹介したグラマシー・セラーズ(ワシントン州)のカベルネ・ソーヴィニヨン(8000円)。骨格がしっかりしたワイン。おいしいです。
派手さではだれにも負けないJCBことジャン・シャルル・ボワセのレッド・ブレンド「パッション」(1万円)。ボトルデザインも派手ですが、ワインもカラフルな味わいで飲んで楽しいワイン。元気が出ます。
最後はアミューズ・ブーシュ3連発(2013年~2015年、いずれも3万8000円》。ハイジ・バレットが作るプレミアムなメルロー。その昔、このワインが最初に作られたころは「こんな高いメルローだれが買うの?」と思いましたが、カベルネ・ソーヴィニヨンのプレミアムが、これくらいの価格になっていますから、今となっては納得できる値付けです。ラベルも含めてワインはアートだなあと思いました。
ジンファンデルの「3R」あるいは「4R」と言われた名門ワイナリーの1つがレイヴンズウッド(Ravenswood)。その創設者であるジョエル・ピーターソンが70歳を迎えて、新たに作ったブランドがワンス&フューチャーです。
ジョエル・ピーターソンの息子がベッドロックのモーガン・ピーターソンであることは、何度も書いているのでご存知の方が多いと思いますが、ワンス&フューチャーは息子の活躍に触発されたのでしょう。ベッドロックの畑からのワインも作るなど、まさに親子競演の状態です。
ちなみに、ベッドロックとワンス&フューチャーについては、以下の記事もご参考になさってください。
Bedrock Wine: 5歳からワインを作る天才の夢を載せるワイナリ
ついに来た!「天才」Morganが作るBedrockが国内正式輸入開始
古木の畑の謎に迫るベッドロックのモーガン・ピーターソン
ベッドロックの新作、圧巻の自社畑
レイヴンズウッドのジョエル・ピーターソン、原点に返って新ワイナリー設立
44年かけて、夢見ていたワイン作りができると語るジョエル・ピーターソン
今回試飲したのは4種類のワイン。ヴィンテージはどれも2015年です。
まず、いきなりベッドロック・ヴィンヤードのジンファンデルです。
一口飲むと、プラムの風味が口の中に広がります。いかにもジンファンデルという味わい。そしてブラックペッパーなどのスパイスが味を引き締めています。心地よい酸味。第一印象はトラディッショナルなジンファンデルなのですが、重かったりくどかったり甘すぎたりといった、昔のジンファンデルの悪いところは取らず、引き締めるべきところは引き締まった味わい。クラシックだけどモダン。ジンファンデルを知り尽くしたジョエル・ピーターソンの底力を感じます。
ちなみに、隣にはベッドロックの「ザ・ベッドロック ヘリテージ・レッド・ワイン」もありました。ワンス&フューチャーのベッドロックがジンファンデル85%なのに対し、こちらは同じ畑ですがジンファンデル55%。父親のワインよりもバランスや複雑さを出すことを中心にしているように感じました。ここのワイン作りは極めてクラシカルな手法を使っていますが、味わいの出し方はやはりモダン。同じ畑でありながら、父親との方向性の違いもまた面白いところです。
2番目はプティ・シラー。畑はカリストガにあります。パリサデス・ヴィンヤードは50年ほどの歴史を持つ畑。ナパでは珍しくなったプティ・シラーであり、Torやカーライルなどのワイナリーがここのブドウを使っています。
これはパワフル。爆発的な果実味としっかりした酸。最初のジンファンデルよりもスパイシーで、タンニンもすごい。久しぶりに口がすぼまるほどのタンニンを感じました。しかし、これもパワフルなのだけどやり過ぎになっていないところがとても上手。これはもしかしたら、今まで飲んだプティ・シラーの中でもベストかも。
3本目はまたジンファンデルに戻ります。畑はドライ・クリーク・ヴァレーのテルデスキ。ベッドロックではロレンツォズ・ヘリテージがここの畑。またオールド・ヴァイン・ジンファンデルにもブレンドされています。
これも美味しい。味の作り方は前述のジンファンデルに似ています。このとき既に20本以上試飲していたので、僕の試飲能力ではこれより細かい違いは味わいきれませんでした。
最後はマタロ(ムールヴェードル)。熟成肉のような独特の風味があります。これもスパイシーですが、果実味は他のワインに比べると少し弱く感じました。
久しぶりに、興奮するワインに出会いました。ただ、残念ながら日本への入荷はかなり少ないようです。まあ、元々も数百ケースしか作っていないのですが。おそらくショップへの割当も初回のみで限定本数になるのでしょう。買えるようになった際にはまた紹介したいと思います。
それから、写真を撮り損ねたのですが、ベッドロックでは、前述の「ザ・ベッドロック ヘリテージ」に加え、定番のオールド・ヴァイン・ジンファンデルや安価なブレンド品のシェバングの赤、白がありました。
気の置けないパーティワイン的なシェバングもいいのですが、ワンス&フューチャーの強烈なワインの後で試飲するオールド・ヴァイン・ジンファンデルもまたよかったです。複数の畑のブレンドなので、個性を出すというよりはバランスを重視したワインですが、定価4000円台でこれだけのレベルのワインを出せるのはやはりすごい。これも何回も書いてますが、ベッドロックって本当においしいの? って思っている人はまずはオールド・ヴァイン・ジンファンデルを飲んでください。
これが美味しいと思うなら、ベッドロックの他のワインの魅力も分かると思いますし、美味しいと思わないのであれば、多分高いのに手を出す必要はないと思います。
ベッドロック オールドヴァイン・ジンファンデル カリフォルニア |
今回飲んだのはその白ワインブレンド「エスプリ・ブラン・ド・タブラス」。
酸味は穏やか。白桃のような柔らかい果実の味わい。グイグイ押してくるワインと言うより、控えめに受け止めるようなワイン。飲みやすく、すいすい飲んでしまいそう。ちょっと危険です。
ラベル見ていなかったらヴィオニエかなあという感じ。実際はルーサンヌが64%でグルナッシュ・ブランが26%など。ルーサンヌとか普段飲まない品種はわからないですね。
そりゃ50ドルもだすなら美味しいピノはたくさんあるよねえと思いましたが、さすがにそこは40~50ドル、30~40ドル、20~30ドルの3つのカテゴリーにわけてバランスを取っていました。ちなみにこの記事を書いているのは、先日「味は素晴らしいのにラベルが台無しにしているワイン6選」で紹介した記事と同じ人でした。
オレゴンのワインが結構選ばれていたので、リストの中からカリフォルニアとオレゴンのワインを紹介します。
40~50ドル
2014 Kelley Fox Momtazi Vineyard Pinot Noir
2014 Domaine de la Cote Santa Rita Hills Pinot Noir
2014 Flowers Winery Pinot Noir
2014 Domaine Drouhin Pinot Noir Dundee Hills
オレゴンのドメーヌ・ドルーアンとか、ソノマ・コーストのフラワーズといった、もはや老舗と言ってもいいようなワイナリーが入っているのが目立ちます。ドメーヌ・ド・ラ・コートは美味しいです。単一畑ものが目立つワイナリーではありますが、AVAものもレベルは高いと思います。
[2013] ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ 1本 ドメーヌ・ド・ラ・コート 750ml Pinot Noir Sta. Rita Hills Domaine de la Cote |
30~40ドル
2014 Tyler Pinot Noir Santa Barbara County
2015 Sarah’s Vineyard Santa Lucia Highlands Pinot Noir
2014 Carpe Diem Pinot Noir Anderson Valley
2014 Maison L’Envoye Two Messengers
タイラー ピノノワール サンタ バーバラ カウンティ 2013TYLER PINOT NOIR SANTA BARBARA COUNTY赤ワイン アメリカ カリフォルニア |
ここは5本中3本がカリフォルニアで1本がオレゴン。実は残りの1本も気になるワインです。
2014 Burn Cottage Cashburn
ニュージーランドのワインですが、リトライのテッド・レモンが畑やワイン作りを指導しているそうです。
20~30ドル
意外なことに5本中3本がブルゴーニュ。あとはアルゼンチンとオレゴン。オレゴンのモンティノレは日本で買っても安いです。
2014 Montinore Red Cap Pinot Noir
【6本〜送料無料】モンティノレ ピノ ノワール 2013 モンティノレ エステート 750ml [赤]Montinore Pinot Noir Montinore Estate |
その軌跡を改めて見ると、いかにこのワイナリーがパイオニアであるか、よくわかります。
・禁酒法以降でドライ・クリーク・ヴァレーに作られた最初のワイナリー
・ドライ・クリーク・ヴァレーにソーヴィニヨン・ブランを植えた最初のワイナリー
・ドライ・クリーク・ヴァレーをAVAにするのに貢献
・「オールド・ヴァイン」ジンファンデルを初めてラベルに表記
・「メリテージ」(Meritage)を最初にラベルに記したワイナリー
創設者のデイヴ・ステアは今も健在ですが、娘のキム・ステア・ワレスが社長になっています。家族経営を引き継いでいるのもすばらしいですね(先日のカレラのニュースを思うと)。
ちなみにドライ・クリーク・ヴィンヤードというと、ラベルのヨットが印象的ですが、ヨットのロゴは1982年から使っています。
ドライクリーク カベルネソーヴィニヨン[2011] (750ml)赤 Dry Creek Cabernet Sauvignon[2011]△ |
オープンは木曜日から月曜日、テイスティングは予約で40ドル。シャルドネとピノ・ノワール、それからライブラリーのワイン1杯を含んでいます。
詳しくはHyde Vineyards | King of Carnerosへ
ジェームス・サックリング、オーパス・ワン2013に100点献上
年間トップなど、高評価続くオーパス・ワン2013
価格は3万9800円(税別)ですが、楽天のポイントが11940ポイントつきます。
ショップが10倍を付けているのに加え、ショップ限定ポイント20倍のキャンペーンにエントリーする必要があります。
なお、期間は8月28日(月)9時59分までなのでお早めに
エントリーはこちら
[2013] オーパス・ワン 【オーパスワン】 |
ネクスト・オブ・キンは、シネ・クア・ノンとは別ワイナリーという位置づけで、メーリング・リストも分かれています。畑は、サンタ・バーバラの近くにあるマンフレッド・クランクルの家の近くの自社畑「キュミュラス(Cumulus)」。2004年にブドウを植樹しました。シラーが多いですが、他にも多くの品種が植えられています。特にシラーは自根で栽培されているとのこと。
ネクスト・オブ・キンは2007年だ最初のヴィンテージ。当初はシラーがほとんど(2007年で92%)でしたが、近年はシラーとグルナッシュがほぼ同じで合わせて80%程度、あとはプティ・シラーやムールヴェードルが含まれています。
パッケージングもユニークで、750mlのボトル3本と1.5Lのマグナムボトル1本という構成でだけ売られています。
ガッローニによるとデビュー・ヴィンテージの2007年からすばらしいできのようで、「一言で言えば荘厳」と書いています。収穫時点でブドウの樹齢がわずか3年であることを考えるとすごいです。また、熟成能力も高いとガッローニは評しています。
2008年はやや閉じていますが、2009年は2007年の芳醇さと2008年の内省的な雰囲気を併せ持っているとのこと。
2010年のワインはまだ飲み頃というには若すぎるとのこと。2011年も若すぎるが、この年は比較的軽い年なので、まだ飲みやすいようです。2012年は2007年や2009年のように芳醇さを持っており、2013年はガッローニがこの垂直テイスティングのベストとしています。
なお、参考までにWine Advocate誌のレイティングでは2007年から順に、96+、96、96+、98、97、99、98-100となっています。
なかなか飲む機会も目にする機会もないワインではありますが、カリフォルニアのローヌ系品種のワインとしては最高峰の1つであることは間違いないでしょう。シネ・クア・ノンのワインとどう違うのかも気になりますね。
シン・クア・ノン [2007] ネクスト・オブ・キン No.1 アソート4本 【750ml x3、1500ml x1】Sine Qua Non Next of Kyn No.1 Assortment |
シン・クア・ノン [2008] ネクスト・オブ・キン No.2 アソート4本 【750ml x3、1500ml x1】Sine Qua Non Next of Kyn No.2 Assortment |
シン・クア・ノン [2009] ネクスト・オブ・キン No.3 アソート4本 【750ml x3、1500ml x1】Sine Qua Non Next of Kyn No.3 Assortment |
シン・クア・ノン [2010] ネクスト・オブ・キン No.4 アソート4本 【750ml x3、1500ml x1】Sine Qua Non Next of Kyn No.4 Assortment |
シン・クア・ノン [2011] ネクスト・オブ・キン No.5 アソート4本 【750ml x3、1500ml x1】Sine Qua Non Next of Kyn No.5 Assortment |
参考:
ソノマについに電車が走る!将来はSFから接続も
基本的に通勤のための電車で、現在のところ1日25編成が予定されています。サン・ラファエルから、サンタ・ローザの北にあるソノマ・カウンティ・エアポートまでの時間は1時間7分。料金は11.5ドルです。
ウーバーなどと併用すれば、サンタ・ローザ付近にいくのに、便利になるのかもしれません。
ソーター・ヴィンヤーズのトニー・ソーターといえば、1990年台にはスポッツウッドやダッラ・ヴァッレ、アラウホなどのワインメーカーとして一世を風靡した人。自身のブランド「エチュード」ではピノ・ノワールやすばらしいカベルネ・ソーヴィニヨンを作っていましたが、2000年代に入ったころからはオレゴンでのワイン作りに専念するようになりました。
参考
ワインメーカーの系譜(3)――トニー・ソーター&ミア・クライン「最強コンビ」
ミネラル・スプリングス・ランチは自社畑で2012年のピノ・ノワールはWine Spectatorで95点、2014年の年間トップ100で17位という高い評価。Wine Advocateでも92点です。
リリース価格は60ドルだったようですが、現在の流通価格は80ドル台。それが税込みで6458円ですから、流通価格はおろか、リリース価格よりも大分安くなっています。これはかなりのお買い得です。
【わけありワイン】ソーター ”ミネラル・スプリングス・ランチ” ピノノワール ウィラメットヴァレー |
このショップでは今、インポーター協賛セールとしてロバート・ビアーレ(ビアレ)のジンファンデルも安くなっています。今では少なくなってしまったジンファンデルをメインとするワイナリー。中でも高品質で知られたところの1つです。
【わけありワイン】ロバート・ビアレ ジンファンデル "ファウンディング・ファーマーズ" ナパヴァレー |
【わけありワイン】ロバート・ビアレ ジンファンデル "ブラック・チキン" ナパヴァレー |
【わけありワイン】ロバート・ビアレ プティシラー ”ロイヤル・パニシャー” ラザフォード ナパヴァレー |
サムサラは彼が奥さんと2002年に始めたワイナリー。メルヴィルが自社畑のブドウを使ったいわゆる「エステート」のワインだけを作っているのに対し、サムサラはすべて購入したブドウでワインを作っています。サンタ・バーバラの著名な畑から、優秀なピノ・ノワールやシラーを生産しています。
この2つは車の両輪のようなもので、両方続けていくつもりなのだと思っていましたが…
売却した相手はスクータック夫妻。長年に渡るサムサラの顧客でした。夫婦からワイン・ビジネスを始めたいという相談を受けたチャド・メルヴィルに、サムサラを譲るという案が浮かんだのだそうです。
折しも、Jaffurs Cellarsのワインメーカーだったマット・ブレイディがやめたという話があり、期せずしてチャドもスクータック夫妻もマットがサムサラの新しいワインメーカーにふさわしいのではないかという同じ意見を持ち、彼を採用することになったとか。
マットはバランスやストラクチャー、テクスチャを大事にしているとのことで、除梗なしでテクスチャやストラクチャーのしっかりしたワインを作ってきたサムサラとは相性がよさそうです。
というわけで、チャドがサムサラを売却したのは驚きでしたが、それは納得できるものでもありました。新生サムサラに一層期待したいと思います。
サムサラ ピノ・ノワール "カーガサキ" サンタリタヒルズ [2011] (正規品) Samsara Cargasacchi |
サムサラ・シラー・サンタ・バーバラ2014 |
サムサラ・ケースラー・ハ−ク・ピノ・ノワール2011 |
試しに買ってみたところ、これがなかなか使い勝手がいい。肉と野菜にこれをかけ(分量も適当)、炒めるだけでそこそこの味わいになります。何味にするか迷っていたり、調味料をいろいろと混ぜるのが面倒なときなど、簡単料理派には強い味方です。
味はちょっと辛め(ホットな方じゃなくて、醤油辛い感じ)なので、少し砂糖やみりんを入れるとバランスがよくなります。
本家でも通販で売っていますが、コストコと比べるとちょっと高いですね。
【常温品】 名物すた丼屋 すたみな焼きのタレ |
その代わり、4種類のフレーバーがあって、それらの詰め合わせもあるのはちょっと惹かれます。
【常温品】秘伝のたれプレミアム4本セット 【秘伝のタレ レシピ+オリジナル伝説箸 付き】 |
先日コストコに行ったときには、心置きなく使えるように2本購入。我が家では完全に常備品リストに入りました。
ちなみにこれもコストコ定番品
カレーが手間がかかると思っている人に試して欲しい「印度の味」
仕組みは以下の動画をご覧ください
ワインをこのデキャンタに移し、グラスに注ぎます。デキャンタの中にはワインの表面を覆うような内蓋があり、それを押し下げてワインと密着させることによってワインの酸化を防ぐという仕組みです。
酸化の度合いを研究室で調べてもらったところ、アルゴンガスによる保存(コラヴァンと思われる)よりも優秀な結果が出ています。
保存期間は控えめに最低一週間としか言っていませんが、数週間はいけそうな感じがします。
繰り返し使うので洗いやすさが気になったのですが、上の金属部は下のガラス部から取り外せるので、比較的メンテナンスしやすそうです。
Indiegogoでの出資は、ステンレスのeto1つが得られるものが59英ポンド(約8259円)。日本に送る場合、送料は20英ポンドかかるので79英ポンド(約11059円)。銅製のものは10ドル高くなります。またIndiegogoの出資が終了後は、それぞれ79ポンド、89ポンドで販売される予定です。
コラヴァンと比べると本体価格が安く、ランニングコストがかからないのが大きなメリットです。
逆に一度に1つのワインにしか使えない、保存は立てておく必要があるというところが欠点でしょうか。
なかなか興味深い製品です。
元記事はかなり長く、大半は以前「トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】」で書いたことと重なっているので、その部分は省略します。
写真:ナパのソーヴィニヨンブランの代表的な畑であるトカロンの「I-ブロック」
今年はトカロンにまつわることがいろいろと登場する年のようで、ほかにも「ベクストファー・トカロンの畑、植替えへ」、「特報:コンステレーションがシュレーダーを買収」といった記事を書いています。
で、これらを読むのがめんどくさい人のために、トカロンについて、箇条書きで簡単にまとめておきます。
・トカロンの畑の大部分はコンステレーションが持っているが、評論家の評価の高いワインの大半はベクストファーが保有する「ベクストファー・トカロン」の畑からのもの
・現在トカロンの名称を付けてワインを作っているのはコンステレーション傘下のロバート・モンダヴィと、ベクストファー・トカロンのブドウを使っているワイナリー
・トカロンの商標はコンステレーションが持っており、ベクストファーは裁判を経て和解して名前を使えるようになった
・実はオーパス・ワンもかなりの量トカロンのブドウを使っている
・ベクストファー・トカロンからのワインで一世を風靡したシュレーダーがコンステレーションに買収され、今後はコンステレーションのトカロンのブドウも使うのではと噂されている
想像ですが、コンステレーションには「うちがトカロンの商標を持っていて、畑も大半を所有しているのに、もてはやされるのはベクストファーからブドウ買っている連中ばかりでくやしい」といった思いがあるのではないでしょうか。
ベクストファー・トカロンで名を馳せ、いっときはトカロンの名称をめぐって提訴した相手でもあるシュレーダーを金銭的にはあまりメリットなさそうな高額で買収したのも、そのくやしさの現れのような気がします。
そして、コンステレーションとしてトカロンを最大限に活用するのが、「トカロン」ブランドのワインを作ることなのでしょう。
このワイナリー、現在のところ「トカロン・ワイン・カンパニー」および「トカロン・ヴィンヤード・カンパニー」という名称で商標申請されているとのこと。ただ、異議申し立ての期間が当初の7月期限から10月期限に伸びたので、暫定的に別の名前も考えているそうです。
ワインメーカーは著名なコンサルタントのアンディ・エリクソン。スクリーミング・イーグルのワインメーカーとして注目を浴び、現在は自身のファヴィア(Favia)のほかダッラ・ヴァッレ(Dalla Valle)やオーヴィッド(Ovid)などでワインを作っています。
詳しくは
ワインメーカーの系譜(8)――アンディ・エリクソン「ナパのわらしべ長者」
アンディ・エリクソンはコンステレーションから、「トカロンのどこのブドウを使ってもいい」というお墨付きをもらっているとのこと。
なお、最初のヴィンテージは2016年。2019年の発売が見込まれています。
どんなワインになるのか注目です。個人的にはトカロンのカベルネ・フランを作ってほしいです。
参考:
3週間後でも抜きたてワイン 風味落ちない魔法の道具
日本版のコラヴァン、税抜きで6万5000円(コラヴァン モデル2)からと、価格が高いのが最大のネックでしたが、税抜き3万円台と大幅に安くなった「コラヴァン モデル1」が8月10日に発売されました。
本体はプラスチック製でモデル2の重厚感はありませんが、肝心のワインの保存性能に関しては全く違いはありません。
この価格だったら、欲しい!と思う人も結構いるのでは。
★8月10日発売開始★ CORAVIN コラヴァン モデル1 【正規品1年保証付】 CRV1004 |
【送料無料】 シナジートレーディング ワインボトルガス密閉器具 「コラヴァン モデル1」 CRV-1004 |
カレラの創設者であるジョシュ・ジェンセンは現在73歳。3人の子供がいますがいずれもワイナリーを継ぐ意志はなく、将来を見据えて売却先を探していたのだそうです。ダックホーンの創設者であるダン・ダックホーンとはワイナリーの設立時期が同じだったこともあり、古くからの友人関係にあり、今回の売却にいたったとのこと。
売却にはカレラのワイナリーやブランド、畑、在庫などすべてが含まれています。ワインメーカーを含めてスタッフはすべて現状維持となります。なお、売却額は明らかにしていません。
ジョシュ・ジェンセンはダックホーンの取締役になり、4年間のコンサルタント契約を結んでいます。今後もカレラのワイナリーではこれまでと同じように活動するとのことです。
1960年代~1970年代にかけて設立されたワイナリーの多くで、創設者が引退の時期を迎えています。後継者に悩むワイナリーもかなりあるようです。似たような売却は今後も出てくることでしょう。ダックホーンとカレラとは共通点が少なく意外に感じましたが、安定して運営してくれそうなところに売却できたのは幸せなのではないかという気がします。
あと気になるのがカレラの日本へのインポーターに影響があるかどうかという点ですが、おそらく急に変わることはないでしょうね。数年後はわかりませんが。
2年前に「米国のベスト・ワイナリー101は?」という記事を掲載していますが、基本的にはそれの2017年版ということです。
前回の記事にならって20位~1位を紹介します。
20. Heitz Cellar, St. Helena, Calif.
19. Linden Vineyards, Linden, Va.
18. Macari Vineyards, Mattituck, NY
17. Shafer Vineyards, Napa, Calif.
16. Cayuse Vineyards, Walla Walla, Wash.
15. Robert Sinskey Vineyards, Napa, Calif.
14. Leonetti Cellar, Walla Walla, Wash.
13. Domaine Drouhin Oregon, Dayton, Ore.
12. Calera Wine, Hollister, Calif.
11. Quilceda Creek Vintners, Snohomish, Wash.
10. Caymus Vineyards, Rutherford, Calif.
9. Littorai Wines, Sebastopol, Calif.
8. Barboursville Vineyards, Barboursville, Va.
7. Daou, Paso Robles, Calif.
6. Smith-Madrone Vineyards and Winery, St. Helena, Calif.
5. Sine Qua Non, Oak View, Calif.
4. Au Bon Climat Winery, Santa Barbara, Calif.
3. Corison Winery, St. Helena, Calif.
2. Tablas Creek Vineyard, Paso Robles, Calif.
1. Ridge Vineyards, Cupertino, Calif.
元記事にはどうやって選んだか(ソムリエなどのパネルメンバーが投票)、いろいろと説明していますが、ただ投票結果というだけなので、かえって選択基準はよくわからない気がします。2年前のトップ20とは7割ほどが今年も残っている形。1位と2位は順位が逆転しましたが、リッジとタブラス・クリークが強い支持を受けています。
あまり有名とは言えないようなSmith-Madrone(6位)やDaou(7位)、などが入っているのも面白いところ。
カリフォルニア以外のワイナリーも散見されますが、運営側が意図的にそのあたりを入れようとしている感じもあります。
リヴァース マリー シャルドネ シエリオット ヴィンヤード [2014] ティエリオット (750ml) 白 RIVERS-MARIE Chardonnay Thieriot Vineyard [2014] |
トーマス・リヴァース・ブラウンについては、以下の記事をご覧ください。
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
リヴァース・マリーの「マリー」の方は奥さんのジュヌビエーブ・マリー・ウェルシュさんの名前から取っていますが、シャルドネにはより奥さんの意向が入っているとのこと。
ティエリオット(あるいはBティエリオット、シエリオット、B Thieriot)はかのリトライもシャルドネを作っている銘醸畑。ロバート・パーカーは、2014年のシャルドネについて「グラン・クリュのシャブリのよう」として94点を付けています。
米国の価格も80ドル~とほぼ同等。生産量はわずか125ケース。日本に正式輸入されているだけでもありがたいワインです。
リヴァース マリー シャルドネ シエリオット ヴィンヤード [2014]ティエリオット RIVERS-MARIE Chardonnay Thieriot Vineyard 750ml |
Wine Advocate誌では91点、Wine Enthusiast誌では93点という高い評価がついています。樽発酵し、ニュートラルな樽で8カ月熟成した「ピュアでクリーンなスタイル」(WA誌のジェブ・ダナック(当時))とのこと。ヴィンテージ的にはまだグレッグ・ブリュワーがワインメーカーだった時代のワインです。
メルヴィル ”エステート” シャルドネ サンタリタヒルズ |
カナダのワインの知識はほとんどなかったのですが、カリフォルニアとはまた違っていて面白かったです。
カナダのワイン産地は大きく分けると東と西があります。西はブリティッシュコロンビア州。米国ワシントン州の北になります。主要な産地であるオカナガン・ヴァレーはやや内陸に入っているので、ワシントン州のワイン産地との共通点が多くあります。比較的温暖で、夏場は非常に長い日照時間が得られるため、ボルドー系品種もかなり作られています。
東はオンタリオ州のナイアガラなどが代表的な産地。五大湖の周辺で、夏場の気温は意外と高くなります。白ではシャルドネなど、赤ではピノ・ノワールやカベルネ・フランなどが作られています。
全般的に言えばやはりカリフォルニアのような強い日照はないためか、果実味は比較的低め。その分デリケートな味わいのワインが多いように感じました。
試飲したワインは13種。
(1)サーティーンスストリート キュヴェ13 ロゼ スパークリングNV(4000円)
ドライなロゼ・スパークリング。トーストの風味。おいしい
(2)ブルーマウンテン・ヴィンヤーズ ブリュット ゴールドラベルNV(3800円)
これもかなりおいしい。スパークリングワインのレベルはかなり高く感じました
(3)ブルーマウンテン・ヴィンヤーズ ピノ・グリ2015(3600円)
オレンジの風味。酸味はおだやかで飲みやすい
(4)ケンテワイナリー&ヴィンヤーズ ヴォヤジュール シャルドネ2013(3120円)
柑橘系の味わい。個人的にはもう少しリッチな味が好き
(5)バロウイング アウル エステート カリオペ ヴィオニエ2016(3000円)
スミレの花の香り、白桃の風味。ヴィオニエはカリフォルニアよりもワシントンやカナダの方がいいかもしれません。
(6)フラット ロック セラーズ ツイステッド2015(2700円)
リースリング、ゲヴェルツトラミネール、シャルドネのブレンド。酸味と甘みのバランスがよく、後味にちょっとアクセントがある。おいしい。
(7)クロッソン チェース ヴィンヤーズ KJワトソン ピノ・ノワール2014(4100円)
ロゼのような色合いのピノ・ノワール。果実味は少なく杉やきのこなどノンフルーツの風味が目立つ。熟成してどう変わるのか興味深いが、いわゆるカリピノとは真逆のピノ・ノワール。
(8)ノーマンハーディワイナリー ガメイ2014(4300円)
ガメイ100%のワイン。イチゴの風味などが心地よい。アルコール度数は10.5%とびっくりするような低さ。ガメイというと、ボージョレのイメージしかないが、これはおいしい。
(9)トーズワイナリー グロワーズブレンド ピノ・ノワール2011(4600円)
これも色は薄めのピノ・ノワール。ラズベリーの風味。
(10)フォックストロット ヴィンヤーズ ワルツ ピノ・ノワール2013(8000円)
オレンジやベリー、スパイスの風味。ピノ・ノワールの中では個人的にはこれが一番好きだった(値段も高いですが)。
(11)ローズウッド エステート ワイナリー ロング ロウズレッド2015(2400円)
ボルドー品種とガメイのブレンド。イチゴの風味。
(12)ポンドビュー エステート ワイナリー ロット74 カベルネメルロー2015(2500円)
非常にお買い得感があるブレンド。果実味プラススパイスの風味でおいしい。
(13)バロウイング アウル エステート ワイナリー カベルネ・フラン2014(5200円)
シルキーなテクスチャに、杉やベリー、スパイスの風味。かなりレベル高いカベルネ・フラン。アルコール度数は14.7%とカナダワインとしてはびっくりするほど高いが、熱っぽさは全くなく飲みやすい。
カナダワインに興味がある方は、お店に行ってみるといいと思います。おすすめです。
そんなロゼの1つがカレラの「ヴァン・グリ・オブ・ピノ・ノワール」。年産800ケースあまりとジェンセンよりも少ない生産量です。日本にも毎年は入ってきませんが、2016年ものはわずかに入荷しています。ただし、追加入荷はないワインだとのことなので、売り切れごめん状態です。見つけたら買っておかないとすぐ売り切れる可能性が高いです。
8月初旬入荷予定!カレラ セントラル・コースト ヴァン・グリ・オブ・ピノノワール[2016]【アメリカ】【カリフォルニア】【ロゼワイン】【wine】 |
これが売り切れたときのために、いくつかお薦めのロゼも紹介しておきます。
味ではピゾーニのロゼも負けていないと思います。
ピゾーニ ルーシー サクラ・ロゼ ピノ・ノワール [2014] 【あす楽対応_関東】 |
ポール・ラトーもロゼを作っています。これは値段からしても別格な感じです。
2015 ポール・ラト 心 ロゼ オブ ピノ・ノワール 【送料無料】 |
ピノ・ノワールのロゼが好きですが、ロゼといえばグルナッシュも捨てがたいものがあります。
2015 シャトー・イガイタカハ ジ ユン ロゼ |
カリフォルニアの最先端を走るワイナリーの1つブロック・セラーズも、いいロゼを作ります。これはヴァルディギエが中心。
ラブ・ロゼ[2016]ブロック・セラーズ【カリフォルニア ロゼワイン】 |
というだけであれば、珍しい話でもなんでもないですが、そこが一般の出資者を募集しているというのがユニークです(Willamette Valley Vineyards - Ownership Invitation)。
詳しくは、リンク先をご覧になった方がいいですが、一株4.45ドルで350株から出資できます。最低1557.50ドルですから日本円で17万円あまりと、意外としきいは低いです。配当は年率5%。2017年10月以降は一株4.55ドルになるとのこと。
こういう形でワインにかかわるのも面白そうです。
とあるワインバーが、得意客に出すワインを探しているとのこと。
そのお客さん、「癖のないワイン」が好きなのだそうですが、そこのワインバーではもっぱらハーランを飲んでいるそう。
ん、まあ、確かに変な癖はないかもしれない。素直に美味しい、というかむちゃくちゃ美味しいですからね、ハーラン。この味が苦手っていうワイン好きは多分いないのではないかと。
とはいえ、いつもいつもハーランというわけにはいかないので、「ハーランみたいに癖がない」ほかのワインを探しているという話でした。
ちなみに、ハーランは「週2回くらい」飲みに来ているとか。ちょっと口あんぐり。
ボトルで開けているのだろうか、グラスだったら残りはどうするのだろう、コラヴァン使っているのかな、などといろいろなことが気になってしまいました。お値段は、グラスでも2万円くらいはしますよね、いや2万円じゃボトル代とそんな変わらないか。
ハーランの代わり、何がいいでしょうね。あのシルキーな感じを持っているワインはまずないですよね。
メイデンじゃやっぱり見劣りしちゃうのかな? スポッツウッドとか、インシグニアとかはどうでしょうか?
いっそカベルネから離れてBoar's Viewなんていうのも面白いかも。
ちなみに、Wine Cellar KATSUDAでは10日の1時59分まで、ハーランなどセールになっています。ハーラン2006は税抜きなら7万円台。
【お買い物マラソン★特別価格】[2006] ハーラン・エステート |
メイデンなら税抜き2万円台。
【お買い物マラソン★特別価格】[2005] ハーラン・エステート ザ・メイデン |
レアさでは上を行く、スクリーミング・イーグルのセカンドワイン「セカンド・フライト」もセール。
【お買い物マラソン★特別価格】[2010] スクリーミング・イーグル セカンド・フライト |
口火を切ったのは例年通りマム(Mumm)。スパークリングワイン用のブドウを収穫しました。
ちなみにカリフォルニア全体を見ると、ロウダイのマイケル・デイヴィッドが7月24日と昨年並みの早さでした。こちらもスパークリングワインに使うシャルドネです。
ただ、スティル・ワイン用のブドウの収穫は例年通りとのことです。
クルーズ ワイン カンパニー モンキー ジャケット レッド ブレンド ノース コースト[2016] CRUSE WINE CO. MONKEY JACKET RED BLEND NORTH COAST[2016] |
これらのワイナリーでは亜硫酸(二酸化窒素)をボトル詰めのときにしか加えていないとのこと。また、酵母は自然のものしか使っていません。
と書くのは簡単ですが、実際には醸造中に亜硫酸を使わないと、腐敗菌が入ってしまう恐れなどが非常に高くなってしまうので、かなりリスクが高まります。
そういった欠点のあるワインを作らないようにするため、彼等は「Pied de Cuve」と呼ばれるものを使っているそうです。これはブドウの一部を先に収穫して、畑で発酵させ、それを培養しておくというもの。従来からの自然酵母による発酵と、培養酵母を使った発酵の折衷的な方法と言えばいいのでしょうか。これによって自然な酵母を増やしておけるので、腐敗の恐れが少なく発酵・醸造できるようになるそうです。結果として、ワインの複雑味が増しておいしくなったそうです。
また、それだけでなくVA(ボラタイル・アシッド、揮発酸)のレベルも下がるとのこと。
自然派なワイン作りは、言うは易く行うは難しの典型例だと思いますが、このようなテクニックを使うことで、美味しい自然派が増えるのはいいですね(個人的には自然派という言葉には特別なありがたみを感じない方ですが)。
[2013] ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ 1本 ドメーヌ・ド・ラ・コート 750ml Pinot Noir Sta. Rita Hills Domaine de la Cote |
[2013] ピノ・ノワール ブルームス・フィールド 1本 ドメーヌ・ド・ラ・コート 750ml Pinot Noir Bloom's Field Domaine de la Cote |
オレゴン イヴニング・ランド・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール セブン・スプリングス・ヴィンヤード エオラ・アミティ・ヒルズ [2013] <赤> <ワイン/アメリカ>【■ELS4P13】 ※即刻お取り寄せ品!欠品の際はご連絡します! |
以前はAVA指定はカリフォルニアでしたが、現在はロシアン・リバー・ヴァレーの自社畑のほか、ソノマ内の畑からブドウを調達しているそうで、ソノマ・カウンティの指定に代わっています。
価格も1999年以降ほぼ同じという優秀さ。
近年増えているエレガント系のシャルドネではなく、しっかり樽も効かせたタイプのシャルドネです。ロンバウアーもそうですが、たまに飲むと実においしいんですよねえ。
■ランドマークヴィンヤーズ オーヴァールック シャルドネ[2013] LANDMARK VINEYARDS Overlook Chardonnay [2013]【出荷:7〜10日後】 |
ランドマーク オーバールック シャルドネ 2013 750ml (ワイン) 【02P05Aug17】 【wineday】 【楽ギフ_包装】 【楽ギフ_のし】 |
ランドマーク シャルドネ オーヴァールック[2013]LANDMARK VINEYARDS Overlook Chardonnay |
エヴァンジェロは130年の歴史を持つ畑でベッドロックは2011年からここのワインを作っています。砂地の土壌でフィロキセラに強く、自根で育っているという貴重な畑。
実はコントラコスタにはほかにも古い畑がいくつもあるのですが、サンフランシスコからのアクセスの良さなどから、近年は宅地にしてしまう例がかなり多いとか。エヴァンジェロも相続するものがおらず、このままだと畑がなくなってしまうということでベッドロックが購入したようです。
36エーカーある畑のうち、ベッドロックが購入したのは10エーカー分。残りはPG&E(ガスと電力の会社)
が所有してベッドロックにリースする形になるそうです。
畑の管理は従来の体制が継続するとのこと。
カリフォルニアワインあとりえには、ここのワインについてベッドロックのオーナーであるモーガン・ピーターソンの次のようなコメントが載っています。
「ph値が低くアルコールも穏やかな酒質。それはつまりジンファンデル固有の美点が余さず表わされるとも意味する。ジンの華やかさに、混植混醸のカリニャンからは赤いクランベリーがはじける感、ムールヴェードルからは薫り高さを得ている。明るく華やかな味わいには一体感があり、ピノノワールのそれにも似たフィネスが存在する。様々な食事と合わせる事の出来るZINを選ぶならこの一本。」
まずはFacebookでもおすすめがあったZinzilla。ワインはいたってまともなのですが、ラベルはちょっとねえ…。インパクトがあって覚えやすいとは言えますが。
マクナブリッジ ジンジラ ジンファンデル メンドシーノ[2013]赤 MCNABRIDGE ZINZILLA ZINFANDEL MENDOCINO[2013] |
次はカユースの「バイオニック・フロッグ」。
コミカルで面白いラベルだとは思いますが、これがカユースのフラグシップで、Wine Advocateの満点を2回も取っているようには見えないですよね。ワインの中身と比べてラベルはカジュアルすぎる気がします。
次はどんどんどんどんと4つ並べますが、ワインはいずれも同じクロニック・セラーズのものです。
【クロニック・セラーズ】スイート・プチ 750ml(アメリカ/カリフォルニア/パソ・ロブレス/赤ワイン/プティシラー/シラー) |
【クロニック・セラーズ】スプリッツ&キグルス 750ml(アメリカ/カリフォルニア/パソ・ロブレス/スパークリング) |
【クロニック・セラーズ】ピンク・ペダルス 750ml(アメリカ/カリフォルニア/パソ ロブレス) |
【クロニック・セラーズ】パープル・パラダイス 750ml(アメリカ/カリフォルニア/パソ ロブレス) |
個人的には嫌いではないです。むしろ好きなラベルです。ワインもコスパ高いです。ただ、どうしてもこのラベルはハロウィーンを連想してしまいます。どうもほかの季節には向かない気がしてしまうんですよね。なのでラベルで損している面もあるのではないかなあと思っています。
最後はこれ。レッド・カー。
このラベルもいやではないのですが、レッド・カーといえばやっぱりこっちですよね。
ほかにも「損している」ラベルがあったらおしえてくださいませ
そこで、より観光客などが訪問しやすいヒールズバーグにテイスティング・ルームを開くことにしたようです。
訪問は予約のみ。VinoVisit - Hirsch Vineyards Profile Information, Winery Events and Reservations in Healdsburg, Californiaから予約できます。
現在のところ、火曜日と水曜日が定休日、金曜日が10時~16時、それ以外の日が11時~16時オープンとなっています。
57 Front St ,
Healdsburg, California,
95448, United States
ハーシュ・ヴィンヤーズ シャルドネ ソノマ・コースト[2008] |
【ヤマト運輸で厳重梱包配送!】ハーシュ・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール サン・アンドレアス・フォルト [2011] <赤> <ワイン/アメリカ>【■BW116113009】 ※即刻お取り寄せ品!欠品の際はご連絡します! |
まず、良い点は気候、自然の美しさ、カルチャー、ショッピング、すべてが近くにあること。確かに、これらはうなずけますね。特に最初の2つについては、すばらしいと思います。
一方、悪い点は、家が高い、車が混む(サンフランシスコなど、近隣の地域との間の移動が大変)、車が混む(ナパ内の移動が大変)、チャイルドケア、ワイン以外の仕事がない。
家のコストについては、45万ドルから55万ドルで買える家について、ナパとオレゴンのヤムヒル・カウンティとを比較しています。
確かにナパの方が同じ価格で買える家はずっと小さいのですが、それでも50万ドルくらいで3ベッドルームの一軒家が買えるというのは、ベイエリアに比べるとまだましでは、という気もしました。ただ、家賃だけでなく物価や食費も高いので生活は大変でしょうね。
というわけで、お金があればナパはいい場所ですが、そうでないと大変そうです。
メンドシーノ(今、変換したら「面℃の」となってちょっと笑った)のイーグルポイントのシラー、プティ・シラーにナパのランチョ・キミレス産ヴァルディギエ、もう一つメンドシーノの有名畑アルダースプリングスのタナをブレンドしているというちょっと味の想像が難しいワイン。
ヴァルディギエについては以下の記事をご参考に。
SFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーは「泡」だけじゃないマイケル・クルーズ
ナパ・ガメイ? ヴァルディギエ?
さて、今回は何時間もつでしょうか。
その逆で、味は素晴らしいのに、ラベルが台無しにしてしまっている、そんなワインを紹介する記事がありました(Terrible Labels, Great Wine: Six Amazing Bottles Hurt by Bad Art - Bloomberg)。
いの一番に取り上げられたのはフィリップ・メルカのワイン。あーやっぱり取り上げられてしまったかというのが第一印象。
以前の記事「フィリップ・メルカ来日セミナーその2――メルカの「眼」の秘密、メケラでクラクラ」に書いていますが、このラベルにしたのはマーケティング的な理由だそう。
眼のデザインには2つの意味が隠されています。1つはメルカが隅から隅まで目を行き届かせて作ったワインであること。もう1つはメルカが見る将来のビジョンを表しています。
また、このラベルにしたことで、それまではメティス以外のワインがメルカのワインであることをアピールしにくかったのが、だれが見てもメルカのワインだと分かるようになったという副次的な効果もあったそうです。
奥さんのシェリーさんは「クレイジー・アイボール」(笑)と言っていましたが、良きにしろ悪しきにしろ、とにかく印象に残り覚えてもらえるのは事実だそうです。
ワインはほんと素晴らしいので、ラベルに左右されず、飲んで欲しいワインです。
2番めはプリズナーの「ブラインドフォールド」。記事では「ゴヤのようなイメージ」で「このラベルを見てだれがいい印象を持つだろうか」と書いています。確かにプリズナーも含めて、ここのワインのラベルは印象には残りますが決していい気持ちがするデザインではないですね。でもこれが売れているのですから、そういう時代なのかもしれません。
taste 2013 Blindfold - a classic chardonnay base w. aromatic rhones -www.blindfoldwine.com/ pic.twitter.com/KodJwCx7xt
— The Prisoner Wine Co (@PrisonerWineCo) 2014年9月12日
3番めはナパのワイナリー「コンポーネント(Component)」。初めて聞いたワイナリーですが、カベルネ・フランやプチ・ヴェルドなど、主にブレンドで使われているブドウ品種を100%のヴァラエタルワインとして作っているワイナリーだそうです。日の丸ならぬ黒丸だけを描いた不思議なラベル。確かに「インスタ映え」はしなさそうです(と、ここのインスタグラムを見ていて思いましたw)。
4番めはオレゴンのワイナリー「ケン・ライト」のピノ・ノワール。ケン・ライトのラベルは寒い冬に剪定をするところを描いていますが、言われてみれば確かにちょっと暗い感じの絵ではあります。
5番目はオーストリアにあるGut Oggauというワイナリー。ここは、ワインを家族に見立てて、ワインごとに顔を描いているのですが、微妙にリアルでちょっと気持ち悪いといえば気持ち悪いです。
最後はオーストラリアのSome Young Punks というワイナリーが作る「Monsters Monsters Attack!」というリースリング。リースリングとモンスターというのはいかにもミスマッチな感じですが、ワインは美味しいそうです。
ただ、コラヴァンの弱点の1つとしてコルクでないと駄目というのがありました。スクリューキャップ=安ワインというのは昔のイメージですが、今や高級ワインでスクリューキャップ使うのもめずらしくありません。対応が待ち望まれていました。
そして、ついに対応する製品「Coravin Screw Cap」が発表されました(CORAVIN, Inc. Launches Screw Cap to Enhance Wine Pouring Experiences)。これは、スクリューキャップの代わりに使うキャップで、ワインボトルのスクリューキャップをはずして代わりにこれをはめます。サイズによって2種類あるそうです。Coravin Screw Capをはめたら、従来のCoravinを使ってワインを注げるようになります。
保存期間は最大3カ月。通常のコルクの場合はCoravin使っても何年も持つと言っていますから、それに比べるとずいぶん短いな、という気がしないでもないですが、グラスワインの提供のため、などと割り切れるのであれば十分でしょう。
価格は6個入りで29ドル95セント。ということは使い捨てなんでしょうね。
ところで、今家にコラヴァンがあります。一時的に借りているもので、ここでは書けないのですが、面白いです。すばらしいです。
高いが欲しい、欲しいが高い…
CORAVIN コラヴァン モデル2 ブラック【正規品1年保証付】 CRV1001 |
並行輸入品もありますが…
ブログもどきの機能を最初に作ったのは「四方山話」というコーナー。自作の「CGI」で、投稿ページから投稿した内容をインデックスを付けて表示する(コンテンツ自体はDBに格納していました)というもので、今から考えたら一種のブログといってもよかったかもしれません。ブログのスキンを変えるように、CWFC用の体裁で表示する機能を作ったりなど、それなりに便利でした。ただ、そのころはまだブログと言う言葉を知らなかったので、そういう意識は全くなかったです。多分2001年ころから始めたはず。なお、残念ながらそのころのデータは残っていません。
意識してブログというのを作ったのは2003年3月のこと。Googleに買収されたBloggerというサービスを使っていましたが、文字化けが多くて使いにくかったです。これが一応このサイトの初代ブログ。
2004年にもっと機能が多い(例えば当時人気だったトラックバック機能やカテゴリーをつける機能など)Nucleusに変えたのが2代目ブログ。このときから「お勝手口」という名称を使い始めました。しかし、2006年1月に、当時のサービスがデータを全部失うという大チョンボをしでかしてくれます。バックアップもなく、約2年分の記事が消えてしまいました。今まで最大の痛恨。
そして2006年2月から始めたのが今のブログ。それまではまだ「ホームページ」の方も残っており、ワイナリーの紹介はスタティックなWebページだったのですが、この3代目ブログのときからブログ機能に統合しています。それからももう11年以上たっているんですねえ(遠い目)。
というわけでちょっと振り返ってみましたが、2代目ブログはなくなったものの、初代ブログは一応データがまだ残っています。下のリンクで見られます。例えば2003年3月27日には、気になるワイナリーとしてRoarを挙げているなど、懐かしい話がいろいろあります。
MEMORANDAM
ただ、お薦めしたオールド・ヴァインがなかったので、Lorenzo's Heritageです。本当はもうしばらく寝かしておきたかったワインですが、勢いで開けちゃいました。
うなぎは鹿児島産。220g以上あるとのことだったので、2人で1匹分です。高いしね。
写真でわかるようにかなり肉厚です。山椒は京都で買ったものをたっぷりめに。香りがいいです。
ロレンツォズ・ヘリテージはかなりスパイシー。果実感よりも、スパイスを強く感じます。アルコール度数は15.4%と高いですが、重さはさほどありません。やっぱりいいワインだなあ。うなぎの山椒ともよく合いました。
美味しかったです。
今年は8月6日にも土用の丑の日があります。お試しあれ。
ベッドロック・ロレンツォ・ジンファンデル2012【アメリカ】【赤ワイン】【750ml】【ミディアムボディ】【辛口】 |
ベッドロック ロレンツォズ ヘリテージレッドワイン[2013] (750ml)赤 ロレンゾ Bedrock Lorenzo's Heritage Red Wine[2013]△ |
ベッドロック ロレンツォズ ヘリテージレッドワイン[2014] (750ml)赤 ロレンゾ Bedrock Lorenzo's Heritage Red Wine[2014] |
今度のURLは
http://californiawine.jp/
です。お勝手口は
http://californiawine.jp/blog/
です。
デザインにも手を付けますが、その前にいろいろ残っている旧サイトのURLを修正したり、SNSへの自動投稿機能を新サイトに対応させたり、Googleに登録するサイトマップを新サイトに対応させたり、旧サイトへのアクセスを新サイトにリダイレクトするようにしたり、と相当作業が残っています。
地味だけど当たり前に何年も動いている機能なのでなかなか大変。
NucleusはマイナーなCMSになってしまいましたが、14年ほどもこのサイトを支えてくれているので感謝です。
ただ、プラグインなどに古いコードが多いので、PHPの新しいバージョンに対応させるのが結構面倒です。
ところで、今回は「さくらインターネット」のサーバーを使っているのですが、実は国内のレンタルサーバーは初めて。日本からのアクセスは速くなるのでしょうか?
AdSenseってドメイン変わったら貼り替えないといけないのかな?
脂がありますから、白よりは赤ですね。そして、甘辛いタレや山椒のスパイシーさと相性がいいものと考えるとやっぱりジンファンデルかスパイシーなシラー、プチ・シラーあたりが思いつきます。
ここではあえてお薦めを2択にしぼりました。
1つはマイケル・デイヴィッドのプチ・シラー「プティ・プティ」。ボリューム感があるので、スーパーで売っている中国産のうなぎとかにも合いそう。価格も3000円台です。
もう1つはベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデル。昨今はジンファンデルもそれなりのものと思うと大体4000円台になってしまいますね。その中でも上位クラスに負けない複雑さとスパイス感があるのがこのワインだと思います。これならば高級うなぎでも引けを取らないでしょう。
昨年後半から今年春に頻発したサーバーの問題に業を煮やして新しいところに行く(現在の契約が8月末までなので、それまでに引っ越さないといけない)というのが最大の理由ですが、この機会にドメイン名を変えようと思っています。
新しいドメイン名はcaliforniawine.jpです。
このサイトを始めたときは、ドメイン名から推測できるように家族のサイトにしようと思っていたのですが(実際一時期は妻のサイトもあった)、現在はカリフォルニアワインだけになっています。URLも長いし、そろそろ替え時かなと思いました。
現在のURLでアクセスしても、ちゃんと新しいサイトにリダイレクトされるようにするつもりです。
作業は今週いっぱいくらいのつもりです。
その間は通常のサイト更新の優先度は落ちてしまいますので、ご了承ください。
デザインにも手をいれたいのですが、まずは引っ越し先がちゃんと動いてからということで。
以上よろしくお願いします。
ソヴィニョン・ブランとしては比較的酸はおだやか。白桃やメロンといったとろっとした感じのフルーツの風味を感じます。かといってヴィオニエ的にはならないのはやっぱり酸のおかげなのか。
昨日の記事の話ではないですが、熟成してブーケが出て来るといったタイプのワインではないと思います。2011年のワインとしては、今が飲み頃最後の時期かもしれません。
スポッツウッド ソーヴィニヨン・ブラン ナパカウンティ&ソノマカウンティ [2014] (正規品) Spottswoode |
一番左がボルドーのワイン(シャトー・オー・ベルジェイ)で、後は左からスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(Stag's Leap Wine Cellars)のCask23、リッジ(Ridge)のモンテベッロ(Monte Bello)、シルバーオーク(Silver Oak)のアレキサンダー・ヴァレー(Alexander Valley)、ピーター・マイケル(Peter Michael)のレ・パヴォ(Les Pavots)とそうそうたるワインばかりです。
なお、ワインをご提供いただいたのはリッジで醸造家を務める大塚食品ワイン部の黒川さん。そのほかの方々も布袋ワインズの川上社長など、こちらもそうそうたるメンバーでした。
レストランは南麻布の「ルエ ヴェル ロール」。千葉和外ソムリエのレストランです。料理長が代わってからは初めての訪問。
今回のテーマとなった1997年のカベルネ・ソーヴィニョンですが、2000年ころ、このヴィンテージのワインが出てきたころには大変な評判の高さでした。例えば、ロバート・パーカーはスクリーミング・イーグルやハーラン・エステート、ブライアント・ファミリーなどに100点を付けており、満点のワインがまだまだ珍しかった当時としては大変な大盤振る舞いでした。2000年前後のいわゆる「カルト・ワイン」のブームが最高潮だったのもこのころと言っていいでしょう。
ただ、この年は非常に温暖で収穫量も多く、果実味豊かな半面、酸が少なく、熟成力は意外と低めだったことがだんだんと判明してきました。近年ではむしろ、難しい年として評価が低かった1998年の方が、おいしく熟成するという意見の人がかなり多くなっているようです。
そういうわけで、期待が高い一方で、ちょっと心配な面もあるのが1997年のワインです。
普通のワイン会であれば、まず泡で乾杯したり、最初1杯は白を飲んだりするものですが、今回はいきなりカベルネ・ソーヴィニョンで開始です。しかも5本のうち3本を一気に比較です。
グラスの順番は上のボトルと違います。
最初にこの3本を選んだのは、スタイルが共通するから。ボルドーのワインはもちろん、Cask23やモンテベッロはクラシカルなスタイルで果実味に頼らないワイン作りを信条としています。それが故に評論家の評価は低めに出ることも多くなっています(例えばCask23の1997年はWSで88点、モンテベッロ1997年はパーカーが90-91点)。
ただ、ソムリエの千葉さんによると、ワインの風味のうち果実味による部分と果実味以外による部分を分けると、果実味は年数が経つと次第に落ちていくのに対して、果実味以外のタバコやスパイスなどの風味は逆に増していくとのこと。これらクラシカルなスタイルのワインは果実味以外の要素がしっかりとあるので、1997年のワインであってもしっかりと熟成するはずだ(上記のような1997年は熟成しないという意見には当てはまらない)とのこと。
では、Cask23から飲んでみましょう(Facebookで川上さんの的確で詳しいコメントを見てしまったのでものすごく書きにくいですが、素人ということで許してください)。
インクや鉛筆の芯のフレーバー、カシスなどの果実味も少し感じます。酸はそれほど強くなく、ふくよかさとやわらかさもあります。
Cask23は、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズの有名な2つの畑「FAY」と「SLV」をブレンドしていますが、FAYは比較的やわらなかな味わいで、SLVは骨格がしっかりした味だとのこと。Cask23は、若いときはSLVと比べてややぼんやりした味にも思われるときがあるそうですが、熟成すると非常にバランスがいいワインであることがよくわかります。実はこれまでほとんど飲む機会がなかったワインであり、今回やっとその実力を味わえました。
次にモンテベッロ。
香りがとても特徴的です。よく熟成したワインで湿った土とか枯葉の香りといいますが、僕の印象だと枯葉というよりも、牧草や芝がちょっと発酵しているときのような、ちょっともわっとした懐かしい香りに感じました。
Cask23よりも酸が強く、筋が通った印象。果実味はCask23よりも少なめですが、骨格のしっかりとした味わい。個性は違いますがCask23と甲乙つけがたいレベルです。
3つめはシャトー・オー・ベルジェイ。
なめし革のような獣っぽい香りが特徴。これもしっかりと熟成しており、おいしいです。
残り2本はモダンなスタイル。千葉ソムリエによると、こういったモダンなスタイルは元々フルーツ以外の要素がほとんどないので、熟成しても新たにそれが出てくるということはあまりないとのこと。
シルバーオークは今でもフルーツの香りがあります。ソフトな味わい。元々アレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョン自体、ソフトさが身上なので、そのスタイルは残っているといっていいでしょう。もっと落ちちゃっているのではないかとちょっと心配だったワインですが、意外と今でも美味しく飲めます。アルコール度数は13%台なので、最近のワインと比べるとまだ低め。過熟感がなかったのが幸いしたのかもしれません。
ピーター・マイケルもカシスやブルーベリーなど果実の味わいがいまだ優勢。この日のワインの中ではちょっとアルコールの高さによると思われる熱っぽさがありますが、個人的には全然許容範囲です。千葉さんによると、おいしく飲むためであればもっと温度を低く提供するとのこと。今回は比較のために温度も同じにしてあるので、ピーター・マイケルとしてはちょっと不利だったかもしれません。
同じヴィンテージのワインでもスタイルによってこれだけ熟成が違うというのは、実際に味わうと驚きがありました。モンテベッロやCask23の真の実力を改めて感じました。
最後に料理を紹介します。個人的には「鮎のコンフィ カダイフを纏わせて」がすごく好きでした。ガスパチョに水なすを入れて「味変」させるのも面白い。
ちなみに、カベルネ5種飲んだあと、最後はシャンパーニュで締め。このパターンは初めてでした。
ご一緒いただいた方々、ありがとうございました。
カリフォルニアワインあとりえに入荷した「リチャード・G. ピーターソン」によるスパークリング・ロゼです。
リチャード・G. ピーターソンとは、ハイジ・ピーターソン・バレットの父。ハイジ・ピーターソン・バレットはロバート・パーカーが「ワインのファーストレディー」と異名を付けたワインメーカー。マーカッシンのヘレン・ターリーと並んで女性ワインメーカーの双璧と言っても過言ではないでしょう。リチャード自身もワインメーカーのパイオニアとして、数々のテクニックを生み出して、今でもその多くが使われているというとんでもない才人です。
参考:
ワインメーカーの系譜(2)――ハイジ・バレット「ワインのファーストレディー」
ハイジが手がける超高級メルローを作るワイナリー「アミューズ・ブーシュ」(Amuse Bouche)から出ているこのスパークリング・ロゼ。リチャード・G・ピーターソンが作っているという以外にもいろいろ驚くところがあるのですが、まずヴィンテージが2005年であること。2006年に瓶詰めして、それから瓶内二次発酵と熟成に最低7年かけて作られています。実は、最新のヴィンテージとしては2012年のものが出ているのですが、その前のヴィンテージがこの2005年。7年間も作られていなかったのもまたびっくり。
畑も驚きで、ナパのヨントヴィルの南方にあるピノ・ノワールの畑3エーカー。この畑もリチャードのものだそうです。
ヴィナスのアントニオ・ガッローニはこのスパークリングに94点をつけています。単なるレア物ではなく、ワインとしても素晴らしいものです。わずか480ケースの生産量。ほとんどがメーリング・リスト向けに売られる中で、ごくわずかだけ日本向けに出荷されたようです。
ちなみに、近年、「The Winemaker」という本も書いたそうで、これも読んでみたいです。
トップブランドであるセブン・デッドリー・ジンズ(7 Deadly Zins)は2016年に販売量を15%増やして30万ケースを超えました。レッド・ブレンドのフリークショー(Freakshow)は63%も増えて14万ケース。プチ・シラーを中心にした「プティ・プティ」も39%増加して10万ケースの大台に乗りました。セブン・デッドリー・ジンズは2017年も25~30%増える見込みだといいます。
現在は自社畑のブドウを1/3程度使っていますが、それ以外の購入ブドウは4月に買収したソノマのシルバー・オークの設備に集約する見込みだそうです。
販売量の拡大に合わせて、生産量も3倍程度まで引き上げ、2019年には年間1万5000トンにします。将来は3万トンまで見据えているとか。
仮に750mlのワイン1本作るのにブドウを1kg使うとすると1万5000トンでは1500万本=125万ケースとなります。中規模から大規模になるといってもいいでしょう。
マイケル・デイヴィッドはこのブログでも注目しているワイナリーの1つです。これまでに結構な数の記事を書いています。
マイケル・デイヴィッド、レッド・ブレンドを追加
最近飲んだワイン: マイケル・デイヴィッド セブン・デッドリー・ジンズ2013
最近飲んだワイン:マイケル・デイヴィッド プティ・シラー "プティ・プティ" 2014
ワイン・エンシュージアストの年間トップ100発表、2位は驚きの18ドルワイン
ロバート・パーカー、中間号でマイケル・デイビッドを高評価
マイケル・デイビッド・ワイナリー、急成長の秘密
マイケル・デイヴィッドがソノマのシルバーオークのワイナリーを購入
有名なビエン・ナシードの畑やオー・ボン・クリマのワイナリーからほど近いところで燃えており、中でもビエン・ナシードには西と北と東から火が迫った状態になっています。
これまでのところブドウ畑には全く被害はありません。
11日朝の時点では3万エーカー近くが焼け、45%鎮火した状態。2000人以上もの消防士が消火にあたっています。
写真はジャーヴィスのサイトから
ディミトリは1930年にパリで生まれ、1936年に渡米、10代から父の手伝いをしていました。早くもブエナビスタでワインメーカーの仕事もしました。UC Davis卒業後は陸軍で日本にもいたとのこと。
軍隊をやめた後、1955年にシュラムスバーグ(Schramsberg)で働き始め、その後ガロで働き、1977年から88年にかけては23ものワイナリーでコンサルタントなどを務めました。顧客の中にはイタリアやメキシコ、イスラエルなども含まれていたとのことですから、「空飛ぶワインメーカー」の先駆けと言えるかもしれません。
1988年にジャーヴィス(Jarvis)にコンサルタントとして加わり、1993年からはワインメーカーに。その後はジャーヴィス一筋で、近年は名誉ワインメーカーとなっていました。
亡くなったのはハワイの自宅。家族に看取られた幸せな最期だったようです。残された奥様の名前は「ひさこ」さんというそうなので、日本にいたときに結婚したのでしょうかね。
記事タイトルはアンドレの子としてしまいましたが、ディミトリ自身、優れた先進的なワインメーカーでした。ご冥福をお祈りします。
参考:
「神の雫」の「波紋」登場まで
しかし2013年を最後にダイアトムとしてワインを作るのはやめ、漢字ラベルワインは杉本さんのシャトー・イガイタカハに移管して継続することになりました。
ところがさらにまた2016年からはダイアトムを復活させることに。
参考:
ダイアトム復活、ブリュワー・クリフトンからはクリフトンが去る――グレッグ・ブリュワー・インタビュー前編
その新生ダイアトムのワインが入荷しています。ワインはもちろんシャルドネのみ。畑はヒリアード・ブルース(Hilliard Bruce)とスピア(Spear)。
ヒリアード・ブルースは有名醸造家ポール・ラトーも契約する人気かつ実力の高い畑。グレッグ・ブリュワーはヒリアード・ブルース・ワイナリーのコンサルタントも務めています。
もう1つのスピアは2014年に植樹されたまだ新しい畑。ディアバーグのすぐ近くとのことで、サンタ・リタ・ヒルズでは比較的東寄り(同地区は東に行くほど温暖)。ただ標高が900フィートとこの地区では最も高いところにあるので冷涼さを保っているのではないかと思います。オーガニックの認証を受けている畑です。
ワインを作っているのはオレゴンのキング・エステート。プレスリリースに「コンセプトからアマゾン・ワインとしてリリースするために作った初のワイン」とあったため、アマゾンからキング・エステートに委託製造したものかと思われましたが、その後の記事(Amazon isn’t developing its own wines…yet | TechCrunch)によると、実際にはキング・エステートがアマゾン専用に作ったワインということのようです。
ワインは3種類でピノ・グリ(20ドル)、レッド・ブレンド(30ドル)とピノ・ノワール(40ドル)と、価格帯は比較的上。なお、3本合わせたセットは75ドルと少し得になっています。
これから先、このNextブランドでワインを増やしていくのか、それともワイナリーごとにそれぞれのオリジナル・ワインを売るような形になるのか、今のところははっきりしていないようです。CostcoにおけるKirklandブランドのワインのように成長する可能性もあるのかもしれません。
なお、先日、日本のアマゾンでワイナリー直輸入が始まったという記事を書きましたが、今回のワインは今のところ含まれていません。そちらも期待したいところです。
それによると買収額は6000万ドル(約68億円)。また、コンステレーションは現在のところ、シュレーダーの生産量を増やしたり、オペレーション体制を変えたりする予定はないとのことです。
シュレーダーの生産量は2500〜4000ケースとのこと。仮に5万本として1本200ドルで売ったとすると売り上げは1000万ドル程度になります。一方、シュレーダーがベクストファーから購入するブドウの金額は1トン2万ドルとのこと。原料費だけでも100万ドルくらいかかりそうです。シュレーダーから得られる利益だけで買収額の元を取るのはなかなか大変そうです。
記事では、シュレーダーがほとんどのワインをメーリングリストで販売していることから、その有力な顧客リストの活用があるのではないかとしています。
また、将来はブドウをベクストファーのトカロンからコンステレーションが保有するトカロンのブドウに切り替えたり、ワインの醸造にモンダヴィの設備を使うなどの経費削減があるのではないかとしています。
大手メーカーが高品質少量生産のワイナリーを買収したケースとしては1960年代のイングルヌックが想起されますが、そのときはイングルヌックの名の下に、低品質なワインを作ってブランドを毀損する結果になってしまいました。
今回の買収はどういう結末を迎えるのでしょうか。
ワインエイド2017/開催概要
場所は東京・神楽坂のアグネスホテル。
7月28日の19時~21時30分、7月29日17時~19時30分の2回。会費はそれぞれ1万円(税込み)となっています。立食形式で100種類以上のワインが飲めるほか、別途有料でスーパープレミアムなワインをグラスで飲めたり、ワインの福袋販売があったりします。
有料グラスワインや福袋の代金は全額チャリティに回されます。
また、今年は初企画としてレアワインのオークションも行われるとのこと。
元々、2011年の東日本大震災の後、東北の復興のために始まったイベントで、昨年も200万円以上を寄付しています。そのために、各社もうけなしで取り組んでいます。
申込みはこちらから。
ワインエイド2017/申し込みフォーム
その後、「ヴァーナーと契約切ったニーリー、自らワイナリー始める」といったことが判明し、とにもかくにもヴァーナーのサンタ・クルーズ・マウンテンのワインは最終章に入りました。
ピノ・ノワールは2013ヴィンテージ、シャルドネは2014ヴィンテージが最終で、そのシャルドネの2014が入ってきています。2014年については3つのブロックをブレンドした「ニーリー」ホーリーズ・キュベは作られなかったとのこと。いろいろな気持ちがそこにはあったのでしょう。
ヴァーナーのシャルドネは、私がこれまで飲んだカリフォルニアのシャルドネの中で、1万円以下ではベストの1つと言い切ってしまいます。また、個人的にはボブ・ヴァーナーさんは今までインタビューしたワインメーカーの中でも不思議に親近感を持った人であり、勝手にすごく親しみを感じていました。
ピノ・ノワールの最終ヴィンテージ2013は、昨年入荷。ごくわずかだけ残っています。通常はピノ・ノワールの単一ブロックはニーリーの名がつくのですが、この年に限ってはすべてヴァーナーとして作られました。
Wine Advocateは、現在のリサ・ペロッティ・ブラウンが編集長の体制になってから、テイスティングやディナーのイベントを積極的に開催しており、そういったイベントではミシュランの星付きレストランがしばしば使われています。
そういった親和性の高さから、ミシュランは大幅な出資に踏み切ったようです。
ミシュランによると、まずはアジアや北米での協力に力を入れていくとのこと。
そのウルトラマリンの別形態といえるのがチャールズ・ハインツ(Charles Heintz)のサブリナ・マリー(Sabrina Marie)スパークリング。
ウルトラマリンのブドウ供給元であるチャールズ・ハインツのブドウを使い、これもマイケル・クルーズが作っています。違いとしては、こちらは澱との接触期間が長いそう。
ウルトラマリン以上にレアなスパークリング。
リンク先も残り1本だけです。
わざわざ記事書く意味あるのかという気もしましたが、こちらのスパークリングについては、書いていなかったので記録のためも含めて。
2013年はナパのカベルネ・ソーヴィニョンとしては、史上最高と言っても過言ではないほどのレベルの高さ。このワインもWine Advocateで95点、Vinousで94点と評価されています。
なお、フラッグシップのCask23の2013年はWine Advocateで99点と、ここのワインとしては過去最高の評価となっています。
Wine Advocateの評価では、1993年が93、1996年が92。どちらも飲み頃は2025年までとなっていましたから、保存状態に問題がなければ今がかなりいいときではないでしょうか。
ロバート・モンダヴィ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ[1993] |
ロバート・モンダヴィ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ[1996] |
ソノマは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンの担当になりましたが、パート3ではわずか85種類だけ取り上げられています。
一番評価が高かったのはスブラジア・ファミリーのカベルネ・ソーヴィニョン ロイヤル・ヒューズ・ヴィンヤード2013の95点。元ベリンジャーのワインメーカーのエド・スブラジアのワイナリーです。なんとなくシャルドネのイメージが強いワイナリーでしたが、今回はカベルネ・ソーヴィニョンが高く評価されました。
あとは、知っているワイナリーも比較的少なく、レビューももう1つぱっとしない感じ。リサのパレートがどのあたりにあるのか、まだつかめない雰囲気があります。
一方、ワシントン州は、先日レビュアーをやめて個人サイトを始めることを発表したジェブ・ダナックのおそらく最後のレポート。こちらは最後だからというのもあるのか、ないのか。100点が4本と割と大盤振る舞いな印象でした。100点を取ったのはカユースのシラー「バイオニック・フロッグ」とシラー「カユーヴ・ヴィンヤード」のいずれも2014年。クィルシーダ・クリークのカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・ソーヴィニョン「Galitzine Vineyard」の2014年。
クィルシーダ・クリークは久々の100点という感じがします。調べたら2007年以来ですね。Galitzine Vineyardの方は初の100点です。
これだけは日本に該当ヴィンテージが入ってますね。
ニューヨーク州は「ハーマン・J・ウィーマー」のワインなどが高い評価でした。ただ、該当ヴィンテージで日本に入っているものはなさそうでした。
いろいろやりたいことはあるのですが、ほとんど手がつかず、流されるままに時間が経ってしまったような気がします。
これじゃいかんと思うこともしばしばですが、なかなかきっかけがないと普段と違うことに時間を作るのは難しいですね。
ともあれ、このブログを細く長く(いや、別に太くなってもいいのですが)続けることが最大のミッションではあるので、それだけはいろいろなトラブルがあったにせよ、なんとか実行できたのは義務だけは果たした感じ。
少しでも自分を奮い立たせるため、今年後半、これだけはやりたいということを書いておきます。
・サイトの移転
これは、今のサービスが9月で契約更新なので、それまでには絶対にやりたいところ。一時のトラブル続きからはマシになりましたが、サポートレベルが以前とは大違いなので、ここを使い続けるのはリスクが高すぎます。
さっさとやりたいところですが、一度試したサービスではサイトがうまく動かず諦めたこともあり、再度仕切り直しです。実は、ドメイン名もカリフォルニアワインに特化したものに変えようかと思っており、移行の手間を考えると、7月には動き出さないとというところです。サーバーは「さくらインターネット」が日本だと安心感がありそうかなと思っていますがどうでしょうか。
・電子書籍を1冊は出す
ソノマ編を出してから止まってしまっていますが、セントラル・コースト編にもいいかげん手を付けないと。ただ、その前にカリフォルニアワイン入門(これも3分の1くらいまで書いたまま2年間ほっぽってある)を出したい。少なくとも後者だけは今年中に出したいです。
・試飲会、セミナー参加を増やしたい
インポーターさんなどの知り合いは少しずつ増えており、試飲会やセミナーへのお呼ばれもちょっとだけ増えてはいますが、まだまだ限られたところなので、もっと声をかけてもらえるよう精進したいと思います。こればかりは他力本願ですが。
写真はコルギンのポール・ロバーツ氏。特に意味はありません。
あと、先日お台場にビールを飲みに行ったとき、自分主催で久しぶりにワイン会をやるのもいいなあとちょっと思いました。本当はカリフォルニアワインをあまり知らない人向けにやりたいのですが、そうすると人を集めるのが難しいんですよね。そのあたりは悩ましいところ。
書きかけで放ってある数本の記事もいいかげんなんとかしないとなあと思いつつ、今年後半もみなさまよろしくお願いします。
Amazonのワイン直輸入のページ
今のところ、フランスワインが中心。例えばボルドーだと「シャトー マルキ・ド・テルム」などが入っています。
このほか少しチリワインも入るといった感じですが、カリフォルニアでもベリンジャーが入っています(必ずしも今回直輸入が始まったということではなく、ベリンジャーなどは以前から直輸入していたようです)。
ベリンジャーでは一押ししているのが「【Amazon.co.jp限定】 銘醸地カリフォルニアから直輸入 品種別飲み比べお買い得ワイン5本セット [USA/赤ワイン/辛口/フルボディ/5本]」というセット。
それぞれの小売価格を調べてみると、左から2番めのファウンダーズ・エステート・カベルネ・ソーヴィニョンが1800円くらい。中央のホワイト・ジンファンデルのスパークリングが1300円くらい。あとは1000円くらいなので6000円強といったところです。送料込みではありますが、今のところ価格がものすごく安いといった感じではありません。
また、配送オプションでクール便を選ぶところがないのが、この季節は気になるところです。自動的にクール便になるのだったら、逆にすごいですが。
ただ、プライム対応でお急ぎ便がただで使えるのは嬉しいですね。明日のパーティに間に合うように、といった注文が可能になります。
というわけで、すぐにこのサービスがヒットするかというと、まだまだではないかと思うのですが、既存のインポーターやワインショップにとっては、「中抜き」で商売できるamazonが直輸入を始めるというのは脅威になるかもしれません。このサービスが今後どう進化していくか注意して見る必要がありそうです。
チャールズ・バンクス氏は元NBAのスター、ティム・ダンカン氏にあやまった投資情報を教えて損をさせたとのことで訴えられており、4月には有罪を認めていました。
元スクリーミング・イーグル・オーナー、有罪を認める « カリフォルニアワインのお勝手口
最悪の場合、20年の服役もあり得たので。多分これで決着なのでしょう。
新しく加わったのはジョー・チェルウィスキー(Joe Czerwinski)。Wine Enthusiast誌で18年レビュアーを勤めてきた人で、最後はマネージング・エディターでした。同誌ではニュージーランドやオーストラリア、ローヌを担当。Wine Advocateではニュージーランド、オーストラリア、ローヌのほかラングドックを担当します。このほかWine Advocateでもマネージング・エディターとして、Webサイトのコンテンツのディレクションをします。
これまで、個人サイトや個人のニューズレターを発行していた人がWine Advocate誌でレビュアーをする例はありましたが、Wine Enthusiastのようなメジャー誌からWine Advocateへの移籍は初めてではないでしょうか。これも新時代の到来、という気がします。
個人的な印象としてはWine Enthusiastってメジャー誌とはいっても、ワインショップに無料で置いてある雑誌で、Wine AdvocateやVinous、Wine Spectator、英国のDecanterと比べると、ちょっとランクが下とに感じられています(なので、年末のベスト以外はあまり紹介していません)。そこからの移籍ということは、Wine Enthusiastにとっては「認められた」という感じもあるのかな、と思いました。
このほか、先日ジェブ・ダナックが抜けてレビュアー不在となったカリフォルニアのセントラル・コーストは、予想通り編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンが担当することになりました。10月と12月号にレビューが掲載される予定です。ワシントン州のレビュアーは2018年1月までに発表するとのこと。
最近のビアガーデンは飲み物も食べ物も質が上がっているという話を「東京ビアガーデン情報館」管理人の和田さんに教わり、和田さん主催のパーティに参加したわけです。
場所はヒルトンホテルお台場。ここのビアガーデンの今年のメニューでは、クラフトビール6種類が飲み放題。なかにはボトルで買ったら1本600円以上するという「馨和 KAGUA Rouge」も含まれています。しかも通常であれば料理込みで5500円のところ、7月13日までの平日は4割引。税金とサービス料を含んでも約4000円という安さです。
まずはクラフトビール全種類注文しました。
なお、こちらがメニューです。
「馨和 KAGUA Rouge」は山椒が入っているとのことで、エキゾチックなスパイシーさがあります。泡がシルキーできめ細かく美味しいです。このほか、「コエド瑠璃」も気に入りました。「リーフマンス」はベリー系のジュースが入ったビールで、ラズベリーの風味。ピノ・ノワールを飲んでいるかのような味わい。
これ以外に、ワインやハイボールなども飲み放題メニューに含まれています。ちなみに白ワインはチリのソーヴィニヨン・ブランでした。ちょっと味見させてもらいましたが、爽やかで夏向きのワイン。赤はチリのカベルネ・ソーヴィニョンだそうです。
料理はこちら。
これは周りにゴマがついたチキン。
大食漢の私にとってはちょっとボリューム少なめでしたが、でも一つひとつの料理は美味しく、見た目もさすがにきれいでした。特にムール貝の白ワイン蒸しの汁はとても美味しく、浸して食べるフランスパンをお代わりしてしまいました。
最後の方はワインの話をかなり語ってしまいました。だいぶ酔っ払っていたかもしれません。楽しい晩でした。それにしてもこれで4000円は安すぎです。お台場は若干不便ではありますが、ビール飲むなら行くべきです。
なお、ここは完全屋外ですが、雨が降ったときは室内のレストランの席を使わせてもらえるようです。ホテルのレストランですから、それもまた高級感があっていいかも。
1995年にわずか1331エーカーしかなかったシラーの畑は2000年には12699エーカーたと、約10倍に急拡大しました。主に、暑いセントラル・ヴァレーや、沿岸では比較的温暖なパソ・ロブレスがその中心でした。2005年には、さらにその1.5倍にまでシラーの畑は広がり、「next big thing」と言われていました。
しかし、シラーはそのまま花開かずに今まで来ています。
理由は二つあるといいます。一つは、シラーが植えられた地域が温暖すぎて、素晴らしいシラーが少なかったこと。もう一つは、「next big thing」をピノ・ノワールに持っていかれてしまったこと。コンシューマーの興味は完全にピノ・ノワールに行ってしまい、シラーはあまり見向きされなくなってしまいました。
ただ、シラーはミレニアル世代に人気が高い、まろやかな味の「レッド・ブレンド」にジンファンデルなどとともに主要なブレンド品種として使われています。そういった「シラー」という名を表に出さない形ではある程度普及したとも言えます。
ちなみに今後のシラーの普及に重要な街はバークレーだとのこと。レストラン「シェ・パニース」など、美食の街であり、カーミット・リンチなどの輸入業者もあります。そこが、中心になって、シラーの普及を期待しているようです。
ただ、シラーは以前から評論家の評価は高いんですよね。ローヌ好きとしても知られているロバート・パーカーはシネ・クア・ノンなどカリフォルニアのシラーにも高い点を付けていますし、ナパでカベルネ以外で初の満点を取ったのもコルギンのシラーでした。コングスガードやシェーファーといった超一流ワイナリーも素晴らしいシラーを作っています。パソロブレスのサクサムも素晴らしいシラーを作っており、入手もかなり困難です。
そういった高品質でマニアにも引く手数多なシラーがある一方で、普及価格帯のシラーというとこれというのを思いつかないのが、残念なところ。ニーズがないから作られないのか、作られないから売れないのか難しい問題です。
登場するのはエリカ・スタンクリフ(Erica Stancliff)とアリソン・クロウ(Alison Crowe)、モーガン・トゥエイン・ピーターソン(Morgan Twain Peterson)です。このうちモーガンはベッドロック(Bedrock)のワインメーカーとして、このブログでもたびたび取り上げていますね。レイヴンズウッドのジョエル・ピーターソンの息子で、9歳からワインを作っていたのも有名なエピソードです。
エリカ・スタンクリフは、家族経営のトロンベッタ・ファミリー(Trombetta Family Wines)のワインメーカー。10歳のときにメルローの香りを嗅いだだけで完璧な表現をし、家族の友人だった著名ワインメーカーのポール・ホブズに見出されました。ポール・ホブズはそのときから「ワインメーカーになるしかない」と言っていたのですが、本人は獣医志望。ただ、注射が苦手で獣医をあきらめ、あらためてワインメーカーになったとのこと。トロンベッタで最初に作ったシャルドネがWine Enthusiast誌で94点を得るなど、高い評価を得ています。
アリソン・クロウは、現在ナパのプラータ・ワイン・パートナーズに属し、ガーネットというブランドで30ドルクラスのワインを、ピケット・フェンスというブランドでは10ドルクラスのワインを作っています。どちらもコスト・パフォーマンスの高さで評価されています。
モーガンと比べると残りの二人はちょっと知名度が低いですが、今後注目されるかもしれないですね。要チェックです。
記事によると、Highway29の西側、ボッシェ・ヴィンヤード(Boche Vineyard、フリーマーク・アビーのカベルネで有名)に隣接しているとのこと。下の地図(Vinousによる)を見ると、他の畑は有力なオーナーがいるのでDecarleという畑ではないかと思います。
ガーギッチ・ヒルズの隣とも言えそうですね。
畑の大部分はカベルネ・ソーヴィニョンで、今後はファー・ニエンテ傘下のニッケル&ニッケルで単一畑のカベルネ・ソーヴィニョンを作ることなどを考えているそうです。
ラザフォード・ベンチと呼ばれるナパでも最高級のカベルネ・ソーヴィニョンが作れるエリアですから、このあたりで畑を取得する機会はそうそうないはず。
今年はステージコーチの売却もあり、畑の所有者が変わる年なのでしょうか。
カリフォルニアワイン バイ・ザ・グラスキャンペーン 2017 優秀店発表
首都圏5軒、関西圏5軒とグループ2軒の計12軒が表彰されました。結構これまでの顔ぶれとは違う感じがして面白いです。
《首都圏》
Wine House PICNIC CLUB(無国籍)東京都・品川区
ハイアットリージェンシー東京 中国料理 翡翠宮(中華)東京都・新宿区
ダイヤ寿司(寿司)東京都・東村山市
AQUILA VOLANS(欧米料理)神奈川県・横浜市
DANDYLION BAR(バー)千葉県・千葉市
《関西圏》
Wine Kitchen Souple 29 (ワイン キッチン スープル ヴァンヌフ )(ワインキッチン)大阪市・北区
THE CITY BAKERY BRASSERIE RUBIN(ベーカリーカフェ)大阪市・北区
江戸堀 BEEF(ステーキ)大阪市・西区
京都洋食ムッシュいとう(洋食)京都府・京都市
神戸イタリアンKIZUNA(イタリアン)神戸市・中央区
《グループ賞》
ホテル ザ・マンハッタン
マンハッタン・ダイニング「ベラ・ルーサ」
ホテル ザ・マンハッタン 日本料理「おりじん」
ホテル ザ・マンハッタン バー&ラウンジ「スプレンディド」
エルワールド
muse chayamachi
muse umekita
店によって期間は違いますが、受賞記念でアンコールプロモーションを実施しています。詳しくはお店にお問い合わせください。
なお、今回の受賞のうち、関西のWine Kitchen Souple 29 (ワイン キッチン スープル ヴァンヌフ )は、ワインショップWassy'sさんのレストランです。ショップの上にあるレストランも以前受賞していましたが、今回は大阪駅からも徒歩圏の店。おめでとうございます。
ワイン・サーチャーで最も検索されたカベルネ・ソーヴィニヨンは?
ワイン・サーチャーで最も検索されたシャルドネは?
ワイン・サーチャーで最も検索されたピノ・ノワール
今回はメルロー(The World's Most Wanted Merlots)。
1. Duckhorn Vineyards Merlot, Napa Valley
2. Marilyn Monroe Wines Marilyn Merlot, Napa Valley
3. Pahlmeyer Merlot, Napa Valley
4. Irvine Grand Merlot, Eden Valley
5. Shafer Vineyards Merlot, Napa Valley
6. Emmolo Merlot, Napa Valley
7. Blackstone Winemaker's Select Merlot, California
8. Stags' Leap Winery Merlot, Napa Valley
9. Pride Mountain Vineyards Merlot, California
10. San Giusto a Rentennano La Ricolma Merlot Toscana IGT, Tuscany
1位はダックホーン。先日パラダックスを中心にしたセミナーの記事を書きましたが、ダックホーンのメルローはやっぱりおいしいです。特にスリー・パームス。ただ1位はスリー・パームスではなくレギュラーのメルロー。カリフォルニアのメルローのベンチマーク的ワインだと思います。
2位のマリリン・メルロー(現在はワイナリーの名前はマリリン・ワイン)もメルローでは有名な銘柄。昨日はメリタージュを紹介しましたが、元々メルローから始まったワイナリーです。ラベルばかりが取りざたされますが、中身もしっかりしたワインです。2014年は30周年の記念ワインです。
3位のパルメイヤーはちょっと意外でしたが、実は2013年のメルローにパーカーが96点を付けています。そのあたりが影響しているのでしょうjか。
4位はオーストラリアで5位はシェーファー(Shafer)。シェーファーのメルローも有名ですよね。昔はむしろカベルネよりもメルローの方が人気があったかもしれません。
6位のエモーロは知らなかったのですが、ピノ・ノワールのメイオミ(の以前)と同様、ケイマスのサブブランドのようです。今、人気急上昇中のワイナリーだそうです。実は日本にも少量ですが輸入されています。
7位のブラックストーンはわずか8ドルというワイン。それが上位に入ったのはちょっと驚きでした。
8位のスタッグス・リープ・ワイナリー、9位のプライドは納得。
こうしてみると、カリフォルニアが10本中8本、しかもほとんどがナパでした。すごいですね。
ラベルはもちろん、マリリン・モンローですが、セクシーすぎず素敵です。
もう一つ紹介するのは日本酒ですが、例のリスト漏れ疑惑のWine Advocate日本酒レビューで最高の98点を取った「亀の翁 3年熟成」です。
ほかの店では2万円くらいするので、安いです。本当の定価は5000円弱のようですが、5月にのみ発売で、限定数しかないので、価格はすぐに上がってしまうようですね。
白は1つだけで1985年のモンテベッロ・シャルドネ。1949年に植えた樹が植え替えられる直前の貴重なシャルドネ。ピークは過ぎて酸化もしているけど「面白い」ワインだったよう。
後はフラグシップのカベルネ・モンテベッロ。新しい方のヴィンテージから2001、1985、1984、1976、1968、1967。1969年に着任したポール・ドレーパー以前のワインが2つもあるのが興味深いです。どちらのボトルもすばらしい状態だったようです。
写真は今回の試飲とは無関係です。
総じて、素晴らしいワインばかり。なかなか機会はないでしょうが、リッジのオールド・ヴィンテージ、飲んでみたいものです。ただ、見つけるのは大変ですが、価格は今のものとほとんど変わらないですね。
2013年はデカンター誌で100点を取っています。
ナパのカベルネ系としては、それほど濃厚というわけではなく、ミディアム・ボディからややフル・ボディ。カシスやブラックベリーの風味、軽くスパイスや紅茶のフレーバー。タンニンはまろやかになっており、シルキー。これはおいしいです。
カベルネ・フランの印象が少し強いような気がしたので、2~3割入っているかと思いましたが、カベルネ・ソーヴィニョンが86%でカベルネ・フランは12%、メルロー2%でした。
スプリング・マウンテン、日本ではあまり見かけないワイナリーですが、果実味を主張しすぎないあたりの味わいは結構日本人好みなのではないかなあと思います。エチケットはちょっと地味すぎるかなあと思いますけどね…
米Amazon.comが高級スーパーのホールフーズ(Whole Foods)を137億ドルで買収しました。よくある株式交換でなく、全額キャッシュで払うというからすごいです。これを受けて、米国のスーパーチェーンの株価は軒並み下落。影響の大きさが伺われます。
日本にいるとわからないですが、米国では買い物代行や、店舗での買い物品受取のサービスが普及してきているもよう(主戦場は店舗受け取り、アマゾンのホールフーズ買収 崩れる倉庫と店舗の垣根 :日本経済新聞)。
ネットスーパーだと、受け取るために家にいる必要があるので、働いている人にとっては使いにくいわけですが、店舗で受け取れれば、時間と手間の節約になるし、都合がいい時間に取りにいけるということですね。
ただ、受取サービスを自社で持ちたいならば、記事でホールフーズが提携しているとして取り上げられているインスタカート(Instacart)を買収すれば済むような気もしますが、そうでなくて実店舗を買収したというのは、地域に拠点を作りたいということなのでしょうか。
また、他のスーパーでなくホールフーズだったというのはどうしてでしょうね。ホールフーズは「America's Healthiest Grocery Store」と自称しており、実際オーガニックな食品を数多く扱っています。Amazonの企業文化と合うのだろうかというところは気になります。
Amazon.comのワインビジネスもうまく行っている感じが全くありませんが、テコ入れはあるのでしょうか。日本ではソムリエサービスなども始めていますが(ソムリエや物産展も 知らないと損なアマゾンストア)、あまり知られていないような気もしますし、生鮮品の次はワインにも何かしら動きがあるかもしれないですね。
アマゾンのソムリエサービス
なお、Amazon.comがどういう会社か知るためには以下の本が役に立ちます。
読書感想――「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」ジョブズになりたくない男
シュレーダー・セラーズはWine Advocateで20回近く満点を取っているワイナリー。特に、ベクストファー・トカロンの畑からブロック別のワインを作り、高い評価を得ています。ただし、畑もワイナリー設備も持たないため、買収の実体としてはブランドと在庫だけになります。
ワイン作りの体制などはこれまで通り。ワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン、醸造はアウトポストで行います。オーナーだったフレッド・シュレーダーはワイナリーの顔として残り、ワイン作りのディレクションもします。
コンステレーションはトカロンの畑の大部分を持っています。
トカロンについては下の記事に詳しく書いています。
トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】
今回、シュレーダーご傘下に入ったことで、コンステレーションが持つトカロンのブドウの一部もシュレーダーに提供する予定だとのこと。これで、現在2500〜4000ケースだという生産量も増えることが期待されています。
なお、フレッド・シュレーダーはソノマのボアーズ・ビュー、アストン、エステートはこれまで通り保持を続けます。
ワイン・サーチャーで最も検索されたカベルネ・ソーヴィニヨンは?
ワイン・サーチャーで最も検索されたシャルドネは?
今回はピノ・ノワール(10 Most Wanted Pinot Noirs)。
1. Meiomi Pinot Noir, California
2. Sea Smoke Southing Pinot Noir, Sta Rita Hills
3. Marcassin Marcassin Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast
4. Sea Smoke Ten Pinot Noir, Sta Rita Hills
5. Ata Rangi Pinot Noir, Martinborough, New Zealand
6. Kistler Vineyards Kistler Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast
7. Kosta Browne Sonoma Coast Pinot Noir, Sonoma County
8. Weingut Daniel & Marta Gantenbein Pinot Noir, Graubunden, Switzerland
9. Williams Selyem Russian River Valley Pinot Noir, Sonoma County
10. Beaux Frères The Beaux Frères Vineyard Pinot Noir, Ribbon Ridge, Oregon
1位はメイオミ。2015年にケイマスがコンステレーション・ブランズにブランドを売ったことで話題になりました(ケイマスのワグナー家が大ヒットピノ「メイオミ」を売却、その意味するところは?)。それにしてもこの人気はすごいですね。
ちょっと驚きだったのが2位と4位にシー・スモーク(Sea Smoke)が入ったこと。シー・の人気のピークは2007~2009年くらいかと思っていました。確かに、Wine Advocateでは2012年のTenやSouthingがそれぞれ95、92点と高く評価されていますが、これくらいの点数のワインは今では結構ありますから、Sea Smokeだけが突出して多いのは不思議な感じがします。
3位のマーカッサン(Marcassin)はわかりますが、Wine Advocateでカリフォルニアのピノ・ノワールとして初めて100点を取ったピーター・マイケル(Peter Michael)がトップ10に入っていないのはちょっと意外なところ。
6位のキスラー(Kistler)、7位のコスタ・ブラウン(Kosta Browne)の人気は根強いですね。全般に10年前くらいから人気だったワイナリーが上位に来ている感じがします。
そこで、ホニッグ家ではこの病気のために特別に訓練された犬を家族の一員に加えることにしました(Service Dog Takes on Double Duty Protecting Her 10-Year-Old Best Friend and the Winery Where She Works)。同家では4匹目の犬となります。
ホニッグというのはドイツ語でハチミツであることから、この犬はハニーと名付けられました。60個の命令を理解し、血中糖度を監視する機械よりも15分も早く、糖度の変化に気付いてソフィアや家族に警告します。
それだけではなく、ハニーはワイナリーのためにも働くことが期待されています。それはコナカイガラムシの出すフェロモンを検知することです。コナカイガラムシはワイナリーにとっては非常に危険な昆虫ですが、見つけるのが困難で一度増えてしまうとなかなか駆除できません。早期に検知することで、被害が広がる前に対策できるようになります。これもハニーの特別に敏感な嗅覚によるものです。
ハニーはまだ訓練中とのことですが、早く活躍できるようになるといいですね。昨年訪問したときには、娘さんの病気のことなどは全く知らなかったので脳天気にバスケットやNFLの話などをしていたのですが、また訪れて話をしたいです(何の役に立つこともできませんが)。
雹の大きさは親指の爪くらいとそれほど大きくなかったようですが、ブドウが開花中の畑では大きなダメージになりました。ただ、開花が済んだ畑も多かったため、それほど大きな被害とはならなかったようです。
ただし、アトラス・ピークのDos Lagos Vineyardsでは収穫の1/3くらいとかなり大きな被害になっています。ヴァレー・フロアのオークヴィルではそこまで大きな被害ではなさそうですが、様子を見に行った人が見た範囲では15%くらいのブドウに影響が出そうとのことです。
今のところ、それほどの被害報告はないようですが、実際のところはよく分からないようですね。
理由は「ダブルダイヤモンド(Double Diamond)という商標の侵害。
シュレーダーセラーズにはダブルダイヤモンドという廉価版のカベルネのブランドがあります(これまで知らなかったです)。50ドルくらいでナパ・ヴァレー産のボンバーXというカベルネと、レッドヒルズ・レイク・カウンティ産のアンバーノールズというカベルネがあります。
ダブルダイヤモンドは当初2002年にシュレーダーとミッドサマーが共同で商標を取り、2003年から一緒にブドウを仕入れて作っていました。しかし、2004年にはダブルダイアモンドが権利をシュレーダーに売りたいと持ちかけ、売買が成立。2005年には支払いも完了したとのこと(以上はシュレーダーの訴訟資料より)。
しかし、商標登録には依然としてミッドサマーの名前が残っていることから提訴に踏み切ったようです。シュレーダーの主張通りであれば、さほど揉めないような気もしますがどうなのでしょうね。
それより、このワインが気になります。これもトーマス・ブラウンが作ってますからね。
これはカリフォルニア州がスポンサーとなって算出したもの。
マリファナ市場の29%は、15%の州税などを嫌って、今後も不法な形でやり取りされると見られていますが、6割以上が合法的な娯楽用マリファナになると、この発表では見ています。
なお、ワイン業界のカリフォルニアへの経済効果は2015年で576億ドル(カリフォルニアワイン業界、年間10兆円超える経済効果)。マリファナと比べると約10倍ということになりそうです。
それにしても、これだけ巨大になったワイン産業の10分の1というのは、あなどれない数字です。50億ドルというのは日本円に換算すれば5500億円程度。日本のインスタントラーメンの生産額が大体それくらいに値するようです。これだけの産業がいきなり登場するわけですから、多くの人が躍起になるわけです。
10年前のヴィンテージですが、ワインは予想以上にフレッシュで、やわらかな酸味が心地よいです。果実味もまだあり、ナッツの風味と合わさって、すばらしいアンサンブルを奏でます。こんなに美味しいとは、とちょっと驚くほど。個人的には96点くらいあげたい。
この後の熟成がどうなっていくのかはよくわかりませんが、おそらくまだ4~5年は相当おいしく飲めるのではないでしょうか。
先日から価格の話をよく書いていますが、このワインは多分買ったときは4000円くらいだったと思います。ニュイ・ブランシュは今も4000円台で買えますから価格あまり変わっていないですね。
1万円程度のシャルドネと比べても全く見劣りしないワインです。オー・ボン・クリマがお買い得というのはこれまでも何回か書いていますが、あらためてそう思いました。
Wassy'sさんには2004年の在庫があります。これも今がいいころかも。
あとは2012年か2013年ですね。2012年は残り僅少。
ということで、折りを見ていくつか紹介していこうと思いますが、まずはシャルドネから(The 10 Most Wanted Chardonnays | Wine News & Features)。
1. Leeuwin Estate Art Series Chardonnay, Margaret River
2. Rombauer Vineyards Chardonnay, Carneros
3. Chateau Montelena Chardonnay, Napa Valley
4. Marcassin Estate Chardonnay, Sonoma Coast
5. Gaja Gaia & Rey Chardonnay Langhe, Piedmont
6. Kistler Vineyards Kistler Chardonnay, Sonoma Valley
7. Kongsgaard The Judge Chardonnay, Napa Valley
8. Kongsgaard , Napa Valley
9. Far Niente Winery Estate Chardonnay, Napa Valley
10. Cakebread Cellars Chardonnay, Napa Valley
1位と5位以外は全部カリフォルニアで、やはり米国での検索が圧倒的に多いことが伺えます。
カリフォルニア産で評論家の点数が高いものは4位のマーカッサン、6位のキスラー、7位と8位のコングスガード。
それ以外の4つはロンバウアー、シャトー・モンテリーナ、ファー・ニエンテ、ケイクブレッド。
やはりIPOB的な味わいのものは入っておらず、どちらかというとクラシックなシャルドネが人気があるようです。
中でも、割とコテコテの作りを自認しているロンバウアーが一番人気が高いというのが面白いです。僕的にもロンバウアーのシャルドネ、好きですけどね。頻繁に飲むワインというより、ときどき飲んで、ああやっぱりこういうの美味しいよね、って言う感じです。
モンテリーナはパリ・テイスティングで有名になったワインですが、今でもその影響があるのでしょうか。近年、映画などで取り上げられたからでしょうかね。モンテリーナのシャルドネももちろん美味しいですが、ワイナリーとしてはシャルドネで取り上げられるよりも、カベルネ・ソーヴィニヨンで取り上げてほしいだろうなあと思っているような気がします(ボー・バレットさんは、パリ・テイスティングで1位になって一番よかったのは、収入が増えてカベルネ・ソーヴィニヨンを作れるようになったことだ、と言っていました)。今回のトップ10のカリフォルニアの中では一番エレガント系(マロラクティック発酵なしです)かもしれません。
ちなみに、パリ・テイスティングで1位のシャルドネを作ったマイク・ガーギッチのガーギッチ・ヒルズのシャルドネもすごくいいです。あまり知られていませんが、このワイナリーはすべて自社畑でオーガニックを実践しています。
ファー・ニエンテがトップ10に入っていたのはちょっとびっくりでした。なんとなく「昔の名前」的なイメージを持ってしまっていたので。
ケイクブレッドはレストランで不動の人気をほこるワイン。上位に来るのも納得ですが、実は順位は落ち気味なのだそう。2012年12月はシャルドネの検索でトップだったそうです。
ナパ全体が良ヴィンテージの2013年は単一畑に選ばれなかったものの品質もやはり高くなり、パーカーは95点をつけるでき。「選ぶのが厳しすぎたんじゃないか?」とボンドのワイン作りのチームに冗談を言ったそうです。
その評価の高さもあって、米国では2013年のメイトリアークは200ドルを超えるところがほとんどですが(実際にはそれに10%近くの州税がかかります)、国内の価格は税込みで2万円前後。米国よりも安く買える状態になっています。
ところで、昨日ナパのワインの値上がりの話を書きましたが、ちょっと調べてみたところ、8年前の2009年には、日本におけるメイトリアークの価格は1万円程度でした。20年で4倍ですから8年で倍というのはまあ、そんなもんだろうという数字ではありますが、やはりこれだけ安かったんだからもっと買っておくんだったと思ってしまうのは人情ですね。
さて、8年後にこの記事を読んだらどう思うでしょうね。
これはVineyard Economics Seminarというセミナーでトニー・コレイアという不動産コンサルタントが明らかにしたもの。
ナパではカベルネの価格が突出しているため、他の品種は引き抜かれて、カベルネに植え替えられる傾向がかなり強まっているようです。モノカルチャーになりかねないとコレイア氏は警告しています。
また、カベルネに向かない土地までもカベルネが植えられることによって、品質が低下し、ナパの評判を落とすことも懸念しています。
現状はカベルネは不足しており、作れば作っただけ売れるような状況ですが、2008年の不況のときには、売り先に困った人も多かったのですから、またいつカベルネ余りになるかは分かりません。
似たようなことはナパほど極端ではないですが、ソノマのピノ・ノワールでも起こっていて、1995年と比べると現状の価格は3.5倍。カリフォルニア全体では1.5倍程度にとどまっているといいますからこの2箇所は突出しているようです。
全体のストーリーからするとちょっと余談ですが、ガロによるステージコーチの買収も市場にかなりの影響を与えているとか。ステージコーチは2000エーカーもある広大な畑。ガロは現在の契約を尊重するとしていますが、例えば契約の期限がきたときに更新されない可能性は高いでしょう。そのため、発表後は売りに出ているナパの畑はすぐに契約が決まったそうです。
1型糖尿病は生活習慣とは関係なく、免疫系の異常によって起こる病気です。ホニッグ家の長女ソフィアさんは5年前、5歳のときに発症し、以後毎日20回以上、血糖値を測り、インシュリン注射をする必要があります。
今回、「Beyond Type 1」というNPOが糖尿病の啓発のため、ニューヨークからサンフランシスコまで患者たちが自転車で横断するというイベントを開催中で、その一環として、ホニッグでのイベントを開催することになりました。
チケットは250ドル。このほか、さまざまなサポーターを募集しています。
(写真右から2人めが、ソフィアさんの母親であるステファニーさん)
詳しくはこちら。
Bike Beyond Napa at Honig Vineyard & Winery in Rutherford, CA to benefit Beyond Type 1 | Classy.org
リースのワイン、ある程度時間がかかるイメージがありましたが、このワインは意外と早く熟成が進んでいる印象です。色はゴールドで比較的濃く、酸味は比較的おだやか。白桃やトロピカルフルーツの香り、ナッツの風味。風味が爆発するというよりも、抑制が効いた感じが他のリースと、やや共通するものがあるように感じました。
ヴァーナーがサンタ・クルーズ・マウンテンを去ってしまい、サンタ・クルーズ・マウンテンのピノ・ノワール、シャルドネは今後リースと、マウント・エデンがリードしていくのでしょう。これからにますます期待したいワイナリーです。
リース シャルドネ ホースシュー ヴィンヤード サンタクルーズマウンテン[2013](750ml)白 Rhys Chardonnay Horseshoe Vineyard SantaCruzMountains[2013] |
《リース》 シャルドネ ホースシュー エステイト・ヴィンヤード, サンタ・クルーズ・マウンテンズ [2012] Rhys Vineyards Chardonnay Horseshoe Estate Vineyard, Santa Cruz Mountains 750ml [赤ワイン カリフォルニアワイン] |
2013年はWine Advocate誌で2010年に続く2回目の満点。パーカーは「クリスチャン・ムエックスが作ったワインの中で、フランスも含めて一番深みのあるワインかもしれない」と書いています。
このヴィンテージはここ10年間くらいをみても、ナパではおそらく最高のヴィンテージといっていいでしょう。高評価のワインは非常に多いですが、中でもこのワインはパーカーだけでなく、ヴィナスのアントニオ・ガッローニも満点を付けていますし、ジェームス・サックリングも満点を付けています。ラベルもワイナリーの30周年で、久しぶりにクリスチャン・ムエックスの顔が復活しています。
さすがに2013年は4万円台とかなりの高価格ですが、パーカーもガッローニも満点ということを考えたら、むしろ安い方かもしれません。
なお、パーカーが「ドミナスで最強のバックツーバックのヴィンテージ」と称した2012、2013年の2012年の方だと2万円台。こちらの98+というのも十分すぎるくらい高い評価です。
話はちょっとずれますが、ちょうどWine Spectatorに、ムエックスが昨年初リリースして話題になったワイン「ユリシーズ(Ulysses)」の話が出ています(Christian Moueix's Newest Napa Winery Ulysses | Stirring the Lees with James Molesworth | Blogs | Wine Spectator)。僕も知らなかったのですが、ここの畑、ムエックスがスワンソン(Swanson)から買い取ったところで、スワンソンが得意とするメルローが植わっていたのを、カベルネ・ソーヴィニヨン中心に植え替えたそうです。2011年まではまだ若すぎるということで、ブドウは売却し、2012年からワインを作り始めました。ワイン作りはドミナスとほとんど同じ方法を取っていますが、味わいはだいぶ違うとのこと。ドミナスはダーク・チョコレートの風味が強いといわれますが、ユリシーズはもっと明るくヴィヴィッドな味わいだそうです。
ただ、まだ樹の若さは否めないところで、本領を発揮してくるのは2015ヴィンテージくらいからになりそうです。
2012年も少し再入荷したようです。
ユリシーズのデビュー・ヴィンテージ。味を重視するなら、ドミナス2012買う方がいいと思いますが、最初のヴィンテージの希少性も捨てがたいものがあります。
今年のイベントはコッポラ家のメンバーがホスピタリティを担当。コッポラ監督自ら、パーティの調理に手を貸しました。
メインのライブ・オークションでのトップロットはコルギン。2007年のマグナムコレクションに、ナパとシャンパーニュの旅行1週間が付いて70万ドルで落札。3ロットあったことから、総額210万ドルになりました。
単一ロットでの最高額はダラ・ヴァッレの72万ドル。6リットルMayaに加え、Naokoさんらと日本旅行1週間が付きます。
ライブ・オークション以外にも、バレル・オークションとネット参加可能なEオークションが開催されました。バレル・オークションのトップロットはハーラン系のThe Mascotが7万3550ドル。EオークションではTORが2万ドルでトップでした。
オークション・ナパ・ヴァレーはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが主催。売上はすべて、子供の教育などのチャリティに使われます。
ダックホーン/パラダックス・セミナー 赤ブレンド老舗の気概
さて、後半は試飲です。まず着席でパラダックス(Paraduxx)のワインを5種試飲し、その後は約20種のダックホーン傘下のワインを試飲しました。
パラダックス、日本で販売しているのはメインのカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルのブレンドだけですが、そのほかに10数種類のブレンドを作っています。今回は、その中からサンジョベーゼ、テンプラニーリョ、マルベック、シラーのブレンドを試飲しました。
まずはジンファンデルとのブレンド。カベルネ・ソーヴィニヨンが65%で、ジンファンデルが30%、メルローが5%です。とても色が濃く、ブルーベリーやカシスなど青系のフルーツにペッパーなどのスパイスを感じます。タンニンも酸もかなり強く、ジンファンデル・ブレンドでありながら甘みはあまり感じません。ボリューム感もストラクチャーもあるワイン。このストラクチャーはやはりカベルネ・ソーヴィニヨン中心のブレンドだからでしょうね。アルコール度数は14.9度とそこそこ高いですが、ワインは重さを感じません。酸が効いているからでしょうね。
これ定価6000円は安いです。カベルネ・ソーヴィニヨンでこのレベルだったら1万円してもおかしくないです。
ちょっと脱線しますが、「赤ブレンドのブームは追い風か」という質問をしたのですが、「確かに追い風である」と。ただ「一番売れているオリン・スイフトの『プリズナー』はパラダックスではなく(もう少し普及価格帯の)デコイ(Decoy)とぶつかるワインだ」とのこと。
実際、米国の価格だとパラダックスの方が10数ドル高いのですが、実は日本の価格だとプリズナーはパラダックスの倍もします。1万2000円台なのです。ちょっとびっくりな値段で、ドンさんにそれを教えたら目を丸くしていました。
それでもプリズナー、売れているようですが、それだったらパラダックスの方がずっと上、と思います。
さて、次のサンジョベーゼとのブレンドですが、カベルネ・ソーヴィニヨンは先日ガロに売却されて話題になったステージコーチのもの。サンジョベーゼはアンティノリから買っているそうです。
これはかなりガチガチのワイン。タンニン強く、土っぽさを感じます。と書くとおいしくなさそうですが、個人的にはかなり気に入りました。熟成にかなり時間がかかりそうではありますが。
次のテンプラニーリョとのブレンドは、やや軽く、ボディーにしなやかさを感じます。
4本目のマルベックとのブレンドもやや軽さを感じます。スパイシーな香りがありますが、ストラクチャーはやや軽く、甘酢っぽさもあります。
最後はハウエルマウンテンのシラーのブレンド。これはパワフルでタニック。ヴィナスのヴィンヤード・マップで調べたところ、ダックホーン所有の畑はハウエル・マウンテンの雄Dunnの畑の隣にあるそうです。これはタニックになるわけです。ステージコーチと同様、これも明らかに山のワイン。美味しいです。
なかなか個性的な5本で面白かったですが、さすがにジンファンデルとのブレンドはよくできているなあと思いました。
その後はダックホーンの6ブランドの試飲です。まずはデコイ。2014年のものが6種類(ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール、ジンファンデル、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン)です。
白では、ほのかに甘みを感じるソーヴィニヨン・ブランが好印象。赤ではややエレガント系のジンファンデルと、ダックホーンの代名詞的品種であるメルローが好印象。
次はロシアン・リバー・ヴァレーのマイグレーション(Migration)とメンドシーノのアンダーソン・ヴァレーにあるゴールデンアイ(Goldeneye)のピノ・ノワール組。
ゴールデンアイのピノ・ノワール ゴーワン・クリークはかなりのおいしさ。ただ、価格も1万1000円とかなりします。一方、マイグレーションのピノ・ノワール ロシアン・リバー・ヴァレーは5700円とそこそこの価格でおいしいです。コスパを重視するならマイグレーションがお薦め。
次はワシントン州のキャンバスバッグ(Canvasback)。2014年のカベルネ・ソーヴィニヨン レッド・マウンテンは、カリフォルニアのカベルネとは印象が異なる、引き締まった味わい。これもかなりおいしいです。果実味よりも複雑さとかストラクチャーとかを重視するなら、お薦めです。5500円という価格もいいところではないでしょうか。
最後は本家本元のダックホーン。白はソーヴィニヨン・ブランに、近年ついに作り始めたシャルドネ。
ソーヴィニヨン・ブランは草っぽさとかグレープフルーツの風味が、いかにもソーヴィニヨン・ブラン。シャルドネもバランスよく、予想以上においしい。
赤はナパ・ヴァレーのメルロー、メルローのスリー・パームス、カベルネ・ソーヴィニヨン、ザ・ディスカッションという赤ブレンド(ボルドー系)。
ナパ・ヴァレーのメルローはさすがに上手にまとめているなあという印象。
そしてスリー・パームスはやっぱりこの日のハイライト。90年代のメルローブームのときに粗悪なメルローに山ほど当たってきた私としては、映画「サイドウェイ」のマイルズのように「くそったれなメルロー」と言いたい気持ちはよくわかるのですが、このメルローは文句なし。しなやかでエレガント、でもしっかりとストラクチャーもある。1万4000円はもちろん安い価格ではないですが、同価格帯のカベルネ・ソーヴィニヨンを考えたらこちらを選びたくなるケースはままあるでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨンなども悪くはないですが、あえてダックホーンでそれを選ぶ理由は少ないような気がしてしまいました。それだけメルローが美味しいということです。
最近の価格感覚だと、このレベル(常に最高レベルかそれに近いところにいるワイン)のカベルネ・ソーヴィニヨンで2万円台というのはかなりのお買い得。日本市場は6月中には2014年が入ってくるようですから、2013年を買うのは今が最後のチャンスかもしれません。
多分5年後くらいには、「あのころは2万円台前半で買えたんだよなあ」とためいきをついていそうな気がします…(ちなみに10年くらい前はオーパス・ワンは1万円台半ばでしたからね、今は倍以上しますが)。
ただ、ウルトラマリン以外のスパークリングや、スティル・ワインもいくつか入荷しています。「ニュー・カリフォルニア」と言われるような、マイナー品種のワインが中心です。
これは「タナ」
唯一のブレンドもの
ヴァルディギエ。ヴィナスでは92点。
ペティアン・ナチュレルによる微発泡もの。品種はヴァルディギエです。
マイケル・クルーズに興味がある人はこちらもお薦めです。
「ニューカリフォルニア」の注目株、ブロック・セラーズの魅力
先日、アントニオ・ガッローニの話を書きましたが、彼が2013年初頭に同誌をやめたことがきっかけで、Wine Advocateは本格的なチーム編集体制に移行しました。そのときに採用された一人がジェブ・ダナックで、彼はそれまで個人として有料の紙のニューズレター「Rhone Report」を発行していました。パーカーが「昔の自分を見るようだ」と言ったジェブはローヌ系のワインを得意とする地域、(南フランスはもちろん、カリフォルニアのセントラル・コーストやワシントン州など)を担当していました。
Wine Advocateからは今回の件については何のアナウンスも出ていません。6月末発行の号にはワシントン州の記事が載る予定になっていますから、それがおそらく同誌での最後の仕事になるのでしょう。ジェブによると契約は6月15日で切れるそうです。
今後、セントラル・コーストを誰が担当するのか気になるところです。ソノマの担当になった、編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンがやるのでは? と予想しています。
今回はダックホーン・グループの海外輸出ディレクターであるブライアン・ボストウィック氏および、ナパで赤のブレンドを中心に作っているパラダックス(Paraduxx)のワインメーカーであるドン・ラボード氏が来日し、セミナーを開催しました。
ダックホーンはパリ・テイスティングと同じ年、1976年にオープンしました。ナパでは40番目のワイナリーでした。そのときに存在したワイナリーで、現在はなくなってしまったところもありますが、ダックホーンは「スリー・パームスの畑のおかげで今まで続けられたと言っても過言ではない」とのことでした。ダックホーンといえば誰もがイメージするのはメルローであり、その最高の畑がスリー・パームスです。
現在は、ダックホーンのほか、赤のブレンドワインをナパで作るパラダックス、アンダーソン・ヴァレーでピノ・ノワールなどを作るゴールデンアイ(Goldeneye)、ソノマをベースに、比較的普及価格帯のワインを作るデコイ(Decoy)、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーでピノ・ノワールなどを作るマイグレーション(Migration)、ワシントン州でワインを作るキャンバスバッグ(Canvasback)があります。これらブレンドごとに別々のワインメーカーがいるのも特徴です。
今回のメインのパラダックスはイタリアのティニャネッロ(サンジョベーゼ中心のブレンド)やスペインのベガ・シシリア(テンプラニーリョ中心のブレンド)といった、地域の品種に世界的品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたワインを作るワイナリーをモチーフとして1994年に作られました。
地域の品種として選ばれたのはもちろんジンファンデル。当初はジンファンデル60%というブレンドでした。オシドリと切手のイメージのラベルも好印象でした。このような赤ブレンドだけを作るワイナリーはナパで初めてだったとか。
2004年にワイナリーの建築を始め、現在では14種類のワインを作っています。ただ、メインのブレンドのほかはワイナリーでしか販売していません。
2012年からはブレンドの比率を大きく変え、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にジンファンデルをブレンドする形になりました。
理由は2つあります。まずはブドウの調達の問題。
パラダックスは50エーカーのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と6エーカーのジンファンデルの畑を持っています。ナパ全体でもジンファンデルは減っており、今では全体の5%くらいしかありません。したがっていいジンファンデルを調達するのがだんだん難しくなってきました。
もう1つはマーケティング的な問題。
レストランにおいて、ジンファンデルの位置付けは、ワインリストで低かったり、全くなかったりします。カベルネ・ソーヴィニヨンのところにリストされる方が客の目にもとまりやすくなります。
また、作るワインの種類が増えて切手のラベルではまかないきれなくなったため、現在は2羽の鳥をあしらったラベルに変わっています。
ラベルは、前のものが素敵だったので、大分残念ですが、あれで毎年10種類以上作るのが大変すぎるというのもわかります。でもやっぱりメインのブランドだけは元のラベル残して欲しかったなあ。
ラベルの話はともかく、ブレンド比率を変えた効果は既に上がっていて、Wine&Spirits誌のレストラン人気ワイン投票にもランクインするようになってきたとのこと。また、ドンさんが初めてワインメーカーとして作った2014年は評論家のジェームズ・サックリングから93点という高評価を得ています。
試飲は後編でお届けします。
昨年はキュベ三澤という甲州トップキュベの受賞でしたが、今年はキュベ三澤はプラチナの下のゴールド。甲州のプライベート・リザーブがプラチナ賞。ちなみに日本からは22本のワインが出展され、プラチナとゴールドが1本ずつ。シルバーが5本で、うち2本が中央葡萄酒。残りのうち2本がサドヤ。1本がメルシャンでした。
米国からは173本が出展。プラチナが4本。ゴールドが2本。シルバーが40本でした。昨年ナパでお世話になったSilenusのカベルネがプラチナになっていたのは嬉しかったです。
DWWAはオープンなワインコンペティションとしては、最も権威があるもの。219人のエキスパートが審査しており、その中にはマスター・オブ・ワインが65人、マスターソムリエが20人含まれています。
日本のワインがこういう世界的なコンテキストで評価されるのはいいことですね。今回プラチナになった甲州、早速買ってみました。どうでしょうか。
中央葡萄酒 グレイス甲州 鳥居平畑プライベートリザーブ [2016] Grace Koshu Toriibira Vineyard Private Reserve 日本ワイン 日本 山梨県 勝沼町 鳥居平 甲州 白ワイン 辛口 樽 ワイン 山梨 三澤 国産 国産ワイン 地理的表示山梨 甲州種100% 750ml グレイスワイン |
グレイス 甲州 鳥居平畑 プライベートリザーブ[2016] |
セインツベリーはカーネロスのピノ・ノワールのパイオニア。
あかるく、親切な人柄で多くの人に愛されました。
私が20年ほど前、セインツベリーを訪問した際、予約をしたはずだったのができていなかったということがありました。そのときに彼がでてきて、非常に温かく応対してくれました。ハンサムな上に優しい人ということで、強く記憶に残っています。
近年は骨髄異形成症候群という病気と闘っていました。骨髄移植のあとの合併症でなくなったとのこと。遺族は、彼の栄誉を讃えるために、骨髄バンクへの登録を呼びかけています。
ご冥福をお祈り申しあげます。
テッド・レモン兄さんのワイン講座(中編)
家のインターネット接続が不調でアップが遅くなりました(今もテザリングで接続中)。
さて、いよいよピノ・ノワールの試飲です。
ピノ・ノワールは2015年のソノマ・コースト、2013年の単一畑が4種(プラット、サヴォイ、ハーシュ、ピボット)、それから2009年のピボットです。
ソノマ・コーストのAVAのワインは、単一畑のワインに入れられなかったものや、プレスのジュースを使っています。基本的には早飲み用のワインであり、単一畑のワインとは大分違うものと考えた方がいいと思います。
色は意外と濃く、しっかりした味わいですが、バックボーンの酸がしっかりしているのがリトライらしさを感じさせるところです。赤系の果実味がありますが、果実味が爆発するようなワインではありません。
2015年は旱魃が続いていた年で、収量が少なかったのが全体的な特徴となりますが、ブドウの実自体もかなり小粒だったそうです。それが色の濃さなどにつながったとのこと。おそらく、より暖かなロシアン・リバー・ヴァレーあたりのピノ・ノワールだともっとダークなフルーツの風味が濃くなったと思うのですが、やはりそちらに流れないのがリトライ流なのでしょう。「ロシアン・リバー・ヴァレーのワインが好きな人には向かない」とレモン兄さんも言っていました。
ピノ・ノワールの2番めはプラット。かなり強い酸味を感じます。それでいてシルキー。タンニンはほとんど感じません。レモン兄さんによると、茹でたサーモンに合うとのこと。
次はサヴォイ。これだけはアンダーソン・ヴァレーのワインですが、ソノマと全く違うというわけではなく、ソノマ・コーストの延長線として考えるべきだとレモン兄さん。
アンダーソン・ヴァレー自体はかなり細い谷で、ナパに比べると南北の距離も半分以下。どれくらい細いかというと、例えばサヴォイの畑はヴァレーを完全に横切る形になっており、どちらの側にもほかの畑はないとのこと。
これも赤系の果実がはっきりしたワインですが、プラットと比べると、よりしっかりとした印象があります。レモン兄さんによると、サヴォイが一番よく熟成するとのこと。
次のハーシュは、私の一番好きな畑の1つ。今回のワインの中では一番濃厚で、タンニンもあり、酸は比較的後ろに隠れている感じです。ただ、濃いといってもあくまでもリトライのワインの中で、ということ
であり、ひところよく見られた「シラーのようなピノ・ノワール」では全くありません。
ハーシュは標高1400フィートくらいとかなり高いところにあります。かなり北にあるサヴォイは200フィートと比較的低いところ。この2つの畑、収穫時期はほぼ同じなのだそうです。
ちょっと面白いと思ったのは、2つの畑の暑い年のふるまいの違い。サヴォイはヴァレー・フロアなので温度は普段から高めになります。ハーシュは暑い年でも標高が高いため、それほど気温は上がりません。ただ、熱波が襲来すると、暑さ慣れしていないハーシュの方がダメージが大きいのだそうです。
ハーシュのピノ・ノワール、美味しいのは間違いないのですが、以前飲んだ2012年と2013年の印象が結構違うことが気になっていました。それを質問したところ、ハーシュはヴィンテージによって味が大きく変わるのだそうです。2012年は非常に凝縮感があって、いいヴィンテージ。2013年はハーシュに関してはちょっと難しいところがあるヴィンテージだったそうです。個人的には2012年の方が好きでした。
2013年の最後はピボット。これはチャーミングでソフトなピノ・ノワール。2番めに飲んだプラットとピボットはどちらも2003年に植樹した畑で、樹間や剪定の方法、ルートストックも同じ、土壌も同じ。ワインの作り方も同じです。ボトル詰めの日まで同じだそうで、違いはまさに畑そのものだけなのだそうです。
ピノ・ノワールの最後は2009年。これも美味しいですが、まだ熟成を感じるというのには早いような気がしました。もっと15年くらいたったリトライを飲んでみたいですね。
具体的に挙げられているものとしては、クラッシュ・レポートがなくなりそうです。
クラッシュレポートの記事の例
2012年のカリフォルニアのワイン用ブドウ収穫は、量・価格とも過去最高
クラッシュレポートは地域別に各品種の収穫量や取引価格などを集計したものであり、カリフォルニアワイン全体の動向を知るためには欠かせないデータです。生産量の統計を取るなんていうのは政府の仕事の基本だろうと思うのですが、このままだと作られなくなる可能性が高そうです。
このほかマーケティング的なコストも大分削減が見込まれており、Wine Instituteの予算もかなり影響が出そうです。
もしかすると、毎年春の「バイザグラス」キャンペーンがなくなるといったこともありえるかもしれません。
今回の予算案、発表された時点で既に死に体、なんて声も上がっているようですが、おそらく議会で紛糾するのは健康保険関連が中心でしょう。農業関係はそのままパスといったこともあり得なくないでしょう。
ワインファンとしても気になる状況になってきました。
その答えとなるキーワードは「ソムリエ」。パーカーやWine Spectatorがいかに濃いワインばかりに高得点をつけていても、レストランで実際に客にワインを提供するソムリエは、それぞれの尺度や好みを持ってワインを客に薦めます。そして、レストランですから、濃いワインよりもそこの料理に合うワインというのが大事になります。そういったソムリエの現場においては、リトライのようなワインが支持される層があったわけです。
そして2005年ころから、米国全体の傾向も少しずつ変わってきました。その理由は定かではないのですが、例えば「濃いだけのワインが10年くらいたって飲んでも、期待したような熟成をあまりしていない」ことがったりとか、新世代のワインメーカーがナパ以外の地域で次々と登場したり、といったことがあったのではないかとレモン兄さんは考えています。
2008年にいわゆるリーマン・ショックが起こり、米国全体が不景気になったのも影響しました。パーカーが100点をつけたワインでさえ売れなくなり、ワインメーカーも点数を追うことよりも、違う方向性を模索するようになったからです。
その後、2010年をすぎて、サンフランシスコ・クロニクルにいたジョン・ボネが「ニュー・カリフォルニア」を著すことで、そういったムーブメントがさらに形になって今に至ります。特に、1990年代から、「ニュー・カリフォルニア」のスタイルを続けてきたテッド・レモン兄さんは、若いワインメーカーのメンター的な役割も果たすようになっています。
さて、いよいよ試飲です。
今回は、2014年のシャルドネが1種に2013年のピノ・ノワールが5種、そして2009年のピノ・ノワール ピボット・ヴィンヤード(Pivot)という7種類でした。個人的にはシャルドネのティエリオットあたりもすごくいいと思うのでシャルドネ1種がちょっとさびしかったのですが、限られた時間でリトライのテロワール表現を味わうための苦肉の選択だったのでしょう。
まずはチャールズ・ハインツのシャルドネです。
レモンやオレンジなどのさわやかな柑橘系の味わいを第一に感じますが、ナッツのような風味もあり、重厚的で複雑なワインです。すごく余韻も長く、素晴らしいシャルドネです。
チャールズ・ハインツの畑は1983年に植樹されており、樹齢約30年とちょうどいいところです。軽い西斜面になっています。リトライでは1994年から同じ7列のブドウを得ており、そのブロックだけは有機栽培を実践しています。新樽率は25%。野生酵母を使い、マロラクティック発酵も自然に行っています。このあたりの作り方は基本的には手を加えないことを主眼にしており、どのワインもほぼ同じです。
最後まで書いていると夜が明けてしまいそうなので、今日はここまで。ピノ・ノワールの試飲は今度こそ次回にお伝えします。
ということで、つなぎのネタで注目のワインメーカーです。マイク・スミスというどこにでもいそうな名前の人ですが、実力は折り紙付き。
かのトーマス・リヴァース・ブラウンの元で修行し、メイバック(Maybach)やアウトポスト(Outpost)、リヴァース・マリーなどを手伝いました。現在はカーター・セラーズなどでワインメーカーを務め、自身のワイナリー「ミリアド(Myriad)」や「キベット(Quivet)」も持っています。
カーターでは既にWine Advocateでの満点も取得済み。今後は大物ワインメーカーの1人になっていく可能性が高いでしょう。
残念ながら、日本に入っているワインはまだ少ないようです。
その中で見つけたのがスカーレット(Scarlett)。実は以前紹介したことのあるワインでした。その後、試飲会で何度か試飲しましたが、すごく安定して美味しいワインです。
スカーレット ワインズ スカーレット ソーヴィニヨンブラン[2014]白(旧マガーファミリーセラーズ)(750ml) Scarlett Wines Scarlett Sauvignon Blanc [2014] |
スカーレット ワインズ スカーレット リザーブ カベルネソーヴィニヨン[2014]赤(旧マガーファミリーセラーズ)(750ml) Scarlett Wines Scarlett Reserve Cabernet Sauvignon[2014] |
カーターはビッグボトルがわずかにあります。
[2009] カーター・セラーズ カベルネ・ソーヴィニヨン コロシアム・ブロック マグナム 1500ml |
レモン兄さん、実はUCデイヴィスなどの正式なワイン教育は受けていません。ディジョン大学で1年学んでいますが、それはデュジャックなどでインターンとして働き始めてからのこと。フランス文学を学び、フランスのワイナリーで働いていたのですから、元々フランス好きなのでしょうね。ちなみに、レモン兄さん、カリフォルニアの出身ではなく、ニューヨーク生まれだとか。地理的に言っても、カリフォルニアより欧州になじみ深かったのは理解できます。
キャリアで特筆すべきなのは1982年から1984年にかけて、ブルゴーニュはムルソーの名家「ギィ ルーロ」で最高醸造責任者を務めたこと。時間がなくて、そのあたり突っ込んで聞けなかったのですが、いきなり最高醸造責任者に抜擢されたというのはよほどの才能なのだろうと思います。
このような名誉あり、やりがいもある職を得たのですから、そのまま続ければいいだろうと思うのが一般人の考えですが、やはり名家ゆえに新しい取り組みができなかったり、一家の跡継ぎが戻ってくるまでの中継ぎだと感じたりしたため、新たなキャリアを探すことになります。
そして、カリフォルニアに渡り、シャトー・ウォルトナーのワインメーカーになります。
ウォルトナーには7年いましたが、その間、レモン兄さんは勉強のためのグループを作り、毎週、世界中のピノ・ノワールやシャルドネを試飲したそうです。グループの中には、マーカッサンのヘレン・ターリー、キスラーのスティーブ・キスラー、ウィリアムズ・セリエムのバート・ウィリアムズなど、錚々たるメンバーがいたそうです。
7年間続けた結果、カリフォルニアでもブルゴーニュと張り合えるだけの品質を持ったピノ・ノワールやシャルドネができるという結論に達しました。
それで、今度は畑探しです。カリフォルニア中を車ではしりまわって探しました。そうして、ソノマ・コーストにワイナリーを開くことになりました。
ただそこで、新たに大きな問題が生じます。リトライを開いた1993年ころは、いわゆるカルトワインのブームが始まったころで、ロバート・パーカーのWine Advocate も、Wine Spectator もボリュームがあって濃いワインに高い点を与えていました。
それに対して、レモン兄さんが始めたかったのは、土地の性質を引き出したワイン。味わいはデリケートです。
お金に余裕があるわけでもなく、ワインが売れないことにはワイナリーを続けることもできません。
彼はこの難局をどう乗り越えたのでしょうか?
そこには一つのキーワードがありました(続きは後編で)
最近、テイスティング・ルームをオープンしたワイナリーは2つ。1つはナパのダウンタウンにアート・ギャラリーとテイスティング・ルームを開いたAcumen Wines。アトラス・ピークで、先日ガロに買収されたステージコーチの隣に畑を持っているそうです。
もう1つはMaxville Lakeワイナリー。ナパの東の方、チリス・ヴァレー(Chiles Valley)にテイスティング・ルームを開きました。
では、このトレンドが続くのかというと、そうでもなさそうです。現在のところ、ナパに投資する中国系のワイナリーは、利益を目的としているよりもライフスタイルのためにワイナリーを購入しているようです。利益目的の投資はどちらかというとフランスに多く、ナパはライフスタイルのための場所と考えられているとか。
過去にはいくつか利益目的の投資もありましたが、それらはあまりうまくいっていないとのことです。
偏見が多分にあるとは思いますが、中国系があまり増えると雰囲気が変わってしまうのではないかと心配になる部分もあります。現在のところはそういう方向に進まさそうで、ちょっとほっとしました。
といっても、本サイトではほとんど前置きなくガッローニやそのサイトヴィナス(Vinous)を取り上げていますが、たまには彼のこともきちんと書いておきましょう。
ガッローニは2004年にイタリアのピエモントのレポートを自身で始め、2006年にWine Advocateのレビュアー陣に加わりました。当時は、パーカーの後継者と思われていたピエール・ロヴァーニがやめたところでした。
2011年にはカリフォルニアやブルゴーニュのコート・ドールといった重要地域を任されるようになり、パーカーの後継者確実と思われていました(Wine Advocate誌に大変革,カリフォルニアとコート・ドールはAntonio Galloniの担当に)。テイスティング能力でもパーカーに勝るとも劣らないのではないかと言われており、プロからも高く支持されていました。ところが2013年に突然同誌をやめてヴィナスを設立(速報:Antonio GalloniがWine Advocate誌を辞め、自サイトオープンへ)。一時はWine Advocateがヴィナスを提訴するなどの問題が起こりましたが、その後和解したようです(詳しいことは明らかになっていません)。
2014年には、これもプロから高く評価されていたステファン・タンザーのIWCを買収(アントニオ・ガッローニのヴィナスがタンザーのIWCを吸収合併)。名実ともにWine Advocateのライバルとしての位置を確立したといっていいでしょう。
そのヴィナスで、このほどシラー種初の満点ワインが誕生しました。カリフォルニアの、というわけではなく、ローヌなどを含んで初めてという意味です。
最近は満点が珍しくなくなったWine Advocateに対し、ヴィナスでは満点はまだまだ珍しい存在。タンザーのIWCも点数はやや渋めにつくと言われています。例えばWine Advocateでシラーの満点ワインを検索すると99もでてきます。カリフォルニアであればアルバンやコルギン、シネ・クア・ノンなどがありますが、それ以上に圧倒的に多いのがローヌのギガルやシャプティエ、シャーヴです。
前置きが長くなりすぎましたが、そのヴィナス初のシラー満点ワインがカリフォルニアでした。ワイナリーはコングスガード。ここもシラーの名門の1つですが、Wine Advocateではまだ最高99点で満点はありません(シャルドネのジャッジでは満点を取っています)。
畑はハドソンでヴィンテージは2014。
なお、2013年のシラーはこちらの記事で試飲しています。
コルギン vs. ムートン、ダナ、コングスガード どれが一番おいしい?
ヴィナスが満点つけたシラー、気になりますね。生産量288ケースと少なく、国内入荷もわずかです。ショップへの追加入荷もまずありませんので、早い者勝ちです。
飲みたいけど高すぎる~という方には、別のハドソン、シラー、いかがでしょうか?
生産量2500ケースという家族経営の小さなワイナリーで、ワインメーカーのボブ・ミューラーはモンダヴィで醸造責任者を務めた後、1989年に奥さんのカレン・マッケンジーとこのワイナリーをオープンしました。カーネロスとオーク・ノールに自社畑があり、すべて自社畑からの生産。2000年にはワイン&スピリッツ誌でエステート・ワイナリー・オブザイヤーを受賞したとのこと。
このワイン、ナパ・ジャズはカベルネ・フランが44%というフラン中心のブレンド。カベルネ・ソーヴィニヨンは28%。これまで2006年と2009年に作られているようですが、日本でだけ売られているようです。日本用に特別に作ってもらったのでしょうか?
カベルネ・フラン好きとしても気になるワインです。
【マッケンジー ミューラー】 ナパ ジャズ [2009] 750ml・赤 【McKenzie-Mueller】 Napa JAZZ |
マッケンジー・ミューラー ”ナパ・ジャズ” ナパヴァレー |
買収にはワイナリーのほか自社畑やダイアトムの権利も含まれるとのこと。
ワインメーカーのグレッグ・ブリュワーは今後もワイン造りを担当するとのこと。
すぐに体制に大きな変化が出ることはないと思いますが、今後が気になります。特にここのブドウを使っているシャトー・イガイタカハの漢字シリーズに関しては、今後はジャクソン・ファミリーとの契約になるのでしょうから心配が残ります。
【追記】
シャトー・イガイタカハの杉本さんは、以下のように書いています。
まず一番最初に感じたのは、あの『Jackson Family』がようやく『STA. Rita Hills』の素晴らしさに気付いんたんだな。という事。LOKOYAを筆頭に、彼らの買収により飛躍的に発展したワイナリーも多く、今回の買収は、Greg Brewer、STA Rita Hillsにとって素晴らしい事だと思います。
漢字ワインに関しては、Greg氏から
『I'm really happy and look forward to continuing with our Ch.igai Takaha wines here in the same way that we always have..』
というメッセージを事前にもらっており、なんの心配もしていません。『our Ch.igai Takaha wines』という言葉に全ての意味が込められていると感じています。
ひょっとしたら、Jackson Familyが、侍、園を気に入り、もっと全世界に販売していきたいとなるかも知れません。笑
まぁ、そんな事にはならないと思いますが、Gregと美代子女将と僕の3人が漢字ワインで表現したかったのは『STA. Rita Hills』のぶどうを使った『日本人の舌、感性に合うワイン』を提供するという事であり、この気持ちに変化はありませんし、今回の買収によって影響を受けるものではありません。ご心配なく。
また『Diatom』のワインは僕が輸入する事が決定しており、今、神戸港に向かって太平洋上を進んでいます。6月後半か7月にはリリースできると思います。ご期待下さい。
記事によると、ナパとソノマだけで65ものワイナリーがスパークリングワインを作っているとのこと。数年前は12だったそうですから、まさに急増です。ペジュー・プロバンス、デル・ドット、ヴィアンサ、セハ、ケラー・エステート、ローゼンブラム、パッツ&ホールなどが最近始めたワイナリーの例で、かなりの有名どころが含まれています。
スパークリングワインの消費は、過去2年で10%以上伸びているとのこと。ミレニアル世代が、イタリアでプロセッコを食前酒として飲むのを真似ているのがその大きな要因だとか。
また、ソノマのラック&リドルのようにスパークリングワインに特化したカスタムクラッシュ(ワインの製造を請け負う業者)が登場していることも後押ししているようです。前述のワイナリーの大半はそういった業者を使っているものと思われます。ワイナリーはスティル・ワインを作り、それを持ち込むことでスパークリングワインを作ってもらえるそうです。
さらには、シャンパーニュと提携するワイナリーも出てきました。JCB系のブエナビスタは自社ブランドでシャンパーニュを売っていますし、ソノマの人気ワイナリー、ジョーダンもシャンパーニュハウスと提携しました。ワインの種類を増やさないことで知られているジョーダンがシャンパーニュと手を組むというのは興味深い動きだと思います。
2004年にそのワイナリーを売却。2006年まではワインメーカーとして在籍しましたが、それもやめて始めたのがアリシアン(Alysian)でした。
少量生産でのワイン作りを行っていましたが、2012年を最後にワインメーカーを引退してしまいました。
アリシアンのワインは当初日本にも入荷していましたが、ここ5年ほどはそれもなくなり、もう彼の名前を知っているのも、もしかすると古いファンだけなのかもしれません。
そのアリシアンで、ゲイリー・ファレルが最後の時期に作ったワインが今になって日本に入荷しています。
柳屋のページの説明によると、日本の代理店が決まった後、最近のヴィンテージのものがもう売り切れているため、ライブラリーストックにあったワインを出荷してくれることになったそうです。柳屋では今回のワイン、「この半期のMVP」と称しています。
ソノマのパイアニアが作ったワイン、入手できるのはこれが最後かもしれません。
2000年代に2003年、2005年、2007年とWine Advocate誌で100点を取り、米国のカベルネ・ソーヴィニヨンでは最高峰の1つとみなされているワインです。入手が大変なことでも知られているワインですが、今回は2万円台という破格の価格で出ています。Wine Advocate誌で98点以上のものを紹介します。
2002年は当初ピエール・ロヴァーニが100点を付けましたが、その後ジェブ・ダナックが98点に修正しています。
2004年は99点から98点に修正。
2009年は99点
2012年は98点
2010年は98+
リストを見ていて気付いたのですが、いつのまにかカレラのジェンセンや、セレックも出てますね。
セレック2010は95点。
【春のカリフォルニアワインフェア2017】カレラ ピノ・ノワール "セレック" [2010] |
2006年のジェンセンは89点。
【春のカリフォルニアワインフェア2017】カレラ ピノ・ノワール ジャンセン[2006] |
2009年は97点。これはかなりお買い得。米国では200ドル超えています。
【春のカリフォルニアワインフェア2017】カレラ ピノ・ノワール ジャンセン[2009] |
今回は朝7時半に出発。高速の渋滞予想も出ていなかったので、それほど大変ではなかろうと考えていました。途中多少の混雑はあったものの、ほぼ順調に河口湖まで到着。その後の渋滞もさほどのことはなく、10時過ぎには到着しました。ただ、駐車場は混み合っていそうだったので、臨時駐車場にとめてシャトルバスで会場と往復。結果的には待ち時間もなく、駐車料金もなかったためラッキーでした。
芝桜はピークは過ぎていたようですが、まだまだ十分見頃。どこも人だらけなのには多少閉口しましたが、こればかりはしょうがない。
芝桜はきれいですが、種類はそれほどないので、一通り回るともういいかな、という感じ。1時過ぎには会場を出ました。
多少時間がありそうだったので、せっかくここまで来たのだからと、富士の「氷穴」を見に行きました。深さ20mほどの竪穴で、中の気温は0℃程度。一番下には万年氷があります。溶岩流の後も間近で見られて面白い。
その後は、最後の目的地山中湖の「花の都公園」です。昨年来たときは富士山がきれいでしたが、今日は曇って見られず。でもチューリップは見頃でよかったです。
珍しく200mmのズームレンズを付けてみたら、花と人の写真がなかなか面白く撮れました。お見せできないのが残念(笑)。
山中湖から、スマホナビの指示通り走ったところ、高速を使わずに帰宅。それでも2時間半かからず、前回の15時間ドライブは何だったのか、という感じ。
ただ、帰りにサービスエリアでおみやげ買おうと思っていたあてがはずれてしまい。おみやげなしだったのはちょっと残念でした。
今回は芝桜リベンジできたほか、花の都公園にも回れたし、予定外の氷穴まで見られて満足でした~
ワイナリー紹介はこちら
Scarecrow Wine: Inglenookの遺産を継ぐもう1つのプレミアム・ワイナリ
ナパで一番古いカベルネ・ソーヴィニヨンと言われている1945年に植えられた畑というだけでもワクワクするものがありますが、評価もそれに見合ったものになり、セカンダリー・マーケット(オークション)でも人気。Liv-exのインデックスに、オーパス・ワン、スクリーミング・イーグルと並んで取り入れられています。
数年前は国内価格7万円くらいからありましたが、今や10万円前後。ほかのワインの値上がりを考えると特別に高くなっているわけではありませんが、庶民にはなかなか手の出ないワインです。
セカンドのMエタンなら3万円強。こちらも2014年はWine Advocate誌で94点。こちらも評価は高く、セカンドではなく「セカンド的」な位置づけと言われています。同じような立場のワインだと、ハーランのメイデンがありますが、メイデンは最近のものは4万円台。評価はMエタンの方がやや上(2014年はメイデンも94点と高評価ですが、それ以前は92、93点くらい。Mエタンはだいたい94、95点)。ファーストの価格もどっこいどっこいですから、Mエタンはお買い得感がありますね。オーパスより安いですし。
ちなみにスケアクロウという名前は創設者が映画『オズの魔法使い』のプロデューサーだったことから付けた名前。Mエタンは、登場人物である「ブリキ男」のフランス語表記です。
過去の報告は
順調に成長を続けるナパの観光産業
2012年のナパの観光客は300万、9割以上が「また来たい」
をご覧ください。
年間の観光客数は330万人から350万人に増加しました。
また観光客が消費した額は2年前の前回調査の16億3000万ドルから19億2000万ドルと17.5%も伸びました。
このうち69.9%は宿泊客による消費で、一人1泊あたり401.59ドル消費している計算になります。ちなみに日帰り客の平均は146ドルと約1/3。
海外からの観光客では中国がついにカナダを抜いてトップに。
例えば、今回紹介するナパのシャルドネ2014はWine Spectator で95点、実はワイン・オブ・ザ・イヤーの2013カベルネと同じ得点です(このワインもトップ10くらいに入る可能性ありそうです)。このヴィンテージに限らず、同誌の評価はずっと90点台。キスラーあたりと比べても遜色ない評価です。
しかも価格はずっと安いのに、なぜかあまり気にされていない感じがするんですよね。
理由をいくつか考えてみました。
ルイスのイメージがシャルドネと合わない(ラベルはやや野暮ったさを感じるし、全体に重々しいイメージがある。オーナーがレーサーだった、そこまで気にする人はレアだろうけど)。
ナパのシャルドネというのが時代遅れのイメージ(ハイドやハドソンもあるし、コンガスガードもナパなんですけどね)。
畑名ではなくAVAというのがランク下に見える(自社畑を持っていないので、購入ブドウで畑についても細かい情報が出ていないのは確かに気になるところではあります。ただ、単一畑よりブレンドの方が美味しくなるというのも珍しくない話)。
樽もしっかり使って濃い系の作りが時代遅れ(トップクラスのシャルドネはどこもしっかりした作りだし、そういうのが好きな人の方が普通でしょ)。
Wine Spectator以外ではあまり評価されていない(Wine Advocateにはほとんどレビュー載ってないんですよねえ。パーカーが嫌いなのかな?)
と、いつくつか考えてみましたが、AVAのところ以外は根拠薄弱ですね。
まあ、与太話はさておき、このワインはお買い得だと思います。IPOBじゃなきゃ飲まないって人でなければおすすめ。
《ルイス》 シャルドネ ナパ・ヴァレー [2014] Lewis Chardonnay Napa Valley 2014 750ml [ナパバレー白ワイン カリフォルニアワイン] |
ルイス シャルドネ ナパ・ヴァレー [2014] (正規品) Lewis |
■ワイン会詳細
日程:2017/5/23(火)
時間:19:00~
会場:ワッシーズ・ダイニング・スープル
募集人数:20名様 (先着順)
会費:18,000円(税抜)
リトライに関しては
Littorai Wines: 才人Ted Lemonの率いるエレガント派の急先鋒
を参照。また私の過去の試飲記事はリトライのシャルドネ/ピノ・ノワールを9種類試飲、個人的ダントツトップはやはり…
リトライ試飲第2段、意外な旨さのシュナン・ブラン
です。
過去記事にも書いていますが、リトライのテッド・レモンはブルゴーニュの一流ドメーヌでヘッド・ワインメーカーをしていた才人。現在はソノマ・コーストで冷涼な畑からのピノ・ノワールとシャルドネを作っていますが、ソノマ・コーストのパイオニアであり、多くのワインメーカーから尊敬され、アドバイスを求められています。2010年にはSFクロニクルバレていますワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。
申込みはこちらから
ワッシーズイベント予約フォーム
こういった姿勢ですから評論家には支持されていないのかというと、実はそんなことはなく、例えばWine Advocate誌では2003年以降、ハウエル・マウンテンで94を下回る点は付いていません。
このほど日本に入荷した2013年は同誌で95-97、アントニオ・ガッローニのヴィナスではなんと98点がついています。ロバート・パーカーによると飲み頃も2014~2040年とのことで、長熟型は相変わらずながら、飲みやすさも増しているのかもしれません。なお、97点をつけているデカンター誌は2070年!まで飲めるとのこと。もう私は生きていませんが(笑)。
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ダン・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニヨン "ハウエルマウンテン" ナパ・ヴァレー [2013] … ≪歴史的超大作完成≫ ●[AG98点/DC97点/RP95-97点] … | ||
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【98/97/97】史上最高 ■孤高の山カベ・アーティスト。過熱を嫌う、ハウエルマウンテンのカリスマによる無二のマスターピース!【Dunn Cabernet Sauvignon "Howell Moutain" Napa 2013】 < 今、ダンは孤高の域… |
さて、紹介するもう1つのカベルネはジンファンデルで有名なターリー(Turley)のもの。ナパの自社畑で1980年代から有機栽培しているカベルネ・ソーヴィニヨンを満を持して2010年ころから作っています(Turleyブランドでは2012年から)。2013年はWine Advocate誌で91点、ヴィナスは92点。日本には初上陸です。
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ターリー カベルネ・ソーヴィニヨン "エステート" ナパ・ヴァレー [2013] (正規品) Tur… ≪国内初陣。ジンの帝王が、ナパ・カベ造り!≫ ●[AG92点/RP91点] … | ||
10260円(税込み,送料別) | ||
【出現!】本邦初公開■ついに上陸…ジンファンデルの帝王、ターリーより、ナパ・ヴァレー産カベルネ!!!!【噂の品、解禁。】【Turley Cabernet Sauvignon "Estate" Napa Valley 2013】 * * * 楽天初登場 * … |
これまで紹介したリースのワイン
最近飲んだワイン~リース・ピノ・ノワール・ファミリー・ファーム・ヴィンヤード2012
最近飲んだワイン~リース(Rhys) ピノ・ノワール・ベアワロー・ヴィンヤード 2012
最近飲んだワイン:リース・ピノ・ノワール・アルパイン・ヴィンヤード2013
畑の場所は先日のアルパインから0.5マイル(800m)ほどしか離れていませんが、丘を一つ越えるため、アルパインよりは少し暖かいそうです。また、地質は大きく異なっており、ここはシェールの地層。とても水はけがいいとのことです。
色はアルパインと同様やや濃い目ですが、アルパインに感じた「濁り」はないようでした。ラズベリーの香り。透き通った酸がきれいです。最初は赤系の果実が勝った印象ですが、飲み進めるにつれて、ブルーベリーの印象がでてきます。鉱物的なニュアンスも少しあります。
全体の印象はアルパインにかなり近いです。敢えて言うならこちらの方がより引き締まった感じがしたかも。カリフォルニアのピノなんて、と思っている人に飲んでもらいたいワインです。
ちなみにWine Advocate誌では95+点です。
ゴールデンウイーク、遠出はしなかったのですが、家族がどこかに出かけたいというので、富士山のふもと、本栖湖の近くで開催されている「芝桜祭り」に行ってみることにしました。昨年は、山中湖の近くにチューリップを見に行ったのですが、今年はチューリップの開花が遅れていてまだ3分咲き程度ということだったので、芝桜に行くことにしたのでした。
家を出たのは10時ころ。富士山まで行くのにちょっと遅めですが、昨年は11時ころ出発だったことを思えばまだマシです。スマホのナビは渋滞で3時間半くらいかかると言っています。
ランチはコンビニおにぎりで、途中のパーキングエリアで済まし、大体予定通り、1時前くらいに河口湖のインターに着きました。
そこから本栖湖方面まではまだ20km。かなりの道のり、しかも渋滞です。途中からは芝桜まつり会場への「迂回路」の方に回りましたが、最初は空いていたもののやはり途中からは大渋滞。このままでは5時の閉園に間に合うかどうかというところ。この道は青木ヶ原の樹海のところで、スマホの電波もなかなか入らないくらい。
なんとか電波がつながったところで電話して聞いてみたところ、6時半までは開けるということだったので、そのまま進みます。
しかし…、残り5kmくらいのところで右折してからは、10分で100mも進むかどうかという大渋滞。しかも進むのはほとんど、あきらめてUターンして帰った車の分という感じです。さらにこの道、店もなにもなくトイレにもいけません。
結局6時半くらいに仮設のトイレがあるところを通り、そこで用を足して、Uターンすることにしました。
唯一の収穫は車から見た富士山がきれいだったこと。
帰りの青木ヶ原もまた1時間ほど渋滞。中央高速も30kmほど渋滞でしたが、それまでの渋滞に比べたら全然楽でした。
家に帰ったのは夜中の1時半過ぎ。結局15時間半、ほとんどドライブだけしていたことになります。さすがに疲れました。
あまりに達成感がなかったので、翌日は横浜の「全国都市緑化よこはまフェア」を見に行くことに。中華街でおいしいランチ食べて、山下公園から象の鼻、日本大通りで花を見て、こちらはそれなりに充実して時間をすごせました。
さて、富士山は来週リベンジに行くそうですが、どうなることでしょうか。
いい肉なので、味付けもせず、シンプルに焼いて、焼肉のたれ(モランボンのと塩レモンの2種類)を付けて食べました。家で焼肉なんて久しぶりでしたが、なかなか美味しかったです。肩ロースはかなり霜降りでしたが、脂がしつこくなく、食べやすく美味。腕肉はちょっと硬い筋がありましたが、それを除けば赤身で肉の味が堪能できます。豚バラは脂が旨く、個人的には牛肉より好きかも。
【ふるさと納税】宮崎和牛・宮崎県産豚 焼肉セット |
ワインは前日に開けたピノ・ノワールもあったのですが、焼肉のたれにはやっぱりジンファンデルだよなあということで、セント・フランシスのリザーブ・ジンファンデル2004。
熟成して甘みよりも酸味がやや勝っていましたが、肉とワインは最強コンビですね。珍しく1日で半分以上飲んでしまいました。
今日はプロバイダの障害で、パソコンからネットにつながらず、スマホからの更新です。困ったもんです。
アマゾン・プライム会員になっていない人は30日間の無料体験も可能です。
プライム会員を無料体験
ちなみに、Fire TVなどを使えばパソコンではなく普通のテレビでも見られます。また、僕はもっと安直にパソコンからHDMIケーブルでつないでテレビで見ることもあります。
それで、ワインの映画でも見ようかと思い立ったわけですが…
実はこのブログでも人気記事の1つに「ワイン映画の歴代トップ10は?」があります。
ここに出てくるワイン映画をプライムビデオで調べたところ、残念ながら無料で見られるのは「サイドウェイ」だけでした。
サイドウェイ(字幕版)
この映画は多くの人がご存知だと思いますが、米国におけるピノ・ノワール・ブームの立役者とも言われています。また、メルローをディスったことでも有名です。ワイン以外に映画としてよくできているので、もしご覧になったことがなければぜひ見ることをお薦めします。
というわけで、それ以外にワインが出て来る映画をいくつか探しました。
ぶどうのなみだ
これは大泉洋さん主演の邦画です。北海道でピノ・ノワールを作っている話ですが、内容はメルヘンタッチとのこと。お金を出して見るのはどうかな、という気もしないでもないですが、映像の雰囲気はよさそうです。
A Year in Burgundy
こちらはドキュメンタリーで、ブルゴーニュでのワイン作りの1年を追ったものです。英語です。
Wine Oh TV
こちらは、ワイン講座のシリーズです。英語です。
無料ではないですが、Amazonビデオで有料で見られるものもあります。
SOMM(400~1000円)
マスターソムリエの試験を目指す人達を追った映画。マスターソムリエになるのはとても大変です。
サイドウェイズ(400円)
こちらは日本版の映画。小日向文世さんが主役。鈴木京香さんがヒロイン役です。オリジナルがサンタ・バーバラを舞台にしているのに対して、こちらはナパ。ニュートンやダリオッシュがふんだんに出てきます。
トップ10を紹介します。
1. Screaming Eagle Cabernet Sauvignon, Napa Valley
2. Caymus Vineyards Cabernet Sauvignon, Napa Valley
3. Scarecrow Cabernet Sauvignon, Rutherford
4. Caymus Vineyards Special Selection Cabernet Sauvignon, Napa Valley
5. Shafer Vineyards Hillside Select Cabernet Sauvignon, Stags Leap District
6. Penfolds Bin 707 Cabernet Sauvignon, South Australia
7. Robert Mondavi Winery Reserve Cabernet Sauvignon, Napa Valley
8. Dunn Vineyards Cabernet Sauvignon, Howell Mountain
9. Concha y Toro Don Melchor Cabernet Sauvignon, Puente Alto, Chile
10. Silver Oak Cellars Cabernet Sauvignon, Alexander Valley
トップ10のうち8本がカリフォルニア、うち7本がナパのワインという圧倒的なナパ人気です。ただ、意外なことにオーパス・ワンは入っていません。カベルネ・ソーヴィニヨンと名乗っていないから除外対象なのでしょうか。普通位考えたらトップ10に入らない理由はないと思います。
スクリーミング・イーグルやスケアクロウはオークション市場でも人気の高いワインで、Liv-exのインデックスの計算にも入っているくらいですから、上位はうなずけますね。
ケイマスが未だに高い人気なのはちょっと驚きました。しかも2位と4位。ワイン・スペクテーターの年間ベストワインを2回獲得したという実力によるものでしょうか。
5位のシェーファーはうなずけるところ。ヒルサイド・セレクトはカベルネ100%で作られており、カリフォルニアのベスト・カベルネといっても過言ではないでしょう。
7位のモンダヴィは、特別評価が高いというワインではありますが、やはり人気高いのですね。
8位はダンのハウエル・マウンテン。ダンの評価は年を経るごとに上がっていっているようなきがします。
10位は唯一ソノマのワイン。シルバーオークはナパよりもアレキサンダー・ヴァレーの方が人気が高いです。
かなり細かく具体的に記されているようです。ラベルに書くのはわかりますが、コルクに書くのは斬新で面白いですね。
このほど修理と改装が完了し、5月6日にリオープニングのイベントが開催されます。
昨年訪問したときはまだ工事中でした。無事に直ってよかったです。
トレフェセンはナパのオークノールにあり、ワイナリーの周りに多くの自社畑を持っています。ピノ・ノワールやシャルドネなどに向く涼しいカーネロスと、暖かくてカベルネ・ソーヴィニヨンなどに向くヨントヴィルの間に位置することから、涼しい土地向けのブドウも暖かいところ向けのブドウも作れるのが面白いところです。
トレフェセン カベルネ・ソーヴィニヨン "エステート" オークノールディストリクト(ナパ・ヴァレー) [2012] (正規品) Trefethen Estate |
カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランは、生産量としては下降気味なのですが、品質は上がっている気がします。おそらく、安い価格帯の白として、ピノグリとかが普及したため、やや高級ワイン方面にシフトしているのではないかと、思っています。品質的にも、香り高いソーヴィニヨン・ムスクをブレンドしたものも増え、軽くてさっぱりとしたワインというイメージから、高級ワイン系にシフトしているようです。
近年では、スクリーミング・イーグルのソーヴィニヨン・ブランが、1000ドルをはるかに超える高価格で取引されるなど、イメージも上がっているのではないでしょうか。
このゴールデンウィークは天気も良く(本日は雷雨が予想されていますが)、気温がかなり上がる日もおおそうです。ソーヴィニヨン・ブランを開けるのにいい陽気になってきましたね。
これはソーヴィニヨン・ブランの中でも長期熟成した異端的ワイン
カリン リヴァモア・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン [2001]KALIN Livermore Sauvignon Blanc白ワイン アメリカ カリフォルニア |
美味しいソーヴィニヨン・ブランが飲みたいとき、まずはこれ。
スポッツウッド ソーヴィニヨン・ブラン ナパカウンティ&ソノマカウンティ [2014] (正規品) Spottswoode |
ラベルに目をひかれますが、ワインも美味しいですよ。
マリリン ソーヴィニヨン・ブラン "ソーヴィニヨン・ブロンド" [2015] (正規品) Marilyn Sauvignon Blonde |
ワイン&スピリッツ誌の2016年ベスト・ソーヴィニヨン・ブラン米国代表
ブランダー ソーヴィニヨン・ブラン "オゥ・ナチュレ" サンタイネツヴァレー [2015] (正規品) Brander au Naturel |
ナパを代表する人気ソーヴィニヨン・ブラン
メルカですよ!メルカリじゃありません
メルカ メケラ ソーヴィニヨンブラン ラ メケラ ヴィンヤード ナイツヴァレー[2012]メケッラ Melka Mekerra SauvignonBlanc La Mekerra Vineyard Knights Valley[2012] |
シルバーオークはナパのオークヴィルとソノマのガイザーヴィルの2カ所にワイナリーを持っており、オークヴィルではナパのカベルネを、ガイザーヴィルではアレキサンダー・ヴァレーのカベルネを作ってきました。2017年夏にはソノマの設備をヒールズバーグの近くの新しいファシリティに移す予定で、ガイザーヴィルのワイナリーからは元々出る予定になっていました。新しいワイナリーでは生産量を10万ケース(現在は5万5000ケースほど、最大7万ケース)に増やすとともに、環境に配慮したさまざまな機能を取り入れるようです。
一方、マイケル・デイヴィッドはワイナリーのほか12エーカーのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑も手に入ることになり、ソノマのワインも今後手がけていく意向です。ただし、テイスティング・ルームの開設などは未定としています。
そして、パッツ&ホールの創設者の一人であり、マーケティングを担当していたドナルド・パッツ氏が日本時間の4月28日、パッツ&ホールをやめたことをFacebookで表明しました。
「 After the sale of PATZ & HALL last year my departure was just a matter of time.」とのことで1年前の買収から、やめることは決めていたことが分かります。
今後については具体的なことは明らかにしていませんが、新しいワイナリーを始めるのだろうかと想像しています。
ただ、親日家でたびたび来日していたドナルド・パッツ氏がいなくなることでパッツ&ホールの今後の日本でのプレゼンスがどうなるのかはちょっと心配なところです。個人的には最初にメーリングリストに登録したワイナリーであり、思い入れがあります。まずは、今後のドナルド・パッツ氏に期待したいと思います。
うどんこ病は、発生するための温度や湿度がわかっていますが、その条件を満たすたびに予防用の薬をまくのでは、サスティナブルが重視される今のワイン作りにおいて問題です。
そこで、最新のツールでは、うどんこ病の菌が実際に含まれているかどうかを空気から調べ、存在しているときのみ、薬をまくようにします。ただ菌があるかどうかだけでなく、実際にうどんこ病になっていく状態かどうかをDNAで調べるのだそうです。
ただし、年間使用料は1600ドルとそれなりにします。開発元は、今年は80セットを出荷すると結構な自信を持っています。
サスティナブルもやはりお金がかかりますね.
テメキュラは1960年代にワイン作りが始まった地域ですが、1990年代末期にはピアス病によって壊滅的な打撃を受けました。被害の少なかったワイナリーでも40%のブドウの樹を失うほどの被害でした。
ただ、これによって畑の植え替えを強いられたことが、結果的には品質の向上に結びついたという面もあるようです。
テメキュラの最大のメリットは立地。ロスアンゼルス、サンディエゴ、オレンジカウンティから近く、車で2時間以内の範囲に2000万人の人口を抱えます。
それを活かしてのワインツーリズムを狙って、中国資本が次々と投入されているとのこと。現在のワイナリーの数は40ほどですが、2020年には100と倍増以上になりそう。
そのうち少なくとも5つは中国系のプロジェクトで、中でも最大規模のTwelve Oaksというワイナリーはホテルも備えたリゾートとして開発されているとのこと。2019年のオープンを予定しています。
ロスアンゼルスから比較的近いワイン産地というとサンタバーバラがありますが、LAの空港からでも2時間半くらいかかったと思います。まして、オレンジカウンティなど南の方からは相当な道のりになります。ちなみに映画サイドウェイはサンディエゴから旅に出ていましたから、やっぱり特別なときに行く感じだったのでしょうね。
これからはLAに旅行に行った際に、テメキュラ訪問も考えていいかもしれません。
「セブン‐イレブンのスイーツが、かつてないほど新しく生まれ変わります」とのことで、今回は新しくなった4種類ものスイーツを一気に試食です。
まずはシュークリーム。こrまでの「とろりんシュー」から「THEセブンシュー」へと生まれ変わります。
コンビニのシュークリーム、これまでのものも美味いのですが、クリームのカスタード感が弱いのがやや難点でした。とはいえ、たったの100円ですから十分、と思っていましたが、今回はクリームが全く新しくなっています。玉子として「エグロワイヤル」というブランド卵を使っています。欧州の玉子の味を再現したいということで飼料から見直した玉子だそう。価格も相当違うようです。バニラもバニラビーンズを使っており、シュー生地にはバターを加えています。さらにクリームも75gから80gに増量。
とろりんシューと食べ比べということで、まずは外観から。
見た目はほとんど変わらないです。外側の香りも大きな違いはありませんでした。
割ってみます。
上が「とろりんシュー」で下が「THEセブンシュー」ですが、とろりんシューはクリームがトロトロで、すぐにこぼれそうになるほど。また、中に空間があることから、割ると真ん中は凹んだ形になります。
それに対して新しい「THEセブンシュー」はそもそも生地を2つにわけてもクリームが分かれてくれません。粘度が全然違います。また、クリームが一杯にはいっていて、盛り上がって見えるほどです。
食べてみると、とろりんシューは名前のとおり、とろりとした食感で、液体のように口の中に入ってきます。味はミルクっぽさを少し感じます。それに対してTHEセブンシューは甘みが強く、濃厚な味わい。ミルクっぽさはほとんどありません。これはレベルが高いクリームです。敢えて文句をつけるなら、シュー生地が若干クリームに負けているかも。もう少し歯ごたえのあるシュー生地だったらもっと嬉しかったです。
とはいえ、これまでのコンビニシュークリームとは完全に一線を画すレベルのクリームです。特にカスタード好きな人にはお薦めです。
なお、値段は130円と少し上がっていますが、原料を考えたらしょうがないですね。100円台前半でこれほど美味しいものが食べられるというだけでも満足です。
次はロールケーキのセブンロール。ここからは新作のみの試食です。
写真が下手すぎてへこんでます…
こちらはシュークリームとは対称的にホイップクリームを楽しむもの。今回は微粉砕の小麦粉を使ってロール生地の口溶けをよくするなど、口溶けにこだわったそう。
食べてみると、まずホイップクリームのミルク感が強いです。確かに口溶けよく、甘みはシュークリームよりも弱く感じます。ホイップクリーム好きな人にとってはたまらないのでは(僕はどちらかというとカスタード派です)。
3つめは打って変わって「豆大福」。
これは十勝産の小豆を使っています。また、餅は工場で実際にもち米をついて作っているとのこと。写真で餅の内側に豆が見えると思いますが、これが豆大福の豆で意外とたくさん入っています。少し塩味があり、あんこの甘さと絶妙にマッチします。餅もよく伸びて、食べにくいほど。甘さ控えめでもう4つめのスイーツだというのに、あっという間に一個食べきってしまいました。個人的にはこの味は大好き。
ただ、若干食べにくいのと、外側に粉がたくさんついているので、会社のおやつにできないんですよね。机が粉だらけになってしまいます。豆大福なのだからしょうがないことですが、これが解決されるととてもうれしいです。
最後はセブン得意の和洋折衷スイーツで「生どら焼」。これも十勝産の小豆を使っていますが、どら焼き用に、皮残りが少ないようにしているとのこと。さらにホイップクリームがたっぷりと入っています。記事は専門店のように銅板で焼いています。
ふつうどら焼きというと、生地の両端は閉じているものですが、これはホットケーキのように層になっています。厚みは5cmくらいあります。
割ってみました。
本当に、あんこもホイップクリームもたっぷりはいっているのがわかると思います。皮の香ばしさにホイップクリームの滑らかさ、あんこの甘みとコクが混じり合って、とても美味しい。大きさもたっぷりで、これはとても満足感の高いスイーツです。
今回のスイーツ、シュークリームと豆大福は既に発売されています。ロールケーキと生どら焼は2017年5月2日からだそうです。
試食会では、セブンイレブンのこだわりもいろいろ聞けてとても勉強になりました。これだけのレベルのものをこの価格で全国で販売するのだから、ほんとすごいです。
セブンイレブンは大手3社の中では我が家からは一番行きにくいのですが、ちょっと通ってしまいそうです。
昨年の報告は
2年めのソノマ郡バレル・オークション、昨年実績の1.5倍と好調
今年の落札総額は79万4500ドル。昨年の69万3800ドルより、約10万ドル上回りました。
1番の注目は今年もピノ・ノワール。2年連続で、コスタ・ブラウンの提供したロットが1位になりました。「The Shire of Freestone 」というタイトルで、ソノマ・コーストの複数の畑のブレンドになるようです。落札額の6万ドルも新記録ですが、20ケースなので、1本あたりは285ドル程度。10ケースで4万6000ドルだった昨年を下回ります。
ちなみに1ケースあたりの落札額のトップはプライド・マウンテンで4000ドル。ワインはカベルネでサミット・キュベの25周年となっています。
また、落札額の2番目はシルバーオークのアレキサンダーヴァレー、カベルネです。
3番目はウイリアムズ・セリエムのピノ・ノワール。
ソノマ郡のバレル・オークションはナパに比べると落札額も低く、1本あたり100ドル以下で落札されるものが大多数で、参加への敷居は低そうです。実際、日本から参加された方もいたようです。
それによると答えは「No」とのこと。
これはフロリダ大学のIFAS(Institute of Food and Agricultural Sciences)の学生による研究で、オンラインの業者が販売したデータを元に調べたとのこと。
イタリアのトスカーナの50ワイナリーによる444種の赤ワインのデータで、購入者はイタリアと米国のコンシューマーです。ちなみにワインの31%がオーガニックで、そのうち42%がオーガニックとしての認証を受けており、さらにそのうちの24%(全体の約3%)がオーガニックとラベルに歌っています。
この研究では価格に影響しそうな様々な要素(評論家のポイントなど)を調べた結果、オーガニックかどうかは影響しないという結果になったようです。
ちなみに、以前「「サステイナブル」のワインは高く売れるのか」という記事を書いていますが、そこではサスティナブルなワインに対して1本あたり7ドルも高く払うという結果が出ています。また、「バイオダイナミック」や「ナチュラル・ワイン」という言葉よりも「サスティナブル」の方が受けがいいとなっていたとのこと。
こちらは消費者に直接調査して、多く支払うかどうかを聞いたもの。今回のはおそらく重回帰分析などでその因子の価格に対するパラメーターを計算したのだろうと想像しています。
調査手法が全く違うので、この2つの結果は矛盾するともしないともいいがたいものがあります。
個人的には、今回の調査はオーガニックとラベルに書かれたものの比率がかなり低い上、ラベルに書かれていない場合に消費者がそれを知っていたかどうかが分からないといった要素もあり、ちょっと分析としては弱いような気がしていますが。
生産者(や販売者)にとっては、オーガニックにするかどうかというのはポリシーでもありますがエコノミクスでもあるわけで、この手の調査は気になりますね。
また、日本で似たようなことを調べた結果があるのかどうかも知りたいところです。
今やワイン消費でも中心になってきたミレニアル世代がマリファナ消費でも中心になります。そして、その世代の34%がビールの代わりにマリファナを18%がワインの代わりにマリファナを嗜むようになるとしています。蒸留酒からの置き換えは14%。
マリファナがこういった酒類に取って代わる理由としては「安全、コスト、健康」があるとのこと。マリファナの方が酒より安全で安く、健康にも悪くないと考えられていることがわかります。
マリファナとワインに関しては、ワイナリーが一部でマリファナを作り始めるといった話も出ています(Sonoma makes way for cannabis wine)。
いずれにしろ、今後数年はこのトピックは注目されそうです。
なお、州単位で娯楽目的のマリファナが解禁されていますが、米国全体としてはまだ所持も使用も認められていないことには注意が必要です。例えば日本からの旅行者が現地でマリファナを吸った場合、その後の入国や出国に際して問題になる可能性があります。旅行者は安易に飛びつかないようにしmしょう。
オーヴィッドは2005年からワインを作り始めた比較的新しいワイナリー。畑の管理に最初から有名なDavid Abreuを使うなど、手間暇かけたワイン作りで高い評価を得ています。例えば2013年のHexameter(カベルネ・フランの比率の高いブレンドもの)はWine Advocate誌で99点という評価。
売却の理由などは明らかにされていません。また、ワインメーカーなどワイン作りにも変化はありません。
【追記】イヴニングランドが増えて手が離せなくなったため、現在はストルプマンのワインメーカーはやめてしまったそうです。
過去記事:
IPOBミニインタビューその4――ラジャ・パー、サシ・ムーアマン/サンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コート、ピエドラサッシ
IPOB解散――メンバーはどう受け止めたか(サシ・ムーアマン)
サンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コート、イヴニングランドはいずれもIPOBの発案者であるラジャ・パーとともに手がけるプロジェクトであり、ラジャ・パーが前に出ている印象がありましたが、ワインメーカーはサシ・ムーアマンであり、実際に果たしている役割は非常に大きいようです。
今回のセミナーは、そのサンディとドメーヌ・ド・ラ・コートを中心としたものでした。このワイナリーはどちらもサンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズのブドウを使ってワインを作っています。ドメーヌ・ド・ラ・コートは自社畑専門、サンディの方は購入したブドウ専門でワインを作ります。サシ・ムーアマンによると、「サンディはフィロソフィーを重視」しており、いわゆる自然派ワインに非常に近い作りで、リリース直後から美味しく飲めるようになっています。一方、ドメーヌ・ド・ラ・コートは土地を引き出すことを目標としており、熟成向けワインです。
セミナーではドメーヌ・ド・ラ・コートの各畑の特徴なども解説されましたが、面白かったのが2007年に植えたメモリアスという畑。海からの強い風にさらされるドメーヌ・ド・ラ・コートのは畑の中でも一番涼しいところにあります。
この畑の横ではブドウを接ぎ木ではなく種から育てるプロジェクトをやっています。ピノ・ノワールの種から育てた1万本もの木があるそうです。まだようやく実を付けるようになってきたところで、これからブドウの色や味などを調べ(ピノ・ノワールから、ピノ・ブランやピノ・ムニエのような白ワイン系のブドウが生まれることもあるので)、また花が雄しべも雌しべも持ったものでなければいけない、など実際に使えるブドウを選ぶためには多くのハードルを超えないといけません。1万本のうち本当に使えるのは100本ほどしかないかもしれないとのこと。そうして選んだものを今度は接ぎ木できるように増やすことも必要で、とにかく大変時間がかかります。彼は25年プロジェクトだと言っていました。というわけで、今のメモリアスの畑でそれらのブドウが使われているわけではありませんが、大変夢があるプロジェクトだと思います。
今回の試飲はちょっと変わった趣向で、ブラインドで行われました。ピノ・ノワール3種、シャルドネ3種を飲んでどれがどのワインかを当てるというものです。
ピノ・ノワールはドメーヌ・ド・ラ・コートのブルームス・フィールド2013のほか、ゴールデンアイのゴーワン・クリーク2013、ブルゴーニュからドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブールのニュイ・サン・ジョルジュ1級「レ・ヴィーニュ・ロンド」2013でした。ゴールデンアイやダックホーンがアンダーソン・ヴァレーに持つワイナリー。位置は北ですが、多少内陸に入るので、ドメーヌ・ド・ラ・コートよりは暖かい畑です。
並べて見ると1番は色が薄めで透明感があります。赤い果実に加え、レモンのようなかなり強い酸味、還元香も少し感じます。カリフォルニアの味ではないと判断しました。2番めはオレンジのようなフレーバーに、ハーブ。塩っぽさを感じるので、第一感でサンタ・リタ・ヒルズだろうと思いました。3番は一番色が濃く、味わいもダークなフルーツの味わいが一番強くなっています。かすかに甘みもあります。グラファイトっぽさが骨格を作ってしっかりとした味わい。これがゴールデンアイと判断しました。
結果は見事に全部正解。ドメーヌ・ド・ラ・コートは熟成できるワインを目指しているとのことですが、熟成させなくてもとても美味しいです。サンタ・リタ・ヒルズらしさも十分に味わえるいいワインでした。
シャルドネはサンディのサンタ・リタ・ヒルズ2014、ソノマからJCBの#81シャルドネ ソノマ・コースト2014、シャブリからドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ プルミエ・クリュ・ヴァイヨン2014。どれも定価6000円台のワインですが、サシ・ムーアマンによると、シャブリは米国ではその倍の価格するとのことでした。
1番はオレンジやレモンなど柑橘系の味わいが強いワイン。香りは意外と甘く、イーストのような香りもあります。ミネラルっぽさもあり、シャブリだろうと判断しました。2番はオレンジにパイナップル、香ばしい香り。3番は色は2番より濃いのですが、味わいはレモンなど、2番よりも酸が高く軽い感じ。ミネラルっぽさもあります。大分悩みましたが、2番をJCB、3番をサンディと判断。
結果はシャブリは正解でしたが、JCBとドメーヌ・ド・ラ・コートは逆でした。これはかなり難しかったです。というかJCBもサンディも同じくらい美味しいです。
セミナーの後は、ドメーヌ・ド・ラ・コート、サンディ、そしてピエドラサッシのワインの試飲。
サンディはシャルドネ5種。サンタ・バーバラ・カウンティ、サンタ・リタ・ヒルズ、リタズ・クラウン、サンフォード&ベネディクト、ベント・ロック。
サンディらしさがつよく現れているのは最初の3つ。ミネラルやレモンのフレーバーがあります。サンフォード&ベネディクトはバランス良く、個人的には一番おいしかったシャルドネでした。ベント・ロックは芳醇。サンディらしさを味わうにはまずは、カウンティやAVAものから飲んでみるのがいいのではないかと思います。
ドメーヌ・ド・ラ・コートはピノ・ノワール3種。サンタ・リタ・ヒルズとブルームス・フィールド、ラ・コート。サンタ・リタ・ヒルズはフルーツっぽさが少ないピノ・ノワール。上品です。ラ・コートは非常に骨格のしっかりしたピノ・ノワール。どれも果実味に頼らないあたりが特徴と言えるでしょう。熟成向きとはいえ、前述のように今飲んでもじゅうぶんおいしく、またサンタ・リタ・ヒルズのテロワールを感じられます。
ピエドロサッシはシラー2つ。PSシラーは3000円台のシラー。カリフォルニアのシラーには珍しく、フルーツっぽさをあまり感じません。コスパの高いワイン。もう1つはリム・ロック・ヴィンヤード。これだけアロヨ・グランデ・ヴァレーのワインです。これも美味しい。
サシ・ムーアマンはシラーが好きでピエドラサッシも自分が好きなものという感じがあります。ストルプマンのシラーもおいしいですし、お薦めです。
さて、ところでタイトルに「武蔵の切れ味」と書きましたが、何のこと?と思った人もいるでしょう。
実は彼は日系2世。本名はムサシというのです。日本向けのワインで「武蔵」ラベルにしたら日本で人気出るだろうに、と思ったのでした。
そんな与太話はさておき、携わっているワイナリーの名前を見るだけで彼の才能は明らか。人柄もすごくいいので、応援したくなる方でした。
ナパグリーンのプログラムはサードパーティによるもので、カリフォルニアグリーンなどの認定機関が関わっています。2000年に始まったもので、2015年にはナパヴァレーヴィントナーズが上記の目標を掲げました。約5年の目標までの期間の中、2年で半数にたっしたというのは順調と言っていいでしょう。
全ワイナリーや栽培者がサスティナビリティのプログラムに参加するという目標はソノマがいち早く掲げましたが、業界団体の数が多く、調整に時間がかかっている印象があります。
ナパもナパヴァレーヴィントナーズに全ワイナリーが加わっているわけではないので、必ずしも一枚岩ではないのかもしれませんが、プログラムの推進には長けている印象があります。
環境にコミットするというのはこれからのワイナリーにとっては必須条件になるのでしょうね。
創設者の一人であり、ワインメーカーであるマイケル・エッツェルはパートナーとして残ります。投資家のロバート・ロイは株式をアンリオに売却しました。なお、マイケル・エッツェルの義理の兄弟であるロバート・パーカーは少量ですが、株式を継続して持っています。
マイケル・エッツェルによると、1年ほど前から売却先を探していたとのこと。金銭的な問題よりも、そろそろ引退して楽をしたいといったことが理由の模様。候補もたくさん現れましたがアンリオが一番好意的だったそうです。
オレゴンでは老舗のドルーアンや、近年ではイヴニングランド(コント・ラフォン)といったワイナリーがフランスから資本を入れています。今後もオレゴンへの注目は高まりそうな気がします。
こちらも参考:
Schrader Cellars: カリフォルニア最高のカベルネ・プロデューサー
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
ーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
シュレーダーはカベルネ・ソーヴィニヨン専業のワイナリーで、ワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。これまでWine Advocate誌で計15回もの満点を得ています。そのすべてがベクストファー・トカロンの畑のもの。カベルネ・ソーヴィニヨンのクローンなどによって、ベクストファー・トカロンからいくつものワインを作っています。それだけでも稀有の存在。
今回は大半が5万円以下というシュレーダーとしてはかなり安い価格で出ています。ここでは、ワインの名前ごとに分類して示します。また、レイティングはすべてWine Advocate誌のもの
・CCS
クローン4だけを使ったワイン。
2009年 96+
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “CCS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2009] |
2010年 98
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “CCS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2010] |
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “CCS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2011] |
・RBS
クローン337だけを使用
2009年 96
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “RBS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2009] |
2010年 99
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “RBS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2010] |
2011年 91
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “RBS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2011] |
2013年 98
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “RBS”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2013] |
・T6
クローン6のみを使用
2009年 97
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン “T6”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2009] |
・ベクストファー・ト・カロン
基本のもの、クローン3種ブレンド
2000年
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2000] |
マグナム
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2000]1500ml |
2002年 98+
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2002] |
2009年 95
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン“シュレイダー”ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤード [2009] |
・オールド・スパーキー
龍のラベル。マグナムのみ。別格扱い
2010年 98
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン"オールドスパーキー MM VIII ベクストファー ト・カロン" オークヴィル [2010] 【1500ml】 |
・LPV(ラス・ピエドラス)
150年ほd前に作られた古い樹の畑
2011年 93
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シュレイダー カベルネ・ソーヴィニヨン ベクストファー・ラス・ピエドラス・ヴィンヤード [2011] |
その中でティップスとして3つが書かれてます。
1つは、いわゆる「セカンド・ワイン」を狙うこと。ナパではハイエンドのカベルネ・ソーヴィニヨンは、生産量を絞り、最高の部分だけを使って作られます。セカンドワインは十分高品質で、トップのワインと比べるとも抑えられます。
次は、ナパ以外を狙うこと。例えば隣りのソノマだと、ナイツ・ヴァレーやアレキサンダー・ヴァレー、ムーン・マウンテンなどがカベルネ・ソーヴィニヨンの産地として知られています。ほかにもサンタ・クルーズ・マウンテンズなど、すばらしいカベルネ・ソーヴィニヨンができる土地はたくさんあります。
3つめは、かつての人気ワイナリーを探すこと。老舗のワイナリーになればなるほど、良質のカベルネ・ソーヴィニヨンをあまり値上がりせずに作っていることがあります。
一つ目のセカンドワインだと例えばシェーファーの「ワンポイントファイブ」、スポッツウッドの「リンデンハースト」、ドミナスの「ナパヌック」などがあります。
3つめの老舗ワイナリーとしてはクロ・デュ・ヴァルなどが記事に取り上げられています。
セカンドワインの例
ナパ以外の産地
老舗ワイナリーのカベルネ
リーダー賞はソノマのガイザーヴィルにあるフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー。2019年までに調達するブドウすべてをサスティナブルなものにすると決め、栽培農家への指導や援助をしています。ワイナリーの従業員からボランティアでGreen Teamを結成して、いろいろアイデア出しをしているとのこと。
環境賞はナパのスポッツウッド。1992年にはオーガニックに転換。ナパでは2番めに早かったとのこと(1番はフロッグス・リープでしょうか?)。現在はビオディナミに取り組むほか、電力はほとんど太陽光だけなどの環境面への努力をしています。さらに毎年利益の1%を環境団体に寄付しているとのこと。
コミュニティ賞はソノマのサンタ・ローザにあるセント・フランシス。近隣や従業員を巻き込んだ活動で表彰されました。
最後にビジネス賞はモントレー・パシフィック社。セントラル・コーストで6000エーカーのサスティナブル認定を受けた畑を持っているそうです。
ベクストファー・トカロンはハミルトン・クラブが最初に畑を作った1868年の区画に含まれる畑。1993年にボーリュー・ヴィンヤード(Beaulieu Vineyard=BV)からベクストファーが入手し、1994~1997年にかけて植樹しました。ちなみにBV時代は「#4」と呼ばれていました。
畑は全部で89エーカーありますが、ブドウの木が植わっているところは83エーカーのようです。そこを2018年の12エーカーから植え替えていくとのこと。2028年までかける計画となっています。
植え替えの理由は収量の低下。最初に植え替えする領域では2014年に1エーカーあたり2.7トンの収穫があったものが、2015年は2トン、2016年は1.4トンにまで下がったそうです。例えば最初の植え替え対象になっているB2というブロックでは、全く実をつけない幹が9%もあったとのこと。トカロンの中でも、3.5%にとどまっているところもあり、大分力が落ちてきているようです。
現在、最初の植え替え対象のブロック(A2、B2)に植わっているのはクローン4というカベルネ・ソーヴィニヨンですが、植え替えに使うのはそれよりわずかに「クリーンアップ」したという4.1。ルートストックは039-16からGRN-3へ、列の向きは325°NW×SEから55°NE×SWとほぼ直角に変わるようです。これは、真夏の夕方の強い日差しの時間帯にブドウの実に直射日光が当たらないようにするためとのこと。木の間隔は8×7フィートから7×5フィートと狭くなります。剪定はバイラテラルコルドンで同じですが、クロスアームを使うとのこと。
現在、ベクストファー・トカロンの顧客は20ワイナリー。収穫1トンあたり平均2万ドルを支払っているそうです。植え替え後、次の収穫開始まで2、3年はかかりますから、その間、ベクストファーとしては1エーカーあたり4万~6万ドルほども収入が低下することになります。
また、ワイナリーへの割当はブロックごとに決まっているのですが、植え替え中は他のブロックのワイナリーへの割当を減らして、植え替え中のブロックのワイナリーに回すとのこと。アンディ・ベクストファーは、これまでの2/3を下回らないようにしたいとしており、他のワイナリーもその方法に納得しているとのことです。
植え替えで樹が若くなることの影響はどうなのでしょうね。間違いなくカリフォルニアで一番高価なブドウの畑ですので、気になるところです。
安ワイン一般として白の方が飲みやすく、赤はなかなか厳しいことが多いと思います。先日飲んだ某「国産ワイン」(日本ワインではありません)は、おいしくなさすぎて、飲みきるまで1週間もかかりました。量が少ないボトルはおいしくなかったときのリスクヘッジにもなりますね。
飲んでみたところ、ブルーベリーのような甘みがちょっと気になるものの、果実味豊かで芳醇な味わい。これならときどき飲んでもいいかな、というレベルでした。これを明日もあさっても飲むことになると、また飽きてきたりして印象が変わるかもしれませんが、飲みきりサイズはそういう意味でもいいですね。
あっさりしていて飲みやすいです。「フルーティーさのなかに桃やマスカットのような華やかなアロマがあり、ほどよいボディーもある」と書いてありましたが、ボディはあまり感じなかったかな。でも安ワインにありがちな嫌な味はなかったので、すいすい飲めてしまいます。正直言って1000円以上出すかと言われると微妙なレベルではありますが、500円は文句なく安いです。
欲を言えば、これが250mlで200円程度で飲めたらもっと嬉しいです。コンビニでワインを買うときって、ちょっと夜に飲みたいとかそういうシチュエーションだと思うんですよね。フルボトルだと最低でも2、3日は続けて飲まないといけないからちょっと敷居が高いです。
というわけで、次はセブンイレブンで250mlのを買ってみたいと思っています(通り道にないのが難点ですが)
なんと2007年は100点(商品ページには98+とありますが、2014年に100点に上方修正されています)なのに税込みで2万円台という超お買い得になっています。
1997年(96)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[1997] |
1998年(95)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[1998] |
2000年(94)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2000] |
2003年(95)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2003] 3000ml |
2004年(99)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2004] |
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2004] 1500ml |
2005年(99)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】《PP97点》 シェーファー カベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2005] |
【春のカリフォルニアワインフェア2017】《RP97点》 シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2005] 1500ml |
2006年(92)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】≪PP97点≫シェーファー カベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2006] |
2007年(100)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】≪PP98+≫シェーファー カベルネソーヴィニヨン "ヒルサイド・セレクト" スタッグスリープディストリクト [2007] |
2008年(93)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】シェーファーカベルネ・ソーヴィニヨン ヒルサイド・セレクト[2008] |
2009年(94)
【春のカリフォルニアワインフェア2017】≪RP98点≫シェーファー カベルネ・ソーヴィニヨン “ヒルサイド・セレクト ”[2009] |
今年も4月、5月の2カ月ですが、いつからいつまで提供するかは店によって違います。4月だけで終わってしまう店も結構あります。上記のリンク先のページで期間などもわかるので、見てみてください。
関東で114軒、関西で82軒のレストランが参加しています。
こんなときに役に立つのが「ヴィナスからオークヴィルとプリチャード・ヒルの畑マップが届いた」で紹介したオークヴィルの地図。裏面の解説7ページのうち1.5ページくらいがトカロンに割かれていました。私のこれまでの知識はモンダヴィのトカロンとベクストファー・トカロンがある、というくらいだったのですが、実はトカロンの話はずっとややこしくこみあっており、それだけで本が一冊書けてしまいそうなくらいのものがあることがわかりました。
そこで、トカロンとは何かという話をまとめておこうというのがこの記事です。なるべく平易に、かつ短く書きたいので、もっと詳しいことが知りたいという人は「The True Story of To-Kalon Vineyard - Sommambulism - Features - GuildSomm」を読んでみてください。
で、まずは大前提としてトカロンはカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンの中で最高の畑の1つであるということ。もりカリフォルニアで「グラン・クリュ」を選ぶとしたら、トカロンがそこに入らないことはあり得ません。もっともわかりやすい「パーカー100点」のワインだけで見ても、トカロンのワインが22本もあります。ちなみに、この全部がトカロンの中でも「ベクストファー・トカロン」のものであり、さらにシュレーダー(Schrader)だけで15本を占めています。このほか、かのオーパス・ワンもメインの畑としてトカロンのブドウを使っていまし、もちろんモンダヴィのカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブやフュメ・ブランなどもトカロン産です。
写真:ナパのソーヴィニヨンブランの代表的な畑であるトカロンの「I-ブロック」
このように、トカロンという名前は、やまほど出て来るのですが、実はトカロンの商標はモンダヴィが持っています。プリチャードヒルの商標をシャペレーが持っているようなもので、これ自体問題はないのですが、話がややこしくなる原因の1つにはなっています。
モンダヴィが商標を持っているのに、逆にどうしてベクストファー・トカロンと名乗るのが許されているかというと、2001年にトカロンの名前を使ったことでシュレーダーを提訴し、その和解によって使えるようになったのでした。
そもそも、トカロンというのは19世紀に、ここにブドウ畑を開拓したハミルトン・クラブという人が名付けたもの。ギリシャ語で「最高の美しさ」といった意味合いがあります。この人は、ロバート・モンダヴィが1世紀前に登場したようなビジョナリーだったそうです。
クラブが1868年に購入した240エーカーの土地が、最初のトカロンです。この土地は現在はモンダヴィ、オーパス・ワン、ベクストファー、それにウィルセイ(Wilsey)という人が所有しています。ただ、ウィルセイはここに立っていた家屋を継承しており、畑には絡んでいないようです。クラブは1879年に119エーカーを買い足しており、その土地は現在はモンダヴィとUC Davisに属しています。なお、UC Davisの土地もブドウ畑ではなく、プルーンなどが植わっていたそうです。クラブは1891年にさらに土地を買い足しており、合計で500エーカーほどになりました。1891年の土地はモンダヴィ、オーパス・ワン、マクドナルド、デタート?(Detert)が持っています。
禁酒法があけたあと1943年にマーチン・ステリングという人が大部分の土地の所有者になります。この人はさらに500エーカーほどを買い足しており、それを含めたものが、広い意味でのトカロンということになります。1950年にステリングが亡くなった後、イタリアン・スイス・コロニーを経てチャールズ・クリュッグ・ワイナリーのものになり、ロバート・モンダヴィがそれを手に入れたという形になります。
オーパス・ワンは1981年と2008年に一部の畑を譲り受けました。また、1868年のオリジナル・トカロンの土地のうち89エーカーはボーリュー・ヴィンヤード(Beaulieu Vineyard=BV)を経て1993年にアンディ・ベクストファーが入手しています。
このほか1954年にステリング未亡人からヘドウィグ・デタートという人が46エーカーの土地を購入しています。その子孫のガンサー(Gunther)・デタートとアレン・ホートンが土地を2つに分け、どちらもモンダヴィにブドウを供給していました。現在はガンサーの孫のトム・ギャレットがデタート・ワイナリーを興し、アレン・ホートンの孫のアレックス・マクドナルドがマクドナルド・ワイナリーを興しています。
さて、冒頭の話に戻って、2001年にモンダヴィがシュレーダーを提訴した後、逆にベクストファー側は、トカロンは土地の名前であり、オリジナルのトカロンの畑であるからその名前が利用できると主張しました。結局両者は和解し、モンダヴィは依然商標を持っているものの、ベクストファーにトカロンの名前の使用を許可し、ベクストファー・トカロンのブドウを使うワイナリーも、その名前を利用できるようになったわけです。
一方で、マクドナルドやデタートは今もトカロンの名前を使えません。
トカロンと名乗ることの是非にはこのほか、ハミルトン・クラブの元でトカロンのワインにブドウが使われた実績があるかどうかなどを考慮することもあるようですが、話がややこしくなりすぎるのと、そこまで厳密にすることにはさほど意味がないという気がするので、そのあたりは省略します。
トカロンに関しては、そもそもどうしてここで最高のブドウが取れるのかといったことも大きな疑問の1つではあるのですが、そのあたりを考え出すと、夜も眠れなくなっちゃいそうなので、今日はここで切り上げることにします。
2013年の天候は申し分ないものでした。ただ、旱魃の影響で果実は小さく、通常よりも果皮の割合が高くなりました。結果として非常にタニックで長期熟成可能なワインが多くなったようです。リッジ(Ridge)のエリック・バウアーは「今世紀に入ってから一番タニック」だと言っていますが、一方で果実味や酸もしっかりあるため、高いレベルでバランスの良いワインになりました。
同誌は今回、40本近くのワインのレビューを掲載しており5本のワインに満点を付けています。
リッジ モンテ・ベッロ カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
フィリップ・トーニ(Philip Togni) カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
マクドナルド(MacDonald) カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
ダン(Dunn) カベルネ・ソーヴィニヨン トレイラー・ヴィンヤード 2013
ドミナス(Dominus) 2013
リッジ以外は全部ナパです。また、いわゆる「山カベ」がリッジ、フィリップ・トーニ、ダンの3本と多くなっています。
実はこの中でマクドナルドとダンのトレイラーというのは知りませんでした。
マクドナルド(MACDONALD | Oakville, Napa Valley)は、ナパのオークヴィルにあり、実はかのトカロン(To-Kalon)の畑の一部を持っています。マクドナルド家は、ずっとブドウをモンダヴィに売っていましたが2010年から自身のワイナリーでもワインを作り始めたとのこと。これまでのところ、Wine AdvocateにもWine Spectatorにもレビューは載っていません。ただ、価格は500ドルくらいします。
写真はWebサイトからです。
ちょっと脱線しますが、実は同じようにトカロンの一部を持っていて、自身でワイナリーを始めた家族としてDetertというワイナリーもあります(Detert Family Vineyards - Homepage)。ただ、こちらはこれまでのところあまり評価は高くなく、価格もそれほどたかくありません。
話を戻してもう1つのダンのトレイラー(Trailer)はワイナリーのサイトにも掲載されていないワインです。ダンというと、自社畑のハウエル・マウンテンと購入したブドウのナパ・ヴァレーの2種類というのが、これまでの常識で、サイトにもそれしか載っていません。ごくごく限定で作っているのでしょうね。
トレイラーという名前は畑の前にトレーラーが置いてあることから名付けられたそうです。1972年にランディ・ダンが最初に植えた畑で、そのときに寝泊まりするためにトレーラーを置いたとのこと。ただ、残念ながらこの畑は2013年が最後のヴィンテージで2014年に樹を抜いてしまい、2015年に新しい樹を植えたとのこと。
満点5本の中でドミナスだけは既に2013年が日本に入ってきていますが、もう売り切れてしまっているところがほとんどのようです(実は昨日までは売っているところがありましたが、おそらくデカンター誌のを見て買った人がいたのでしょうね)。
Wine Advocate誌では2013年のドミナスは文句なく100点、このほか100点だった2010年や98+の2012年はまだあるのですが。
今年になって、布袋ワインズがロキオリの輸入を始め、昨日は社長の川上さんやコンサルタントの三木(香奈)さんがロキオリを訪れた様子がFacebookにあがっていました。メディアにもめったに登場しない現オーナーのトム・ロキオリ氏自ら畑を案内してくれたとのことで、写真を見るだけでこっちもどきどきでした。
で、ロキオリといえばピノ・ノワールという印象はありますが、実はソーヴィニヨンブランも極めて優秀です。1959年に植えたという古い畑もまだ残っており、その後に植えた畑のものとブレンドしているとのこと。
昨今、ソーヴィニヨンブランでも1万円を超えるものも登場してきており、スクリーミング・イーグルのソーヴィニヨンブランに至っては30万円でも買えないほど。ロバート・パーカーは2013年のものに88点をつけ「価格に困惑してしまう」と書いていますが…
そういう状況を考えると、歴史もあり味もお墨付きのロキオリのソーヴィニヨンブラン(とかスポッツウッドのソーヴィニヨンブラン)あたりはとても貴重な存在だと思います。
カリフォルニアワインあとりえでは、在庫限定でこのワインをセール中。税込みでも5000円を切ります。
その中からまずはアルパイン(Alpine)ヴィンヤードを試飲しました。
畑は太平洋から16kmほどのところ、標高360~450m、最大斜度40%という斜面の畑です。プリシマ層(Purisima Formation)という石灰質の地層のようです。かなり涼しく、急斜面で、根を伸ばすのも大変そうなブドウにとっては過酷な畑のようです。夏場でも最高気温は25℃くらいです。
ワインの色は意外と濃いです。若干濁っているような感じもあります。ベリーに花の香り。味わいは赤系の果実と青系の果実が7:3くらいの感じ。以前飲んだファミリー・ファームが完全にブルゴーニュ寄り、ベアワローが完全にカリフォルニア寄りという感じでしたが、これはその間、どちらかというとベアワローに近いかもしれません。
まだ若さを少し感じます。タンニンもしっかりしています。酸がきれいなのはリースの特徴の1つでしょう。青系の果実味がある程度入ってきても重さを感じずにすうっと飲めてしまいます。
リースのワインは熟成能力もかなりあるようなのですが、これだけおいしいと熟成させるまで我慢するのが大変ですね。
ちなみにWine Advocate誌では94点、Decanter誌では95点だそうです。
参考:最近飲んだワイン: マイケル・デイヴィッド セブン・デッドリー・ジンズ2013
セブン・デッドリー・ジンズはセブン・デッドリー・シン(7 deadly sin=7つの大罪)をもじったもの。in以外のものが入るともじった事自体は意味がなくなってしまいます。マイケル・デイビッド・ワイナリー、急成長の秘密という記事によると以前は7 Deadly Chardなんて名前のものもあったそうなので、それに比べればまだマシかという気はします。
テクニカルシートを見ても品種のブレンド比率などは書かれていません。おそらくジンファンデルやシラーなど、甘みがあってタンニンをあまり感じないようなものが中心になるのだろうと思います。アメリカン・オークを半分くらい使っているのも、樽のあまい香りを付けるためでしょう。
こちらに2匹めの土壌はいるでしょうか。
チャールズ・バンクスは元々スポーツ選手の資産を管理する仕事をしていたのですが、そのときにNBA(バスケット)のスターだったサン・アントニオ・スパーズのティム・ダンカン選手と知り合い、投資に関して助言をしていました。その助言した投資先のうちの1つが、チャールズ・バンクス自身の関連する会社で、ティム・ダンカンの投資によって、チャールズ・バンクスにもフィーが入る形になっていました。そのことを伏せたままティム・ダンカンにアドバイスをしたというのが、今回罪を認めた部分のようです。最悪の場合、懲役20年、25万ドルの罰金、被害者への賠償などが課せられます。
ティム・ダンカンはこのほかにも複数件の訴えをしており、それらについてはまだどうなるか分かりません。
今回の件はワインには関係ありませんが、賠償金の額によっては、マヤカマスのオーナーシップに影響が出ることもあるかもしれません。なお、チャールズ・バンクスはこのほか、テロワール・ライフという会社を通して、キュペやウインド、ギャップ、リバイアサンなどのワイナリーを所有しています。
アイコニックについては、こちらの記事もご覧ください。
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
◎5000円以下
・モーガン G17 シラー 2014 3900円
少し軽めですが、芯もあって酸がきれいなシラー
・サムサラ シラー サンタ・バーバラ 2014 4950円
スパイシーでパワフルなシラー
・ストルプマン ソーヴィニヨンブラン 2016 3300円
青い草の香り、リッチ、シトラス、これはいいです
・ストルプマン パラマリア 2015 3800円
非常にバランスのいいシラー。これが3000円台はびっくりです。
◎5000~10000円
・モーガン ダブルL シャルドネ 7500円
リッチできれいな酸。1クラス上の味わい。おいしい
・メルヴィル シラー エステート 2014 5500円
ふくよかでパワフル、スパイシー
・ストルプマン オリジナルス シラー 2014 6500円
骨格のしっかりしたシラー。1ランク上の味わい
◎1万円超
・クレーン・アッセンブリー エル・ココ 2014 13000円
プリズナーを作ったデイブ・フィニーの新しいプロジェクトのワインです。昨年飲んだときは、ちょっと甘さが気になりました。今回も第一印象は濃くて甘い、だったのですが、後から酸がでてくると、急激に魅力を増してきました。
・フープス カベルネ・ソーヴィニヨン オークヴィル 2012 12800円
オークヴィルらしいきめの細かいタンニン。やや強めの酸が味わいを引き締めています。
・スプリング・マウンテン カベルネ・ソーヴィニヨン 2010 1万3000円
いかにも「山カベ」というがっしりしたワイン。タンニンもしっかり。
全体的にはシラーのコスパが目立ちました。ピノ・ノワールのいいのもあったのですが、コスパを考えるとシラーに魅力を感じるケースが多かったです。
参考:なんと!ヴァーナーがサンタ・クルーズ・マウンテンズのワインを打ち切り
その記事では、畑の所有者であるニーリー(Neely)が、この畑「Spring Ridge」の賃貸契約を打ち切ったのが原因であると書いており、ヴァーナーは今後サンタ・バーバラでワイン作りをすること、またSpring Ridgeの畑の今後については「生産打ち切り後は別のワイナリーがその畑のブドウでワインを作るという噂もありますが、そこは定かではありません」と書いています。
このニーリーが所有する畑について、自身でワイン作りを始めることが明らかになりました。ワイナリーのWebサイトがオープンしています。
Neely Wine
サイトの「ヒストリー」ページによると、畑のフェーズが1980年にヴァーナー兄弟がブドウ(シャルドネとゲヴェルツトラミネール)を植えてから、フェーズ2が1995年にニーリーが畑を購入して、ヴァーナーがワイン作りを行ったこと。ゲヴェルツトラミネールからピノ・ノワールへの植え替え(正確にはゲヴェルツトラミネールにピノ・ノワールを接ぎ木したそうです)をしています。
そして2016年からフェーズ3としてワインメーカーにシャリーニ・セカー(Shalini Sekhar)を迎えたことが書かれています。
この人はスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、ウィリアムズ・セリエムなどを経て近年はロアー(Roar)のカスタム・クラッシュ向けワインメーカーとしてFurthermoreとWaits-Mast というワイナリーのワインを作ってきました。今後もWaits-Mastのしごとは続けるそうです。2015年にサンフランシスコ・インターナショナル・ワイン・コンペティションにおいてワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれているというから実力はあるのでしょうが、未知数な部分が大分あるのは否めません。
また、「IPOBミニインタビューその3――ロバート・ヴァーナー/ヴァーナー・ワイン」で聞いた話によると、ヴァーナーは畑の管理、特に冬の間の剪定にものすごく力を入れており、それがこれまでの品質に結びついてきたようでした。新しいワインメーカーは収穫以降の醸造には携わってきていますが畑の方まで面倒見られるのだろうかというあたりは心配材料です。
まずは、お手並み拝見といったところでしょうか。
貴重な、ヴァーナー兄弟によるSpring Ridgeの畑のワインです。
コストコで売っていた日本ワインです。エッチングが施されたボトルが何やら高級感を醸し出しているので、ちょっと期待して買ってみました。価格は2000円台後半だったと思います。
写真で分かるように、いろはかなり濃いです。プチ・シラーか何かのよう。味わいも濃いのかと思ったのですが、果実味乏しく、酸がかなり勝った味わい。わずかにスパイスも感じますが、やはり酸っぱい。
結局1本開けるのに5日もかかってしまいました。日にちが経つにつれ、酸もだんだんなじんでそれなりに飲みやすくはなりましたが、残念ながら美味しいと思える味ではなく。
もしかしたら、自分の舌がカリフォルニアワインに慣れすぎているからかもしれませんが、日本ワインの赤で納得できる味のものにはなかなか出会わないですね(そもそもまだほとんど飲んでないですが)。
こんな僕をギャフンと言わせる(古!)ようなワイン、教えてください
ブリュワー・クリフトンには、いろいろな思い出がありますから、それを思うとちょっと残念な気もしますが、実質的には大きな影響はないのではないかとも思います。
というのは、シャトー・イガイタカハの漢字シリーズのシャルドネ、ピノ・ノワールはどれもブリュワー・クリフトンの畑のブドウを使ってグレッグ・ブリュワーが作っているからです。
以前の筆者がグレッグ・ブリュワーにインタビューしたときはタカハのワインについて、次のように語っています。
――シャトー・イガイタカハのワインについて伺います。ブドウはブリュワー・クリフトンの畑のものを使っていると聞いています。
グレッグ:その通りです。
――では、ワインもブリュワー・クリフトンと全く同じになるのでしょうか?
グレッグ:ブリュワー・クリフトンは単一畑のワインです。それに対して、シャトー・イガイタカハの場合は、エモーショナルなものが先に来ます。漢字の意味から、それに合った味わいを出すのがどのワインかを決めるのです。
――そのためにブレンドする場合もあるのですか。
グレッグ:ときにはブレンドすることもあります。
「漢字ワインはエモーショナルなんです――グレッグ・ブリュワー インタビュー後編 」より
また、ブリュワー・クリフトンのピノ・ノワールは全房発酵が特徴の1つですが、以前別のセミナーではタカハの「園」については全房発酵で作っていると言っていました(今も同じかどうかはわかりません)。
「シャトー・イガイ・タカハの新作ワインをグレッグ・ブリュワーが解説(後編)」より
同じセミナーでは、シャルドネのクローンについて「美夜の畑はSweeney Canyonのクローン、波紋の畑はSea Smokeのクローン、侍の畑はClone4とHydeのクローン」と語っています。ブリュワー・クリフトンの畑でみるとSweeney Canyonはマチャドの畑、Sea SmokeやHydeは3Dの畑にあるので、それらの畑から来たものと想像できます(これも今も同じかどうかはわかりません)。
ブリュワー・クリフトンのワインとシャトー・イガイタカハのワインを1対1で結びつけることはできませんが、それでもグレッグのワインがこれだけ流通しているのってすごいことだと思います。何よりも日本を愛しているグレッグのことですから、日本で彼のワインが飲めなくなったら、一番悲しむのは彼だと思います。
今回の輸入停止とは関係ありませんが、こういう自社畑に移行するより前のワインを見つけるとこれはこれで懐かしいものがあります。
なお、復活したダイアトム(Diatom)のワインは、シャトー・イガイタカハと同じワインライフ株式会社が輸入します。
リンク先で、ブートレッガーズ・ヒルもトゥリーハウスも両方購入できます。
サーク ピノ・ノワール "ツリーハウス/ブートレッガーズ・ヒル" ルシアンリバーヴァレー [2013] (正規品) CIRQ. Treehouse/Bootlegger's Hill |
2015年は、4年連続の旱魃で雨が極端に少なかったことと、生育が早かったこと、開花時期に天候が不順で収穫量が大幅に減ったこと、といったかなり極端な天候でした。場所によっては全く結実しなかったところもあるそうです。収穫は30~50%も減りました。特にピノ・ノワールは影響が大きく、ピノ・ノワールよりも開花時期が遅いジンファンデルなどは、比較的影響が少なかったとのことです。
ただ、収量が少なくて味が凝縮したことと、生育が早くて酸が落ちてくる前に実が熟したことから、品質的には非常にいいものが多くなったようです。昨日記事を公開したサークや、1週間ほど前に書いたリヴァース・マリーの2013年も素晴らしいできでしたが、2014年はそれ以上にいいという評判があり、2015年はさらにいいとなると、品質(特にピノ・ノワール)はすごいことになりそうです。
ジンファンデルもシラーもいい年でしたが、シャルドネに関しては、賛否両論あるようです。凝縮感が出過ぎてあまりよくなくなっているところもあるとか。
似たような傾向は2014年にもあったので、2015年は2014年の少し極端バージョンと思えばいいのかもしれません。
このほか興味深いのは、「今年良かったものリスト」として、さまざまなワイナリーや品種などの名前を挙げていること。
・2015年のピノ・ノワール(ドラマチックで豊満なピノ・ノワールになった一方で新鮮さも素晴らしかった)
・カーライル(かつては黒系の果実味だったが赤系に変わった)
・セリタス(2014年のピノは誰もが欲しがる)
・デュモル(素晴らしい)
・フェレン(Ferren)(シャルドネがすばらしい)
・ワンス・アンド・フューチャー(ジョエル・ピーターソンの新プロジェクトはインプレッシブ)
・ポール・ホブズの新ピノ・ノワールFraenkle-Cheshierは、これまでのポール・ホブズのピノのベスト
・リトライ(すばらしい、特に2015のシャルドネが)
・マルティネリ(以前より味わいがフレッシュになった
・オキシデンタル(キスラーの新プロジェクトは息を呑むでき)
・ペイ(これまでの最高)
・リヴァース・マリー(ピノもシャルドネもすばらしい。カベルネもそれくらい真面目に作ってくれたらいいのに)
・ロキオリ(2015年のシャルドネがいい)
・ロシアン・リバー・ヴァレーのジンファンデル(2015年はすばらしい)
・ヴェリテ(すばらしい)
・ウォルター・ハンゼル
過去記事:
これから伸びてきそうなカリフォルニアのワイナリ
マイケル・ブラウンの新プロジェクト「Cirq」のワインが日本入荷
マイケル・ブラウンの「Cirq」はむちゃくちゃ美味しかった
このサークの2011年から2013年までを試飲する会に参加してきました。
サークはピノ・ノワールしか作っていないので、白ワインはキスラーのシャルドネでした。ヴィンテージは2012年で畑はハドソン(Hudson)とデュレル(Durell)です。
ハドソンはメロンやパイナップルのようなトロピカル・フルーツのフレーバー。バニラ、濃厚ですが、酸がしっかりしているので嫌味ではありません。いかにもカリフォルニアなシャルドネですが、美味しいです。時間が経つと柑橘系が出てきて、より美味しくなってきました。
デュレルはもっとミネラリーな感じ。香りにも塩っぽさがあります。オレンジやレモンなど柑橘系の味わいに、樽の風味が加わり、これも美味しいです。個人的にはデュレルの方がハドソンよりわずかに好印象。でもどちらも美味しいです。キスラーのシャルドネも久しぶりに飲んだような気がしますが、やっぱり美味しいなあと改めて思いました。
余談ですが、自分的評価ではハドソン94点、デュレル95点としていたのですが、パーカーの評価はハドソン96点、デュレル94点。ハドソンが「sexiest」というのは納得ですが点数はちょっと違いました。
サークはツリーハウス(トゥリーハウス、Treehouse)が2011、2012、2013の3本。ブートレガーズ・ヒル(ブートレッガーズヒル、Bootlegger's Hill)が2013年の1本。これまでリリースされたワイン全部です。
ツリーハウスは太平洋から8マイル(13km弱)のところにある畑。AVAはロシアン・リバー・ヴァレーのようですが、おそらくソノマ・コーストにも入っているのではないでしょうか。標高230mくらいの高さがあり、霧のかかるラインよりも上なので、太平洋からの距離が近い割には、昼間の気温があがり、日照もいい畑になっているようです。地質は鉄分に富んだ火山性のもので、保温性が高く、それで果実がよく熟すとのこと。
【追記】ツリーハウスは先日紹介したリヴァース・マリーで使っているシルバー・イーグル(またの名をUV-SL)の隣だそうです。ただし、地質はだいぶ違っており、ツリーハウスは真っ赤、シルバー・イーグルは茶色がかっているとのことです。
一方のブートレガーズ・ヒルも標高は同じくらいですが、地質はゴールドリッジ。軽い砂状の地質で水はけがいいのが特徴です。ツリーハウスよりも少し気温が低いことと、水はけのよさによってブドウの樹が水不足のストレスをより受けることで、ツリーハウスよりもエレガントなワインができるとのこと。
【追記】ブートレガーズ・ヒルはツリーハウスから2kmほど南だそうで、ソノマ・コーストに入っているようです。
まずはツリーハウスの2011年から。第一印象はちょっと熱にあたったかのような感じがあり、ワインの要素がばらけてしまっていました。実は2011年だけが国内の小売店から買ったもので、その他は米国から直接買ったものです。購入後は定温倉庫にずっと預けていたワインなので、流通の過程に何か問題があったのかもしれません。ただ、時間を置くと赤系の果実味がだんだん出てきてワイン自体の味も好印象になってきたので、ワインが閉じているフェーズだった可能性もあります。
ツリーハウスの2012年はバランスよく、明るい味わいのおいしいピノ・ノワール。すごくきれいな味わいです。
ツリーハウスの2013年は思わず「おいしい」と口に出てしまうほどおいしいピノ・ノワール。この中では一番濃く、赤系の果実味だけでなく、ブルーベリーのような青系の果実味もかなり含まれています。ただ、コスタ・ブラウンのような濃い甘系ではなく酸がすごくしっかりとしていてバランスがきちんと取れています。
ブートレガーズ・ヒルの2013年もツリーハウスの2013年に負けていません。旨味が半端なく、おいしいより前に「うまい」と思いました。確かにツリーハウスよりエレガントですが、深みがあります。「シャンボール的」と評していた人もいました。
サークも独断と偏見で採点すると、2011が91点、2012が93点、2013年がどちらも96点。これも今、パーカーの点数を見てみました。パーカーの評価は2011年はなく、2012年が93点、2013年のツリーハウスが97点、ブートレガーズ・ヒルが96点。かなり近いですね。やっぱりパーカーは濃い系の方が評価高いのでしょうか。
どちらもまだ若い畑のようなので、これからもっと美味しくなるでしょうね。コスタ・ブラウン的なワインを期待するとちょっと違う印象になりそうで、むしろコスタ・ブラウンと関係なく飲むのがいいのではないかと思います。カリフォルニアのトップ・レベルのピノ・ノワールの1つだとあらためて思いました。コスタ・ブラウンと比べると知名度が低いので、日本では今のところ入手もそれほど難しくはなさそうです。2013年が日本に入ってくるときは要チェックですよ。
おまけでこの日の持ち込み料理から「黒柳牧場の中ヨークシャー×デュロックの塊肉」をプレゼしたもの。肉も脂もげきうま。
チョコレートが絶妙においしいHUGO&VICTORのケーキ。
さくらはまだまだ。一番咲いているところで3分咲き程度。目黒川の花見クルーズの船が寒そうでした。
今や米国ナンバーワンのジンファンデル・ブランドとなったマイケル・デイヴィッドのセブン・デッドリー・ジンズ(Seven Deadly Zins)を飲みました。ヴィンテージは2013年です。
マイケル・デイヴィッドは、ロバート・パーカーがここのワインだけの記事を書くほどのお気に入りでもあり、ロウダイを代表するワイナリーになったといっても過言ではないでしょう。
想像していたのは、むちゃくちゃパワフルで甘いジンファンデルだったのですが、飲んでみたら予想以上にバランス重視派。甘みよりもしっかりとした酸を感じるジンファンデルでした。もちろん、ジンファンデルらしさもあるし、果実味もたっぷりあります。
これより前に、同じワイナリーのプティ・シラー「プティ・プティ」を飲んだのですが、こちらも予想以上のいいバランスでしたが果実味爆発度では上でした。ヴィンテージは2014年。
何を求めるかにもよりますが、個人的にはマイケル・デイヴィッドを飲むときは、濃厚で甘い味わいを欲しているような気がして、セブン・デッドリー・ジンズはちょっと肩透かしな感じがあったのは否定できません。なお、パーカーの評価はどちらも90点です。
グルナッシュとシラーで同じ名前を付けたり、昨年の♂と♀のように対になる名前を付けたりすることが多いのですが、2014年はグルナッシュがシャクティ、シラーがピラニア・ウォーターダンスと、全く関係のない名前がついています。
シャクティの方は、ヒンドゥー教における女性的な面を象徴する神様の名前。オーナーのマンフレッド・クランクルはグルナッシュに女性的な面を感じていることから名付けたそうです。
一方、ピラニア・ウォーターダンスはマンフレッド・クランクルがアマゾンに釣りに行ったときの経験から付けた名前で、グルナッシュもシラーもそのときの写真がラベルになっています。
あと、面白いのは今回ボトルの形が違うこと。下の写真で青いラベルの上がグルナッシュ、下がシラーです。シラーの方は普通のサイズのボトルですが、グルナッシュの方は寸詰まりのような形になっています。
ちなみに、Wine Advocateのジェブ・ダナックの評価によるとシラーが97-100、グルナッシュが96-98となっています。2013年はどちらも98点でした。
どのショップも入荷は数本ですので、お早めに。
ステージコーチはジャン・クラップが1995年に購入した畑。プリチャードヒルとアトラス・ピークにまたがっており、1300エーカーの広大な土地に600エーカーの畑があります。標高は360~530m程度。175のブロックに分かれており、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心に16種類の品種がうわっています。また、ナパ・グリーン、カリフォルニア・サスティナブル・ワイングローイング・アライアンスなどの認定を受けています。
ステージコーチ自体のワイナリーはありませんが、ジャン・クラップは兄弟とクラップ・ブラザーズというワイナリーを経営しています。例えばクラップ・ブラザーズのM5ステージコーチ・カベルネ・ソーヴィニヨン2015はWine Advocate誌で96-100点を得ており、その他のワインも高い評価を得ています。
ステージコーチは現在クラップ・ブラザーズを含め90のワイナリーにブドウを供給しており、30のワイナリーがステージコーチの名前を付けたワインを売っています。今回の買収後もその契約を続けることをガロは表明しています。
なお、顧客の中にはシャトー・モンテリーナ、ダリオッシュ、ダックホーン、ヘス・コレクション、カーディナル、パルメイヤー、プライドといった有名ワイナリーが含まれています。
また、ガロ傘下のワイナリーの中ではルイ・マルティニとオリン・スイフトがステージコーチのブドウを購入しています。
急に何かが変わるわけではありませんが、こうして巨大資本に買収されるのはこの先にちょっと不安を感じてしまうのは僕だけではないでしょう。
ダニエル・パールマンというこの研究者はワインを注ぐときの液体の流れをビデオに撮って観察し、ボトルにワインが一杯に入っているときに液垂れしやすいここと、ガラスは親水性なため、お尻方向に回った水分が下に落ちずに流れていくこと、を発見しました。
そこで、ボトルの口のすぐ下に切れ込みを入れてみたところ、それ以上後ろに液は回らず、下のグラスに水滴が落ちることがわかりました。
非常におもしろいですが、世紀の大発明となるのでしょうか。。これが製品として世に出るかどうかが気になります。
リバモアでは3月6日には発芽が始まり、パソ・ロブレスあたりでももう9割くらいは発芽したそうです。サンタ・クルーズ・マウンテンズはまだ始まったところのもよう。
昨年や一昨年の旱魃中は発芽はかなり早くなる傾向がありましたが、今年は通常の状態に戻ったといってよさそうです。
ただ、発芽のあとしばらくは、霜の影響を一番受けやすい時期。ワイナリーにとっては霜の害を気にするところでもあります。
今年がいいシーズンになりますように。
興味深かったのがボルドーとの価格の比較。Wine-Searcherで検索の人気ワインを調べると、ボルドーのトップ10では450ドル以下のワインは1つ(ランシュ・バージュ)だけ。ナパでは6本が200ドル以上なので、ボルドーのほうが大分高価です。これだけ見ると、ナパのワインが高いとは言えないような気がします。
ところが、トップ101~110で見ると話は大きく変わります。ナパではこの順位でも10本中4本は200ドル超。一方ボルドーでは10本中8本が100ドル未満。60ドル未満も4本あります。つまり、ボルドーは検索人気順位が下がるにつれ、価格もどんどん下がりますが、ナパのワインは人気順位が下がっても価格はさほど変わらないのです。
マスターソムリエで、サンフランシスコのフェリープラザ・ワイン・マーチャントの共同経営者であるピーター・グラノフは、「ナパのワインはランボルギーニの分野にマーケティングを集中している」と語っています。
店舗では、棚のスペースには限界があり、50ドル以上のワインに割ける領域は限られたものになります。その領域にばかりつぎ込むのは戦略としてどうか、というところです。
元記事は、多様な品種を保持する話と、価格の話が混在しており、ちょっとわかりにくいところがありますが、個人的には品種の多様性よりも、価格の多様性の方が気になるところです。土地の価格が高くブドウの価格も高くなるため、ワインも高くしたいという気持ちはわかりますが、あまりにも高級ワインに偏りすぎな傾向は否めません。
だからこそ、ナパハイランズなどのようにそこそこの価格で美味しいワインを見つけると嬉しくなるのですけどね。
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レストランにとって近年悩みのタネとなっているのが予約客のドタキャン(No Show)問題。トックは、従来のような単なる予約ではなく、料理などを含んだ「チケット」を販売する形にして、ドタキャンを防ぎます。
このほか、トックはレストランで開催するイベントのチケット販売にも使えるなどフレキシブルな点も評価されているようです。
試飲の4番めから続けます。
4番めはオキシデンタル・リッジ・ヴィンヤーズのピノ・ノワール。Failaなども使っている人気の畑で、リヴァース・マリーは2005年から。ヴィンテージは最後の6番目を除いて2013年です。ここはオキシデンタルの町の近くの丘の斜面にある畑。冷涼な風が拭きますが、日照が多いことから密度の高いワインができます。面白いのは10%ほど除梗なしのブドウを使っていること。果実味が出すぎるのを防ぐためだそうです。新樽率は33%。
果実の香り高く、ラズベリーなど赤系の果実にブルーベリーなど青系の果実が少し混じる印象。カバークロップに使っているペニーロイヤルミントから、ワインにもミンティな感じが少し入っています。バランスよく飲みやすいワイン。ちなみにヴィナスのアントニオ・ガッローニは、このワインの評価が95点と一番高いです(2番めは最初に試飲したスーマ・オールド・ヴァインと5番目に試飲するシルバー・イーグルの94点)。
5番目のシルバー・イーグルは、リヴァース・マリーの中では比較的暖かい、ロシアン・リバー・ヴァレーに入る畑です。畑の中にグリーン・ヴァレーの境界線があるとか。ここは、ソノマで畑の管理者として名高いユリシス・ヴァルデスが管理している畑で、すトーツ・レーン沿いにあることから略してUV-SLとも呼ばれています。「オーベールのちょい古ヴィンテージを試飲、ピノとシャルドネで意外な結果」という記事ではオーベールのUV-SLの試飲も紹介しています。このセミナーまでUV-SLとシルバー・イーグルが同じ畑とは知りませんでした。リヴァース・マリーでは2009年から使っています。
これまでの畑と比べると暖かさを感じるワイン。芳醇です。タンニンも比較的強くスパイシー。ボディーがしっかりしており、いわゆるカリピノのイメージに近くなっています。これも10%除梗なしの全房発酵。味わいがキャンディっぽくなるのを防ぐためとのこと。新樽率は30%。
最後はカンツラー・ヴィンヤードの2014年。リヴァース・マリーでは2012年からここのワインを手がけています。やや南東よりのセバストポル・ヒルと呼ばれる辺りにある畑で近くにはダットン・ランチやマルティネリのボンディ・ホームなどがあります。2000年台にコスタ・ブラウンがここのブドウを使ったピノ・ノワールで、Wine Spectatorを中心に高得点を取り、一躍人気になった畑です。
果実味がガツンと来るあたりはコスタ・ブラウンとも少し共通しているような気がします。どちらかというと青系の果実の味が勝っています。最初に試飲したスーマ・オールド・ヴァインとは、これほど違うのかとびっくりするようなワイン。これが畑の個性ということなのでしょう。無理して1つのスタイルに持っていくのではなく、個性をうまく引き出していることに感心しました。なお、このワインは15%全房発酵。新樽率25%。
どれがいいか選ぶのは難しいですが、比較的万人受けしそうなのがシルバー・イーグル。ピノ・ノワール好きが喜びそうなのが、若いのに熟成したような複雑さがあるスーマ・オールド・ヴァイン。ただ、これは価格も高いため、少しおとなしくなるものの、普通のスーマも捨てがたいワインです。
さて、セミナーの後は試飲会もありました。実はこちらがさらに超弩級。彼を有名にしたシュレーダーのカベルネ・ソーヴィニヨンや、シュレーダーが手がけるマーカッシン対抗と言われる超高級ピノ・ノワール「ボアズ・ビュー」なども登場しました。
まず、セミナーとヴィンテージ違いの2012年のスーマとシルバー・イーグルのピノ・ノワールを試飲しました。これが面白いことに、2013年とは違ってスーマの方が濃く、シルバー・イーグルの方がエレガントなのです。理由を聞いたところ、2012年は収穫量が多い、スーマの畑の収穫が普通よりも時間がかかってしまったとのこと。その分、糖度が上がって濃いワインになったそうです。一方、シルバー・イーグルの方は全房発酵の比率が少し高く、果実味が抑えられたとのこと。このあたりの全房発酵比率などは今なお試行錯誤があるようです。
ボアーズ・ビュー(Boars' View)はシュレーダーが手がけるソノマ・コーストのピノ・ノワールのプロジェクト。「マーカッサンを見下ろす親イノシシ?」という記事で紹介しています。今回試飲した2014年は4ヴィンテージめ(多分)で、2012年と2013年はWine Advocate誌で95点ついています。畑の管理はユリシス・ヴァルデスです。
香り高くリッチでパワフル。果実味に加え、紅茶のようなニュアンスを感じます。すごく美味しいですが、まだパワー一辺倒の若さのような感じもしました。もっともっとすごいワインがこれからできそうな気がします。「まだポテンシャルを発揮できていないのではないか」と厳し目の質問をしてみたところ、彼も、「まだ樹齢が若いので、ようやく花開いてきたところだ」とのこと。5年後くらいにはピノ・ノワールのカルトになっている可能性はかなり高いと思います。
もう1つのピノ・ノワールはアストンというワイナリー。ここはこれまで知らなかったのですが、ソノマ・コーストの中でもメンドシーノに近い北の端にあるワイナリーで、ここもシュレーダーが関わっており、畑の管理はユリシス・ヴァルデス。ここはまた、冷涼なソノマ・コーストのお手本のようなワインで、酸がとてもきれいです。個人的には今飲むならこのピノ・ノワールが一番好きかもしれません。ピノ好きであればぜひトライしてほしいワインです。
この後はカベルネ・ソーヴィニヨンで、リヴァース・マリー、プリド~ウォーカー、レヴァーナ、シュレーダーとそれぞれ2種類試飲しました。リヴァース・マリーのカリストガは明記していないもののラークミードの畑のもの。かのアイズリー・ヴィンヤードのクローンを使った区画のブドウだとのこと。濃厚というよりは明るい味わい。もう1つはオークヴィルのロア・ヴィンヤード。こちらはオークヴィルらしい上品かつパワフル。複雑さのあるカベルネ・ソーヴィニヨンでした。
プリド~ウォーカーはメランソンとパネクの2つのカベルネ・ソーヴィニヨン。メランソンはプリチャードヒルにある畑。カシスや黒鉛のフレーバー。美味しいです。パネクはセント・ヘレナのヴァレー・フロアにある畑。バランスの良さを感じるカベルネ・ソーヴィニヨン。
レヴァーナはテロワール・シリーズというナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンとエステートのカベルネ・ソーヴィニヨン。テロワール・シリーズは自社の畑とラークミード、シフレットを1/3ずつブレンドしたワイン。周りのワインがすごすぎて、今回はちょっと埋没してしまった印象。エステートのカベルネ・ソーヴィニヨンは赤系の果実と青系の果実をバランス良く感じるワイン。これも美味しい。
そして最後はシュレーダー。GIIIはベクストファーが管理するジョルジュ・ザ・サード(George III)という畑。かつてはボーリューのジョルジュ・ド・ラ・トゥールに使われていた畑です。しっかりしたタンニン、青系の果実、ボリュームあり骨格も強いワイン。何よりもシルキー。レベルが違う感じです。
シュレーダーのもう1つはRBS。これは、ナパでもだれもが最高の畑と認めるベクストファー・ト・カロンのブドウを使ったもの。前編で取り上げたWSとWAのダブル満点ワインCCSとOld Sparkyも同じ畑ですが、ブドウの区画が違っています。これはクローン337というブドウだけを使っています。これはもう言うことないです。ナパの最高峰の1つというのが納得できるワイン。
これでセミナー6種、試飲会12種の計18種の報告は終わりですが、何よりも驚いたのは作るワインの味わいの幅が極めて広いこと。ピノ・ノワールではリヴァース・マリーのスーマ・オールド・ヴァインとカンツラーでは全然違うし、ボアズ・ビューとアストンもまた、全然別のワインです。「みんな違ってそれがいい」という陳腐な表現しか思いつきませんが、これだけそれぞれが個性的で、しかもどれも素晴らしく美味しいというのは、凄いとしかいいようがありません。カベルネ・ソーヴィニヨンも同様です。
修行時代は比較的短いトーマス・リヴァース・ブラウンがどうやってこのような技能を身に着けたのかも興味深いところですが、セミナーでは、ワインショップ時代に多様なワインに触れたことを挙げていました。おそらくその舌の記憶をきちんと持っているのも類稀な才能の1つなのでしょうね。
ナパのカリストガにあるワインショップでワインのキャリアを始めたトーマスは、1997年にはターリー(Turley)のアシスタント・ワインメーカーに抜擢。2000年にはアウトポストやシュレーダーでワインメーカーになります。当時は無名だったこれらのワイナリーですが、瞬く間に頭角を現し、2008年12月には最初のパーカー100点を獲得しました。当時37歳。最年少でのパーカー100点の記録はいまだに破られていません。また、2007年のシュレーダーのOld SparkyとCCSという2つのワインはWine Advocate誌とWine Spectator誌の両方で100点を取った稀有のワインとなっています。
現在はコンサルタントとして契約しているワイナリーだけでも約40。毎週のように依頼の電話はかかってくるもののほとんど断っているという彼はあまりにも多忙で今回が初来日。
開かれたセミナーでは、彼が妻のジュヌヴィエーヴ・マリー・ウェルシュと作るリヴァース・マリー(Rivers Marie)のピノ・ノワール6種を試飲しました。
試飲の順序はフラグシップのスーマ・オールド・ヴァイン(Summa Old Vine)が最初という異例の構成。トーマス自身の希望で、軽いワインから重いワインへという順番にしたいというのがその理由です。
スーマはソノマ・コーストでも太平洋から約10kmしか離れていないかなり冷涼な地区にある畑で、1980年代から1990年代にかけてはウィリアムズ・セリエムがここのピノ・ノワールを作って人気を博しました。すぐ南側にはシャルドネで有名なティエリオットの畑があり、リヴァース・マリーはそこのシャルドネも作っています(余談ですが、奥さんはシャルドネ好きで、ティエリオットのシャルドネもリヴァース・マリーで作っています。そちらはトーマスではなく奥さんの意見が多く取り入れられているようです)。
2002年にここのブドウを入手できるようになったのがリヴァース・マリーの発端で、最初はわずか130ケースだったそうです。2010年には畑を買い取り、完全に自社畑として運営しています。
スーマ・オールド・ヴァインは新樽率100%なのですが、それを全く感じさせない作り。紅茶や落ち葉のような香りにオレンジのニュアンス。控えめな赤系の果実味。豊かな酸。非常に複雑な味わいです。100点のカベルネを作る人というと、濃いワイン一辺倒なのかと思いがちですが、驚くほどにエレガントなワインです。
2番めに試飲したスーマは、スーマの畑の中でも比較的樹齢が若いブロックのもの。味わいは、1番めのワインをやや親しみやすくしたような感じ。わずかに青系の果実も感じられる分、最初のワインよりは重くなっています。生産量わずか60ケース。
3番めはソノマ・コーストのピノ・ノワール。主に使われているのはリドル・ランチという畑のピノ・ノワール。それ以外に、単一畑に入れられなかったワインや、スーマの畑の樹間に植えられた樹の実などが使われています。
新樽率0%。豊かな果実味と酸。美味しいです。
長くなったので後編に続きます。
まず向かったのは三島の柿田川公園です。昔から行きたいと思いつつなかなか機会がなかったところ。
柿田川はわずか1.2kmの短い川ですが、水のきれいさで、四万十川、長良川と並んで3大清流と言われているそうです。富士山の雪どけ水が10年かかってここから湧き出ています。
写真ではわかりにくいですが、中央の砂のところをはじめ、いろいろなところから水が湧き出ています。湧き出ている箇所は何十カ所もあって数え切れないほどだとか。水量は年間100万トンほどだそうです。まばたき1回する間にドラム缶70本に水が貯まるくらいの量だとか。
ここも湧き出ています。
水草も豊富で、絵葉書を買ったらクレソンをいただきました。
柿田川は沼津のICから10分ほどという便利なところ。お薦めです。
その後は、近年人気スポットになっている沼津港へ。すごい人の数で駐車するのも大変。ちょっと手前の100円パーキングに入れたのですが、正解でした。
お店もたくさんあって、どこも行列しているので、ともかく海鮮丼が充実していそうな店に入ったのですが、ここが良かったのかどうかは分かりません。これはその日あがった地魚による地魚海鮮丼。1300円くらいだったかな。ハマチは脂が乗っていておいしかったです。
その後は、ここも行ってみたかった深海水族館へ。ここはシーラカンスの展示や、最近では深海のアイドルと言われているメンダコの展示などで有名なところ。人気者のダイオウグソクムシもいます。
シーラカンスは剥製のほか冷凍保存の展示も。写真は冷凍保存の方ですが、このような展示をしているのは世界でもここだけだとか。かなりデリケートな温度や湿度の管理が必要だそうです。かなりの迫力で、前から見ると口の中の舌らしきものも見えます。
外から見るとすごく小さい水族館で、その割に入場料はそれなり(大人1600円)にするので、しょぼかったらどうしようと心配したのですが、中の展示は予想以上に充実しており、また大変込み合って活気ある水族館でした。
沼津を後にして、車で1時間ほど、今日の最終目的地は西伊豆土肥にある「大江戸温泉物語 土肥温泉 土肥マリンホテル」です。
昨年「マツコの知らない世界」で「3大CMホテル」というのをやっていたのですが、そこで出てきたホテルニュー塩原が大江戸温泉物語グループに入っているのを知りました。大江戸温泉物語というとお台場のしか知らなかったのですが、最近はホテルグループとして地方のホテルを買い取って再生させているとか。特にバイキングに力を入れていて、そのために品川プリンスホテルの料理長を招いて料理を開発しているそうです。それでいて宿泊費も1泊1万円しないほどと安いので、どんなものだろうと思ってここを選んだのでした。
参考:アーカイブ|TBSテレビ:マツコの知らない世界
この宿泊費では、充実しているといっても、品数だけではないかと内心疑っていたのですが、予想以上においしかったです。ライブキッチンがあり、牛肉の鉄板焼きや天ぷらは焼き立て揚げたてが味わえます。牛肉は肉質も良好で、何回もおかわりしてしまいました。
刺し身も新鮮。マグロはそれなりですが、地元産と思われるキンメダイはとても美味しく、これだけで普通に刺し身定食食べたら何千円かかかるレベルです。タイやカツオのたたきもかなり美味しかったです。
このほか、テーブルで20分火にかけて作る桜えびの釜飯もかなりのもの。あと、フェア中でズワイガニとイチゴが食べ放題。ただカニは悪くないものの、食べるのが面倒なので、あまりバイキング向きではないと思って1回しか取りませんでした。イチゴは小ぶりでしたが味はグッド。それ以外のメニューも悪くなく、最後は胃が痛くなるほど食べすぎてしまいました。
部屋はまあまあといったところでしたが、駿河湾を望んで景色もよく、温泉も充実。アメージングとしてはマンガルームがあったりカラオケ(有料)があったりと、ホテルも堪能しました。
ちなみに朝食もバイキングで、こちらはライブキッチンで作る鯛茶漬けが絶品。これも3杯ほど食べてしまいました。
大江戸温泉物語 土肥温泉 土肥マリンホテル
今回は日曜泊だったというのもありますが、これでひとり1万円しないのは驚異のコスパで、次もこのグループのホテルに行ってしまいそうです。
次の日は、ホテルで朝風呂も楽しんでゆっくりチェックアウトしてから、昨年世界遺産に選ばれた韮山反射炉へ。ここは最近ビジターセンターも新しくできて、かなり充実した展示になっていました。また、事前予約すれば無料でガイドもしてもらえます。行くなら予約は必須です。
反射炉自体はここを一周見るだけなので、何も知識がないとほんと5分で終わってしまい、とてももったいないです。
反射炉の奥にある茶畑の上からは天気がいいと、富士山も見え、反射炉とあわせて2つの世界遺産を同時に見られます。この日はくもって富士山が見えなかったので、展示の写真でご容赦を。
その後は、いちご狩りへ。紅ほっぺは大きなものは一口で食べられないほどの大きさ。30分で50個ほど食べました。
河津桜がほとんど散ってしまって見られなかったのはちょっと残念で、2月にくるとそちらも楽しめると思います。
寄った場所はそれほど多くありませんが、それぞれをとても堪能して充実した小旅行でした。
大江戸温泉物語はほんとお薦めですよ(特にうちのようによく食べる家には)。
ユニークな都市型ワイナリー「ブロック・セラーズ」のロゼ
バレンタインに大切な人としみじみ飲みたい自然派ニューウェーブ
ワイン作りもナチュラル・イーストを使い、樽は中古のもの、SO2も最低限しか加えない形のいわゆる自然派的です。糖度が低いうちに収穫するため、アルコール度数は13%程度。カリフォルニアワインとしては低めになっています。いわゆる「ニュー・カリフォルニア」の中でもかなり先鋭的な部類に入るでしょう。
ちなみにスパークリングワインの「ウルトラマリン」などで注目を集め、2016年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しているマイケル・クルーズと共通点があるのではないかと聞いたところ、「ヴァルディギエを使っているところなど似ている部分はあると思う」とのこと。ただ、特に意識しているわけではなく、たまたま似たような方向を目指しているようです。また、実はマイケル・クルーズのワインに比べると、ブロック・セラーズのワインはかなり安価。お得感はかなりあります。
なお、今回12種の試飲がありましたが、個々のワインの生産量はかなり少なく、ワイナリーでは売り切れているものもかなりあります。米国で買うより日本の方が手に入りやすい、そういう状況になる可能性の高いワインでもあります。
ブドウ品種もほかではあまり使っていないヴァルディギエ(かつてナパ・ガメイと呼ばれていた品種)などを使っています。例えばスパークリングは白がシュナン・ブラン、ロゼがカベルネ・フランを使っています。カベルネ・フランはサンタ・バーバラのハッピーキャニオンの畑ですが、標高差の大きな畑で、下の方は気温が低く、糖度が上がらないためスパークリングに使っているそうです。どちらも酸が非常にきれいなスパークリングでした。
スティルのカベルネ・フランも同じ畑から作っていますが、そちらもカベルネ・フランとしては意外なほどの「薄旨」系。さらっと飲めるワインです。
シャルドネはソノマのグレン・エレンの近くにある畑。「ニュー・カリフォルニア」の中でも、幅広い人から支持されているナパのスティーブ・マサイアソンが管理している畑だとのことで、マサイアソンでも同じ畑のワインを作っているそうです。
第1印象はソーヴィニヨンブランかと思うような味わいでシャブリのような酸が特徴です。非常にアロマティックでもあり、印象に残るワイン。クリス・ブロックウェイ氏自身が「今一番好きなワイン」とのこと。
ジンファンデルはソノマのロシアン・リバー・ヴァレーとソノマ・ヴァレーの2つの畑のブドウを使ったもの。樹齢は20~25年というからオールド・ヴァインというほどではありません。ブロック・セラーズのワインの中では比較的濃い目のワインですが、アルコール度数は12.5%。うまみがあってとても飲みやすいするする飲めてしまうジンファンデルです。おいしいです。
このカリニャンもおいしいです。1870年代に植えられたという樹齢140年近いとても古い畑、この時代の通例で、畑には複数の品種が植えられています。個人的にはこれを一押し。
こちらが噂のヴァルディギエ。ピノ・ノワールっぽい味わいです。親しみやすくするする飲めるワイン。
こちらのピノ・ノワールとガメイのブレンドもするする系。ソギ(SOGI)というのはSouth of Gilman Streetの略とのこと。ワイナリーがギルマン・ストリートの南側にあるからだそうです。北側だったらノギになって、今の日本で受けたかもね、というのはしょうもない親父ギャグ的感想です(通訳の香奈さんはあきれて訳してくれませんでした)。
ブロック・セラーズのワインは大部分が5000円以下。3000円台で買えるものも多いので、まずは一度試してみてほしいワインです。
自然派好きな人はシャルドネやスパークリング、カベルネ・フランあたりで「攻めて」みるのはどうでしょう。
おっかなびっくりという人はジンファンデルやカリニャンが安心して飲めると思います。
何も考えず、飲みやすくおいしいワインがいいという人は、以前紹介したラブ・ホワイトやラブ・レッド、ピノ・ノワール/ガメイ、ヴァルディギエあたりをお薦めします。
大塚食品がオーナーでもあるリッジからはイースト・ベンチのジンファンデル。リッジのワインはちょっとお高いのが難点ではありますが、これは5000円台と、まだ比較的安価です。リットン・スプリングスなどのもつ複雑さはありませんが、しっかりと作られたリッジらしいジンファンデルです。
オルカ・インターナショナルが新たに輸入を始めたキャノンボール。これはかなりコスパ高いです。
アキコさんがワインメーカーを務めるフリーマンはインポーターがワイン・イン・スタイルに変わりました。フラグシップのアキコズ・キュベがおいしいですが、エステートのグロリアもかなりいいワインです(どちらもピノ・ノワールです)。
ワイン・イン・スタイルでは、ブランドごとではなく品種ごとにワインを並べていました(フリーマンは別格扱い)。これはわかりやすくていいですね。ピノ・ノワールの中ではセバスティアーニとクロスバーンが好みでした。
もう1つ日本人が作るワイン。Nakai Vineyardsは、自社で日本への輸入を始めました。ご夫妻の娘さんが住んでいるという横須賀にテイスティングルームを開くそうです。
ヴィノスやまざきが輸入する「ハート・オブ・クラウディア」カベルネ・ソーヴィニヨン。同じく同社が輸入しているパライソと共同開発した製品とのことで、コスト・パフォーマンスは抜群です。
カリフォルニア最古のワイナリーとして知られているブエナ・ヴィスタは現在はジャン・シャルル・ボワセ(JCB)が所有しています。ここもコスパは抜群で、ピノ・ノワールもジンファンデルも2000円台(実売では1000円台のところも)としては最高レベルでしょう。
これは知らなかったワイナリー「レジオ」(Regio)。このジンファンデルもコスパ高いです。
カリフォルニアでは絶大な知名度を誇るのになぜか輸入されていなかったBV(ボーリュー・ヴィンヤード)。ついにインポーターが付いたそうです。ここのラザフォードのカベルネ・ソーヴィニヨンはラザフォードのベンチマーク的ワイン。
一時期ピノ・ノワールで一世を風靡したタンタラ。そこをやめたジェフ・フィンクが現在作っているのがイーサー。味わいもタンタラを彷彿とさせます。
アイコニック ワイン・ジャパンが新たに輸入を始めたストルプマン。サンタ・バーバラのハッピーキャニオンにあるシラーを得意とするワイナリーです。フクロウラベルが印象的なこのワイン「パラ マリア」は3800円としては凝縮感あり、美味しいです。
これも「ジャケ買い」したくなったボデガ デ エドガーのトロ・デ・パソ。テンプラニーリョとグルナッシュ、ムールヴェードルというスペイン系のブレンド。味もいいです(パーカー91点)。
ちょっと高級系ではシャペレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは美味しかったです。力強くエレガント。
これもジャケ買い銘柄として有名なマリリン・メルロー(現在のワイナリー名はマリリン・ワインズだそうです)ですが、実は味わいもしっかりしたいいワインです。
カナダの観光局は、すごく魅力的なWebサイトを作って日本向けにカナダ観光をアピールしています。
カナダシアター
祝賀イベントでは、このサイトでカナダ観光局員、秋月菜々役として「モザイク・カナダ」という動画シリーズに出演している安田早紀さんなども参加。
イベント最後にはカナダの食材を使った料理やワインもありました。
ワインはスパークリングとソーヴィニヨンブラン、メルローの3種。
カナダの料理は意外と薄味であっさり系が多く、ワインも比較的あっさりした味わいが多いように感じました。カナダと言うとアイスワインが有名ですが、ドライなワインでも面白いものがありそうです。
地図でピンクのエリアはすでにこのカメムシが住み着いているところ。水色のエリアは発見されたところ。ナパの東隣のYoloでは既に定着しています。
カリフォルニアで最初に発見されたのはロスアンゼルスで2006年のこと。都会を中心に広がる性質があり、サクラメントでも定着し、周りに波及していっているようです。10年でここまで広がってきたということは、今後さらに拡大していく可能性が高そうです。
ブドウ一房あたり3匹のカメムシの混入があると実際に味にも影響が出て来るとのこと。
[追記]当初ワイン1本あたりと書きましたが、ブドウ一房あたりの誤りでした。
ピアス病を媒介するシャープシューターなどと同様、今後コントロールが必要になってくるかもしれません。
数年間続いたカリフォルニア史上最大の旱魃はようやく終わったようです。というか、北カリフォルニアでは洪水が起こるなど、むしろ今では水害の話題が中心になるほど。
それでもサンタ・バーバラあたりなど、セントラル・コーストの南の方や、内陸部ではまだ旱魃状態が続いていたのですが、ようやくほとんどなくなり、過去5年で一番水が多い状態になっています。
例えば1年前の2016年3月初頭では、「中程度の旱魃」の地域が95%以上あったのが2017年2月末には8%台にまで下がりました。また82%あった「深刻な旱魃」の地域(図のオレンジ色)も4%になりました。
ほぼ旱魃は終わったといっていいでしょう。
ただ、サンタ・バーバラはまだ図の「深刻な旱魃」に相当するところが大部分。ここだけ雨が避けているのでしょうか。それでもここ数年よりはよほどましだと思いますが、ちょっと心配です。
【日時】
3月29日(水) 19:30~21:30(受付19:00より)
【会場】
CROSS TOKYO
東京都港区赤坂5-4-7 10F
03-5545-5408
【会費】
お1人様 15,000円
(お食事、ウエルカムドリンク、ドリンクチケット5枚込)
ドリンクチケットは5枚あり、以下のように2枚で飲めるものと1枚で飲めるものがあります。そのほかウェルカムドリンクでは珍しいソーヴィニヨン・ブラン100%のスパークリングも供されます。
チケット2枚
PORTFOLIO 2012
PORTFOLIO 2005
Dunn Howell Mountain 2000
Ramy Napa Cab 2007
チケット1枚
Flowers Chardonnay Sonoma
Rombauer Caneros Chardonnay
TOQUADE Sauvignon Blanc 2010
Wind Gap Sonoma Coast Pino Noir 2013
Siduri Pisoni Vineyard 2012
Rafanelli Zinfandel
Welcome Drink - チケット不要♪
Bodokin (スパークリングワイン 100% Sauvignon Blanc )
白石さんはいろいろな音楽家と共演されているようですね、
申し込みは下記メールまで
返信メッセージ確認後に申込み完了となります。
清家 純:seike@mirai-z.com
三木 香奈:kana.ggwine@gmail.com
10%引きワインの一覧はこちら
5000円以上の買い物で使える500円引きクーポンも出ています。あわせて使えば最大2割近い割引になります。
500円クーポン(5000円以上で利用可能)
パーカーの日本酒評価に疑惑、輸入業者と癒着か?
パーカーの「日本酒評価漏洩疑惑」について編集長がコメント、ただし疑惑は晴れず
疑惑のサイトの価格設定に驚愕
Wine Advocate、日本酒リスト漏洩疑惑まとめ
やっと出たWine Advocateの日本酒レビュー漏洩疑公式声明
その顛末は上記のリストを追っていただければわかると思いますが、ともかく疑惑のミレジムはその後の日本酒レビューには一切かかわらないことになっています。なお、疑惑のThe Taste of Sakeのサイトは消されたままになっているようです。また、この件とは関係なく、ル・カヴォーに問い合わせ先について質問をしたところ、ミレジムの電話番号を教えてくれました。ミレジムとル・カヴォーが無関係なんてよく言えたもんだと思ってしまいましたが、毒を吐くのはこれくらいにしておきましょう。
と歯切れの悪い状態のままではありますが、2回めとなる酒のレビューが229号で出ております。
今回は、兵庫の灘、広島の西条という酒処をめぐったレポートと日本酒21本のレビュー。
今回は前回のような高得点のものだけでなく、90点以上が6本という結果でした。
1つ96点という高い評価になったのは姫路の本田商店が作る龍力の大吟醸「秋津」。それも最初に作った1996年のものという超レア日本酒でした。
そのほか90点以上のものを紹介すると
91点
・八海山 特別大吟醸
・龍力 吉川米田 純米大吟醸
・山本本家 祝 純米大吟醸
90点
・佐浦浦霞 純米大吟醸
・龍力 上三草 純米大吟醸
でした。
海外に販路を作りたい日本酒の酒蔵にとってはWine Advocate誌のレビューは品質の1つの担保になりますから、われこそはというところは、「なぜうちのを評価しないのだ」と思うのではなく積極的に評価をお願いするのがいいと思います。
Wine Advocate誌のリサ・ペロッティ・ブラウン編集長は info@wineadvocate.com あてに連絡をほしいと自ら求めています。
英語の問題で、どう連絡したらいいかわからないという酒蔵があったら、私もお手伝いできますので、Facebookでメッセージを送るか、gmailのandymatsubaraあてに連絡いただけたらと思います。
八海山 大吟醸[720ml 4合瓶][八海醸造] |
【送料無料】【ギフト品】【代引不可】龍力 純米大吟釀 米のささやき 吉川米田 720ml |
山本本家‘神聖’松の翠 純米大吟醸720ml |
浦霞(うらかすみ) 純米大吟醸 山田錦[720ml 4合瓶][株式会社佐浦] |
本田商店【兵庫の酒】720ml純米大吟醸 龍力 米のささやき 上三草(かみみくさ)【あす楽対応_北陸】【あす楽対応_東海】【あす楽対応_近畿】【あす楽対応_中国】【あす楽対応_四国】【あす楽対応_九州】【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】【02P03Dec16】 |
今回の最大のトピックはレビュアーが変わったこと。これまでのロバート・パーカーに代わって、Wine Advocate誌の編集長であるリサ・ペロッティ・ブラウンが担当になりました。リサは以前は拠点をシンガポールに置いており、編集長でありながら、主要地域を1つも担当していなかったわけですが、米国に拠点を移し、ソノマを担当するようになったようです。
今回、約500本のワインがレビューされていますが、うち約3割が2015年で、6割が2014年。残りがそれ以前のヴィンテージでした。前年のレポートで、パーカーは2014年が2013年と同様の良年だが、どちらかというと2014年がいいと書いていましたが、リサも基本的に同評価です。また2015年は旱魃と開花時期の冷え込みで収穫量が大幅に減り、収穫時期が非常に早くなりました。2014年よりも凝縮感があって、やや重いワインになる傾向があるようです。
高評価のワインを一部紹介すると、キスラー(Kistler)のシャルドネ キュヴェ・キャスリーン(Cuvee Cathleeen)2014年が99点と一番の高得点。同年のキスラー・ヴィンヤードのシャルドネも98+。またキスラーから派生したオキシデンタル(Occidental)のキュヴェ・キャサリン ピノ・ノワールも98+。なお、キュヴェ・キャサリン(Cuvee Catherine)の畑のブドウは2000年代初期に植えられたものですが、カレラ・クローンともう1つ別のいわゆる「スーツケース・クローン」があるそうです。カレラ・クローンはブルゴーニュのロマネ・コンティの畑からと言われているクローンであり、もう1つのクローンも著名な畑から来たもののようです。
2015年のワインではロキオリ(Rochioli)のピノ・ノワール ウエスト・ブロックが98+。デュモル(DuMOL)のピノ・ノワール フィン(Finn)が97-99点。
このほかエレガント派の代表格であるリトライ(Littorai)もチャールズ・ハインツのシャルドネ、トリビチュアリのシャルドネ、ヘイヴンのピノ・ノワールが96点とこれまでの最高点タイの高評価。ヴィンテージは2014年。
■リトライ チャールズ・ハインツ・ヴィンヤード シャルドネ[2014]Littorai Charles Heintz Vineyards Chardonnay[2014]【出荷:7〜10日後】 |
このほかレイミー(Ramey)やポール・ホブズ(Paul Hobbs)も高い評価でした。
トランプ大統領は見直しを求めるにあたって「経済成長を促し、不必要な規制をなくす」ことを念頭に置くようにとしています。
水質規制の条例は1972年に作られたものですが、最初は大きな川だけに適用されていました。しかし、小さな川にも同様の規制が必要なことがわかり、より広範囲に適用する規制をオバマ政権時に決めました。
この規制によって、家を建てるような小規模の開発においても環境コンサルタントによる許可が必要になり、負担がましていたとのこと。
そういう意味ではオバマ政権の規制はちょっと「やり過ぎ」と考えていた人も少なからずいたようです。
しかし、規制がなくなると水質を担保するのが難しくなるのも事実であり、単純になくすのではなく落としどころを見つけるべきでしょう。
トランプ政権に、そういう気があるのかどうかは不明ですが…
今回の目玉はリース(Rhys)。セールはおろか、入手自体が困難なワインです。
ワシントンのグラマシーセラーズのカベルネもあります。ワシントンのカベルネはカリフォルニアと比べると抑制が効いて、よりボルドー的な印象。グラマシーはレベルの高いカベルネやシラー、ヴィオニエなどを使っています。
ほかにはシミのシャルドネ。これはコスパの高さで定番ですね。
すべて現品限りです。
【アウトレット】 リーズ(リース) シャルドネ "ホースシュー・ヴィンヤード" サンタクルーズマウンテンズ [2012] (正規品) Rhys Horseshoe |
【アウトレット】 リーズ(リース) ピノ・ノワール "ベアワロウ・ヴィンヤード" アンダーソンヴァレー [2012] (正規品) Rhys Bearwallow |
【アウトレット】 グラマシー・セラーズ カベルネ・ソーヴィニヨン "ロウワー・イースト" コロンビアヴァレー [2012] (正規品) Gramercy Cellars Lower East |
【アウトレット】 シミ シャルドネ ソノマカウンティ [2015] (正規品) Simi |
実は今回の最大の目玉はロキオリ。これまでは別のインポーターが扱っていたのですが、今回布袋ワインズに移ったのです。しかし、試飲会に私が行ったときにはすでにロキオリはすべてなくなっており、試飲できませんでした。ほかにもいくつかのワインが売り切れになっていました。
今回は4000円以下、4000~8000円、8000円超の3つの価格帯別に紹介します。なお、価格は参考です。
●4000円以下
・スリー・シーヴズ ピノ・グリージョ 2015(1800円)
スリー・シーヴズは1000円台でピノ・グリージョ、シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンなどが飲めるワイン。非常にコスパ高いです。ピノ・ノワールが予想以上によかったので特におすすめです。
・ブランダー ソーヴィニヨンブラン ロス・オリヴォス・ディストリクト 2015(2900円)
ブランダーのソーヴィニヨンブランは、かなりボディのしっかりしたソーヴィニヨンブラン。おいしいです。2900円。
・ジョエル・ゴット アンオークト・シャルドネ 2015(3300円)
ジョエル・ゴットのシャルドネのノンオーク。ピュアな果実味がよかったです。3000円。
・ベンチ ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2014(3300円)
ベンチのピノ・ノワールもコスパ高いです。3300円ですが、5000円クラスの味わい。うまみがしっかりあります。ベンチはカベルネ・ソーヴィニヨンもかなりのできばえ、おすすめです。
・キャッスルロック プチシラー 2012(2300円)
・クライン シラー ソノマ(2200円)
キャッスルロックのプチシラーは2000円台とは思えない濃厚さ。となりにあるクラインのシラーもなかなかでした。
●4000~8000円
・ジェイ ブリュット・ロゼ NV(5600円)
ジェイのロゼ・ブリュットは大好きなワインです。見た目もおしゃれ。
・ロンバウアー シャルドネ カーネロス 2014(6300円)
ロンバウアーのシャルドネは今となってはむしろ珍しくなったコテコテ系。時々飲むとむっちゃおいしいです。
・カリン シャルドネ キュヴェLD 1994(6100円)
10年以上熟成したワインしか売らない変態的なワイナリー。シャルドネは最新リリースで1995年から1994年へと1年遡ってしまいました。カリンのワインは熟成による旨味が基本なのですが、さすがにちょっと酸化した味わいになっていることも珍しくありません。このシャルドネは20年以上経っているのに酸化のニュアンスがほとんどないことに感心しました。
・ホール メルロー ナパ・ヴァレー2012(6000円)
ナパの実力派ホールのメルローはきめ細かく緻密な味わい。これはいいメルローです。
・コン・クリーク ヘリック・レッド ナパ・ヴァレー2013(4200円)
カベルネ・ソーヴィニヨンにシラーなどをブレンドしたいまどきのレッド・ブレンド。芳醇でおいしいです。非常にコスパ高いです。
・セゲシオ・ジンファンデル ソノマ・カウンティ 2014(4700円)
セゲシオのジンファンデルにはずれはないですね。単一畑ものもおいしいですが、コスパではこのカウンティものが一番。
●8000円超
・リトライ ピノ・ノワール ハーシュ2013(12000円)
リトライのハーシュはカリフォルニアの冷涼系ピノの代表といってもいいかもしれません。美味しいです。
・ホール カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2013(9500円)
コスパではメルローが勝りますがカベルネ・ソーヴィニヨンもうまいです。
・クリフ・レイディ カベルネ・ソーヴィニヨン スタッグス・リープ2013(11900円)
クリフ・レイディはナパのお手本的カベルネ・ソーヴィニヨンを作ります。値段は少々張りますがそれだけの価値はあるかと。
プルミエ・ナパ・ヴァレーは業界向けのオークション。各ワイナリーは、オークション用に専用のワインを作り、毎年決められたラベルを付けて販売します。2016年からは世界中から参加できるオンライン・オークションも開始し、2017年は売上の2割を占めるまでになりました。日本からの参加もあったようです。
最も高額なロットはスケアクロウで20万ドルでした。
参考:パーカー95点で、限定超お買い得のサン・スペリー単一畑
このほどヴィンテージが2012年に変わりましたが価格は据え置きで税抜き6000円弱で売られています。
個人的にはソーヴィニヨンブランも大のお薦め。
「ラグジュアリー」の研究家(そんな人がいるんですね)によるとラグジュアリーなものとは「必要だったり普通だったりというよりも魅力的なもの」だとのこと(なんだか当たり前ですが)。その要素としては、高価、高品質、希少、権威、象徴、特別感を得られること、の6つがあります。近年ではこれにサステナビリティも加わるそうです。
価格による分類は、これまでいくつかの研究がありますが、結果は結構バラバラです。ジーンという人による1999年の研究では50ドル以上を「アイコン・ワイン」としています。
2005年の研究ではラグジュアリーを25~50ドル、スーパー・ラグジュアリーを50~100ドル、アイコンを100ドル超としています。
2016年のオーストラリアでの研究ではウルトラプレミアムが70~99豪ドル(51~72米ドル)、ラグジュアリー/アイコンが100豪ドル(73米ドル)以上としています。
また、ニールセンのデータでは25ドル以上は一括して高級ワインという位置づけです。
そこで、この記事では「手頃なラグジュアリー」を50~99ドル、ラグジュアリーを100~499ドル、アイコンを500~999ドル、ドリーム・ワインを1000ドル~とすることを提案しています。
感覚的にはこれくらいの分類は納得感がありますが、25~50ドルも「ちょっとだけ背伸びワイン」みたいな感じで名前をつけてあげたい気もします。
マリサ・チャイナという人が作ったバッグ「PortoVino」が思わぬ大ヒットを見せています。バッグの中にボトル2本分のワインを隠し入れられるというこのバッグ、動画がFacebookを中心にバズって4500万回を超える再生回数になったとか。
それに伴い、バッグの販売サイトもサイトが落ちるほどのアクセスになったそうです。在庫もあっという間に売り切れてしまったとのこと。
現在、次のロットを発注しているそうですが、4月にならないと完成しないそうで、今しばらくは在庫ゼロが続きそうです。
今後はもっとカジュアルなスタイルのものも作るそうです。
実用性はよくわかりませんが、面白いですね。
実際、近年までピノ・ノワールは作っていなかったようなのですが、2007年くらいからアトラス・ピークのアンティノリの畑のピノ・ノワールを作り始めたようです。
2014年のピノ・ノワールはパーカーが91点、アントニオ・ガッローニが92点という高得点をつけています。ガッローニによると、これまでは酒質が弱かったが2014年は初めてよくなったとのこと。パーカーのレビューによるとチェリーやストロベリーなどの柔らかい果実味を中心としたソフトなピノ・ノワールのようです。
本来は5500円だそうですが、柳屋は決算セールで3480円(税抜き)。かなりお買い得だと思います。
ピノ・ノワールついでにもう1つ気になっているワインを紹介。カリフォルニアではなくブルゴーニュです。日本人醸造家の栗山朋子さんが作るシャントレーヴのAOCブルゴーニュ。
敬愛する立花峰夫さんが「シャントレーヴのAOCブルゴーニュは、全房発酵なのにそうしたイガイガ、青さがまったくない絹のタンニン。その質感は、最高の造り手の長期熟成を経たグラン・クリュ並です。抽出をせずに抽出するという、とてもカッコイイことをされています」と褒めるワイン。そういえば、これで思い出しましたが、前述のロッシ・ワレスは全房は全く使っていないそうです。
これでお店によっては2000円台で売っているので、良さそうだなあと思っています。ブルゴーニュのピノ・ノワールなんて20年くらい買ったことありませんが、悩み中。ついでにもう1つ余談を書いておくと、友人の娘さんが、この醸造家さんと同姓同名。漢字も同じ。これも気になる(笑)。
これで料金はわずか4500円。嘘みたいな安さです。
あじる亭には「あじる亭カリフォルニア」という店もありますがそれとは別なのでお間違えのないように。
念のため、予約した方がいいそうです。
電話は03-6277-7794
もちろん、これ自体は悪いことでもなんでもありませんが、労働集約型の産業であるワイナリーにとっては移民の労働者がいないと立ち行かなくなるというのが現実です。トランプ大統領にはぜひその現実を理解してほしいところです。
ちなみに、ワイナリーの運営はトランプ大統領の次男のエリックが担当しており、会社名は「エリック・トランプ・ワイン・マニュファクチャリング」社となっています。ワイナリーのWebサイトには、この会社は「ドナルド・トランプやトランプ・オーガニゼーションに所有も管理も付属もしていない」と書かれています。
しかし、ワイナリーの土地は「トランプ・ヴィンヤード・エステーツ」社が所有しており、この会社はトランプ・オーガニゼーションの不動産部門に属しています。今回のビザ申請もこの会社が出しています。
それから、前の記事でも書いたようにトランプ大統領本人は、アルコール類一切飲みません。アルコール中毒で亡くなった長兄の言いつけを守っているとのことです。
1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる
ブドウは通常、接ぎ木で増やすため、遺伝子的には全く同じブドウがずっと育てられることになりますが、このプロジェクトでは、かけあわせで種子を作り1万種の新しい品種から次世代のグラン・クリュが登場することを期待しています。
最近、デカンター誌に載った記事によると(Bonny Doon founder Randall Grahm's new California wine - Jane Anson)、植樹可能なエリアが70ヘクタールあり、うち40ヘクタールをRossese (Tibouren), Furmint, Ruche, Grenache Blanc/Gris, Syrahといった既存の品種で使い、残りの30ヘクタールを種子から育てたブドウにするとのこと。
また、ランドール・グラームはこの畑をAVAにしようとしていて、必要な書類を準備しているそうです。
ツイッターにはポープルシュームの畑の計画が載っていました。
Site plan for #Popelouchum#wip pic.twitter.com/gSkSAeUSZp
— Bonny Doon Vineyard (@BonnyDoonVineyd) 2017年2月5日
同心円状のかなりユニークな形になるようです。
高級ボックスワインは2016年の成長率が24.2%と、さまざまなフォーマットの中でもトップの成長率。ちなみにガラス瓶のテーブルワインは4.2%。安価なボックスワインは1.9%減少でした。
高級ボックスワインの代表的なブランドの1つがボタ・ボックス(Bota Box)。デリカート・ファミリーのブランドです。2016年に28%上昇して、上昇率で5位、ブランドの売上で全体の15位に入りました。
このほか、コンステレーション・ブランズのブラック・ボックスというブランドも人気。上昇率ではボタ・ボックスを上回り、全体の3位でした。
ちなみに高級ボックスワインの価格は3リットルで20ドル前後。750mlに換算すれば5ドルですから、日本の感覚だとかなり安いです。
日本でも売っているフランジアの場合だと5リットルで16ドル前後。750mlに換算すれば2.4ドルですから、高級ボックスワインはおよそ倍額ということになります。
日本のフランジアの価格は3リットルで1600円くらいですから、米国と比べるとかなり高いですね。先日、日本のカリフォルニアワインの輸入が減っているという記事を書きましたが、このあたりをもっと安くするのが、競争力を高めるのに必要かも、というようなことを思ってしまいました。
話はちょっとずれてしまいましたが、ボックスワインは中に空気が入らない構造になるので、酸化には強いはずです。高級版というのも十分ありえる市場だなと思いました。日本で2500円くらいで売ってくれないでしょうか。
インポーターさんもショップさんも、売れるかどうかドキドキされているような…
まあ、ワインに罪はありませんから。なお、ワイナリーはトランプ大統領の次男が運営しているとのことです。
また、トランプ大統領自身はアルコールを全く飲みません。4人兄弟の一番上の兄がアルコール中毒で亡くなっており、その兄が「アルコールは飲むな」といったのを守っているそうです。
スーパーの名前はWegmans。バージニア州に10店舗を持つスーパーのチェーンで、地元ではカルト的人気があるそうです。スーパー側はまだ態度を決めかなているようですが、イヴァンカ・トランプのファッション・ブランドに続いて、色々な店から撤去される動きが起こるかもしれませんね。
確かにこれだけトランプを主張したラベルはあまり見たくないかも。
トランプといえば、先日米ティファニーのCEOが辞任したのですが、その理由にトランプが絡んでいます。直接の辞任理由は業績悪化ですが、悪化の最大の理由は旗艦店で売り上げの2割(すみません、数字はうろ覚えなので違うかも、ともかくかなりの比率です)を占めるニューヨークの本店の売り上げが落ちたこと。
実はこの本店、有名なトランプタワーの横にあり、警備強化のため、店への出入りが不自由になったのだそうです。それで来店客が減って売り上げが落ちたとのこと。なんだかとばっちりのようですが、これで辞任するCEOはちょっと気の毒に感じました。
国・地域別に見るとEUが6億8500万ドルで前年より10%増。2番めのカナダは4億3100万ドルで6%ダウン。前年3位の香港は1%増えて9860万ドル。
昨年香港に抜かれて4位に落ちた日本は8700万ドルで今年も4位。ただし、総額で9%、量では20%も減っています。
5位の中国は8200万ドルですが、前年比47%もの伸びを示しています。このまま伸びると来年は日本を抜く可能性も大ですが、中国や香港は乱高下するのも特徴。2017年も伸びるのかどうかが気になります。
また、ワイン・インスティチュート日本代表の堀さんは、バルクで輸入して日本でボトル詰めして売るベンダーが増えていることを指摘しています。日本に輸入されるカリフォルニアワインの量を支えているのはそういったワインですが、TPPを米国がやめてしまったため、なくなることが期待されていた関税が残るほか、そのための手続きもインポーターにとっては大きな負担になっています。そういった点でチリやオーストラリアに大きく遅れを取ってしまうことになるため、TPPに代わる2国間の協定を早く結ぶべきだとしています。
参考:米国のワイン輸出は新記録、ただし日本は減少
米国のワイン輸出、日本は減少するも3位を維持
カリフォルニアワインでも始まった「ジャパン・パッシング」
1トン当たりの価格は750.27ドル。これも2015年から11%上がっています。赤ワイン用のブドウは899ドルと過去最高の価格でした。
ブドウの品種別収穫を見ると、1位のシャルドネ、2位のカベルネ・ソーヴィニヨンといったところは例年通り。以下、ジンファンデル、フレンチ・コロンバード、ルビーレッド、メルロー、ピノ・グリ、ピノ・ノワールと続きます。
エメラルド・トライアングル(画像はWikipedia より)
娯楽用のマリファナ解禁が決まって以来、カリフォルニアのマリファナ産業はかつてない盛り上がりを見せており、かつてのゴールド・ラッシュになぞらえて、グリーン・ラッシュなどと呼ばれるようにもなっているそうです。
ワイン産業との競合も色々なところで出てくることが予想されていますが、もしかすると、これがその一つの象徴的な出来事になるのかもしれません。
20年を超えたワインということで、まだ飲めるかどうか心配になるところですが、2016年7月に同ショップのワイン会でオルネライア1992、ソシアンド・マレ1996/1990と飲み比べたときは、これが一番人気だったとのこと。
ちなみに、Wine Advocate誌によると評価は93点で飲み頃は2025年くらいまで。まだ十分に飲み頃に入っています。
昨今、ナパのカベルネで1万円台はもはや当たり前の感じもありますが、これだけ熟成したワインが1万円台で飲めるなら、新しいワインを探すよりもいいかもしれません。
またまた教えてもらって「鶴齢」を作っている新潟・青木酒造の「雪男」の活性にごり酒を飲みました。メーカーサイトによると1000本限定だとか。
このお酒、活性と書いてあるように発泡しています。スパークリングワインのように、栓がワイヤーで止めてあるのではなく普通のスクリューキャップなので、吹かないようにするために冷蔵保存が必須とのこと。
飲んでみると、シュワシュワ発泡が楽しく、旨味もしっかりあって、新鮮な味わいでした。スパークリングワインとは方向性が違う感じですが、面白いお酒です。
ボトルデザインもかわいいです。
まず、オレゴンのワインですが、もちろん赤はピノ・ノワールが中心、というかほとんどピノ・ノワールだけと言ってもいいでしょう。冷涼な地域のピノ・ノワールということで、カリフォルニアでいえばソノマ・コーストやアンダーソン・ヴァレーあたりの延長線上にあるような気がしました。
カリフォルニアでリトライなどの冷涼なピノ・ノワールを試飲するときも感じるのですが、冷涼な地域のピノ・ノワールを試飲したときの表現や評価が難しいのです。結局どれくらい好きかに落とし込むくらいしかなく、客観的な表現や評価が全然できていないなあと思いました。
その中でもクリストムあたりは、比較的カリフォルニアに近い味わいで、個人的には高評価でした。
このほか、イヴニングランドや、ドルーアンがエオラアミティヒルズで作るワインなど、オレゴンのエオラアミティヒルズのワインは美味しいものが多く感じられました。
ここのピノ・ノワールもなかなか良かったです。
白ではシャルドネもありますが、ピノ・グリが多いという印象。ピノ・グリについては、カジュアルなワインとして美味しいとは思うものの、シャルドネのいいもののような素晴らしいワインになるというイメージがあまり起こらず、どれを飲んでも同じような味わいに思えてしまいます。なかなか良し悪しを判断するところまで行きません。
一方、ワシントンは白ではリースリング、赤ではメルローやシラーが目立ちます。
リースリングはいろいろなスタイルのワインがあることはわかるのですが、これもまた良し悪しを判断するところまでなかなかたどり着きません。素晴らしいリースリングを飲んだ経験がないことも響いているかもしれません。
ワシントンのメルローはちょっと苦手な部類です、どうしても青臭さを感じてしまいます。シラーは抑制がきいたスタイルでわりと好きです。
カベルネ・ソーヴィニヨンは多少あたりはずれはあるような気がしますが、美味しく感じられるものもありました。コロンビアクレストが最近始めたH3というラインはなかなかよかったです。コロンビアクレストは昔から好きなワイナリーの1つです。
カレラ誕生についての話から書かれていますが、それについてはこれまで日本でも散々書かれているので省略します。なお、「ロマネ・コンティの畑で拾った」などと言われている、カレラのピノの由来ですが、ここではブルゴーニュから持ち帰ったとだけ書かれています。
1974年に植樹し、1978年に最初のワインを作っています。最初のヴィンテージは24エーカーから全部でわずか1トンの収穫。現在目標だとしている2トン/エーカーと比べてもわずか2%くらいという極端な低収量でした。
その結果、非常に密度が高く、タンニンの強いワインになっているそうです。飲み頃になるまでに数十年かかるワインでしたが、今でもすばらしい味わいだそうです。これこそが「カレラがピノ・ノワールのエリート・プロデューサーの1つであるという証」だとしています。
なお、ジェンセンの飲み頃についてガッローニは10~15年くらいが一番おいしく感じられるが、もっと長く飲み頃が続くヴィネテージも多い、としています。
カレラについては、2010年ころまでは評論家の評価はあまり高くなく、結果として米国での人気もさほどではなかった印象があります。日本では1990年代にマンガ「ソムリエ」の影響で人気が急上昇し、年ころは入手困難なワインの1つでした。私もカレラを買うために、朝早くからデパートに並んだことがあります。
マンガで人気に火が付いた話は米国でも報じられていたので、当時の米国のマニアの認識は「カレラって日本では人気らしいね」といった感じであまり高く評価されていませんでした。
我が道を行くオーナーのジョシュ・ジェンセンの姿勢や、除梗なしの造りで飲み頃まで時間がかかることもあり、米国では決して人気のピノではなかったと思います。そういう意味では一貫して人気が続いている日本の方がカレラを理解していたのかもしれませんね。
【3000円以下】
比較的高額なワインの多い中川ワインさんですが、この価格帯にもいいものはあります。
◎ルナティック(Lunatic) ホワイト・ワイン「セット・ユアセルフ・フリー」2014 3000円
ゲヴェルツトラミネール36%、マスカット・カネリ28%、ルーサンヌ25%、ヴィオニエ11%のワイン。ルナティックはイタリア品種を特異とする「ルナ」のバリューライン。ほの甘な感じがほっとするワイン。最近はこういうのもいいなあと思うようになりました。
◎ペドロンチェリ(Pedroncelli)ドライ・ロゼ ジンファンデル2014 2400円
「毎日飲んでも裏切らない」というのが中川ワインのつけた謳い文句ですが、どの品種も裏切らない味わい。全部紹介したいくらいですが、中でもこれはフレッシュで美味しい。
◎ペドロンチェリ ジンファンデル「マザー・クローン」2014 2700円
といいながらもう1つ紹介しますが、これもまさに裏切らない味。おいしいです。
【5000円以下】
◎ナカムラ・セラーズ ノリア(Noria) ソーヴィニヨンブラン 2015 4500円
ゲヴェルツトラミネールが5%入って、かすかに甘みがあります。酸が主張するワインも好きですが、日本食にはこっちの方が合わせやすそう。
◎ジャム・セラーズ(JaM) シャルドネ「バター」2015 4000円
しっかり樽も使ってバニラのフレーバーやリッチなフレーバーがあるワイン。ただ、バターという名前だけど、バターっぽくはなく、やり過ぎ感はないです。エレガントなシャルドネもいいですが、こういうはっきりした味のシャルドネも美味しいです。
◎マウント・エデン(Mount Eden) シャルドネ エドナ・ヴァレー 2014 4600円
さわやかで複雑味があるいいシャルドネです。
◎マイグレーション(Migration)シャルドネ 2014 5000円
バランスよくとても美味しい。
◎ベッドロック(Bedrock) ジンファンデル オールド・ヴァイン 2014 4800円
先日も紹介したおすすめワイン。複雑でワンランク上の味わい。
◎キュペ(Qupe) シラー「ミッション・ラベル」2012 3800円
ビオディナミで作られているワイン。複雑味のあるシラーです。
◎ナパ・ハイランズ カベルネ・ソーヴィニヨン2013 4800円
新ヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨン100%になりました。ナパらしい味わいですが、バランスもよく、とてもいいカベルネ・ソーヴィニヨンです。
【1万円以下】
◎ナカムラ・セラーズ ノリア サンジャコモ ピノ・ノワール 2014 5800円
バランス良く、飲みやすいピノ・ノワール。酸はおだやか。
◎ドメーヌ・エデン(Domaine Eden) ピノ・ノワール 2013 6000円
旨味があっておいしいピノ・ノワール
◎ホーニッグ(Honig) カベルネ・ソーヴィニヨン 2014 7000円
ナパらしい芳醇でおいしいカベルネ・ソーヴィニヨン
◎JCB by ジャン・シャルル・ボワセ 「パッション」ナパ・ヴァレー レッド・ワイン 2014 1万円
華やかでおいしい。カベルネ・ソーヴィニヨン73%でマルベック27%。
【1万円超】
◎ウェイフェアラー(Wayfarer)ウェイフェアラー・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2013 1万5500円
口の中で広がりを感じるワイン。酸と果実味、旨味、どれもハイレベルでバランス良い。すばらしい。
◎コングスガード シャルドネ ナパ・ヴァレー 2014 1万7500円
香りから圧倒的。バランスよい
◎ダックホーン メルロー スリーパームス・ヴィンヤード 2013 1万4000円
スムーズでシルキー。むちゃくちゃ美味しいメルロー
フルーチェがフレッシュさをアップしたとのことで、新製品のモニターをいただいたので早速食べてみました。
箱見るとこれで4人分と書いてあります。これを一人で食べていたのだから若いっておそろしい(笑)。ただ、牛乳を加えても一人分のカロリーは85kカロリーと書いてあったので、全部で370kカロリー。少なくはないけど、クロワッサンドーナツとかメロンパン食べるよりは健康的だよねえ。タンパク質もしっかり取れるし。
さすがに全部を一人で食べるのは、今となっては多いので、半分にしました。昔より果肉感が増しているような気がします。
Webサイトには「甘さの質を変更し、よりフルーツらしい味わいにしました」とあります。確かに昔はもっと甘かった印象。今は酸味とのバランスが取れた感じです。
これにグラノラとかいれたら、タンパク質も鉄分も補給できてランナーにはいいおやつかも。
ちなみに残りの半分は牛乳苦手な娘が食べました。「おいしい」って!
昨年(「メルヴィル/サムサラのチャド・メルヴィルがピノを語る」)に続いて今年も、メルヴィル/サムサラのチャド(チャッド)・メルヴィルによるセミナーが開かれました。
試飲したワインはこの6種。左の3本はバレル・サンプルで、いずれも2016年に醸造したもの。1週前に樽から抜き取ってこのセミナーのために日本に送ったのだそうです。
簡単にメルヴィルのあるサンタ・リタ・ヒルズの基礎をおさらいしておきましょう。サンタ・バーバラのあたりはアメリカの西海岸の中でも太平洋側に突き出た形をしています。そのため、海岸線が南北だけでなく東西になるところもあり、海岸線と平行に走る山脈も東西になります。寒流の流れる太平洋からの冷たい風が、山脈に邪魔されずに内陸に入るため、気温は海からの距離に大きく左右されます。だいたい、3km内陸に入ると摂氏1度くらい気温が上がります。
また、このあたりの土地の多くはかつて海底だったところで珪藻土が表面を覆っています。細かく白っぽく軽い土で、指に着くと指が白くなります。とても痩せていて、水はけのよい土壌であり、冬には豆類をカバークロップとして植えることで、栄養を補っています。
まずはこのバレル・サンプルを元に、クローンの違いなどをテースティングしていきます。
最初のサンプルはイノックスの畑から。ここは2エーカーもない小さな畑で、クローン76だけが植わっています。鮮烈な酸味があり、その下から白い花の香りや青リンゴ、オレンジといったややふくよかな味わいも出て来ます。発酵、熟成とも、ステンレススチールのタンクで、マロラクティック発酵はありません。かつてのダイアトムのワインのように鮮烈で力強くデリケートなワイン。日本人が好きそうな味わい。
次はメルヴィルクローンと呼んでいる出所を明かさないクローンのもの。使い古しの樽を使っています。最初のサンプルより糖度が高く、ワインのボリュームも感じます。色がややピンクになっているのは「少し酸化してしまった可能性が高い。SO2が少なすぎたのかも」とのことでした。最初のサンプルほどの鮮烈さはないけど、ボディに弛んだところはなく、美味しいです。
バレルサンプルの最後はハンゼルのクローン。カリフォルニアで一番古いシャルドネとも言われているハンゼルから直接もらい、接木して増やしたものだそうです。これはミネラルというか、サンタ・リタ・ヒルズの特徴と言われている「ソルティ(塩っぽさ)」を感じました。
後半は市販のワインから。
エステート シャルドネ2013はメルヴィルで育てている7つのクローンが全て入っています。10~20年の木の大樽で発酵、熟成しています。マロラクティック発酵はしていません。
メルヴィルの畑は全部で120エーカーほどですが、シャルドネはうち14エーカーとかなり少ないです。
これも「ソルティ」を感じました。柑橘系はオレンジ的なややまろやかな感じで、これまでのバレル・サンプルのような強烈な酸味ではありません。
次はエステート ピノ・ノワール2013。6000ケースとメルヴィルのワインの中では最大の生産量のワインです、メルヴィルでは178個の発酵槽を使ってピノ・ノワールを作っており、そこから単一畑や単一ブロックのワインを除いたものが、このエステートに使われています。品質に問題があるものがあれば取り除きますが、これまではそういう問題が出たことはないそうです。なお新樽は使っていません。
40%除梗なしというのはレギュラークラスのピノ・ノワールではかなり珍しいのではないかと思います。チャド・メルヴィルは「ステムを使うのはワインを育てることの一部」だと、こだわりを見せます。収穫は全部で8週間くらいかかるそうですが、最初のうちはステムの熟成度が低いためほとんど使わず、収穫が進むにつれて、茎を使う比率を増やしているそうです。
いちごやラズベリーなど赤系の果実味が中心。かなりエレガントです。昔のメルヴィルのピノ・ノワールはもっとアメリカン・チェリー的なダークな果実味があったような気がするのですが、ちょっと印象が変わりました。
エレガントなだけでなく、タンニンもあり、旨味もかなり感じます。「甲殻類のグリルなどに合う」というのはインポーターさんのコメント。
最後はブロックMのピノ・ノワール。これは2015年のものです。ここは特別にいいブドウができるブロックで、丘の頂上になっています。粘土質の土壌があるとのこと。5エーカーでクローン114と115がうわっています、
酸やタンニンがしっかりして骨格がかっちりした印象。鉱物的なニュアンスもあります。赤系のフルーツの風味はありますが、それほど果実味中心の味わいではありません。エレガントとパワーの中間的ピノ・ノワール。美味しいです。
メルヴィルのワインは自社畑ですべてをコントロールできるため、コストパパフォーマンスも高いです。その印象は以前と同じですが、ワインの味わいはかなりエレガントで近年の嗜好の傾向に合わせて来ているのかなあと感じました。
ワイナリー価格60ドルでこの値段は確かに安いです。Wine Spectatorで93点というのもかなりの高得点。以前、この銘柄を飲んだときは「フラグシップにしては…」という感もあったのですが、品質を取り戻してきたのでしょうか。
ただ、個人的にはこの価格だったら息子のモーガンのワインにより魅力を感じてしまうところもあるんですよね。
ベッドロックといえばWine Advocate誌で99点、100点を取ったシラーが超限定ながら出てますよ。売れ残っているのが不思議くらいのワイン。しかもセットではなくばら売りです。
あと、柳屋のセールでカレラのヴィオニエも出ているのですが、それよりだいぶ安く売っている店があります。
写真がマウント・ハーランなのは、まず間違いだと思いますが、セントラル・コーストといえど、アントニオ・ガッローニが91点を付けているので、かなりのお買い得だと思います。
その対象の1つがナパのコセンティーノがロウダイ(Lodi)で作るザ・キャブ、ザ・ダーク、ザ・ジンの3つの赤ワイン。それぞれ単価は1480円(税抜き)ですが、3本セットだと4167円(税込み4500円)でさらに送料無料となります。
実はこれらのワイン、ワイナリー価格だと22ドルとずっと高くなっています。市場価格はさすがにもっと安いですが、Wine-Searcher.comによると平均14ドルですから、やはり日本の価格の方が安いです。特にセットはかなりの安さです。
ロウダイというと最近はマイケル・デイヴィッドが人気ですが、コセンティーノはかなり古くからここのワインを作っています。
ローダイ 3種 3本セット |
ザ・ジン ジンファンデル ローダイ |
ザ・キャブ カベルネ・ソーヴィニヨン ローダイ |
ザ・ダーク ローダイ |
土地の所有者であるニーリー家と条件が合わずに手放すことになったというのは事実です。FoxgloveとVarnerのサンタ・バーバラのワインについてはこれまで通りとのことです。
また、サンタ・バーバラのワインについては、今後新しいブドウの供給先も探すとのこと。生産設備についても移行を予定していす。
その後、シラー/グルナッシュやロゼ、ソーヴィニョンブランとラインアップが拡充しましたが、最近出荷が始まったものが最終ヴィンテージとなります。
理由は、ポール・ラトーが作るもう1つのワインに集約するため。杉本さんのシャトー・イガイタカハでは、グレッグ・ブリュワーなど何人かのワインメーカーがワインを作っていますが、ポール・ラトーもその一人に加わっているのです。ポール・ラトーのワインは「Tokimeki」という名前で、現在シャルドネとピノ・ノワールがあります。
心ワインは今後は「Tokimeki」に収斂することになります。いわばそのための発展的解消ではありますが、心ワインがなくなるのもちょっとさびしい感じはいなめません。
アウトレットセール
目玉はリース(Rhys)とリヴァース・マリー(Rivers-Marie)でしょう。
Simiなども安いです。
かなり長い記事で、そこから派生した話もいろいろ載っているのですが、かいつまんで紹介すると、全くブラインドでテイスティングした場合は安いワインを美味しく感じる傾向が少なからずあったそうです。特にテイスティングしたひとがワインにあまり詳しくない場合は。このあたりは日本の「格付け」番組の結果にも通じますね。
それだったら安いワインを買えばいいではないかと思うところですが、そうとも言えません。このワインはこの値段だよ、という情報を付加してテイスティングすると、高いワインを美味しく感じる傾向が強くなるのです。たとえば、全く同じワインに違う値札を付けて試飲すると、高い値札を付けた方を美味しく感じまる傾向が強くなります。
ワインを飲んでいるときの脳波を調べても、同じ結果が出ているとのことで、実際に高い値札が付いているワインの方が、美味しく感じられているのです。
ということは安いワインを買って、これは高いんだよと言って飲ませるのが一番ということでしょうか。
記事の結論としては、ワインショップに行って同じ傾向(例えばピノ・ノワール)の様々な価格のワインを買って、銘柄を伏せて横並びで試飲することを勧めています。その結果、安いワインを一番美味しいと感じたら「安上がりで良かった」と喜びましょう。
リッジで使っている節水技術は大きく分けて2つあります。1つはブドウの樹液の流れを調べて、水不足によるストレスがかかっているかどうかを調べる方法。昨年訪れたOvidでも同じようなシステムを使っていましたが(下の写真)、リッジはこの方法をかなり早くから取り入れているそうです。
水不足になっていない場合、樹液の流量は飽差と呼ばれる数値(ある温度と湿度の空気に、あとどれだけ水蒸気の入る余地があるかを示す指標)とリニアな関係にあるといいます。樹液の流量が飽差からの推定より少ない場合は、水不足の状態にあると判断できるわけです。
もう1つはTule Technologiesという会社が開発したもので、ブドウの樹の上空にセンサーを配置し、それが樹からの水分の蒸発量を計測します。それと飽差とを比べることで、灌漑が必要かどうかを判断します。
前者がミクロ的な判断とすれば、後者はマクロ的な判断。これらを総合的に勘案して灌漑するかどうかを決めているようです。
一般的にはブドウの樹にストレスを与える(やや水不足の状態にする)ことで品質が上がると言われていますが、リッジではこれらの技術を使って灌漑量を抑えた場合も品質はほとんど変わらないと見ているそうです。また、量にも影響は出ていないとか。
これらの技術は、かなりコストもかかるものですが、オーストラリアではスマホの写真を使って樹の温度を計測して、灌漑が必要かどうか判断するようなシステムも実験されているそうです(Wine Australia unveils app for vine water stress)。
ナパのセント・ヘレナにあるロンバウアー(Rombauer)のワイナリーでは、ボストンのカンブリアン・イノベーション(Cambrian Innovation)が開発したEcoVoltという排水処理の設備を導入します(High-tech wastewater system makes Napa wine industry debut | Local News | napavalleyregister.com)。
ワイナリーでは初ですが、ソノマの有名ブルワリーなどで既に使われている設備です。
この設備、バクテリアの力で排水を浄化するとともに、電気やバイオガスを生成します。年間26万キロワット時の電気を生成するとのことで、これは米国の一般家屋が年間に使う量の25軒分ほどになるとのことです。
環境保護にも役立つし、節電にもなるということで一石二鳥のシステムのようです。
ちなみに現在は排水をトラックで別のところに運んで捨てているとのこと。今回の設備が本当にそれだけ役に立つのであればいいですね。
その記事にならって、日本語と英語で、傾向がどう違うかも調べてみました。なお、グーグル・トレンドは調べた期間で、その検索語が一番多く調べられたときを100として、相対的に表示します。検索の絶対回数は分かりません。
元記事ではまず、ワインとビール、蒸留酒(スピリッツ)の検索傾向を2004年以降で調べています。
ワインは、2013年頃まで少しずつ下がっていますが、その後はまた少し上昇しています。スピリッツは常に少なく、ビールはここ数年少し上がっています。検索範囲を米国だけにすると、よりビールが増え、ワインに迫るものがあります。また、ワインは年末に数多く検索され、ビールは夏に増える傾向があります。
これを日本語にするとどうでしょうか。
スピリッツは一般的ではないかと思ったのでウィスキーに変え、そのほか焼酎と日本酒を加えてみました。
ワインとビールは競っていますが、ビールがやや優勢です。ただ、2004年ころはビールがかなり上だったのに対し、2012年ころからは季節変動で夏はビールが多く、冬はワインが多く検索されています。ワインも大分健闘しています。
2004年にはワインとあまり変わらなかった焼酎の検索回数は長期低落傾向。代わって検索回数が増えているのが日本酒です。2013年に焼酎を超えています。このまま行くと数年後にはワインに並ぶかもしれません。ウイスキーも少ないですが上昇傾向ではあります。
次にブドウ品種ごとの検索を見ます。まずは英語でカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールとメルロー。現在の検索数は意外なことにどれもほぼおなじ。年末に急増するという傾向もほぼおなじです。
日本語だと、現在はメルローが圧倒的。ただし、これはもしかしたら何か別の検索語と混じってしまっているという可能性もあるかもしれません。
カベルネとピノ・ノワールは現在はほぼ同じですが、以前はカベルネが圧倒的でした。季節変動は結構ランダムです。
最後は白の品種です。
やはり多いのはシャルドネ。ソーヴィニョンブランも徐々に増えています。
最後は日本語ですが、シャルドネが他の用語を圧倒しています。
グーグル・トレンド、久しぶりに見ましたが面白いですね。
ヴァーナーのワインにはニーリー(Neely)という名前が付いているものがあり、非常にわかりにくい構成(シャルドネは単一ブロックがヴァーナーで、ブロックのブレンドがニーリー、ピノ・ノワールは反対に単一ブロックがニーリーでブレンドがヴァーナー)になっていました。
このニーリーというのは実は畑の所有者で、ヴァーナー兄弟(双子です)がそこを借りてワインを作るという形でした(IPOBミニインタビューその3――ロバート・ヴァーナー/ヴァーナー・ワインを参照)。その賃貸の契約が打ち切りになってしまったそうです。
ピノ・ノワールは2013年、シャルドネは2014年が最終ヴィンテージになるようです。
ヴァーナーは2013年からサンタ・バーバラのワイン(シャルドネは2013年、ピノ・ノワールは2014年)を作り始めていますが、今後はそちらが中心になるようです。また、購入先が異なるフォックスグローブのワインも継続すると思われます。
国内への輸入はシャルドネ、ピノ・ノワールとも2013が現行ヴィンテージ。したがって、おそらくこの春にシャルドネは最後のヴィンテージが輸入されると思いますが、ピノ・ノワールについては、現在の在庫限りということになるようです。
なんとも残念な話です。生産打ち切り後は別のワイナリーがその畑のブドウでワインを作るという噂もありますが、そこは定かではありません。Wine Advocate誌ではシャルドネは最高98点、ピノ・ノワールは最高95点の評価を得ているワイナリーです。残念ながらまだサンタ・バーバラの方はそこまで高い評価は得ておらず、今後が心配です。続報がわかれば報じます。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ日本代表の一人である小枝絵麻(こえだ・えま)さんは、フードコーディネーターとしても知られる人。彼女が考えるワインと料理のマリアージュがこのセミナーの骨子です。まるでマジックのようなマリアージュにここから驚かされることになります。
マリアージュというと、メインの食材(肉・魚など)とワインの種類のマッチングを考えるだけに終わってしまう感じがあります。せいぜい、そこに調理法や味付けを合わせて考えるくらいでしょう。彼女はそこに「ブリッジ食材」を入れることでマリアージュが大きく変わると説きます。そのときに飲むワインと共通する香りや味わいの要素を持った食材が「ブリッジ食材」で、それを料理に少し加えることで、ワインと食事が「けんかしない」だけでなく、相乗効果を発揮して、さらに美味しく感じられるというのです。
ブリッジ食材は、スパークリングワインならレモンやアーモンド、サワークリームなど。シャルドネなら白味噌やみりんといった和食の要素も入ってきます。
上のチャートはメインの食材と、調理法、味付けで選ぶワインと、そこに合うブリッジ食材を示したものです。
今回のセミナーでは写真のようなブリッジ食材が用意されています(サラダ除く)。
手前左がポン酢と大根おろし、細ネギ。奥は左から塩、木の芽(山椒)、マスタード、たまり醤油です。あと、写真には入っていませんがゆず果汁もありました。
最初の料理は豚肉。群馬県産の肩ロースを単純に焼いたものと、白味噌に付けて焼いたものが出てきました。
ワインはガーギッジヒルズのシャルドネとロンバウアーのシャルドネを合わせます。ガーギッジヒルズはオーガニック栽培で、新樽比率が低く、マロラクティック発酵をしていない、優しい味わいのシャルドネ。一方のロンバウアーは最近では珍しい濃厚タイプ。新樽比率が高く、マロラクティック発酵も100%行っています。ただ、下品な味わいではないので、飲んでいて嫌味はありません。クラシックで美味しいシャルドネです。
比較的淡白な味わいのガーギッジヒルズには豚肉も味付けしていないものを合わせます。まずは塩コショウだけ軽くして試します。ワインとの相性は悪くないですがよくもない。喧嘩しないだけに終わっています。
次に、ブリッジ食材としてゆず果汁をそこに少しかけてみます。するとなんということでしょう。単にゆずの味がワインと合うというだけでなく、肉の旨味もはるかに増して感じられました。ちなみに隣の人がポン酢で試してみたところ、あまり良くなかったとのこと。このあたりは不思議で難しいところですが、ともかくゆず果汁の効果にはビックリでした。
一方、濃厚なロンバウアーをゆず果汁で試してみると、やや逆効果のような感じもしました。デリケートな味わいのシャルドネにこそゆず果汁が合うようです。
ロンバウアーに使ったブリッジ食材は白味噌。味噌漬けして焼いた肉とロンバウアーの組み合わせは最高です。特にロースの脂のところの旨味がおいしく感じられるようになりました。
次は、山形産の薄切りのサーロインを塩とシェリー酒で味付けして焼いたものとレタスです。これをヴィアデア(Viader)のプロプライエタリ・レッド2014と合わせます。ナパの東側の急斜面の畑で作られたカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのブレンド。カベルネ・フランが28%入っており、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインなどと比べるとややソフトでシルキーな舌触りが特徴です。カシスやブルーベリーのような青系の果実の風味も豊かなワイン。
ここでのブリッジ食材はポン酢ですが、まずは何もつけずに合わせてみます。うーん、肉の脂がやや強くワインに勝ってしまう印象です。これならばカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインの方が合いそう。
次に、ポン酢を付けてみます。バランスが非常によくなったのを感じます。ワインの味もより引き立って明るい印象になりました。何もつけないのとは全然違います。
その次はポン酢にさらに大根おろしと細ねぎを加えます。全体にさっぱりしてさわやかな印象。これももちろんありですが、個人的にはポン酢だけの方が印象深いマッチングでした。
最後は3種類のカベルネ・ソーヴィニヨンをステーキに合わせます。ワインは
・ルナ・ヴィンヤーズ 2014 アペレーション・シリーズ カベルネ・ソーヴィニヨン
・イングルヌック 2012 カスク カベルネ・ソーヴィニヨン
・ロング・メドウ・ランチ 2008 カベルネ・ソーヴィニヨン
牛肉は、普通のが鹿児島産、2カ月熟成させたものが北海道産とのこと。
まずは塩だけでルナと合わせてみます。肉がとてもおいしく、ワインもおいしいので、普通に考えればこれで十分おいしいです。一般的にはこれでマリアージュできていると言ってしまうでしょう。
次に、塩をたまり醤油に変えてみます。すると、明らかに肉の旨味が増して感じられます。ワインの味も広がる印象です。3つめはさらにマスタードを加えます。酸味とスパイスの風味がワインからもより強く感じられます。たまり醤油だけのときより、よくなったというよりも別の要素を引き出してきた感じです。
次はイングルヌック。肉が塩だけだと、ワインの味がやや勝ってしまいます。たまり醤油はやはり美味しい。最後はさらに山椒(木の芽)を加えます。するとワインの中のハーブのニュアンスもより引き立つように感じました。
ちょっと最後の方はパターンと組み合わせが多くなりすぎて、どれがどれだかしっかりメモできていなかったのですが、ステーキに関して、いいたいことは「たまり醤油最高!」ということです。これがあるのとないのとでは、ワインの味の引き立ち方も肉の味も全然違いました。まさにブリッジ食材のマジックでした。
ブリッジ食材として何が有効かは、基本的には合わせるワインの香りや味わいで決まります。ワインの香りや味わいが複雑なほど、いろいろなブリッジ食材が有効になります。そういう意味ではナパのワインは多くのフレーバーを持っており、素晴らしいブリッジ食材が見つかる可能性を大いに秘めています。
最後に、ワインの品種ごとに考えられるブリッジ食材を挙げた資料をいただきましたので、参考のためにそれを載せておきます。今回のセミナーの豚肉のマッチングのところで見たように、同じシャルドネでも1つで有効なブリッジ食材が他のシャルドネではうまく働かないということもあります。したがって、挙げたものすべてがブリッジ食材であるということではなく、そのヒントと考えた方がいいでしょう。
■スパークリング
・レモン ・グレープフルーツ白 ・梅 ・アーモンド ・ハチミツ ・ブリオッシュ ・いちご ・サワークリーム
■ソーヴィニョンブラン
・グレープフルーツ ・はっさく ・青りんご ・キウイ ・トロピカルフルーツ ・ディル ・紫蘇 ・フェンネル ・セロリ
■シャルドネ
・りんご ・レモン ・はちみつ ・グレープフルーツ白 ・みりん ・白ごま ・白味噌 ・カシューナッツ ・バター ・アボカド
■ヴィオニエ
・マンゴー ・アプリコット ・アーモンド ・松の実 ・クローブ ・パイナップル ・オレンジ ・はちみつ
■リースリング
・マンダリン ・青りんご ・新生姜 ・ゆず ・すだち ・金柑 ・みょうが
■ピノ・ノワール
・マッシュルーム ・ザクロ ・生ハム 。チェリー ・ビーツ ・ローストガーリック ・オレガノ ・紫オリーブ ・生しょうゆ
■メルロー
・ナッツ全般 ・ローズマリー ・セージ ・デミグラス ・甘辛タレ ・ディジョンマスタード ・黒オリーブ ・バルサミコ ・チョコレートビター
■シラー
・クミン ・フェンネル ・ブラックペッパー ・ブルーベリージャム ・ベーコン ・ハーブプロバンス ・たまり醤油 ・バルサミコ ・クローブ ・プルーン
■ジンファンデル
・甘辛ソース ・焼肉タレ(甘口 ) ・ケチャップ ・とんかつソース ・胡椒 ・5スパイス ・ジュニパーベリー ・干しぶどう ・プルーン
■カベルネ・ソーヴィニヨン
・ビーツ ・くるみ ・黒オリーブ ・バルサミコ ・たまり醤油 ・セージ ・胡椒 ・ブラウンソース ・クローブ ・ビターチョコレート
なお、たまり醤油は、普通の醤油に赤ワインを煮切ったものを10対1の割合で足したもので代用できるとのこと。
理想的には、合わせるワインを試飲して、そのニュアンスからブリッジ食材を選ぶのがいいと思いますが、実際にはそこまでやるのはかなり大変でしょう。まずはいろいろ試してみて、自分なりの方程式を見つけるのを楽しむのもいいのではないでしょうか。うまくはまれば、信じられないほどの相乗効果が得られますよ。
ワイン造りも原始的。天然酵母で基本的には放っておくだけといっても過言ではないような方法を使っています。酸化防止剤もボトル詰め時に最小限使うだけです。
ラブ・ホワイトは有名な国立公園ヨセミテから100kmくらい南に行ったところにある畑のブドウを使っています。と聞くと、暑いセントラル・ヴァレーを想像しますが、標高400mあまりで昼と夜の温度差が大きく、斜面を上がったり下がったりする風が吹くところだそうです。ブドウの葉を多く残して、糖度が上がりすぎないようにし、収穫は8月中。これでアルコール度13度で仕上げています。
品種はマルサンヌが85%、ルーサンヌが12%、ヴィオニエが3%。ルーサンヌだけは果汁と果皮を少し接触させているとのこと。
色は黄色からややオレンジにかかった感じ。オレンジワインというほどではないですが、普通の白ワインよりは色が濃いです。香り、味わいともかんきつ系を強く感じますが、レモンのような鮮烈な味ではなく、オレンジなど酸味のおだやかな味わいです。かんきつ系の果皮のような軽い苦みも感じます。鉱物系のニュアンスも少しあります。
アルコール度数が低いためもあってか、飲みやすく、どんどんなくなってしまいます。
ハートをあしらったラベルはバレンタインに向くと思いましたが、飲んだ印象では、これから恋人になる人と飲むというよりも、夫婦でしみじみ飲む方が似合うかなあと思いました。とはいえ、このような「New California」ワインは米国では30代前半より下のミレニアル世代に特に受け入れられているようなので、先入観を持ってはいけないのでしょうね。
ちなみに、インポーターの担当者によると、ブロック・セラーズではジンファンデルもオススメとのこと。また機会を見て試したいと思います。
ラブ・ホワイト [2014] ブロック・セラーズ【あす楽対応_関東】【あす楽対応_東北】【あす楽対応_甲信越】【あす楽対応_北陸】【あす楽対応_東海】【あす楽対応_近畿】【あす楽対応_中国】 |
ラブ・レッド [2014] ブロック・セラーズ【あす楽対応_関東】【あす楽対応_東北】【あす楽対応_甲信越】【あす楽対応_北陸】【あす楽対応_東海】【あす楽対応_近畿】【あす楽対応_中国】 |
ラブ・ロゼ [2015] ブロック・セラーズ【あす楽対応_関東】【あす楽対応_東北】【あす楽対応_甲信越】【あす楽対応_北陸】【あす楽対応_東海】【あす楽対応_近畿】【あす楽対応_中国】 |
ブロック・セラーズ ヴァインスター・ジンファンデル[2014] broc cellars Vine Starr Zinfandel[2014] |
お値段は248円(税込み)。家族4人分買ったら約1000円。
バニラアイスに餅と黒蜜、きな粉という組み合わせは今や鉄板ですね。あの、ハーゲンダッツの華もちを彷彿とさせます。
ご覧のようにきな粉たっぷり。そうなんです。最大の難点はきな粉が多くて、器の外に溢れること。もう少しフチを高くして欲しかったところ。それから開けたてはカチカチで食べられません。室温で5分くらい放置するとようやくプラスチックのスプーンでも歯が立つようになってきました。
味は文句なし。餅も全面に敷き詰められてたっぷりあるし、さらにアイスに入っているくるみがいいアクセントになります。
限定アイスはセブンイレブンの一人勝ちかと思っていましたが、ローソンもこらは頑張ってますね。もうちょっと品揃え頑張ってほしいけど。
昨夏に一度見に行きましたが、そのときは咀嚼しきれなかったところもあり、元々もう一回は見に行きたいと思っていました。そこへちょうどIMAX版の話を見たので、どうせ行くなら、と思ってこれにしたのでした。
(以下ネタバレ部分もあります)
良かったのは以下の点。
・ストーリーが頭に入っているので、表現の細かいところが分かるようになった。例えば身長差の描き方の違いで3年の時間差をみせていることや入れ替わっているときの細かい動作の違いなど。
・特にIMAX版では高精細な画面によって周りのものや細かいところも分かるようになった。例えばテッシーの部屋は無線系の機材がたくさん置いてあるとか、読んでいる雑誌は「ムー」だとか。
・IMAXのサウンドは迫力がある。変電所の爆破や、隕石の落ちるところとか。
、サントラも予め聴いていたことにより、より歌と映像のマッチングが楽しめた。
ということで、もしもう一度見ることを考えている人がいたら、残り日数少ないですが、IMAX版オススメですよ。
予習復習には以下がお薦め
ところで2回見てもわからなかったのは、最後どうして電車の窓越しに見つめ合ったのに、駅の外を走って互いを探していたのかということ。普通は駅のホームで探さない?
オーナーのトーマス・ケラーは既に近隣の土地を買収済み。現在1000万ドルかけて進行しているフレンチ・ランドリーのリノベーションが終わったら、ホテル建設に取り組むつもりのようです。
ホテルといってもオーベルジュ・デュ・ソレイユやメドウッドのような大規模リゾートではなく、非常にこじんまりとしてものになりそうです。
久々の紹介なので、改めて説明すると、ヴァレンタイン・ヴィンヤーズというのはメンドシーノでヴァレンタインさんがやっていたワイナリー。残念ながらオーナーが亡くなったことによってワイナリーは廃業。ワイナリーのセラーに残っていた10年以上前のワインを布袋ワインが発掘して日本に輸入したものです。
ワイナリー蔵出しですからコンディションには問題なく、価格もリリース当時のレベル。10年以上熟成したカリフォルニアの良質なカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローが3000円台という価格で手に入ることになったのです。
ただ、こういう事情のあるワインですから、ワイナリーの在庫がなくなってしまえばそれきりで終了。4種類輸入されているうち、やや値段の高い「トリーズ・ブロック」のカベルネ・ソーヴィニヨンを除いてはインポーターの在庫はもうほとんどなくなってしまいました。各ショップの在庫がなくなったら補充はありません。
トランプ大統領がいよいよ就任しました。為替の動向や、移民労働者がどうなるかなど、気になることはいろいろありますが、まずは就任記念のランチで供されたワインを紹介します。
まずはコーベルのスパークリング
Korbel’s Russian River Valley Natural Cuvée
通常は作られていないマグナムボトルで、ネックのところに就任(inaugural)の文字が入っているこの会のために作られたものです。コーベルは1985年から9回連続で就任ランチ会で
使われています。
次はJロアーのシャルドネ
2013 Arroyo Vista Chardonnay
そして最後はブラックスタリオンのカベルネ・ソーヴィニヨン
2012 Limited Release Napa Valley Cabernet Sauvignon
今回、カリフォルニアワインだけが選ばれたのは、ドメスティック指向の強いトランプ大統領に合わせたものかと勘ぐる向きもあるでしょうが実際には違うようです。
「Who decides which wines get served at the inaugural lunch? - Inside Scoop SF」によると、ワインを決めたのは昨年11月。11月3日にはワイナリーに通知が行っていますが、まだ選挙結果が出る前でした。
ワインを決めたのはカリフォルニアのワイン・インスティチュート。就任会のコミッティーから白と赤のワインを推薦するよう依頼があったとのこと。コーベルには別途直接スパークリングワインの依頼があったそうです。ちなみに、コーベルとJロアーはワイン・インスティチュートの取締役会にも名を連ねています。
メリタージュというのは、フランス以外で作られるいわゆるボルドーブレンドのこと。原産地呼称の問題でラベルではボルドーブレンドとは書けないため、何か用語がほしいということでMeritage Allianceという団体を作成しました。現在も7カ国375ワイナリーが参加しています。ちなみにMeritageというのはMerit+Heritageの意味の造語です。
Wine-Searcherにおける「Meritage」の検索は減る一方で、2016年は8万2000回にまで減ってしまいました。100万回を超えるメルローや1000万回を超えるカベルネ・ソーヴィニヨンとは比べ物になりません。カリフォルニア以外では有力なメリタージュを作っていたシャトー・サン・ミシェルも生産をやめることになりました。
メリタージュが振るわなくなった理由の1つは、ワイナリーがボルドー系の品種だけでなく、シラーやジンファンデルなどもブレンドしたものをレッド・ブレンドとしてつくるようになってきたことですが、より本質的には、インシグニアやオーパス・ワン、さらにはプリズナーといった固有の名前の方がブランディング上有利と考えるワイナリーが多くなったことのようです。
メリタージュをかなり熱心に作ってきたドライ・クリークの場合も、フラグシップは「マリナー」という固有の名前を持つワインです。
この用語が過去のものとなってしまうのも時間の問題のようです。
月曜日にはそのキックオフで、昨年10月から11月に行われた「バイ・ザ・グラス」の表彰が行われました。私も参加しましたが、6月に行ったナパ・ツアーのメンバーの多くとも再会でき、とても楽しい会でした。
今回のバイ・ザ・グラスは、2015年の優秀店のみが参加する形(ナパヴァレー・ワインの「バイ・ザ・グラス」、昨年の受賞店で11月末まで開催中)。その中で、ワインの売上を一番伸ばしたレストランが最優秀店として表彰されました。選ばれたのはエド・パーラー。「まさに銀座の隠れ家、狭小レストランで楽しむカリフォルニアワインとビストロ料理」で紹介したお店です。なんと1年前より8割も伸ばしたとのこと。うちのブログの記事もかなり読まれたので、多少なりとも貢献できていたら嬉しいです。
(写真、完全にぶれてしまいました。本当にごめんなさい。カメラの設定ミスです)
全店ご紹介したいところですが、一部抜粋で写真を載せます。
ニューヨークグリル
ウルフギャング・ステーキハウス大阪店。ちなみに今回のお店は丸の内店でした。
ルースクリスステーキハウス
名古屋のカモシヤ。「名古屋のご当地グルメで楽しむカリフォルニアワイン」で紹介しています。
来日した生産者は15ワイナリーです。
乾杯はシレナスのスコットさんです。流暢な日本語をしゃべる方。「Noria」のワインはシレナスで作っています(今年からはノリアに専念します――ナカムラ・セラーズ中村倫久社長)。
サラダ。グリーンピースがソーヴィニョンブランによく合いました。
ミディアムレアに焼かれた肉の登場です。
左がフィレで右がサーロイン。熟成肉の旨味はフィレの方がより感じたような。900度のオーブンで焼いているとのことで、表面のカリッとした感じと肉の柔らかさ、旨味が絶妙に美味しかったです。付け合わせのほうれん草やマッシュルームも美味。
デザートは写真撮り忘れ…^^;
最後のあいさつはレイモンドのリー・アン・リードさん。すっかり顔なじみです。
今週金曜日までツアーは続きます。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの方々や通訳の方々はかなり大変なスケジュール。がんばってください。
その調査によると、月に2回以上15ドルを超えるワインを飲み、ソノマのサステイナブルのプログラムについて聞いたことがあるというようなユーザーの63%がサステイナブルなワインに5ドル以上余計に支払ってもいいとしています。
33%のユーザーは10ドル以上余計に払ってもいいとしており、平均すると7.28ドルプラスしても買ってもらえるとのことです。
でも本当にそれを買ってくれるの?と思うかもしれませんが、買ってくれそうなのです。
68%のユーザーは、サステイナブルと称されたワインを買いたいとしており、56%は実際に1カ月以内にそういうワインを買った経験があるそうです。
一方で、「ナチュラル・ワイン」や「バイオダイナミック」といった言葉の評価は下り坂だそうで、今はサステイナブルの方が受けがいいようです。
余談ですが、今週はナパから生産者がきてイベント盛りだくさん。私が出席したものも2つあるのですが、整理できていなくて今日はアップできませんでした。明日は1本はあげたい。ともあれいろいろな再会があって楽しい2日間でした。
オーベールはカーネロスとソノマ・コーストのシャルドネ2013。2カ月前に「オーベールのちょい古ヴィンテージを試飲、ピノとシャルドネで意外な結果」で紹介したのは2009年でしたが、そのときはソノマ・コーストが好印象でした。
今回はカーネロスの方がソノマ・コーストよりも芳醇な味わい。トロピカルフルーツというより柑橘系が勝った印象ですが、すっぱ過ぎもせず、バランスもよく、かなりいいできのシャルドネだと思いました。
ソノマ・コーストは第一印象は予想以上にリーンでしたが、時間が経つとレモンやパイナップルの風味が出てきてだいぶよくなってきました。ソノマ・コーストの方が味わいが落ち着くまで時間がかかるのでしょうか。
なお、AVAものといっても、それ用にブドウを購入しているわけではなく、単一畑としてボトリングしなかったものを使っているので、カーネロスであればハイド、ソノマ・コーストであればリッチーのブドウが中心というとても贅沢なAVAものです。ローレンなどの爆発的味わいこそないですが、非常によくできたシャルドネですので、オーベールの入門用には最適かと思います。
さて、本番のピーター・マイケルですが、シャルドネが2014年のBelle CoteとLa Carriere。ピノ・ノワールが同じく2014年のLa Moulin RougeとLe Capriceです。
Belle Coteは濃密な果汁が印象的。色もかなり濃く、中身が詰まった感じがします。非常に芳醇でいいワインですが、バランスが少し難しい印象もあります。状態によっては濃いだけのワインに感じられてしまうこともありそう。ポテンシャルはありますが、開けるときによっていい方に転ぶかどうか心配になりそうです。ちなみにパーカーは98点をつけています。
Carriereはリッチでふくよかですが、Belle Coteのように行き過ぎる心配のないおいしいシャルドネ。個人的には100点満点で97点くらいあげたいワインでした。美味しかったです。ちなみにパーカーは95点。
Le Moulin Rougeはサンタルシアハイランズのピゾーニのブドウを使ったピノ・ノワール。ピゾーニらしい濃厚さやアメリカン・チェリーのようなダークな果実の味わいがありますが、全体的には上品なワイン。果実味よりもスパイス的な味わいをやや強く感じました。なお、低温劣化しているのではないかという話もありましたが、僕はよくわかりませんでした。パーカーは90点。
Le Capriceはより赤系の果実味が感じられるワイン。これも低温劣化かという話がありましたが、美味しかったです。個人的には95点くらいあげたい。パーカーは92点。
新しい名前はPym-Rae(ピム-レイ)。元々ロビン・ウィリアムズがそこの畑に付けていた名前だとのこと。由来はロビン・ウィリアムズの二人の子供のミドルネームをつなげたのだそうです。テスロン夫妻はあえて、その名前を引き継ぐことにしました。
また、これから3年でバイオダイナミクスの畑に変えていく予定だそうです。ということでワインが実際にお目見えするのはもう少し先になりそうです。
ロシアのプーチン大統領もここにワインを保管しており、ドイルのメルケル首相もワインを預けているとのこと。メルケル首相はここでイベントを開くこともあるそうです。
石灰石で囲まれたセラーはとても美しく、一度行ってみたいと思いました。
交通渋滞はナパの住民にとって大きな悩みの一つ。押し寄せる観光客をなじる声もありましたが、2014年の調査によると通行の大部分は地元住民によるものだったようです。
ワイントレインは開発時に移動手段としては使わないことを条件にしていたため、これまで基本的に観光用の食事付き往復プランしかありませんでした。それを通勤用にも使えるようにしようと現オーナーが考えているとのこと。
ワイントレインは人口が多いナパと、周囲にワイナリーや小売店などが数多くあるセントヘレナを結んでいますから、通勤に使えるようになれば結構便利なのではないでしょうか。
ただ、ナパでの駐車場をどうするか、セントヘレナからの交通手段をどうするかなど、難問は山積みです。
ソノマでは今年、通勤用の電車が始まる予定でサンフランシスコに近いマリンカウンティからサンタローザまでをつないで走ります。
カリフォルニアでも列車通勤する人が増えるのかもしれませんね。
プティ・シラーとプティ・ヴェルドのブレンド。紫色の濃いワインですが、飲んでみると予想したほどの濃厚さではなく、むしろバランスの良さが目立ちます。カシスやブルーベリーなど青系の果実の豊かな風味に、軽くスパイス。いやあ、これはなかなかおいしいですね。プティ・シラーでこのレベルのものに出会えるチャンスはあまりありません。
象の絵が印象的なラベルもなかなかです。
今はコストコにもありませんが、また入らないかなあ。
(写真はすべてサイトより)
ユーザーは、ワイングラスにこのデバイスを差し込みます。するとデバイスはワインの特性を分析してスマホに送ります。
スマホの画面上ではこのように分析の結果が見られます。ユーザーはここで、このワインが好きかどうかを入力します。
すると、その好みに基づいて、そのユーザーが好きそうなワインを教えてくれるというシステムになっています。
米国にはWine Ringというスマホアプリで、飲んだワインの評価を入れると、他のユーザーの評価などからお薦めワインを教えてくれるというものがあります(Wine Ring)。
マイエノも、それに似たところはありますが、実際にワインを分析しているところが独自です。Wine Ringのような「集合知」の要素があるかどうかはよくわかりませんでした。技術的には可能だとは思いますが。
出資は最低5ユーロから。デバイスを含む場合は115ユーロから。
ちょっと価格が高い感じはありますが、どう分析して何を薦めてくれるのか、興味深いです。
ビオディナミでは月の動きに合わせたカレンダーがありますが、その中で実の日や根の日といった日があります。根の日には、根に関する作業をするとよく、実の日は実に関する作業をするといいというのですが、ワインを飲むときは実の日だとよりフルーティに、根の日だとタンニンが強く感じられたりするのだといいます。それが本当かどうかを調べたレポートがありました(Expectation or Sensorial Reality? An Empirical Investigation of the Biodynamic Calendar for Wine Drinkers)。
これは、科学的にきちんとした実験で、ワインのプロを被験者として、ブラインドでテイスティングをし、実の日と根の日で、味わいの評価がどう変わるかを調べています。
実験の方法や、結果の詳細は元記事できちんと書かれていますが、結論としては根の日でも実の日でも評価は変わりませんでした。違いがあるとしたら、被験者が根の日や実の日だと思い込むことによって生じているとのことです。
北カリフォルニアでは記録上、最も雨の多い年になる模様で、特に今週末は嵐の予報。ナパでは洪水の可能性も懸念されています。なお、これまでの記録は1982年から83年の冬だったとのこと。
中央カリフォルニアでは史上2番目、南カリフォルニアでは1968年から69年の冬に並ぶ史上1位タイがみこまれています。
今年は久しぶりに冬らしい冬になっているようです。
ルイス・セラーズといえば、夫のランディ・ルイス氏はレーシングカーのドライバーだったことで知られていますが、ワインビジネスに近かったのはデビーさんの方。セントラル・ヴァレーで育ち、ワインの販売に携わっていたこともありました。実際に、ルイス・セラーズにおいても、縁の下の力持ち的にワイナリーを支えていたようです。
2016年末に、ルイス・セラーズのカベルネ・ソーヴィニヨンがWine Spectatorのワイン・オブ・ザ・イヤーに選ばれたばかりでした。なお、現在のルイス・セラーズの社長は、デビーさんと前の夫との間の長男だそうです。
ご冥福をお祈りします。
挙げられているのは
Williams Selyem, Summa Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast, USA 1988(95点)
Heitz Cellar, Martha’s Vineyard Cabernet Sauvignon, Napa Valley, USA 1975(99点)
Kalin Cellars, Chardonnay Cuvée LV, Sonoma County, USA 1995(96点)
Sandhi, Sanford & Benedict Chardonnay, Sta. Rita Hills, USA 2014(95点)
Rivers Marie, Summa Vineyard Pinot Noir Old Vine, Sonoma Coast, USA 2014(95点)
Robert Mondavi Winery, Cabernet Sauvignon Reserve, Napa Valley, USA 1973(96点)
Andrew Will, Two Blondes Vineyard, Yakima Valley, Washington State, USA 2012(96点)
Dunn Vineyards, Cabernet Sauvignon, Howell Mountain, Napa Valley, USA 2011(95点)
Mayacamas Vineyards, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, USA 1975(95点)
Schrader Cellars, Beckstoffer Original To Kalon Vineyard, Oakville, Napa Valley, USA 2001(95点)
の10本。
ハイツ・マーサズの1975年など、1970年代のワインが3本も入っており、シュレーダーの最初のヴィンテージなど、歴史を感じるワインが多く選ばれています。
現行ヴィンテージでありながら1995年と既に20年以上たっているカリン・セラーズのシャルドネも選ばれています。ちなみに、選ばれているキュヴェLVは日本には入っていないですが、同じヴィンテージのキュヴェLDというワインが入っています。キュヴェの違いは畑の違いです。
1988年のウィリアムズ・セリエムと2014年のリヴァース・マリーの療法でスンマ・ヴィンヤードのピノ・ノワールが選ばれているのも面白いところです。リヴァース・マリーは日本でも販売中。
IPOBの活動で知られたラジャ・パーのサンディのシャルドネも入っています。これは日本でも販売中。
何かなかったかなと思ったらありました。
レックス・ゴライアスです。
かつてはハーンの廉価版ブランドとして一世を風靡したレックス・ゴライアス。私も当時はよく飲みました。特にピノ・ノワールは1000円程度のワインとしては秀逸でした。
その後、ハーンはレックス・ゴライアスをコンステレーション・ブランズに売却し、新たにサイクルズ・グラディエーターを立ち上げ、そちらも成功して今日にいたります。
一方、レックス・ゴライアスは一時日本の市場であまり見なくなりましたが、最近はまた入荷しているようです。果実味たっぷりのワインとして人気があるようです。
レッド・ロック・テラスも99点、グレヴリー・メドゥ―も98点とどれも非常に高得点。これまでの最高が96点だったのから大きな飛躍です。
日本での価格はまだプレミアムがついておらず、ほぼ3万円ですから同誌で100点のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはかなり割安感があります。
ヴォルカニック・ヒルの飲み頃は2016~2046、レッド・ロック・テラスは2021~2054、グレヴリー・メドゥーは2016~2046となっています。意外と若い時期から飲めそうですね。もちろん熟成させればさらに格別だろうと思いますが。
獺祭はもう説明必要ないほど有名ですよね。山口県の旭酒造が作る日本酒で、吟醸酒以上に特化しています。杜氏がおらず、データを中心にした管理をするなど、ビジネスモデル的にも面白いところです。下の本で、その逆転ストーリーが読めます。
今回買った獺祭の「槽場汲み(ふなばぐみ)」は日本酒としては珍しく無濾過で作られる酒。低温で保管する必要があるため、獺祭の取り扱い店舗の中でも、蔵元が選んだところだけに出荷しているそうです。
もう一方の鶴齢は新潟の青木酒造が作る日本酒。2015年に新潟に旅行に行ったときに買ったものが美味しく、その後も何度か飲んでいます。今回買った「五百万石」は、その名前の原料米を使ったお酒。醸造後半年、蔵で熟成してから出荷しています。
獺祭は華やかで、コクがあるお酒。無濾過だけあって旨味が非常にあります。かなりボリュームを感じます。
鶴齢は、熟成による旨味に加え、キレもあるお酒。コクでは獺祭に譲りますが、家族はこっちの方が好きとのこと。僕はちらかというと、獺祭かなあ。どちらもいいお酒だと思います。
ヴィナス(Vinous)のアントニオ・ガッローニが2014~2016のヴィンテージ概況を中心に、最近のナパ・ヴァレーについてまとめた記事を公開しています(Napa Valley Trilogy: 2014, 2015 & 2016-Part1 (Dec 2016) | Vinous - Explore All Things Wine)。
まず、2014年は旱魃が始まって3年めという状況でしたが、豊作で、早く始まり、終わるのも早い年でした。ブドウがしっかり熟しながら酸がしっかりと残ったのも興味深い特徴。また、8月に大きな地震があり、その影響で、枯れていた川が復活して水が豊富になったところもあったそうです。品質は全体としては2013年に似てフレーバーは濃い傾向でしたが、2013年よりもタニックではなく、2013年よりも親しみやすい味わいだとのこと。2013年ほど高品質ではないが、2012年や2015年よりは良好とのこと。
2015年は旱魃がさらに続き、5月の涼しさから実の付き方が不均衡になったとのこと。また、夏は華氏で100度(摂氏で約38度)の高温の日が多く、ブドウのレーズン化がここかしこで見られました。そのため収穫は30~40%と大幅に落ち込みました。品質の高いものはすばらしい出来ですが、レーズン化したブドウをちゃんと取り除かないワイナリーなどでは品質にばらつきがあるとのこと。
2016年は収穫が始まるのが早かったものの、8月が涼しく、収穫時期が長く続きました。スクリーミング・イーグルではカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫が足かけ5週間にわたって続いたとのこと。2016年の果実はジュース分が多く、アルコール度数は低くなる傾向があります。ミディアム・ボディで2012年に似ているけれども、もう少し濃い味わいだとのこと。
また、今回あらためて2013年が素晴らしいヴィンテージだったことを確認したとのこと。トップのワイナリーだけでなく、ミッドレンジやローレベルのワイナリーも素晴らしいワインを作ったとのことでした。
記事にはヴィンテージのこと以外にもさまざまなコメントがあり、かなり読み応えがあり、また面白いです。ぜひ読んでみてください。
今回はエノテカ。
1万円の福袋は20個に1個の割合で「当たり」があり、当たりの場合のワインにキスラーのピノ・ノワール「キスラー・ヴィンヤード」が含まれることがあります。「当たり」ワインは2種類あり、キスラーのほかはシャトー・ランシュ・バージュ。通常は1万5900円以上のワインが含まれますが、当たりだと2万3900円以上となります。
5万円の福袋も同様に20個に1個あたりがあり、通常7万1800円以上のものが9万円に達します。「当たり」ワインはシャトー・デュクリュ・ボーカイユ1986またはオーパス・ワン2012です。
ブロックチェーンは仮想通貨ビットコインなどで使われている技術。そのシステムに参加する複数のコンピュータに分散して情報を記録し、コンピュータのデータが改ざんされても正しいデータに復旧できるようにします。
Everledgerはまず、ダイヤモンドの取引にブロックチェーンを使うことを考案。既に複数のダイヤモンド鑑定機関と協力してデジタルの鑑定書を作成しています。
今回の発表は、この技術をワインに応用しようというもので、生産者がボルごとにワインの鑑定書を発行し、そのボトルが取引されるたびに、それを記録していくといったものになるもようです。
世界で流通しているワインの約2割が偽造であると言われており、オークションだけでなく小売でも偽造ワインの流通はあるようです。
ブロックチェーンを使ったデジタルの鑑定書は、紙の鑑定書よりははるかに信頼性が高いため、今後普及する可能性はかなり高いのではないかと思います。
「個別銘柄指定」や「ヴィンテージ指定」や「すべて飲み頃ワイン」
などは、ご希望に添えませんのでご了承下さい。
備考欄に「こんなの欲しいな~!」の希望をお書き下さい。
銘柄名ではなく産地やスタイルがありがたいです。
とのことです。
セットは税別、送料別で1万円、2万円、3万円(以上3本以上)、5万円、10万円(以上4本以上)。
カリフォルニアワインをそれほど多く持っているお店ではありませんが、キスラーやカレラなどがあるので、高額のセットであれば、そのあたりが期待できるかもしれません。
セラー専科の3万8000円(税込み、送料込み)のセットには通常価格7万9200円分のワインが入っているとのこと。「ナパの次世代を担うシンデレラワイン」も含まれているとのことで、何なんだか気になります。
安いもので6本2万円、高いものは6本で50万円!。
ここの福袋の特徴はセットの内容が固定されていないこと。例えば「カリフォルニア中心で」といったリクエストを書くと、それを尊重したセレクションをしてくれます。また、レビューを見ると、購入履歴から判断しているのではないかといったコメントもしばしば見られるので、かなり購入者に寄ったセレクションが期待できます。
5万円の福袋で8万円相当のワインが入っていたといったコメントもあるので、かなりの割引率が期待できそうです。
福袋一覧はこちらから
インスタグラムにアップした写真によると、新橋の魚金で刺し身を食べ、銀座の人気ラーメン屋「篝」で一時間並んでラーメンを食べています。
その後は、銀座の「カフェ・ド・ランブル 」という老舗の珈琲店でとても感銘を受けたようす。
渋谷の「茶亭 羽當」という老舗珈琲店にも行っているので、かなりコーヒー好きなようですね。
コーヒーだけでなくワインも飲んでいます。
そして最後は「霞町 すゑとみ」という懐石料理の店へ。
なお、大晦日にはベトナムに旅立ったようです。
日本に来ているワインメーカーはラジャ・パーだけではありません。ベッドロックのモーガン・ピーターソンも元旦から北海道にスキーに来るようです。
元旦からとりとめのない話題で恐縮ですが、今年もよろしくお願いします。