こちらもスタンダード版と上級版の「ラ・スルス」の2種。「イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)」の記事で個人的にはベストとした2014年の「ラ・スルス」も入っています。ここはスタンダード版と上級版の差は結構あるほうだと思いますが、価格も倍なのでスタンダード版のコスパは大したものだと思います。
イヴニング・ランド ピノ・ノワール "セブン・スプリングス・ヴィンヤード" イオラアミティヒルズ [2014] (正規品) Evening Land Seven Springs |
イヴニング・ランド ピノ・ノワール "ラ・スルス(セブン・スプリングス)" イオラアミティヒルズ [2014] (正規品) Evening Land Seven Springs La Source |
イヴニング・ランドは現在、サッシ・ムーアマンとラジャ・パーが所有していますが、以前は有名なソムリエのラリー・ストーンや、ブルゴーニュの著名ドメーヌ「コント・ラフォン」のドミニク・ラフォンも参加していました。ラリー・ストーンがイヴニング・ランドをやめるときにセブン・スプリングスの一部を分けてもらおうとしたのですが叶えられず、代わりに手に入れた土地がセブン・スプリングスの隣。そこで現在はリングア・フランカ(Lingua Franca)というワイナリーをやっています。これもこの土地のポテンシャルを高く評価している証拠と言えるでしょう。
リングア・フランカ アヴニー ピノ・ノワール エオラ・アミティ・ヒルズ[2015]【750ml】Lingua Franca AVNI Pinot Noir Eola-Amity Hills |
今年春には、イヴニング・ランドのワインメーカーであるサッシ・ムーアマンによるセミナーを受講し、じっくりと試飲することで個人的にもその品質の高さには、かなり驚いたのでした。
オレゴンの雄イヴニングランドから学ぶオレゴンワイン(前編)
イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)
特にすごかったのはシャルドネの品質の高さ。「スタンダード版でもカリフォルニアの1万円クラスに負けないレベル」と、そのときに書いています。カリフォルニアではもっぱらピノ・ノワールやシラーなど赤ワインを中心に作っていたサッシ・ムーアマンも、今後のセブン・スプリングスの植え替えはシャルドネ中心にしたいというほど、その品質には感銘を受けている様子でした。
特に2015年のサマム(Summum)シャルドネは群を抜いたおいしさ。個人的には98~100点上げたいレベルでした。ワイン・スペクテーターでも95点と同ヴィンテージのオレゴン・シャルドネでトップの評価を受けています。
前置きが長くなりましたが、柳屋には2014年のスタンダードのシャルドネと2015年のサマム・シャルドネが入荷しています。スタンダード版の5000円という価格は品質から見ればかなりのバーゲン価格。サマムの1万2900円という価格もかなり安いです(ちなみにワイナリー価格は100ドル)。
シャルドネ好きだけどオレゴンはあんまり…という人もぜひこれは飲んでみてほしいです。
イヴニング・ランド シャルドネ "セブン・スプリングス" イオラアミティヒルズ [2014] (正規品) Evening Land Seven Springs |
イヴニング・ランド シャルドネ "スマム" イオラアミティヒルズ [2015] (正規品/スムム/サマム) Evening Land Seven Springs Summum |
以前、このワイン飲んだことがありますが、ペイらしく上品で引き締まった味のいいピノ・ノワールでした。熟成させるワインではないと思いますが、十二分に楽しめるワインでした。で、実は僕が買ったのはもっと高かったという……。
ワイナリー価格27ドルがこの値段はかなり頑張っていると思います。ワインメーカーのヴァネッサ・ウォンさんは元ピーター・マイケルの著名ワインメーカー。その実力をこの値段で味わえるだけでも価値があります。
ペイについてはこちらもご覧ください。
IPOBミニインタビューその7――ニック・ペイ、ヴァネッサ・ウォン/ペイ・ヴィンヤーズ
ペイ ピノ・ノワール "セップ" ソノマコースト [2016] (正規品) Peay Cep |
このワインメーカー、よほどの才人で弱冠26歳にして、2012年にSFクロニクルの注目のワインメーカーに選ばれています。そのときのワイナリーが自身の名前がついた「Chanin」。ルタムは彼の才能を見込んだビル・プライスと組んで、その年に始めたワイナリーです(詳しくは「弱冠26歳にして2つ目のワイナリを手に入れるGavin Chaninとはどういう男か」を)。ビル・プライスはソノマのデュレル(Durell)やギャップス・クラウン(Gap's Crown)といった銘醸畑のオーナーでキスラーなどにも出資している大物ですが、26歳で彼に認められるというだけでもすごいことです。さらに2013年にはシャルドネで、2016年にはピノ・ノワールでワイン&スピリッツ誌の全米ナンバーワンに選ばれているなど、これまで受けた称号は数知れず…
前置きが長くなりましたが、このChaninのワインが実は日本に輸入されていたのです。ただ、飲食店向けだけに出していたそうですが、柳屋がそれを発見して輸入元と交渉し、なんとか一般向けに売り出したというのが今日の記事です。なお、ワイナリー名はカタカナで表記するなら前述のようにチャナンが近いですが、輸入元は「シャナン」としています。
この人のワイン造りのポリシーはバランス。かつてのIPOB(In Pursuit of Balance)に近い立場です。彼が最初にワイン造りを修行したのがオー・ボン・クリマのジム・クレンデネンだったということも影響しているのでしょう。アルコール度数も抑え、エレガントなワインを作っています。先日紹介したレインもそうですが、最近の若手ワインメーカー、こうやってエレガントなワインを上手に作っていてすごいなあと思います。
今回、販売されているのは2014年のビエン・ナシード・シャルドネ。ヴィナス(Vinous)とワイン・エンスージアストで95点を得ています。ワイン・アドヴォケイトはこのワインは未評価ですが2011年のビエン・ナシード・ピノ・ノワールに95点をつけるなど、そこでも高く評価されています(先日のルタムも記事では未紹介でしたが93~94点を付けていました)。
価格はルタムより少し安い約8000円。シャナン(チャナン)に関しては、今後も一般向け販売があるかどうかわからないので、この機会を逃すと日本での入手は難しいかもしれません。
シャナン(チャナン) シャルドネ "ビエン・ナシド・ヴィンヤード" サンタマリアヴァレー(サンタバーバラ) [2014] Chanin Bien Nacido |
ほとんどのワインが93~94点。あまり高い点ではないと思う人もいるかもしれませんが、濃厚なタイプのピノ・ノワールではなく、かなりデリケートな造りのピノ・ノワールなので、ワイン・アドヴォケイトでは比較的高得点が得られにくいタイプだと思うのです。その中では非常に高く評価されていると言っていいと思います。
アルコール度数は12.5~13%。新樽率は10%、除梗は0~20%程度という造り。発酵は天然酵母です。
ロイヤル・セント・ロバート・キュベはソノマ・コーストのAVA。祖父であるロバート・モンダヴィの名前を冠したワインです。2016年は94点。
ホームフィールドはフォートレス・シービューのAVA。1000フィートを超える比較的標高の高いところにある畑だそうです。2016年は94+点。
レイン ”ロイヤル・セント・ロバート・キュヴェ” ピノノワール ソノマコースト |
レイン ”ホーム・フィールド・ヴィンヤード” ピノノワール フォート・ロス-シーヴュー ソノマコースト |
コービン・キャメロンについてはソノマのムーン・マウンテンにあるワイナリー。ムーン・マウンテンはマヤカマス山脈の西側で、ナパのAVAでいえばマウント・ヴィーダーの近くに当たります。(ソノマの多様性をAVAから解き明かすセミナー)の記事で紹介しており、ソノマの試飲会で美味しかったワイン(2018年春)でもソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・ソーヴィニヨンをお勧めで挙げています。今回のワインは試飲していませんが、品質的には間違いのないワイナリーと言えます。
コービン・キャメロン プロプライエタリー・レッド "クリスティン" ソノマカウンティ [2013] (正規品) Korbin Kameron Kristin |
ド・ヴィリエ2009年はワイン・アドヴォケイトで96+点。カレラの単一畑ピノ・ノワールは6種類ありますが、そのうちジェンセンとセレックが上級品の扱い。残り4つの畑の中で一番最後に登場したのがド・ヴィリエですが、畑の位置はジェンセンの隣であり、品質的にも迫るものがあると思います。
次はミルズの2012年。こちらもワイン・アドヴォケイトで96点。以前は割と早のみの印象もありましたが、樹も熟成して、昔のイメージで捉えてはいけないようですね(最近飲んでません)。実はこの畑だけは自根だそうです。場所はド・ヴィリエの隣。
最後はライアンの2010年。ワイン・アドヴォケイトでは94点。3つの中では一番低いですが、それでも高得点です。樹齢では一番若い(1998年植樹。ド・ヴィリエは1997年)畑。
ただし最後の1本なので早い者勝ちです。
ヴェリテ ル・デジール2009年
メル・ソレイユのリザーブ・シャルドネ2015年と2014年も格安になっています。
メル・ソレイユ リザーブ・シャルドネ2015年
メル・ソレイユ リザーブ・シャルドネ2014年
一つは定番中の定番といえるナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン2014。5000円前後の価格で売っている店が大半のところ、税込みで4190円、税抜きなら3000円台というのはかなりの特価です。ヴィナスでは90点がついており品質も保証付き。
もう一つはカベルネ・ソーヴィニヨンとは歌っていませんが「マエストロ」の2014。カベルネ・ソーヴィニヨンは73%なのでラベルには付けられませんが前の2013年がメルロー主体だったのと比べると、カベルネ・ソーヴィニヨン主体に大きく舵を切っています。テイスティング・パネル誌で94点。
マエストロというワイン自身、2013年にロバート・モンダヴィ50週年を祝って初めて作ったワイン。そのヴィンテージだけの予定だったのが、反響が大きく、2014年も造ることになったそうです。ブドウはオークヴィルの「トカロン」にスタッグスリープの「ワッポ・ヒル」とロバート・モンダヴィが誇る銘醸畑2つのもの。1万円近くで売っているショップもある中で税抜き5980円は文句なしの安さです。
ロバート モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー [2014] 《◎50周年記念アニバーサリー・ボトル》 Robert Mondavi Napa Valley |
ロバート・モンダヴィ "マエストロ(ト・カロン×ワッポ・ヒルズ)" ナパ・ヴァレー [2014] Robert Mondavi Maestro |