前回は、高評価ワインのお薦めを紹介しましたが、今回はブラックフライデーセールからのお薦めです。
リカオーではリッジのワインがお買い得、リットン・エステートのプティ・シラー、スリーバレー、パガニ・ランチのジンファンデルといずれも5999円ですが、この中ではパガニ・ランチが一押し。ソノマ・ヴァレーの古木の畑で1890年に植樹されています。新しい樹でも1910年頃というから、基本100年以上の樹ばかりです。古木の畑の中でもこれだけ古い樹が多いのは珍しいとか。パーカー94点、ヴィナス93点と評価もかなり高いワイン。米国でも税抜きで50ドル程度するワインですから、日本で買う方が安いです。
しあわせワイン倶楽部では、人気の689のワインくじというユニークな企画を実施中。689はサブミッションやラムゼイなど、中価格帯中心にいろいろなブランドを持っています。その計15種をくじびきで、というのがこの企画。2398円と普通に689を買うよりも安く、一番高いものは7370円の「マスター・アンド・サーバント」。15種類注文したら、全部1本ずつ当たるそうです。とりあえず689買う代わりに試してみるのも楽しそうです。
先日紹介したサンタ・バーバラのプレスキール。セラー専科ではポイント10倍付くので、エントリー版のピノ・ノワールなら実質4000円台。ぜひお試しいただきたい。
リカオーではリッジのワインがお買い得、リットン・エステートのプティ・シラー、スリーバレー、パガニ・ランチのジンファンデルといずれも5999円ですが、この中ではパガニ・ランチが一押し。ソノマ・ヴァレーの古木の畑で1890年に植樹されています。新しい樹でも1910年頃というから、基本100年以上の樹ばかりです。古木の畑の中でもこれだけ古い樹が多いのは珍しいとか。パーカー94点、ヴィナス93点と評価もかなり高いワイン。米国でも税抜きで50ドル程度するワインですから、日本で買う方が安いです。
しあわせワイン倶楽部では、人気の689のワインくじというユニークな企画を実施中。689はサブミッションやラムゼイなど、中価格帯中心にいろいろなブランドを持っています。その計15種をくじびきで、というのがこの企画。2398円と普通に689を買うよりも安く、一番高いものは7370円の「マスター・アンド・サーバント」。15種類注文したら、全部1本ずつ当たるそうです。とりあえず689買う代わりに試してみるのも楽しそうです。
先日紹介したサンタ・バーバラのプレスキール。セラー専科ではポイント10倍付くので、エントリー版のピノ・ノワールなら実質4000円台。ぜひお試しいただきたい。
ナパヴァレーのサスティナブル認証団体Napa Greenが再生可能型の農法推進を掲げています。11月から「One Block Challenge」というプログラムを、再生可能型のブドウ造りを推進するRegenerative Viticulture Foundation(RVF)と共同で始めました。

One Block Challengeは、畑全体を一気に再生可能型に転換するのではなく、1ブロックだけを手始めにやってみようというもの。11月18日にはナパのOpus Oneで、11月19日にはソノマのBedrockで体験イベントを開催しました。
なお、RVFは再生可能型のブドウ栽培を推進していますが認証団体ではありません。認証団体としてはROC(Regenerative Organic Certified)が代表的ですが、現在はそれ以外にも複数の認証があり、Napa Greenもその一つになるようです。
再生可能型の栽培が話題になり始めてから、まだ3年弱ですが、知る人ぞ知るというものだったところから、業界全体の動きにまで変わりつつある勢いを感じます。

One Block Challengeは、畑全体を一気に再生可能型に転換するのではなく、1ブロックだけを手始めにやってみようというもの。11月18日にはナパのOpus Oneで、11月19日にはソノマのBedrockで体験イベントを開催しました。
なお、RVFは再生可能型のブドウ栽培を推進していますが認証団体ではありません。認証団体としてはROC(Regenerative Organic Certified)が代表的ですが、現在はそれ以外にも複数の認証があり、Napa Greenもその一つになるようです。
再生可能型の栽培が話題になり始めてから、まだ3年弱ですが、知る人ぞ知るというものだったところから、業界全体の動きにまで変わりつつある勢いを感じます。
年末のランキング発表シーズンが始まり、今年も注目のワインが出てきています。
ランキングの老舗であり一番話題になるのがワイン・スペクテーター。今年は1位はボルドーのシャトー・ジスコースでしたが、2位にオーベールのUV-SLシャルドネ、3位にリッジのリットン・スプリングス、4位にウィリアムズ・セリエムのピノ・ノワール「イーストサイド・ロード・ネイバーズ」、8位にウェイフェアラーのピノ・ノワールとトップ10に4本入りました。リッジのリットン・スプリングスのような伝統あるワインが入ってくるのは嬉しいです。
ただ、トップ10の中で、国内に同ヴィンテージが流通しているのはオーベールのUV-SLシャルドネ2023だけでした。3万円超える高額ワインではありますが、オーベールのシャルドネは劇旨なので飲みたい!
と、注目が集まるのはトップ10ですが、トップ100に入るだけでも大したものです。スペクテーターの年間レビュー本数が1万を超えているのですから、トップ100というのはわずか1%しか選ばれないわけですから。
トップ10から漏れた中でも注目は11位に入ったオレゴンのクリストム。マウント・ジェファーソン・キュベのピノ・ノワールは50ドルで、ここのワインの中では入門的な位置付けになります。50ドルでコスパが評価されたワインですが、実は国内では5000円台でも売られていて、米国で買うよりも安いのです。これはむちゃくちゃお買い得。
27位に入ったのはパイン・リッジの「シュナン・ブラン-ヴィオニエ」2024。このワイン、好きなんです。2000円台と価格も優しい。
51位に入ったキャッターウォールのカベルネ2023。キャッターウォールなんて名前は聞いたことがないという人が大半だと思いますが、造っているのはトーマス・リヴァース・ブラウンです。知る人ぞ知るワインですが、こういうのを掘り起こしてくるのはワイン・スペクテーターもやるなあという感じです。1万円以下のカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストの一つでしょう。
年間ランキングとは別に、むちゃくちゃなコスパで驚いたのがフォーマンのカベルネ・ソーヴィニヨン2014。1万5000円くらいで売っている店もありますが、米国では130ドル以上するので、そのまま円換算したら2万円こえてしまいます(海外の価格は税抜きで書かれているので消費税まで入れるとそうなります)。このワイン、Vinousのアントニオ・ガローニが今年1月にレビューしていてなんと98点を付けています(それ以前だと2017年に94点を付けていました)。熟成の最初のピークに入ってきた旨書かれています。楽天では2012年や2011年も売っていて、これらも評価は結構高いですが、さすがに98点には達していないので、今買うならこれがベストでしょう。ちょうどよく熟成してこれだけ評価が高いワインはなかなか手に入りません。
最後はピノ・ノワール。一昨年のスペクテーターで年間2位だったのがスティーブ・キスラーが作るオキシデンタルのピノ・ノワール「フリーストーン・オキシデンタル」2021でしたが、このときのレイティングが94点。実は現行の2023点は95点とさらに評価は上がっていますが、価格は当時とほとんど変わりません。今、高級ピノ・ノワールを買うならお薦めの1本です(コスパではクリストムが圧倒していますが)。
ランキングの老舗であり一番話題になるのがワイン・スペクテーター。今年は1位はボルドーのシャトー・ジスコースでしたが、2位にオーベールのUV-SLシャルドネ、3位にリッジのリットン・スプリングス、4位にウィリアムズ・セリエムのピノ・ノワール「イーストサイド・ロード・ネイバーズ」、8位にウェイフェアラーのピノ・ノワールとトップ10に4本入りました。リッジのリットン・スプリングスのような伝統あるワインが入ってくるのは嬉しいです。
ただ、トップ10の中で、国内に同ヴィンテージが流通しているのはオーベールのUV-SLシャルドネ2023だけでした。3万円超える高額ワインではありますが、オーベールのシャルドネは劇旨なので飲みたい!
と、注目が集まるのはトップ10ですが、トップ100に入るだけでも大したものです。スペクテーターの年間レビュー本数が1万を超えているのですから、トップ100というのはわずか1%しか選ばれないわけですから。
トップ10から漏れた中でも注目は11位に入ったオレゴンのクリストム。マウント・ジェファーソン・キュベのピノ・ノワールは50ドルで、ここのワインの中では入門的な位置付けになります。50ドルでコスパが評価されたワインですが、実は国内では5000円台でも売られていて、米国で買うよりも安いのです。これはむちゃくちゃお買い得。
27位に入ったのはパイン・リッジの「シュナン・ブラン-ヴィオニエ」2024。このワイン、好きなんです。2000円台と価格も優しい。
51位に入ったキャッターウォールのカベルネ2023。キャッターウォールなんて名前は聞いたことがないという人が大半だと思いますが、造っているのはトーマス・リヴァース・ブラウンです。知る人ぞ知るワインですが、こういうのを掘り起こしてくるのはワイン・スペクテーターもやるなあという感じです。1万円以下のカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストの一つでしょう。
年間ランキングとは別に、むちゃくちゃなコスパで驚いたのがフォーマンのカベルネ・ソーヴィニヨン2014。1万5000円くらいで売っている店もありますが、米国では130ドル以上するので、そのまま円換算したら2万円こえてしまいます(海外の価格は税抜きで書かれているので消費税まで入れるとそうなります)。このワイン、Vinousのアントニオ・ガローニが今年1月にレビューしていてなんと98点を付けています(それ以前だと2017年に94点を付けていました)。熟成の最初のピークに入ってきた旨書かれています。楽天では2012年や2011年も売っていて、これらも評価は結構高いですが、さすがに98点には達していないので、今買うならこれがベストでしょう。ちょうどよく熟成してこれだけ評価が高いワインはなかなか手に入りません。
最後はピノ・ノワール。一昨年のスペクテーターで年間2位だったのがスティーブ・キスラーが作るオキシデンタルのピノ・ノワール「フリーストーン・オキシデンタル」2021でしたが、このときのレイティングが94点。実は現行の2023点は95点とさらに評価は上がっていますが、価格は当時とほとんど変わりません。今、高級ピノ・ノワールを買うならお薦めの1本です(コスパではクリストムが圧倒していますが)。
多分、これ以上のワイン会は今後やらないだろうという豪華なワイン会を開きます。
メインとしてはハーラン・エステートが作る、グラン・クリュのカベルネ・ソーヴィニヨン「Bond」の2004年のワインを4種類出します。
場所はマンダリンオリエンタル東京のフレンチ・レストラン「シグネチャー」。食べログの東京のフレンチ・レストラン百名店に選ばれている名店です。ソムリエは今年ナパヴァレー・ヴィントナーズ・ジャパンのベスト・ソムリエ・アンバサダーに選ばれた山本麻衣花さんにお願いしています。
日時は2026年2月7日(土)19時から
価格は77,000円の予定です。9人限定です。
Bond以外のワインは未確定ですが、現在予定しているのは
Domaine Carneros Le Reve
Quintessa Illumination
Paul Lato East of Eden Chardonnay 2021
Calera Jensen 1996
など。1人1本の予定です。
これで最後というのは、このBondは数年前に2セット買って1セットは2年ほど前にピーター・ルーガーのワイン会で飲んでおり、これが残った1セットだからです。Bondの今の価格は1本15万ですから、同じように開催したら一人当たり10万を優に超えてしまいます。ピーター・ルーガーのときはアカデミー・デュ・ヴァンで募集したのですが、デュ・ヴァンを通すとどうしても高くなるので、今回は個人として開催することにしました。
あと、もし席が埋まらなかった場合はキャンセルさせていただく可能性があります。ご了承ください。
申し込みは、各種SNSのDMか、メールでお願いします。
Facebook
Andy Matsubara(アンディ松原)@ナパヴァレー・ベスト・エデュケーター2023(@andyma)さん / X
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メインとしてはハーラン・エステートが作る、グラン・クリュのカベルネ・ソーヴィニヨン「Bond」の2004年のワインを4種類出します。
場所はマンダリンオリエンタル東京のフレンチ・レストラン「シグネチャー」。食べログの東京のフレンチ・レストラン百名店に選ばれている名店です。ソムリエは今年ナパヴァレー・ヴィントナーズ・ジャパンのベスト・ソムリエ・アンバサダーに選ばれた山本麻衣花さんにお願いしています。
日時は2026年2月7日(土)19時から
価格は77,000円の予定です。9人限定です。
Bond以外のワインは未確定ですが、現在予定しているのは
Domaine Carneros Le Reve
Quintessa Illumination
Paul Lato East of Eden Chardonnay 2021
Calera Jensen 1996
など。1人1本の予定です。
これで最後というのは、このBondは数年前に2セット買って1セットは2年ほど前にピーター・ルーガーのワイン会で飲んでおり、これが残った1セットだからです。Bondの今の価格は1本15万ですから、同じように開催したら一人当たり10万を優に超えてしまいます。ピーター・ルーガーのときはアカデミー・デュ・ヴァンで募集したのですが、デュ・ヴァンを通すとどうしても高くなるので、今回は個人として開催することにしました。
あと、もし席が埋まらなかった場合はキャンセルさせていただく可能性があります。ご了承ください。
申し込みは、各種SNSのDMか、メールでお願いします。
Andy Matsubara(アンディ松原)@ナパヴァレー・ベスト・エデュケーター2023(@andyma)さん / X

ナパヴァレー・ヴィントナーズが2025年の収穫について、業界のメンバーを集めて座談会を開きました。2025年のナパの生育シーズンは、全体的に涼しく、雨が多く、猛暑の日がほとんどないものでした。ワインは長期熟成が可能で、バランスが良く、エレガントでクラシックなスタイルになりそうです。
「フェノールの成熟が糖度の蓄積よりも早かったため、この生育期は本当に楽しかったです。アルコール度数を抑えながらも非常にバランスの取れたワインが出来上がるでしょう」と、コンティニュアム(Continuum)の栽培ディレクターであるアシュトン・ロイトナー氏は述べています。
「けた外れに色が濃くなりました。これは品質の優れた指標です」と、ボーリュー・ヴィンヤード(Beaulieu、BV)のジェネラルマネージャー兼シニアワインメーカーであるネイト・ワイス氏は説明します。
フィリップ・メルカの会社として様残なワイナリーのコンサルタントを請け負うアトリエ・メルカ(Atelier Melka)のパートナー兼ワイン醸造ディレクターであるマーヤン・コシツキー氏は「発酵初期に非常に高い色素抽出を確認しました。全体的にタンニンがやや柔らかくなったことで、浸軟期間を延長し、ワインに美しい重厚感とテクスチャーを与えることができました」と付け加えます。ロイトナー氏は、種子のタンニンの含有量が少ないことで「苦味を生じさせることなく、果皮との接触期間を延長できた」と付け加えました。
温暖な気候と安定した成熟ペースも、土地の個性を際立たせました。「涼しいヴィンテージでは、栽培地域間の違いがより顕著になります。今年はAVA間の差異がより顕著に表れる年の一つです」と、ホール(Hall)のワインメイキング担当副社長、ミーガン・ガンダーソン氏は述べています。
ガンダーソン氏は、ナパ・ヴァレーは品質の高さで知られていると述べ、このヴィンテージへの熱意を語りました。「どこで収穫し、どこで収穫しなかったかは、すべて品質次第です。業界は常に変化しており、私たちはそれに適応しながら在庫を適正に保ち、毎年最高品質のワインを生産することに注力しています」
忍耐が報われ、力よりもバランスと繊細さを重視した収穫となりました。
「カリフォルニア・クリスマス」(原題:A California Christmas)という映画がNetflixで配信されています。ソノマの牧場を舞台にしているとのことです。映画を観る限りではおそらくカーネロスなのかなあと思います。

カリフォルニア・クリスマス - Netflix
ネタバレになってしまうので、詳しくは紹介しませんが、ワインは結構重要な役割を果たします。ただ、突っ込みどころもいろいろあるのはご愛敬。2時間足らずの映画ですし、気楽に楽しく(子供と見るのは一部ちょっとというシーンもあります)見られるので、ワイン片手に観るのもいいでしょう。
ただ、配信は12月13日で終了ということなので、クリスマスにはもう観られません。お早めにどうぞ。
ちなみに、続編もあるようで、そちらはまだ配信終了にはなりません。

カリフォルニア・クリスマス - Netflix
ネタバレになってしまうので、詳しくは紹介しませんが、ワインは結構重要な役割を果たします。ただ、突っ込みどころもいろいろあるのはご愛敬。2時間足らずの映画ですし、気楽に楽しく(子供と見るのは一部ちょっとというシーンもあります)見られるので、ワイン片手に観るのもいいでしょう。
ただ、配信は12月13日で終了ということなので、クリスマスにはもう観られません。お早めにどうぞ。
ちなみに、続編もあるようで、そちらはまだ配信終了にはなりません。
今年、都光が輸入を始めたサンタ・バーバラのワイナリー「プレスキール(Presquil)」。セールスのディレクターであるトニー・チャ氏が来日してソムリエ協会でセミナーを行い、私は通訳として参加させていただきました。ワインの試飲はちゃんとできておりませんが、ワイナリーの紹介をしておきたいと思います。

プレスキールはルイジアナ州出身のマーフィー家が2007年にサンタ・バーバラのサンタ・マリア・ヴァレーに設立したワイナリー。小高い斜面に、シャルドネとピノ・ノワールなど7種類のブドウを植えています。栽培ではSIPというサスティナビリティ―の認証を得ています。また、直近ではサンタ・リタ・ヒルズの銘醸畑サンフォード&ベネディクトの隣に土地を取得。シャルドネとピノ・ノワールを植えています。このほか、アボカドを育てていたり、ワイナリーにホテルを作ったりなど、手広く活動しています。
ワインメーカーは南アフリカ出身のディエター・クロンジェ。2015年からはブルゴーニュのドメーヌ・デュジャックのジェレミー・セイスがコンサルタントとして参画しています。

現在のワインのラインアップは10種類強。国内にはこのうち8種類が輸入されています。
・プレスキール サンタ・バーバラ・カウンティ ピノ・ノワール 2023 希望小売価格5,000円+税
・プレスキール サンタ・バーバラ・カウンティ シャルドネ 2023 希望小売価格4,700円+税
・プレスキール・ヴィンヤード ガメイ 2024 希望小売価格6,500円+税
・プレスキール・ヴィンヤード アリゴテ 2023 希望小売価格7,000円+税
・プレスキール・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2023 希望小売価格11,000円+税
・プレスキール・ヴィンヤード シャルドネ 2023 希望小売価格8,800円+税
・サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2021 希望小売価格13,500円+税
・サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード シャルドネ 2021 希望小売価格10,000円+税
下がサンタ・バーバラ・カウンティ・シリーズで、ここのエントリー・ライン。上が単一畑シリーズでフラッグシップになります。
サンタ・バーバラ・カウンティ・シリーズはシャルドネとピノ・ノワール、ソーヴィニョン・ブラン、シラーでフレッシュで日常的に飲むワインを目指しています(ソーヴィニョン・ブラン、シラーは未輸入)。また、ワインには自社畑のブドウも結構使われています。エントリー版といっても品質はかなり高いです。
単一畑シリーズはテロワールを表現するワイン。自社畑のほか、サンタ・リタ・ヒルズのサンフォード&ベネディクトのシャルドネとピノ・ノワールもあります。同じシャルドネ、ピノ・ノワールでも自社畑のものは軽やかさがありエレガントなのに対し、サンフォード&ベネディクトはがっしりとストラクチャーのあるワインになっており、色合いもかなり異なります。醸造はほぼ同じであり、まさにテロワールが反映されたワインです。
シャルドネとピノ・ノワール以外では自社畑のアリゴテとガメイも輸入されています。中でも受講者の関心が高かったのがガメイでした。当初は軽いスタイルのワインを目指してカルボニック・マセレーションも使っていましたが、かなり品質の高いガメイができるため、クリュ・ボージョレタイプのワインに変えたとのことでした。ラベルが軽いタッチなのは当初のコンセプトの名残だとか

プレスキールのワイン、現在は都光のリカーショップである「リカーマウンテン」や、楽天の「セラー専科」「CAVE de L NAOTAKA」などで販売されています。今後は他のショップにも広げていく予定です。
まずは、リーズナブルな価格のサンタ・バーバラ・カウンティものから試していただきたいと思います。
なお、通訳のできについては、ブルゴーニュの生産者の名前がいくつか聞き取れないところがあり、反省しております(きっと聞いている人たちの方が分かっていたでしょう)。質疑応答が活発にあり、それはすごく良かったと思います。

プレスキールはルイジアナ州出身のマーフィー家が2007年にサンタ・バーバラのサンタ・マリア・ヴァレーに設立したワイナリー。小高い斜面に、シャルドネとピノ・ノワールなど7種類のブドウを植えています。栽培ではSIPというサスティナビリティ―の認証を得ています。また、直近ではサンタ・リタ・ヒルズの銘醸畑サンフォード&ベネディクトの隣に土地を取得。シャルドネとピノ・ノワールを植えています。このほか、アボカドを育てていたり、ワイナリーにホテルを作ったりなど、手広く活動しています。
ワインメーカーは南アフリカ出身のディエター・クロンジェ。2015年からはブルゴーニュのドメーヌ・デュジャックのジェレミー・セイスがコンサルタントとして参画しています。

現在のワインのラインアップは10種類強。国内にはこのうち8種類が輸入されています。
・プレスキール サンタ・バーバラ・カウンティ ピノ・ノワール 2023 希望小売価格5,000円+税
・プレスキール サンタ・バーバラ・カウンティ シャルドネ 2023 希望小売価格4,700円+税
・プレスキール・ヴィンヤード ガメイ 2024 希望小売価格6,500円+税
・プレスキール・ヴィンヤード アリゴテ 2023 希望小売価格7,000円+税
・プレスキール・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2023 希望小売価格11,000円+税
・プレスキール・ヴィンヤード シャルドネ 2023 希望小売価格8,800円+税
・サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2021 希望小売価格13,500円+税
・サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード シャルドネ 2021 希望小売価格10,000円+税
下がサンタ・バーバラ・カウンティ・シリーズで、ここのエントリー・ライン。上が単一畑シリーズでフラッグシップになります。
サンタ・バーバラ・カウンティ・シリーズはシャルドネとピノ・ノワール、ソーヴィニョン・ブラン、シラーでフレッシュで日常的に飲むワインを目指しています(ソーヴィニョン・ブラン、シラーは未輸入)。また、ワインには自社畑のブドウも結構使われています。エントリー版といっても品質はかなり高いです。
単一畑シリーズはテロワールを表現するワイン。自社畑のほか、サンタ・リタ・ヒルズのサンフォード&ベネディクトのシャルドネとピノ・ノワールもあります。同じシャルドネ、ピノ・ノワールでも自社畑のものは軽やかさがありエレガントなのに対し、サンフォード&ベネディクトはがっしりとストラクチャーのあるワインになっており、色合いもかなり異なります。醸造はほぼ同じであり、まさにテロワールが反映されたワインです。
シャルドネとピノ・ノワール以外では自社畑のアリゴテとガメイも輸入されています。中でも受講者の関心が高かったのがガメイでした。当初は軽いスタイルのワインを目指してカルボニック・マセレーションも使っていましたが、かなり品質の高いガメイができるため、クリュ・ボージョレタイプのワインに変えたとのことでした。ラベルが軽いタッチなのは当初のコンセプトの名残だとか

プレスキールのワイン、現在は都光のリカーショップである「リカーマウンテン」や、楽天の「セラー専科」「CAVE de L NAOTAKA」などで販売されています。今後は他のショップにも広げていく予定です。
まずは、リーズナブルな価格のサンタ・バーバラ・カウンティものから試していただきたいと思います。
なお、通訳のできについては、ブルゴーニュの生産者の名前がいくつか聞き取れないところがあり、反省しております(きっと聞いている人たちの方が分かっていたでしょう)。質疑応答が活発にあり、それはすごく良かったと思います。
ワインスペクテーターの年間トップ10、2位までが発表されました。カリフォルニアは8位にウェイフェアラーのピノ・ノワール、4位にウィリアムズ・セリエムのEastside Road Neighbors、3位にリッジのリットン・スプリングスと入りましたが、セリエムは日本輸入なし、ウェイフェアラーとリッジは国内の現行ヴィンテージではないというところで、ちょっと残念。
ようやく2位でオーベールのUV-SLヴィンヤード、シャルドネ2023が入りました。こちらは国内在庫あり。もちろんオーベールですから、値段は安くありませんが。
ようやく2位でオーベールのUV-SLヴィンヤード、シャルドネ2023が入りました。こちらは国内在庫あり。もちろんオーベールですから、値段は安くありませんが。
ジョセフ・フェルプスのデイビッド・ピアソン社長が来日し、食事を一緒にする機会をいただきました。
ピアソン氏とは昨年春にセミナーでお会いして以来です。
知られざる先進ワイナリー、ジョセフ・フェルプスの魅力を探る
ジョセフ・フェルプスは2022年にLVMHの傘下に入り、オーパス・ワンのCEOを長年務めてきたピアソン氏を社長に迎え入れました。ジョセフ・フェルプスのインシグニアはワインの品質ではナパのトップクラスを長年続けており、オーパス・ワンにも劣らない実績を上げていましたが、マネジメントやブランド構築という点では必ずしもうまく行っていませんでした。そういったことからオーパス・ワンのブランドを築き上げたピアソン氏を選んだようです。
今回は、ざっくばらんにいろいろな話をしながらランチを楽しみました。話の中で興味深かったのは「ラ・プラス・ド・ボルドー」経由での輸出をやめたということ。「ラ・プラス・ド・ボルドー」利用には功罪あるので、ブランド構築を行っている今のタイミングではそれをやめておくというのは、理解できます。
食事中のワインはインシグニアで2022、2021、2019の直近3ヴィンテージ(2020は山火事の影響でなし)に、2016年というラインアップでした。なお、ジョセフ・フェルプスはソノマ・コーストでピノ・ノワールやシャルドネも作っていますが、今回は在庫がなかったそうです。
以下、簡単にワインの感想を記します。
2022 カシスにブルーベリー、ベーキング・スパイス。香りと余韻が素晴らしい。果実の甘やかさに豊かな酸。熱波の年で苦労したワイナリーが多い中、これだけきれいな酸があるのはさすがです。ジョセフ・フェルプスはナパの各地に自社畑を持っており、この年はやや冷涼な畑のブドウの比率を上げているようです。
2021 ブルーベリーにブラックベリー、わずかにレッド・チェリー。バランスよく、パワフルで凝縮感を感じるワイン。
2019 甘やかな果実味に、グラファイトなどの鉱物的な味わい。コーンスープのようなまろやかさ。2021年と比べると、いい意味で軽さを感じるワイン。
2016 第一印象はパーフェクト。すべてが整っているワイン。素晴らしい。
敢えて点数を付けるなら、2022と21は96、19は98、16は100。
ピアソン氏の指揮でこれからジョセフ・フェルプスがどう変わっていくか、期待したいと思います(あまりラグジュアリーになってしまうのは庶民的には困りますが)。
ピアソン氏とは昨年春にセミナーでお会いして以来です。
知られざる先進ワイナリー、ジョセフ・フェルプスの魅力を探る
ジョセフ・フェルプスは2022年にLVMHの傘下に入り、オーパス・ワンのCEOを長年務めてきたピアソン氏を社長に迎え入れました。ジョセフ・フェルプスのインシグニアはワインの品質ではナパのトップクラスを長年続けており、オーパス・ワンにも劣らない実績を上げていましたが、マネジメントやブランド構築という点では必ずしもうまく行っていませんでした。そういったことからオーパス・ワンのブランドを築き上げたピアソン氏を選んだようです。
今回は、ざっくばらんにいろいろな話をしながらランチを楽しみました。話の中で興味深かったのは「ラ・プラス・ド・ボルドー」経由での輸出をやめたということ。「ラ・プラス・ド・ボルドー」利用には功罪あるので、ブランド構築を行っている今のタイミングではそれをやめておくというのは、理解できます。
食事中のワインはインシグニアで2022、2021、2019の直近3ヴィンテージ(2020は山火事の影響でなし)に、2016年というラインアップでした。なお、ジョセフ・フェルプスはソノマ・コーストでピノ・ノワールやシャルドネも作っていますが、今回は在庫がなかったそうです。
以下、簡単にワインの感想を記します。
2022 カシスにブルーベリー、ベーキング・スパイス。香りと余韻が素晴らしい。果実の甘やかさに豊かな酸。熱波の年で苦労したワイナリーが多い中、これだけきれいな酸があるのはさすがです。ジョセフ・フェルプスはナパの各地に自社畑を持っており、この年はやや冷涼な畑のブドウの比率を上げているようです。
2021 ブルーベリーにブラックベリー、わずかにレッド・チェリー。バランスよく、パワフルで凝縮感を感じるワイン。
2019 甘やかな果実味に、グラファイトなどの鉱物的な味わい。コーンスープのようなまろやかさ。2021年と比べると、いい意味で軽さを感じるワイン。
2016 第一印象はパーフェクト。すべてが整っているワイン。素晴らしい。
敢えて点数を付けるなら、2022と21は96、19は98、16は100。
ピアソン氏の指揮でこれからジョセフ・フェルプスがどう変わっていくか、期待したいと思います(あまりラグジュアリーになってしまうのは庶民的には困りますが)。
シュレーダーのセミナー後は、コンステレーション傘下のナパの高級カベルネとして、マウント・ヴィーダーと、ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーの試飲がありました。
マウント・ヴィーダー2021
マウント・ヴィーダーは、その名の通りナパの西側の山であるマウント・ヴィーダーにあるワイナリーです。標高300~480mのところに畑があります。昼の気温はヴァレーフロアより低く、朝晩は高くなるマイルドな気候になります。斜面の畑は収量が少なく、作業も大変なので山のワインは高くなりがちですが、ここは今でも13000円と比較的リーズナブルな価格です。
マウント・ヴィーダーの特徴である杉の風味やハーヴ、凝縮感が強く、タンニンも強いですがバランスのいいワインです。
この後は、ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーのワインです。コンステレーション・ブランズが、ト・カロンのブランドを最大限に活用すべく、2017年に立ち上げたブランドで、当初のワインメーカーはアンディ・エリクソン。2023年からはトニー・ビアージになっています。造っているワインは三つあり、一番スタンダードなものが「ハイエスト・ビューティ」。この名前は「ト・カロン」というギリシャ語を英語にしたものです。二つ目は「エリザズ・キュヴェ」。カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドです。エリザというのは、ト・カロンのあるオークヴィルの隣のヨントヴィルの名前の基となったジョージ・ヨントの妻の名前で、ト・カロンのカベルネ・フランのブロックがある辺りを一時期所有していたとのこと。三つ目は「H.W.C.」でト・カロンの畑を作ったハミルトン・ウォーカー・クラブの頭文字を取ったものです。100%カベルネ・ソーヴィニヨンで単一ブロック、単一クローンというワイン。
今回はハイエスト・ビューティの2021、エリザズ・キュヴェの2021、そしてエリザズ・キュヴェの2019年でした。
ハイエスト・ビューティー2021
シュレーダーと比べるとエレガントな造りで、赤い果実味と少しブルーベリーの風味。タニックでパワフル。
エリザズ・キュヴェ2021
赤い果実味が優性で、シルキーなテクスチャー
エリザズ・キュヴェ2019
2021と比べると青い果実味も強く感じます。スムーズなテクスチャー
マウント・ヴィーダー2021
マウント・ヴィーダーは、その名の通りナパの西側の山であるマウント・ヴィーダーにあるワイナリーです。標高300~480mのところに畑があります。昼の気温はヴァレーフロアより低く、朝晩は高くなるマイルドな気候になります。斜面の畑は収量が少なく、作業も大変なので山のワインは高くなりがちですが、ここは今でも13000円と比較的リーズナブルな価格です。
マウント・ヴィーダーの特徴である杉の風味やハーヴ、凝縮感が強く、タンニンも強いですがバランスのいいワインです。
この後は、ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーのワインです。コンステレーション・ブランズが、ト・カロンのブランドを最大限に活用すべく、2017年に立ち上げたブランドで、当初のワインメーカーはアンディ・エリクソン。2023年からはトニー・ビアージになっています。造っているワインは三つあり、一番スタンダードなものが「ハイエスト・ビューティ」。この名前は「ト・カロン」というギリシャ語を英語にしたものです。二つ目は「エリザズ・キュヴェ」。カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドです。エリザというのは、ト・カロンのあるオークヴィルの隣のヨントヴィルの名前の基となったジョージ・ヨントの妻の名前で、ト・カロンのカベルネ・フランのブロックがある辺りを一時期所有していたとのこと。三つ目は「H.W.C.」でト・カロンの畑を作ったハミルトン・ウォーカー・クラブの頭文字を取ったものです。100%カベルネ・ソーヴィニヨンで単一ブロック、単一クローンというワイン。
今回はハイエスト・ビューティの2021、エリザズ・キュヴェの2021、そしてエリザズ・キュヴェの2019年でした。
ハイエスト・ビューティー2021
シュレーダーと比べるとエレガントな造りで、赤い果実味と少しブルーベリーの風味。タニックでパワフル。
エリザズ・キュヴェ2021
赤い果実味が優性で、シルキーなテクスチャー
エリザズ・キュヴェ2019
2021と比べると青い果実味も強く感じます。スムーズなテクスチャー
ナパのシュレーダーの2023年ヴィンテージお披露目のマスタークラスに参加してきました。説明はジェイソン・スミスMS。奥さんは日本人で娘さんは日本でアメリカンスクールに通っていたという日本通の方でもあります。実は今回、写真を撮り忘れてしまったので、一昨年の写真を上げておきます。
今回のマスタークラスでの試飲ワインは以下のもの。これ以外に、フリー試飲でいくつか追加で飲んでいます。これについては後述します。
ヴィンテージの差異があまりないと思われているカリフォルニアですが、2020年以降はそういった「常識」が通用しないほどふり幅の大きいヴィンテージが続いています。
2020年は山火事でナパの全域に煙が広がり、多くのワイナリーが赤ワインの醸造を諦めた年です。シュレーダーもその一つでした。2021年は干ばつで非常に凝縮したブドウができた年。とても濃いワインになりました。2022年は9月に熱波がやってきた年。46℃ほどの猛烈な暑さが5日間続きました。ここまで暑くなるとブドウも身の危険を感じて成長を止めて(シャットダウン)しまいます。シャットダウンで色やストラクチャーが抜けてしまうため、生産者にとっては苦労したヴィンテージです。選果を丹念にした結果、収穫量は例年より4割も少なくなってしまったそうです。一方、2023年は非常に涼しい年。例年の3週間遅れというくらい生育が遅れましたが、幸いなことに10月に入っても、雨はほとんど降らず、コンディションを落とさないまま、収穫できたといいます。
シュレーダーのワインは、ナパのオークヴィルのト・カロン・ヴィンヤードのカベルネソーヴィニヨンを使っています。同じコンステレーションブランズ傘下にあるロバート・モンダヴィが入手した銘醸畑中の銘醸畑です。
ト・カロンの名が付く畑はコンステレーションブランズのほか、ベクストファー家が管理するベクストファー・ト・カロンがあり、以前はシュレーダーはそちらのブドウを使っていましたが、2022年以降はモンダヴィの方のト・カロンだけを使っています。また、オーパス・ワンはト・カロンの一部の区画を専用に使っています。
シュレーダーの最初のヴィンテージは1998年ですが、注目を集めるようになったのは2000年に上記のベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードのブドウを入手してからです。また、同年からワインメーカーがトーマス・リヴァース・ブラウンになっています。今やコンサルタント・ワインメーカーとして引く手あまたのトーマスですが、最初にワインメーカーになったのがこのシュレーダー。それまで数年はジンファンデルで有名なターリーで、セラー・ラットと呼ばれるような下働きだったのです。シュレーダー創設者のフレッド・シュレーダーはナパのカフェで彼と知り合い、ワインメーカーに抜擢したのですが、それは慧眼と言わざるを得ません。
2001年には、ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンをさらにカベルネのクローン別にCCS、RBSと違うワインに仕込むことを始めました。そこからうなぎ上りに評価が上がっていったのです。これまでに評論家から得た100点はなんと41回。そのほかに、ダブル・ダイヤモンドでのワイン・スペクテーター「ワインオブザイヤー」などの栄冠があります。
さて、最初の試飲はダブル・ダイヤモンドのカベルネ・ソーヴィニヨン2023です。ダブル・ダイヤモンドはシュレーダーのセカンドの位置づけで、ト・カロン以外に「オークヴィル・ステーション」という畑のブドウを使っています。また、ト・カロンの中でも若木のブドウを使っています。シュレーダーのワインが希望小売価格9万円もするのに対して、こちらは1万4800円と6分の1以下の価格です。
醸造では52%新樽を使っています。残りの樽は前年にシュレーダーで使ったものです。開けたてから美味しいワインに仕上げているといいます。一方、シュレーダーは100%新樽。ダナジューとタランソーという高級樽メーカーのものを使っていますが、なかでもダナジューは自社で輸入しているそうです。
以前のダブル・ダイヤモンドはちょっと甘やかさが前面に出る感じがありましたが、2023年は涼しい年だったせいか酸が高くこれまでよりもバランスがいいワインに仕上がっています。タンニンは柔らかく、スムーズな飲み心地。プラムにレッド・チェリー、トーストや焼き栗の風味。コスパはかなり高いと思います。
2本目からはシュレーダーのワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン ト・カロン・ヴィンヤード 2023です。通称「シュレーダー シュレーダー」。スタンダード的な位置付けですが、他のワインと価格は同じです(90000円)。シュレーダーの中では一番軽い味わいで赤果実の風味が出ます。
ダブル・ダイヤモンドとの一番の違いは香りの強さで、グラスに顔を近づけなくても果実の香りが漂ってきます。レッド・チェリーにブルーベリー、プラムなどの熟した果実、芳醇で少し甘やか、ダブル・ダイヤモンドよりタンニンの強さはしっかりと感じますが柔らかさもあり、今でも美味しいワインです。
3本目と4本目は、ト・カロンの中でも山裾に近く、水はけがよくて高品質のブドウが採れるというモネステリ―・ブロックの2023年と2022年です。名前の由来は隣に修道院があることから。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン モナステリー・ブロック 2023
シュレーダー シュレーダーが香りから柔らかさを感じるのに対し、こちらはやや固さを感じる香り。青い果実。タンニンかなり強く、飲み頃までは数年かかりそう。開いている感じではないですがそれでも爆発的な果実味があり、余韻も長い。非常にポテンシャルの高いワイン。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン モナステリー・ブロック 2022
2023年と比べると果実味は少し低い。ストラクチャー強く、かなりタニックでとがっています。こちらも柔らかくなるのにまだ数年かかりそうです。非常に余韻も長く超熟型であることをうかがわせます。クオリティは23年の方が上ですが、長期間の熟成にはこちらが向いているかもしれません。
5本目と6本目は「ヘリテージ・クローン」の2023年と2022年です。ヘリテージ・クローンはブドウの房が握りこぶしの半分くらいしかない、レアなクローンを使ったワインです。あまりにもブドウが小さいので1アーカーあたり1トン程度しか収穫できません(通常2トンを下回ると極めて少ないと言われます)。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン ヘリテージ・クローン 2023
モナステリー・ブロックの青果実に対して、こちらは赤果実の香りが強く、素晴らしい酸がありしなやかなテクスチャーがあります。タンニン強くパワフルで、もしかしたら飲み頃はモナステリー・ブロックよりも先かもしれません。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン ヘリテージ・クローン 2022
こちらも赤果実の香りが強く、パワフルなワイン。2023年と比べると、こちらの方が飲み頃は早く来そうで、今でも十分美味しく飲めます。ヘリテージ・クローンとモナステリー・ブロックはかなり個性が違うので好みが分かれそうですが、個人的にはヘリテージ・クローンを高く評価します。
最後のワインは、2021年のオールド・スパーキー。オールド・スパーキーはシュレーダーのトップ・キュベで素晴らしい樽だけを集めて作るワイン。マグナムボトルだけというワインです。価格は20万円。2021年はベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードのブドウを使った最後のヴィンテージです。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン オールド・スパーキー 2021
とにかく濃密な果実味に圧倒されます。バランスよく、むちゃくちゃ美味しい。30年は熟成するだろうとのこと。
なお、2023年はシュレーダー25周年でオールド・スパーキーのスペシャル・ボトルが作られます。全世界で250本。専用のケースに入れられ、価格は40万円超とのこと。
なお、コンステレーションブランズ傘下のマウント・ヴィーダーやト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーの試飲も別途ありましたが、そちらは別記事で。
今回のマスタークラスでの試飲ワインは以下のもの。これ以外に、フリー試飲でいくつか追加で飲んでいます。これについては後述します。
ヴィンテージの差異があまりないと思われているカリフォルニアですが、2020年以降はそういった「常識」が通用しないほどふり幅の大きいヴィンテージが続いています。
2020年は山火事でナパの全域に煙が広がり、多くのワイナリーが赤ワインの醸造を諦めた年です。シュレーダーもその一つでした。2021年は干ばつで非常に凝縮したブドウができた年。とても濃いワインになりました。2022年は9月に熱波がやってきた年。46℃ほどの猛烈な暑さが5日間続きました。ここまで暑くなるとブドウも身の危険を感じて成長を止めて(シャットダウン)しまいます。シャットダウンで色やストラクチャーが抜けてしまうため、生産者にとっては苦労したヴィンテージです。選果を丹念にした結果、収穫量は例年より4割も少なくなってしまったそうです。一方、2023年は非常に涼しい年。例年の3週間遅れというくらい生育が遅れましたが、幸いなことに10月に入っても、雨はほとんど降らず、コンディションを落とさないまま、収穫できたといいます。
シュレーダーのワインは、ナパのオークヴィルのト・カロン・ヴィンヤードのカベルネソーヴィニヨンを使っています。同じコンステレーションブランズ傘下にあるロバート・モンダヴィが入手した銘醸畑中の銘醸畑です。
ト・カロンの名が付く畑はコンステレーションブランズのほか、ベクストファー家が管理するベクストファー・ト・カロンがあり、以前はシュレーダーはそちらのブドウを使っていましたが、2022年以降はモンダヴィの方のト・カロンだけを使っています。また、オーパス・ワンはト・カロンの一部の区画を専用に使っています。
シュレーダーの最初のヴィンテージは1998年ですが、注目を集めるようになったのは2000年に上記のベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードのブドウを入手してからです。また、同年からワインメーカーがトーマス・リヴァース・ブラウンになっています。今やコンサルタント・ワインメーカーとして引く手あまたのトーマスですが、最初にワインメーカーになったのがこのシュレーダー。それまで数年はジンファンデルで有名なターリーで、セラー・ラットと呼ばれるような下働きだったのです。シュレーダー創設者のフレッド・シュレーダーはナパのカフェで彼と知り合い、ワインメーカーに抜擢したのですが、それは慧眼と言わざるを得ません。
2001年には、ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンをさらにカベルネのクローン別にCCS、RBSと違うワインに仕込むことを始めました。そこからうなぎ上りに評価が上がっていったのです。これまでに評論家から得た100点はなんと41回。そのほかに、ダブル・ダイヤモンドでのワイン・スペクテーター「ワインオブザイヤー」などの栄冠があります。
さて、最初の試飲はダブル・ダイヤモンドのカベルネ・ソーヴィニヨン2023です。ダブル・ダイヤモンドはシュレーダーのセカンドの位置づけで、ト・カロン以外に「オークヴィル・ステーション」という畑のブドウを使っています。また、ト・カロンの中でも若木のブドウを使っています。シュレーダーのワインが希望小売価格9万円もするのに対して、こちらは1万4800円と6分の1以下の価格です。
醸造では52%新樽を使っています。残りの樽は前年にシュレーダーで使ったものです。開けたてから美味しいワインに仕上げているといいます。一方、シュレーダーは100%新樽。ダナジューとタランソーという高級樽メーカーのものを使っていますが、なかでもダナジューは自社で輸入しているそうです。
以前のダブル・ダイヤモンドはちょっと甘やかさが前面に出る感じがありましたが、2023年は涼しい年だったせいか酸が高くこれまでよりもバランスがいいワインに仕上がっています。タンニンは柔らかく、スムーズな飲み心地。プラムにレッド・チェリー、トーストや焼き栗の風味。コスパはかなり高いと思います。
2本目からはシュレーダーのワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン ト・カロン・ヴィンヤード 2023です。通称「シュレーダー シュレーダー」。スタンダード的な位置付けですが、他のワインと価格は同じです(90000円)。シュレーダーの中では一番軽い味わいで赤果実の風味が出ます。
ダブル・ダイヤモンドとの一番の違いは香りの強さで、グラスに顔を近づけなくても果実の香りが漂ってきます。レッド・チェリーにブルーベリー、プラムなどの熟した果実、芳醇で少し甘やか、ダブル・ダイヤモンドよりタンニンの強さはしっかりと感じますが柔らかさもあり、今でも美味しいワインです。
3本目と4本目は、ト・カロンの中でも山裾に近く、水はけがよくて高品質のブドウが採れるというモネステリ―・ブロックの2023年と2022年です。名前の由来は隣に修道院があることから。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン モナステリー・ブロック 2023
シュレーダー シュレーダーが香りから柔らかさを感じるのに対し、こちらはやや固さを感じる香り。青い果実。タンニンかなり強く、飲み頃までは数年かかりそう。開いている感じではないですがそれでも爆発的な果実味があり、余韻も長い。非常にポテンシャルの高いワイン。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン モナステリー・ブロック 2022
2023年と比べると果実味は少し低い。ストラクチャー強く、かなりタニックでとがっています。こちらも柔らかくなるのにまだ数年かかりそうです。非常に余韻も長く超熟型であることをうかがわせます。クオリティは23年の方が上ですが、長期間の熟成にはこちらが向いているかもしれません。
5本目と6本目は「ヘリテージ・クローン」の2023年と2022年です。ヘリテージ・クローンはブドウの房が握りこぶしの半分くらいしかない、レアなクローンを使ったワインです。あまりにもブドウが小さいので1アーカーあたり1トン程度しか収穫できません(通常2トンを下回ると極めて少ないと言われます)。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン ヘリテージ・クローン 2023
モナステリー・ブロックの青果実に対して、こちらは赤果実の香りが強く、素晴らしい酸がありしなやかなテクスチャーがあります。タンニン強くパワフルで、もしかしたら飲み頃はモナステリー・ブロックよりも先かもしれません。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン ヘリテージ・クローン 2022
こちらも赤果実の香りが強く、パワフルなワイン。2023年と比べると、こちらの方が飲み頃は早く来そうで、今でも十分美味しく飲めます。ヘリテージ・クローンとモナステリー・ブロックはかなり個性が違うので好みが分かれそうですが、個人的にはヘリテージ・クローンを高く評価します。
最後のワインは、2021年のオールド・スパーキー。オールド・スパーキーはシュレーダーのトップ・キュベで素晴らしい樽だけを集めて作るワイン。マグナムボトルだけというワインです。価格は20万円。2021年はベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードのブドウを使った最後のヴィンテージです。
シュレーダー カベルネ・ソーヴィニヨン オールド・スパーキー 2021
とにかく濃密な果実味に圧倒されます。バランスよく、むちゃくちゃ美味しい。30年は熟成するだろうとのこと。
なお、2023年はシュレーダー25周年でオールド・スパーキーのスペシャル・ボトルが作られます。全世界で250本。専用のケースに入れられ、価格は40万円超とのこと。
なお、コンステレーションブランズ傘下のマウント・ヴィーダーやト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーの試飲も別途ありましたが、そちらは別記事で。
柳屋でカリフォルニアのお得カベルネ系ワインが6本セットになったてんこ盛りセットが送料無料で売られています。
1本目のリンカーンは「ナパの上級カベルネが輸入停止で3000円の激安」で紹介したワイン。この記事の後、インポーターさんにショップから問い合わせがいくつも来たそうですが品切れ。柳屋が在庫を全部持っているようです。
2本目のビッグスムースは昨年話題になったワイン。「現地価格より全然安い、ローダイのコスパカベルネ」という記事で紹介しています。この2本、どちらも現地価格より安いコスパワイン。
3本目のエンパシーは、中身がプリズナーのレッドブレンド?と噂されるワイン。これだけはカベルネ・ソーヴィニヨンも入っていますが、ジンファンデルなども使われています。このエンパシーというワインはワインショップのオーナーからアントレプレナーになったゲイリー・ヴェイナチェックのブランドで、いろいろなワイナリーからワインを仕入れてエンパシーのブランドで販売しており、このワインに関しては、外箱がプリズナー傘下のブランドだったことから噂が広がったものです。ちなみにプリズナーの赤なら今は1万円を超えるねだん。それだけでこのセット6本分くらいになってしまいます。味わいも果実味たっぷりでプリズナー系のワインであることは間違いありません。
4本目のフランシスカンは5年ほど前まではナパのカベルネ・ソーヴィニヨンのど定番だったワイン。ブランドが売却されたことで日本への輸入が途絶えていましたが、再開されました。今回はナパではなくカリフォルニア広域のワインになっていますが、バランスの良さは失われていません。
5本目のランチ32は、私が1000円台のコスパワインを挙げるときに必ず選ぶワイン。モントレーのコスパ王シャイドが作るブランドです。
6本目のブレッド&バターはシャルドネが超有名なワインですが、カベルネも秀逸です。
カリフォルニアワイン好き、カベルネ好きだったら絶対に飲んでおきたいワインばかりが集まっており、お得感は半端ないです。どれも美味しいことは請け負いますので、だまされたと思って買ってみてください。
1本目のリンカーンは「ナパの上級カベルネが輸入停止で3000円の激安」で紹介したワイン。この記事の後、インポーターさんにショップから問い合わせがいくつも来たそうですが品切れ。柳屋が在庫を全部持っているようです。
2本目のビッグスムースは昨年話題になったワイン。「現地価格より全然安い、ローダイのコスパカベルネ」という記事で紹介しています。この2本、どちらも現地価格より安いコスパワイン。
3本目のエンパシーは、中身がプリズナーのレッドブレンド?と噂されるワイン。これだけはカベルネ・ソーヴィニヨンも入っていますが、ジンファンデルなども使われています。このエンパシーというワインはワインショップのオーナーからアントレプレナーになったゲイリー・ヴェイナチェックのブランドで、いろいろなワイナリーからワインを仕入れてエンパシーのブランドで販売しており、このワインに関しては、外箱がプリズナー傘下のブランドだったことから噂が広がったものです。ちなみにプリズナーの赤なら今は1万円を超えるねだん。それだけでこのセット6本分くらいになってしまいます。味わいも果実味たっぷりでプリズナー系のワインであることは間違いありません。
4本目のフランシスカンは5年ほど前まではナパのカベルネ・ソーヴィニヨンのど定番だったワイン。ブランドが売却されたことで日本への輸入が途絶えていましたが、再開されました。今回はナパではなくカリフォルニア広域のワインになっていますが、バランスの良さは失われていません。
5本目のランチ32は、私が1000円台のコスパワインを挙げるときに必ず選ぶワイン。モントレーのコスパ王シャイドが作るブランドです。
6本目のブレッド&バターはシャルドネが超有名なワインですが、カベルネも秀逸です。
カリフォルニアワイン好き、カベルネ好きだったら絶対に飲んでおきたいワインばかりが集まっており、お得感は半端ないです。どれも美味しいことは請け負いますので、だまされたと思って買ってみてください。
日本ワインブドウ栽培協会(JVA)が輸入した苗木からのワインを試飲するセミナーに参加してきました。
代表理事の鹿取みゆきさんとは、私の従兄が鹿取さんと大学の同級生だったという縁もあり、ずいぶん前からSNSでは交流がありましたが、実際にお会いするのはこれが初めてでした。というか、こそっと参加していようと思ったら簡単に見つけられてしまいました。
この協会は日本ワインの未来のために、世界基準のワインの苗木の原木園を作ろうとしており、クラウドファンディングには私もわずかながら支援させていただきました。
日本ワインについては、ワイナリー数が増え、品質が向上し、ファンも年々増えている様相です。余市のドメーヌ・タカヒコを筆頭に、入手困難銘柄もどんどん出てきています。その中で、協会の問題意識は以下のようなところにあります。
ウイルス感染比率が半分近いというのはさすがに驚きました。ウイルスに感染すると、収量が3割から5割ほども低下し、着色不良や糖度が十分に上がらないなどの問題が起こります。ちなみに、ブドウの葉は紅葉しないので、秋に畑に行って紅葉していたら、それはウイルスに感染している樹です。また、感染した樹からウイルスを取り除くことはできないので、ウイルスがない苗木に植え替えることしかありません。
ただ、現状ではウイルスがない苗木を調達するのも難しいのです。畑から取ってきた枝で接ぎ木をするのでは、ウイルスがないと保証はできません。そのためにもウイルスがない苗木を作る原木園が必要なのです。
使える品種の少なさも、米国の8分の1ほどとかなり深刻です。これでは適切な品種やクローンを選ぶのはかなり難しいと言わざるを得ないでしょう。
ということで、JVAでは米国などから苗木を輸入して増やすことをしています。
既に27の品種と12種の台木を輸入しており、今回はその中から6品種について試飲をしていきます。栽培や醸造は大分県の安心院葡萄酒工房で行っています。
ワイナリーとしては、病気への強さや生産性なども品種選びの重要な要素になると思いますが、純粋にできたワインの品質だけで見ると、今回はアルヴァリーニョが素晴らしかったです。今回の苗木はポルトガル由来のクローンだそうです。酸の豊かさと厚みのある果実の味わいが魅力的で、これはまた飲みたいと思いました。安心院にはこのアルヴァリーニョ以外にもいくつかのアルヴァリーニョの畑があり、それぞれ全く違う味わいになるということで、そのあたりも興味深いです。温暖な環境でも酸が落ちにくい特徴を持つアルヴァリーニョは、カリフォルニアでも注目の品種の一つですが、日本ではさらに可能性があるような気がしました。
赤は白に比べるとちょっと難しいところがありました。安心院のワインメーカーの古屋浩二さんによると、カベルネ系の品種は安心院では色づきが悪いということで、カベルネ・ソーヴィニヨンは抜いてしまったそうです。今回はカベルネ・フランがありましたが、これも色づきは十分ではなかったようでした。
色づきが悪いのは気温のためだそうで、お話を伺ってみると、昼間の気温はカリフォルニアの温暖産地であるパソ・ロブレスあたりとそれほど変わらないようでしたが、夜の気温も高いのが難点だそうです。九州ではカベルネ系は難しいということでしたが、プティ・ヴェルドは割といいものができるそうで、品種の違いはいろいろと大事だと思いました。
赤の中では、タナは凝縮感あり、いい出来でした。品種特性的に非常にタンニンが強いため、万人受けするワインとはいいがたいかもしれませんが、ブレンドなどでも可能性はあるように思いました。ただ、個性としてはプティ・ヴェルドと被る部分もあるので、どういうワインに仕上げるのがいいのかは悩ましいかもしれません。
気候変動で、今年のような夏の暑さが平常になることを想定すると、これまで以上に品種選びやクローン選びは重要になってきそうです。JVAの果たす役割も大きくなるだろうと思いました。
代表理事の鹿取みゆきさんとは、私の従兄が鹿取さんと大学の同級生だったという縁もあり、ずいぶん前からSNSでは交流がありましたが、実際にお会いするのはこれが初めてでした。というか、こそっと参加していようと思ったら簡単に見つけられてしまいました。
この協会は日本ワインの未来のために、世界基準のワインの苗木の原木園を作ろうとしており、クラウドファンディングには私もわずかながら支援させていただきました。
日本ワインについては、ワイナリー数が増え、品質が向上し、ファンも年々増えている様相です。余市のドメーヌ・タカヒコを筆頭に、入手困難銘柄もどんどん出てきています。その中で、協会の問題意識は以下のようなところにあります。
ウイルス感染比率が半分近いというのはさすがに驚きました。ウイルスに感染すると、収量が3割から5割ほども低下し、着色不良や糖度が十分に上がらないなどの問題が起こります。ちなみに、ブドウの葉は紅葉しないので、秋に畑に行って紅葉していたら、それはウイルスに感染している樹です。また、感染した樹からウイルスを取り除くことはできないので、ウイルスがない苗木に植え替えることしかありません。
ただ、現状ではウイルスがない苗木を調達するのも難しいのです。畑から取ってきた枝で接ぎ木をするのでは、ウイルスがないと保証はできません。そのためにもウイルスがない苗木を作る原木園が必要なのです。
使える品種の少なさも、米国の8分の1ほどとかなり深刻です。これでは適切な品種やクローンを選ぶのはかなり難しいと言わざるを得ないでしょう。
ということで、JVAでは米国などから苗木を輸入して増やすことをしています。
既に27の品種と12種の台木を輸入しており、今回はその中から6品種について試飲をしていきます。栽培や醸造は大分県の安心院葡萄酒工房で行っています。
ワイナリーとしては、病気への強さや生産性なども品種選びの重要な要素になると思いますが、純粋にできたワインの品質だけで見ると、今回はアルヴァリーニョが素晴らしかったです。今回の苗木はポルトガル由来のクローンだそうです。酸の豊かさと厚みのある果実の味わいが魅力的で、これはまた飲みたいと思いました。安心院にはこのアルヴァリーニョ以外にもいくつかのアルヴァリーニョの畑があり、それぞれ全く違う味わいになるということで、そのあたりも興味深いです。温暖な環境でも酸が落ちにくい特徴を持つアルヴァリーニョは、カリフォルニアでも注目の品種の一つですが、日本ではさらに可能性があるような気がしました。
赤は白に比べるとちょっと難しいところがありました。安心院のワインメーカーの古屋浩二さんによると、カベルネ系の品種は安心院では色づきが悪いということで、カベルネ・ソーヴィニヨンは抜いてしまったそうです。今回はカベルネ・フランがありましたが、これも色づきは十分ではなかったようでした。
色づきが悪いのは気温のためだそうで、お話を伺ってみると、昼間の気温はカリフォルニアの温暖産地であるパソ・ロブレスあたりとそれほど変わらないようでしたが、夜の気温も高いのが難点だそうです。九州ではカベルネ系は難しいということでしたが、プティ・ヴェルドは割といいものができるそうで、品種の違いはいろいろと大事だと思いました。
赤の中では、タナは凝縮感あり、いい出来でした。品種特性的に非常にタンニンが強いため、万人受けするワインとはいいがたいかもしれませんが、ブレンドなどでも可能性はあるように思いました。ただ、個性としてはプティ・ヴェルドと被る部分もあるので、どういうワインに仕上げるのがいいのかは悩ましいかもしれません。
気候変動で、今年のような夏の暑さが平常になることを想定すると、これまで以上に品種選びやクローン選びは重要になってきそうです。JVAの果たす役割も大きくなるだろうと思いました。