中川ワインの試飲会から美味しかったワインを紹介します。飲み頃カベルネが素晴らしい、ナパのトネラ・セラーズも併せてごらんください。
コスパワインで知られる家族経営のワイナリー「マックマニス」。2023ヴィンテージではメルローとジンファンデルが良かったです(価格はどの品種も2200円)。メルローは芳醇で酸もあり、バランスよくできています。ジンファンデルは果実味が素晴らしい。
新商品のハンテッド ジンファンデル2023(2500円)。果実味爆発系のジンファンデルです。
トリムはナパの老舗ワイナリー「シニョレッロ」が作る普及価格帯のブランド。シャルドネ2023(3000円)は、果実味はもちろんのこと、いきいきとした酸が印象的で美味しい。
ジャム・セラーズの「バター」シャルドネNV(3900円)は、いわゆるブレッド&バター系のシャルドネですが、濃厚だけでなく酸もあってバランスいい味わい。
ソノマのドライクリーク・ヴァレーで質実剛健なワイン造りをするペドロンチェリ。ソーヴィニョン・ブラン2024(3300円)は、フレッシュな味わい。美味しい。ジンファンデル2022(3400円)はジューシーで酸もあり、バランスがいい。
スターモントはナパの人気ワイナリー「メリーヴェール」の普及価格帯ワイン。シャルドネ2022(3800円)はサンタ・バーバラ46%、メンドシーノ43%、ソノマ11%と、冷涼地域のブドウを使ったワインで酸のキレがいいワイン。
オー・ボン・クリマが中川ワイン用に作る「ミッションラベル」のシャルドネ2023(4500円)とピノ・ノワール2023(4500円)。シャルドネはバランスよくおいしい。ピノ・ノワールも酸がきれいでコスパ高いです。
アルマ・デ・カトレアは前ウェイフェアラーのビビアナ・ゴンザレス・レーヴが作る、エントリーレベルのワイン。ソーヴィニョン・ブランはワインスペクテーターの年間トップ100にも入ったことがあります。2024年のソーヴィニョン・ブラン(4800円)は華やかな香りで1ランク上のソーヴィニョン・ブラン。
ベッドロックの自社畑などのブドウを使ったソーヴィニョン・ブラン。リッチで芳醇。酸もありうまい。
ポストマーク カベルネ・ソーヴィニヨン2022(3800円)。リッチな果実味にしっかりとしたタンニン。バランスもよく、価格以上の満足度。
デコイの上級版リミテッドのカベルネ・ソーヴィニヨン パソ・ロブレス2022(4400円)。問答無用で美味しい。
ナパハイランズのリザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン2022(12000円)。通常版の倍の価格ですが、それだけのクオリティを持っています。
ハドソンのシャルドネ3種。いずれも2022年。レギュラーのシャルドネ(13000円)は高級シャルドネの中ではコスパ高いワイン。リッチな樽感も心地よい。
限定品のリトルビット(20000円)はミネラル感にあふれた味わい。もう一つのシーシェル(20000円)はリッチでスパイシー、むちゃくちゃいいです。限定品ではリトルビットが好みのことが多いのですが、今回はシーシェルに軍配を上げます。
同じくハドソンからカベルネ・フランブレンドのオールド・マスター2020(24000円)。しなやかでエレガント。
ホーニッグのソーヴィニョン・ブラン2024(4000円)。さわやか系のソーヴィニョン・ブランでコスパいいです。
紹介するまでもないワインですが、オー・ボン・クリマのピノ・ノワール ノックス・アレキサンダー2020とイザベル2022(共に9800円)です。ノックスはしっかりしたボディが特徴、イザベルはエレガントで複雑味があります。
サンタ・ルシア・ハイランズの雄「ピゾーニ家」がピゾーニ・ヴィンヤード以外の畑のブドウから作るブランドがルチア(Lucia)です。エステートシャルドネ2023(9500円)はリッチな果実味がすばらしい、エステートピノ・ノワール2023は10000円。リッチで酸もきれい。
ナパでリッチなカベルネ・ソーヴィニヨンを作るビーヴァン・セラーズのシャルドネ リッチー・ヴィンヤード(12000円)。ビーヴァンらしい樽をしっかりきかせたワイン。うまいです。
ピゾーニによる、ピゾーニ・ヴィンヤードのシャルドネ2023(17000円)。ピゾーニのピノはいくつかのワイナリーが作っていますが、シャルドネはごくわずかしか植わっておらず、ピゾーニ自身とポール・ラトだけが作っています。これもリッチですがバランスもよく美味しい。
今回の試飲会には「スタッフお薦め」コーナーがあり、そこのワインです。右はシェアード・ノーツのソーヴィニョン・ブラン「約束の石2023」(14000円)。シェアード・ノーツは前述のビビアナ・ゴンザレス・レーヴが夫であるピゾーニのジェフ・ピゾーニと作るソーヴィニョン・ブラン専業ワイナリーで、ボルドータイプの「師匠の教え」とロワールタイプの「約束の石」があります。ロワールタイプは酸の広がりとミネラル感が身上。素晴らしいです。
中央はリース(Rhys)のシャルドネ マウント・パハロ2018(18000円)。サンタ・クルーズ・マウンテンズらしい鮮烈な酸があり、ミネラル感あふれる味わい。
右はナパのシュレーダーなどで知られるトーマス・リヴァース・ブラウンがソノマ・コーストで作るアストンのピノ・ノワール「ブラウン・ラベル2021」(8500円)。ブラウン・ラベルはセカンドの位置付け。酸の高さと濃厚な果実味がソノマ・コーストらしいピノ・ノワール。
サンタ・リタ・ヒルズの一番冷涼なところでピノ・ノワールを作るドメーヌ・ド・ラ・コート。DDLC2023(12000円)はエントリー的存在。複雑さもありとても美味しい。ブルームス・フィールド2023(18000円)は全てが整った美味しさ。
最後は「スペシャルワイン」のコーナーから。
ブリリアント・ミステイク「ポエット&ミューズ2021」(52000円)はリッチで華やか。おいしい。ザ・マスコット2020(29000円)はバランスよく、タンニンもしっかり。コスパ高いです。
コスパワインで知られる家族経営のワイナリー「マックマニス」。2023ヴィンテージではメルローとジンファンデルが良かったです(価格はどの品種も2200円)。メルローは芳醇で酸もあり、バランスよくできています。ジンファンデルは果実味が素晴らしい。
新商品のハンテッド ジンファンデル2023(2500円)。果実味爆発系のジンファンデルです。
トリムはナパの老舗ワイナリー「シニョレッロ」が作る普及価格帯のブランド。シャルドネ2023(3000円)は、果実味はもちろんのこと、いきいきとした酸が印象的で美味しい。
ジャム・セラーズの「バター」シャルドネNV(3900円)は、いわゆるブレッド&バター系のシャルドネですが、濃厚だけでなく酸もあってバランスいい味わい。
ソノマのドライクリーク・ヴァレーで質実剛健なワイン造りをするペドロンチェリ。ソーヴィニョン・ブラン2024(3300円)は、フレッシュな味わい。美味しい。ジンファンデル2022(3400円)はジューシーで酸もあり、バランスがいい。
スターモントはナパの人気ワイナリー「メリーヴェール」の普及価格帯ワイン。シャルドネ2022(3800円)はサンタ・バーバラ46%、メンドシーノ43%、ソノマ11%と、冷涼地域のブドウを使ったワインで酸のキレがいいワイン。
オー・ボン・クリマが中川ワイン用に作る「ミッションラベル」のシャルドネ2023(4500円)とピノ・ノワール2023(4500円)。シャルドネはバランスよくおいしい。ピノ・ノワールも酸がきれいでコスパ高いです。
アルマ・デ・カトレアは前ウェイフェアラーのビビアナ・ゴンザレス・レーヴが作る、エントリーレベルのワイン。ソーヴィニョン・ブランはワインスペクテーターの年間トップ100にも入ったことがあります。2024年のソーヴィニョン・ブラン(4800円)は華やかな香りで1ランク上のソーヴィニョン・ブラン。
ベッドロックの自社畑などのブドウを使ったソーヴィニョン・ブラン。リッチで芳醇。酸もありうまい。
ポストマーク カベルネ・ソーヴィニヨン2022(3800円)。リッチな果実味にしっかりとしたタンニン。バランスもよく、価格以上の満足度。
デコイの上級版リミテッドのカベルネ・ソーヴィニヨン パソ・ロブレス2022(4400円)。問答無用で美味しい。
ナパハイランズのリザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン2022(12000円)。通常版の倍の価格ですが、それだけのクオリティを持っています。
ハドソンのシャルドネ3種。いずれも2022年。レギュラーのシャルドネ(13000円)は高級シャルドネの中ではコスパ高いワイン。リッチな樽感も心地よい。
限定品のリトルビット(20000円)はミネラル感にあふれた味わい。もう一つのシーシェル(20000円)はリッチでスパイシー、むちゃくちゃいいです。限定品ではリトルビットが好みのことが多いのですが、今回はシーシェルに軍配を上げます。
同じくハドソンからカベルネ・フランブレンドのオールド・マスター2020(24000円)。しなやかでエレガント。
ホーニッグのソーヴィニョン・ブラン2024(4000円)。さわやか系のソーヴィニョン・ブランでコスパいいです。
紹介するまでもないワインですが、オー・ボン・クリマのピノ・ノワール ノックス・アレキサンダー2020とイザベル2022(共に9800円)です。ノックスはしっかりしたボディが特徴、イザベルはエレガントで複雑味があります。
サンタ・ルシア・ハイランズの雄「ピゾーニ家」がピゾーニ・ヴィンヤード以外の畑のブドウから作るブランドがルチア(Lucia)です。エステートシャルドネ2023(9500円)はリッチな果実味がすばらしい、エステートピノ・ノワール2023は10000円。リッチで酸もきれい。
ナパでリッチなカベルネ・ソーヴィニヨンを作るビーヴァン・セラーズのシャルドネ リッチー・ヴィンヤード(12000円)。ビーヴァンらしい樽をしっかりきかせたワイン。うまいです。
ピゾーニによる、ピゾーニ・ヴィンヤードのシャルドネ2023(17000円)。ピゾーニのピノはいくつかのワイナリーが作っていますが、シャルドネはごくわずかしか植わっておらず、ピゾーニ自身とポール・ラトだけが作っています。これもリッチですがバランスもよく美味しい。
今回の試飲会には「スタッフお薦め」コーナーがあり、そこのワインです。右はシェアード・ノーツのソーヴィニョン・ブラン「約束の石2023」(14000円)。シェアード・ノーツは前述のビビアナ・ゴンザレス・レーヴが夫であるピゾーニのジェフ・ピゾーニと作るソーヴィニョン・ブラン専業ワイナリーで、ボルドータイプの「師匠の教え」とロワールタイプの「約束の石」があります。ロワールタイプは酸の広がりとミネラル感が身上。素晴らしいです。
中央はリース(Rhys)のシャルドネ マウント・パハロ2018(18000円)。サンタ・クルーズ・マウンテンズらしい鮮烈な酸があり、ミネラル感あふれる味わい。
右はナパのシュレーダーなどで知られるトーマス・リヴァース・ブラウンがソノマ・コーストで作るアストンのピノ・ノワール「ブラウン・ラベル2021」(8500円)。ブラウン・ラベルはセカンドの位置付け。酸の高さと濃厚な果実味がソノマ・コーストらしいピノ・ノワール。
サンタ・リタ・ヒルズの一番冷涼なところでピノ・ノワールを作るドメーヌ・ド・ラ・コート。DDLC2023(12000円)はエントリー的存在。複雑さもありとても美味しい。ブルームス・フィールド2023(18000円)は全てが整った美味しさ。
最後は「スペシャルワイン」のコーナーから。
ブリリアント・ミステイク「ポエット&ミューズ2021」(52000円)はリッチで華やか。おいしい。ザ・マスコット2020(29000円)はバランスよく、タンニンもしっかり。コスパ高いです。
アケイシア(Acacia)の名前で長年親しまれていたカルメール・ワイナリーが売却されました。
ナパの元アケイシア、ソノマのメドロック・エームズが売却対象に
こちらの記事で、売却対象になっていることは公開されていましたが、North America Real Estate Investment Group (NAREIG) が売却が成立したと発表しました。売却前のオーナーはナパのPejuでした。
購入者が誰だかは明らかになっていませんが、SFクロニクル紙によると中国人の実業家が買ったとのことです。
ナパの元アケイシア、ソノマのメドロック・エームズが売却対象に
こちらの記事で、売却対象になっていることは公開されていましたが、North America Real Estate Investment Group (NAREIG) が売却が成立したと発表しました。売却前のオーナーはナパのPejuでした。
購入者が誰だかは明らかになっていませんが、SFクロニクル紙によると中国人の実業家が買ったとのことです。
しあわせワイン俱楽部がワインくじの第6弾としてナパのワインのくじをやっています。1万1000円とやや高価ですが、中身がすごい。
なんと、特賞(500本のうちの1本)はシュレーダーの「オールド・スパーキー」。ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードの最高のロットだけを使って作るトップキュベ。マグナムだけで、通常価格は17万6000円(しあわせワイン俱楽部で、以下同)。実は、シュレーダーはコンステレーションブランズ傘下に入ったことで、ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードは打ち切りになり、ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードを使ったオールド・スパーキーはこれが最後のヴィンテージという貴重なワイン。
1等の2本(5本ずつ)はスローンのセカンドワイン「アスタリスク」と、ベクストファー・ジョルジュ・ザ・サードのブドウを使ったパーチェスのカベルネ。
2等以下も魅力的なワインが続きます。108本と一番本数が多いのが3等のダックホーン メルロー「スリー・パームス」(1万5345円)というのはびっくり。ナパというかカリフォルニアを代表するメルローで、ワインスペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた憧れのワインですよ! その次に本数が多い96本がスカーレットのカベルネ(1万8117円)。その次の72本が2等のヘス「アイロン・コーラル」(1万9800円)。ヘスはマウント・ヴィーダーとヴァレーフロアに畑を持っていますが、そのいいとこどりをしたワイン。
この3つで半分を超えますが、一番安いダックホーンが当たったとしても4000円もお得です。年末年始に向けてちょっといいワインを準備したくなる季節。とても豪華でお得なくじだと思います。
なんと、特賞(500本のうちの1本)はシュレーダーの「オールド・スパーキー」。ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードの最高のロットだけを使って作るトップキュベ。マグナムだけで、通常価格は17万6000円(しあわせワイン俱楽部で、以下同)。実は、シュレーダーはコンステレーションブランズ傘下に入ったことで、ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードは打ち切りになり、ベクストファー・ト・カロン・ヴィンヤードを使ったオールド・スパーキーはこれが最後のヴィンテージという貴重なワイン。
1等の2本(5本ずつ)はスローンのセカンドワイン「アスタリスク」と、ベクストファー・ジョルジュ・ザ・サードのブドウを使ったパーチェスのカベルネ。
2等以下も魅力的なワインが続きます。108本と一番本数が多いのが3等のダックホーン メルロー「スリー・パームス」(1万5345円)というのはびっくり。ナパというかカリフォルニアを代表するメルローで、ワインスペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた憧れのワインですよ! その次に本数が多い96本がスカーレットのカベルネ(1万8117円)。その次の72本が2等のヘス「アイロン・コーラル」(1万9800円)。ヘスはマウント・ヴィーダーとヴァレーフロアに畑を持っていますが、そのいいとこどりをしたワイン。
この3つで半分を超えますが、一番安いダックホーンが当たったとしても4000円もお得です。年末年始に向けてちょっといいワインを準備したくなる季節。とても豪華でお得なくじだと思います。

リバモア・ヴァレー(Livermore Valley)というAVAをご存じでしょうか。カリフォルニアワインに割と詳しい人でも「どこ?」と思うかもしれません。サンフランシスコ湾の東側でなだらかな丘陵地帯です。中央の盆地にあるリバモア市は千葉の四街道市と姉妹都市になっており、ローレンス・リバモア研究所で知られています。
実は、リバモア・ヴァレーはカリフォルニアワインの歴史においては重要な場所の一つです。ウェンテ(Wente)はシャルドネのクローンで知られており、コンキャノン(Concannon)はシャトー・マルゴーからのカベルネ・ソーヴィニヨンや、シャトー・ディケムからのセミヨンを持ち込んだ
ウェンテは家族経営のワイナリーとしてカリフォルニアで一番長い歴史を持っており、特にシャルドネの「ウェンテ・クローン」はカリフォルニアのシャルドネの7割を占めると言われるほど重要になっています。
これまではシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンを中心とする地域でしたが、近年この地域で注目されているのがカベルネ・フランです。今年2月には「Cab Franc Guild」という団体も発足しています。コンキャノンでは「カベルネ・フラン・シティ」と名付けた新しいワイン・センターを建築中です。
リバモアの環境団体であるトライ・ヴァレー・コンサーバンシー(TVC)は2020年、歴史あるリバモア・ヴァレーのワイン産業の生産的な未来を保証する最良のブドウを特定するプロジェクトを始めました。依頼したのはUCデーヴィス。その報告書では、ソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・フランが、ブドウの栽培条件が優れていることと、リバモア・ヴァレーのワインカントリーへの観光客を惹きつける可能性があることから、看板品種の候補として推奨されていました。
それ以前から、カベルネ・フランは作られていましたが、この報告書をきっかけにさらにカベルネ・フランを植える生産者が増えており、前述のギルドも作られました。
スティーブン・ケント・ワイナリー(Steven Kent Winery)のスティーブン・ミラソーは2023年に、「CabFranc-a-Palooza」というイベントを始めました。今年のイベントには500人ほどが参加したそうです。
カベルネ・フランはナパでも存在感を少しずつ増やしており、注目のブドウ品種の一つになっていますが、生産量がカベルネ・ソーヴィニヨンと比べてずっと少ないことからムーブメントになるほどの力はなさそうです。現状で、リバモアがナパを超える名産地になるかどうかは不明ですが、カベルネ・フランを旗印にかかげる産地はロワールを除くとほとんどありませんから、興味深い存在になる可能性はあると思います。
ただ、日本においてはリバモアのワインで輸入されているのはウェンテくらいであり、ウェンテはまだこの動きには追随していないので、リバモアのフランを飲むチャンスはなかなかなさそうなのが残念です。

来年2026年は「パリスの審判」から50周年。これを祝して、イベントに参加したワイナリーのうちナパヴァレーの7ワイナリーが特設サイトをオープンしました。
Judgment of Paris 50th Anniversary | Napa Valley Wine Travel Guide
具体的なイベントはこれから明らかになっていきますが、以下のようなものが予定されています。
• パリスの審判の時代に関連したライブラリー ヴィンテージやレアワインをフィーチャーした特別なテイスティングフライトと垂直テイスティング。
• オリジナルのワインセラー、伝統的なブドウ園、アーカイブ資料を紹介する歴史ツアーとストーリーテリング。
• ナパバレーのトップレストランやリゾートと提携した特別な料理とワインのイベント。
• 旅行者向けに、セルフガイド式の訪問またはコンシェルジュが企画した体験のためのテーマ別旅程。
参加ワイナリーと、そこで予定されているイベントは以下の通り(今後追加されます)。
• シャトー・モンテレーナ(Chateau Montelena)
白ワイン部門で優勝したワイナリーで歴史書に足を踏み入れましょう。ゲストは、「ボトルの裏側にある物語」体験や、蔵出しヴィンテージやエステートを紹介する「グラスの中の遺産」テイスティングを楽しめます。
• スタッグス・リープ・ワインセラーズ(Stag's Leap Wine Cellars)
フランスの審査員を驚かせた 1973SLV カベルネ・ソーヴィニヨンの産地であるスタッグス・リープ・ワイン・セラーズでは、その有名なブドウ畑と熟成向きの赤ワインにスポットライトを当てた「エステート エクスペリエンス」と「FAY の探究」のテイスティングを提供します。
• クロ・デュ・ヴァル(Clos du Val)
ゴエレ家とワインメーカーのベルナール・ポルテが世界中を調査して見つけたのがスタッグス・リープ・ディストリクト。そこでクロ・デュ・ヴァルを創業し、パリスの審判に1972年のカベルネ・ソーヴィニヨンが提供されました。クロ・デュ・ヴァルでは、特別な「10年間を振り返る試飲会」と「ヒロンデル・ハウス・エステート試飲会」を開催します。
• フリーマーク・アビー(Freemark Abbey)
唯一赤ワインと白ワインの両方のカテゴリーに出展したワイナリーです。お客様は、「アペラシオン・テイスティング」また「ディケイズ・テイスティング」から選べます。
• ハイツセラー(Heitz Cellar)
ナパ初の単一畑カベルネ・ソーヴィニヨンで世界的に有名になったハイツ・セラーは、セントヘレナの歴史的な敷地内で「ナパ・ヴァレーの伝統」と「マーサズ・ヴィンヤードの伝統」のテイスティングを提供します。
• マヤカマス・ヴィンヤーズ(Mayacamas Vineyards)
マウント・ヴィーダーの高台に位置するマヤカマスでは、壮大な景色と「エステート クラシック」や「エステート リザーブ」のテイスティングを通してクラシックなスタイルのワインをお楽しみいただけます。オプションでナパのダウンタウンでの体験もお楽しみいただけます。
• スプリングマウンテンヴィンヤード(Spring Mountain Vineyard)
歴史あるブドウ畑と素晴らしい植物園を持つスプリング マウンテン ヴィンヤードでは、「パリスの審判」テイスティングと、さらに大規模な「スプリング マウンテン エクスプローラーズ」エステート体験を提供しています。
中川ワインの試飲会にナパのトネラ・セラーズ(S.R. Tonella Cellars)の当主であるスティーブ・トネラ氏が来ておりました。今回、3種類のワインが新入荷しています。
トネラは、ナパのラザフォードの西側のベンチに小さな畑を持っています。20世紀初頭にまでさかのぼる歴史ある畑ですが、トネラがワインを造り始めたのは2010年と、ごく最近のことです。それ以降も、評論家のレビューなどもほとんど出ておらず、知る人ぞ知るといったワイナリーです。
ワイナリーとしてよりも、栽培家としての歴史の方がずっと長いトネラですが、ユニークなのがここの剪定法。バーティカル・コルドンと呼ぶ方法で、通常は横向きに成長するようにワイヤーで誘引されるところが、縦向きにコルドンがあります。この形は初めて見ましたが、近年はゴブレットやカリフォルニア・スプロールと呼ばれるタイプの剪定をするところが少しずつ増えています。温暖化への対応で、必要以上に日を当てないことや、灌漑をなくしたり減らしたりするのが目的となっています。手入れの手間はかかりますが、栽培に力を入れているところでは、今後も増えてきそうです。
輸入されているワインは3種類。一番右はリザーブ・ソーヴィニヨン・ブラン2022(12000円)。ボルドースタイルのソーヴィニョン・ブランで、アロマティックな香りと、かすかな樽香、しっかりとコクのあるソーヴィニョン・ブランです。
中央は自社畑のブドウを使ったカベルネ・ソーヴィニヨン2019(20000円)。ちみつなタンニンが、いわゆる「ラザフォード・ダスト」を思わせます。ダークなフルーツとしなやかなテクスチャー。ヴィンテージが少し古いこともあり、こなれた味わいでバランスがいいワインです。
左はリザーブ・プロプライエタリーBDXブレンド2019(25000円)。カベルネ・ソーヴィニヨン68%にカベルネ・フランが22%、マルベック8%、プティヴェルド2%。コーヒーやココアなど濃厚な風味が印象的ですが、これも2019年で6年熟成しておりバランスの良さが秀逸です。
トネラ・セラーズ、ナパの高級カベルネの中では比較的リーズナブルな価格で、特に今回は少し熟成して飲み頃に入ったワインが輸入されているので、機会があったらぜひ試してみてください。
トネラは、ナパのラザフォードの西側のベンチに小さな畑を持っています。20世紀初頭にまでさかのぼる歴史ある畑ですが、トネラがワインを造り始めたのは2010年と、ごく最近のことです。それ以降も、評論家のレビューなどもほとんど出ておらず、知る人ぞ知るといったワイナリーです。
ワイナリーとしてよりも、栽培家としての歴史の方がずっと長いトネラですが、ユニークなのがここの剪定法。バーティカル・コルドンと呼ぶ方法で、通常は横向きに成長するようにワイヤーで誘引されるところが、縦向きにコルドンがあります。この形は初めて見ましたが、近年はゴブレットやカリフォルニア・スプロールと呼ばれるタイプの剪定をするところが少しずつ増えています。温暖化への対応で、必要以上に日を当てないことや、灌漑をなくしたり減らしたりするのが目的となっています。手入れの手間はかかりますが、栽培に力を入れているところでは、今後も増えてきそうです。
輸入されているワインは3種類。一番右はリザーブ・ソーヴィニヨン・ブラン2022(12000円)。ボルドースタイルのソーヴィニョン・ブランで、アロマティックな香りと、かすかな樽香、しっかりとコクのあるソーヴィニョン・ブランです。
中央は自社畑のブドウを使ったカベルネ・ソーヴィニヨン2019(20000円)。ちみつなタンニンが、いわゆる「ラザフォード・ダスト」を思わせます。ダークなフルーツとしなやかなテクスチャー。ヴィンテージが少し古いこともあり、こなれた味わいでバランスがいいワインです。
左はリザーブ・プロプライエタリーBDXブレンド2019(25000円)。カベルネ・ソーヴィニヨン68%にカベルネ・フランが22%、マルベック8%、プティヴェルド2%。コーヒーやココアなど濃厚な風味が印象的ですが、これも2019年で6年熟成しておりバランスの良さが秀逸です。
トネラ・セラーズ、ナパの高級カベルネの中では比較的リーズナブルな価格で、特に今回は少し熟成して飲み頃に入ったワインが輸入されているので、機会があったらぜひ試してみてください。
布袋ワインズに続いてはアイコニックワイン・ジャパンの試飲会からです。このインポーターは特に2000円台から5000円くらいのレンジにいいワインをたくさん持っているので、覚えておくといいと思います。
カーボニストは新世代のスパークリング・ワイン専業ワイナリー。ペティアンのスパークリングや、シャルドネやピノ・ノワール以外の品種を使ったスパークリング・ワインなどを作っています。右のカーボネーション V2 ブリュット・ナチュール(4700円)は41% アルバリーニョ、 21%ピノ・ノワール、, 14%シャルドネ、 11% プリミティーボ、 7%カリニャン、 4.5%ピノ・グリージョ、 1.5% シュナン・ブランというユニークな構成。瓶内二次発酵なのですが、ディスゴージせず、二次発酵のまま出荷しています。澱が少なくなるよう、酵母の量を抑えているとのこと。アルバリーニョによるさわやかな酸味に加え、複雑味もあり美味しい。
左はクラブ エクストラ・ブリュット オレンジ 2023(6000円)。一次発酵でオレンジワインにした瓶内二次発酵ワイン。コクがあり美味しい。ラベルに描かれている通り、カニに合わせたいワイン。
数年前にピノ・ノワールが大人気でバズったアルタマリア。今回のピノも悪くなかったですが、この2015年というバックヴィンテージのシャルドネ(3400円)がよかったです。まだ果実味もありますが、テクスチャーのしなやかさが素晴らしい。コスパ抜群です。
ソロモン・ヒルズとビエン・ナシードはどちらもサンタ・バーバラのサンタマリア・ヴァレーにある銘醸畑でミラー家が管理しています。ビエン・ナシードはオー・ボン・クリマを初め、数多くのワイナリーが使っている畑。ソロモン・ヒルズはビエン・ナシードと比べると無名ですが、ビエン・ナシード以上に冷涼なところにある畑。今回はソロモン・ヒルズのシャルドネ2021(12300円)とビエン・ナシードのピノ・ノワール2021(16400円)が出ていました。シャルドネは酸と果実味が素晴らしく、ピノ・ノワールはアーシーでちょっとダークな果実味が魅力的です。
メルヴィルのエステートのシラー2019(8000円)とピノ・ノワール2020(8000円)。ピノ・ノワールはしっかり系の味わい。シラーはスパイシーで素晴らしい。
ストルプマンは先日記事を書いたサシ・ムーアマンがワインメーカーをしていたワイナリー。ラブユーバンチ2022(4900円)はサンジョヴェーゼをマセラシオン・カルボニックを使って発酵させた面白いワイン。軽くジューシーな味わい。パラマリア・シラー2023(5300円)はここの定番シラーでむちゃくちゃうまい。サンジョヴェーゼ2022(6500円)は果実感とコクがありラブユーバンチと対照的な味わい。
ユニオン・サクレはセントラル・コーストの様々な畑から、エレガントなスタイルのワインを造っているワイナリー。リースリングやゲヴェルツトラミネールなど、冷涼系の白ワインを特に得意としています。ラベルも軽快感がありおしゃれ。右のブラン・グリ2023(3300円)はピノ・ブランとピノ・グリを半々ずつ使ったオレンジワイン。酸がきれいでジューシー。中央は40デイズ・オレンジ2023(2800円)。40%ゲヴェルツトラミネール、30%ピノ・ブラン、20%ピノ・グリ、10%シルヴァーナという構成で名前の通り、スキンコンタクトを40日間とかなり長くしています(ブラン・グリは14日間)。スキンコンタクトが長い分、コクや複雑味が増していて非常に美味しい。左のドライ・リースリング2023(4100円)は果実味豊かで酸もきれい。
ユニオン・サクレからもう一つ、カベルネ・ソーヴィニヨン2024(2800円)。これはコスパがすごいです。2023年はちょっと味わいが軽くてピーマンの味わいもありますが、2024年はリッチでバランスもいい。個人的には2024年がお薦め。
フィールド・レコーディングスはセントラル・コーストで非常にコストパフォーマンスが高いワインを造っているワイナリーです。スキンズは米国で一番売れているオレンジワインとのこと。新ヴィンテージの2024(3800円)は、例年よりちょっと味わい軽めですが美味しい。もう一つの「どうもありがとう(ミスター・ラマート)2024」(3900円)はピノ・グリのオレンジワイン。ラマートとはイタリアで造られているオレンジワインで「銅(ラマート)」色になることから名付けられたそうです。バランスよく非常に飲みやすい。ちなみにワインの名前はスティックスの曲「ミスター・ロボット」に出てくる歌詞「ドモアリガト、ミスター・ロボット」をもじったものだと思うので、ワインの名前も「ドモアリガト」にした方がよかったのではないかとちょっと思いました。
右のワインはスーパーマリオをもじったと思われるスーパーナリオ。スーパーナリオ(ネッビオーロ)、スーパーナリオ#2(78%コルヴィナ、22%ロンディネッラ)、スーパーナリオ#3(マルヴァシア・ビアンカ)とあり、写真は#2(6400円)。予想以上にエレガントで美味しい。左のフラン2023(4000円)はカベルネ・フラン。カベルネ・フランの入門的にいいワイン。フラン=ピーマンではないのですよ。
イソップ童話に描かれる動物や昆虫などをリアルに描いたラベルが印象的なファブリスト。右のシャルドネ2023(3800円)は冷涼なSLOコーストのブドウを使い、酸がきれい。中央のテンプラニーリョ2023(3800円)はバランスよい味わい。左のパソ・ロブレス プリザーブ(3800円)はジンファンデル中心のブレンド。リッチで果実感もいいワイン。
新入荷のマクプライス・マイヤーズ(McPrice Myers)。2000円台から3000円台が中心で、どれもきれいで美味しいワイン。非常にコスパ高いです。どれもお薦めです。
5年ほど前まで、日本でも大人気だったフランシスカン。その後、ブランドの移行で輸入が途絶えていましたが、久々のお目見えです。以前はナパのワインでしたが、今回はすべて広域のカリフォルニアになっています。その代わり価格はいずれも2800円とリーズナブル。ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンがあり、個人的には今回は白の2種が好印象。
サンタ・ルシア・ハイランズでピュアなワインを造るモーガン。ソーヴィニョン・ブラン2018(3900円)は香り華やか。アンオークト・シャルドネ2023(5000円)はピュアでエレガント。
コブのワインは「エレガント系カリピノ/シャルの最先端 コブのワインを味わう」で詳しく紹介していますが、カリフォルニアのシャルドネやピノ・ノワールの中でもフィネスが感じられるワイン。
カモミはいまさら紹介不要な人気ワイナリーです。シャルドネ・ナパ・ヴァレー2023(3500円)はリッチでなめらかな味わい。赤はナパからカリフォルニアになり価格は2500円。バランスよくスパイス感もあります。
右のナパ1847カベルネ・ソーヴィニヨン2023(6700円)はクラシックで、凝縮感ある味わい。左のラザフォード・ロード・カベルネ・ソーヴィニヨン2023(7500円)はリッチでしなやか。
最後はナパの中堅ワイナリー「ホワイトホール・レーン」。右のシャルドネ2022はソノマのブドウを使っており、リッチな樽感とバランスがいいワイン。左のトレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンなどのブレンド。このヴィンテージはマルベックとメルローをブレンドしています。酸がきれいで美味しい。
カーボニストは新世代のスパークリング・ワイン専業ワイナリー。ペティアンのスパークリングや、シャルドネやピノ・ノワール以外の品種を使ったスパークリング・ワインなどを作っています。右のカーボネーション V2 ブリュット・ナチュール(4700円)は41% アルバリーニョ、 21%ピノ・ノワール、, 14%シャルドネ、 11% プリミティーボ、 7%カリニャン、 4.5%ピノ・グリージョ、 1.5% シュナン・ブランというユニークな構成。瓶内二次発酵なのですが、ディスゴージせず、二次発酵のまま出荷しています。澱が少なくなるよう、酵母の量を抑えているとのこと。アルバリーニョによるさわやかな酸味に加え、複雑味もあり美味しい。
左はクラブ エクストラ・ブリュット オレンジ 2023(6000円)。一次発酵でオレンジワインにした瓶内二次発酵ワイン。コクがあり美味しい。ラベルに描かれている通り、カニに合わせたいワイン。
数年前にピノ・ノワールが大人気でバズったアルタマリア。今回のピノも悪くなかったですが、この2015年というバックヴィンテージのシャルドネ(3400円)がよかったです。まだ果実味もありますが、テクスチャーのしなやかさが素晴らしい。コスパ抜群です。
ソロモン・ヒルズとビエン・ナシードはどちらもサンタ・バーバラのサンタマリア・ヴァレーにある銘醸畑でミラー家が管理しています。ビエン・ナシードはオー・ボン・クリマを初め、数多くのワイナリーが使っている畑。ソロモン・ヒルズはビエン・ナシードと比べると無名ですが、ビエン・ナシード以上に冷涼なところにある畑。今回はソロモン・ヒルズのシャルドネ2021(12300円)とビエン・ナシードのピノ・ノワール2021(16400円)が出ていました。シャルドネは酸と果実味が素晴らしく、ピノ・ノワールはアーシーでちょっとダークな果実味が魅力的です。
メルヴィルのエステートのシラー2019(8000円)とピノ・ノワール2020(8000円)。ピノ・ノワールはしっかり系の味わい。シラーはスパイシーで素晴らしい。
ストルプマンは先日記事を書いたサシ・ムーアマンがワインメーカーをしていたワイナリー。ラブユーバンチ2022(4900円)はサンジョヴェーゼをマセラシオン・カルボニックを使って発酵させた面白いワイン。軽くジューシーな味わい。パラマリア・シラー2023(5300円)はここの定番シラーでむちゃくちゃうまい。サンジョヴェーゼ2022(6500円)は果実感とコクがありラブユーバンチと対照的な味わい。
ユニオン・サクレはセントラル・コーストの様々な畑から、エレガントなスタイルのワインを造っているワイナリー。リースリングやゲヴェルツトラミネールなど、冷涼系の白ワインを特に得意としています。ラベルも軽快感がありおしゃれ。右のブラン・グリ2023(3300円)はピノ・ブランとピノ・グリを半々ずつ使ったオレンジワイン。酸がきれいでジューシー。中央は40デイズ・オレンジ2023(2800円)。40%ゲヴェルツトラミネール、30%ピノ・ブラン、20%ピノ・グリ、10%シルヴァーナという構成で名前の通り、スキンコンタクトを40日間とかなり長くしています(ブラン・グリは14日間)。スキンコンタクトが長い分、コクや複雑味が増していて非常に美味しい。左のドライ・リースリング2023(4100円)は果実味豊かで酸もきれい。
ユニオン・サクレからもう一つ、カベルネ・ソーヴィニヨン2024(2800円)。これはコスパがすごいです。2023年はちょっと味わいが軽くてピーマンの味わいもありますが、2024年はリッチでバランスもいい。個人的には2024年がお薦め。
フィールド・レコーディングスはセントラル・コーストで非常にコストパフォーマンスが高いワインを造っているワイナリーです。スキンズは米国で一番売れているオレンジワインとのこと。新ヴィンテージの2024(3800円)は、例年よりちょっと味わい軽めですが美味しい。もう一つの「どうもありがとう(ミスター・ラマート)2024」(3900円)はピノ・グリのオレンジワイン。ラマートとはイタリアで造られているオレンジワインで「銅(ラマート)」色になることから名付けられたそうです。バランスよく非常に飲みやすい。ちなみにワインの名前はスティックスの曲「ミスター・ロボット」に出てくる歌詞「ドモアリガト、ミスター・ロボット」をもじったものだと思うので、ワインの名前も「ドモアリガト」にした方がよかったのではないかとちょっと思いました。
右のワインはスーパーマリオをもじったと思われるスーパーナリオ。スーパーナリオ(ネッビオーロ)、スーパーナリオ#2(78%コルヴィナ、22%ロンディネッラ)、スーパーナリオ#3(マルヴァシア・ビアンカ)とあり、写真は#2(6400円)。予想以上にエレガントで美味しい。左のフラン2023(4000円)はカベルネ・フラン。カベルネ・フランの入門的にいいワイン。フラン=ピーマンではないのですよ。
イソップ童話に描かれる動物や昆虫などをリアルに描いたラベルが印象的なファブリスト。右のシャルドネ2023(3800円)は冷涼なSLOコーストのブドウを使い、酸がきれい。中央のテンプラニーリョ2023(3800円)はバランスよい味わい。左のパソ・ロブレス プリザーブ(3800円)はジンファンデル中心のブレンド。リッチで果実感もいいワイン。
新入荷のマクプライス・マイヤーズ(McPrice Myers)。2000円台から3000円台が中心で、どれもきれいで美味しいワイン。非常にコスパ高いです。どれもお薦めです。
5年ほど前まで、日本でも大人気だったフランシスカン。その後、ブランドの移行で輸入が途絶えていましたが、久々のお目見えです。以前はナパのワインでしたが、今回はすべて広域のカリフォルニアになっています。その代わり価格はいずれも2800円とリーズナブル。ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンがあり、個人的には今回は白の2種が好印象。
サンタ・ルシア・ハイランズでピュアなワインを造るモーガン。ソーヴィニョン・ブラン2018(3900円)は香り華やか。アンオークト・シャルドネ2023(5000円)はピュアでエレガント。
コブのワインは「エレガント系カリピノ/シャルの最先端 コブのワインを味わう」で詳しく紹介していますが、カリフォルニアのシャルドネやピノ・ノワールの中でもフィネスが感じられるワイン。
カモミはいまさら紹介不要な人気ワイナリーです。シャルドネ・ナパ・ヴァレー2023(3500円)はリッチでなめらかな味わい。赤はナパからカリフォルニアになり価格は2500円。バランスよくスパイス感もあります。
右のナパ1847カベルネ・ソーヴィニヨン2023(6700円)はクラシックで、凝縮感ある味わい。左のラザフォード・ロード・カベルネ・ソーヴィニヨン2023(7500円)はリッチでしなやか。
最後はナパの中堅ワイナリー「ホワイトホール・レーン」。右のシャルドネ2022はソノマのブドウを使っており、リッチな樽感とバランスがいいワイン。左のトレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンなどのブレンド。このヴィンテージはマルベックとメルローをブレンドしています。酸がきれいで美味しい。
もう1カ月も過ぎてしまいましたが、布袋ワインズさんの試飲会から美味しかったワインを紹介します。
初お目見えのワイン「ユンヌ・ファム」のスパークリング・ワイン。シャルマ方式。ピノ・ノワール8割だけどすっきりさわやか。高級感はありませんが2200円という価格は嬉しい。
元アップルのザンダー・ソーレン氏のワイナリー。ソノマ・コーストのピノ・ノワール2022(9000円)は、果実のジューシーさが素晴らしい。

ブラックスミスのワインはコスパで裏切ることがないというのが私のこれまでの印象。このナパヴァレーのメルロー・リザーブ(5500円)もメルローらしいやわらかさと、味わいを引き締めるタンニン、複雑さを与えるハーブの風味のバランスが良く、価格以上の満足度。
フラワーズのシャルドネ・ソノマ・コースト2023(10400円)。酸のキレが抜群でバランスよく美味しいシャルドネ。
フラワーズのフラッグシップのピノ・ノワール「シー・ヴュー・リッジ」2021(16000円)。これはむちゃくちゃうまいです。赤果実の風味にきれいに伸びる酸。つややかで艶やか。フォートロス・シービューの良さが出ています。
新規輸入のワイナリー「パウンド・ケーキ(Pound Cake)」。シャルドネはブレッド・アンド・バター系の濃厚タイプ。樽がしっかり効いて蜜やバターの風味。酸もあってバランスはとれている。2500円はお買い得。ピノ・ノワールもチャーミングでスパイス感があり、この価格は安いです。
こちらも新規の「センタード(Centered)」。シャルドネ2021(5500円)はフルーツ爆弾系。やわらかくてリッチ。おいしいです。
ジェイのロゼ・スパークリング(9400円)。昔から好きなんです(値段は上がっちゃったけど)。ピノ・ノワール主体で果実味のしっかり出たスパークリング・ワイン。
ジョエル・ゴットは米国でも人気ですが、どれもコスパよく本当にはずれのないブランドです。特に良かったのはシャルドネ2021(4200円)とシャルドネ・ナパ・ヴァレー2022(7000円)。普通のシャルドネも高級感ある味わい。ナパ・ヴァレーは樽感しっかりあり、なめらかなテクスチャーが一層の高級感を出しています。
コスパではカベルネ・ソーヴィニヨン815 2022(3900円)とジンファンデル2022(3000円)が良かったです。
ナパの良心的なワイナリーというと一番に名前が挙がるだろうと思うのがトレフェッセン。セカンドのエシュコル・レッド・ワイン2022(5900円)はリッチで複雑味もあり価格以上の味わい。写真がひどくて割愛しましたが、リースリングとエシュコルのシャルドネも良かったです。
もう一つトレフェッセンからドラゴンズ・トゥース2021(9900円)。マルベックとプティ・ヴェルドが主体というユニークなワイン。以前は赤いドラゴンが描かれたラベルでしたが、ドラゴンのデザインは透かしのような形に変わりました。濃厚でパワフル、余韻の長いワイン。個人的にはすごく好きです。
こちらも定番のシャトー・モンテレーナ。ソーヴィニョン・ブラン(9800)はセミヨンもブレンドされたボルドー系の味わい。少し樽感もあります。新規輸入のセカンドワイン「スタンディング・ジャーニー(Standing Journey)」シャルドネ2023(8000円)はなめらかで酸と果実味が美味しい。シャルドネ2022(16000円)はテクスチャーとバランスがさらに良いです。
赤ではジンファンデル2021(9800円)が良かったです。エレガントでバランスの取れたジンファンデル。美味しい。
新入荷のスタック・ハウスのソーヴィニョン・ブラン2024(6600円)。近年のカリフォルニアのソーヴィニョン・ブランの高品質化は目を見張るものがありますが、これも果実感とテクスチャー良く美味しいです。ボルドー系のスタイル。
ヴァリュー系のブランドからスリー・シーヴズのピノ・ノワール2022(2200円)とキャッスル・ロックのドレサージュ・シャルドネ2019(2600円)。2000円台のピノ・ノワールは以前はチャーミングなだけのものが多かったのですが、最近はチャーミングさに少しスパイス感が加わったものが増えている印象。これも実はプティ・シラー9%とシラー7%がブレンドされていて、それがスパイス感やワインの味わいの強さになっています。純粋なピノ・ノワールの美味しさとは少し違うかもしれませんが、ワインとして美味しい。ドレサージュ・シャルドネはリッチ系でコスパ高いです。
最後はレイク・カウンティのシャノン・リッジのソーヴィニョン・ブラン2022(2900円)とカベルネ・ソーヴィニヨン2022(2900円)。レイク・カウンティはナパの北側に隣接した郡で、新たな開発の難しくなったナパを補完する存在としても重要度を増しています。ソーヴィニョン・ブランはリッチでかなり美味しい。カベルネ・ソーヴィニヨンもやや甘やか系でリッチな味わい。どちらもコスパ高いワインです。
初お目見えのワイン「ユンヌ・ファム」のスパークリング・ワイン。シャルマ方式。ピノ・ノワール8割だけどすっきりさわやか。高級感はありませんが2200円という価格は嬉しい。
元アップルのザンダー・ソーレン氏のワイナリー。ソノマ・コーストのピノ・ノワール2022(9000円)は、果実のジューシーさが素晴らしい。
ブラックスミスのワインはコスパで裏切ることがないというのが私のこれまでの印象。このナパヴァレーのメルロー・リザーブ(5500円)もメルローらしいやわらかさと、味わいを引き締めるタンニン、複雑さを与えるハーブの風味のバランスが良く、価格以上の満足度。
フラワーズのシャルドネ・ソノマ・コースト2023(10400円)。酸のキレが抜群でバランスよく美味しいシャルドネ。
フラワーズのフラッグシップのピノ・ノワール「シー・ヴュー・リッジ」2021(16000円)。これはむちゃくちゃうまいです。赤果実の風味にきれいに伸びる酸。つややかで艶やか。フォートロス・シービューの良さが出ています。
新規輸入のワイナリー「パウンド・ケーキ(Pound Cake)」。シャルドネはブレッド・アンド・バター系の濃厚タイプ。樽がしっかり効いて蜜やバターの風味。酸もあってバランスはとれている。2500円はお買い得。ピノ・ノワールもチャーミングでスパイス感があり、この価格は安いです。
こちらも新規の「センタード(Centered)」。シャルドネ2021(5500円)はフルーツ爆弾系。やわらかくてリッチ。おいしいです。
ジェイのロゼ・スパークリング(9400円)。昔から好きなんです(値段は上がっちゃったけど)。ピノ・ノワール主体で果実味のしっかり出たスパークリング・ワイン。
ジョエル・ゴットは米国でも人気ですが、どれもコスパよく本当にはずれのないブランドです。特に良かったのはシャルドネ2021(4200円)とシャルドネ・ナパ・ヴァレー2022(7000円)。普通のシャルドネも高級感ある味わい。ナパ・ヴァレーは樽感しっかりあり、なめらかなテクスチャーが一層の高級感を出しています。
コスパではカベルネ・ソーヴィニヨン815 2022(3900円)とジンファンデル2022(3000円)が良かったです。
ナパの良心的なワイナリーというと一番に名前が挙がるだろうと思うのがトレフェッセン。セカンドのエシュコル・レッド・ワイン2022(5900円)はリッチで複雑味もあり価格以上の味わい。写真がひどくて割愛しましたが、リースリングとエシュコルのシャルドネも良かったです。
もう一つトレフェッセンからドラゴンズ・トゥース2021(9900円)。マルベックとプティ・ヴェルドが主体というユニークなワイン。以前は赤いドラゴンが描かれたラベルでしたが、ドラゴンのデザインは透かしのような形に変わりました。濃厚でパワフル、余韻の長いワイン。個人的にはすごく好きです。
こちらも定番のシャトー・モンテレーナ。ソーヴィニョン・ブラン(9800)はセミヨンもブレンドされたボルドー系の味わい。少し樽感もあります。新規輸入のセカンドワイン「スタンディング・ジャーニー(Standing Journey)」シャルドネ2023(8000円)はなめらかで酸と果実味が美味しい。シャルドネ2022(16000円)はテクスチャーとバランスがさらに良いです。
赤ではジンファンデル2021(9800円)が良かったです。エレガントでバランスの取れたジンファンデル。美味しい。
新入荷のスタック・ハウスのソーヴィニョン・ブラン2024(6600円)。近年のカリフォルニアのソーヴィニョン・ブランの高品質化は目を見張るものがありますが、これも果実感とテクスチャー良く美味しいです。ボルドー系のスタイル。
ヴァリュー系のブランドからスリー・シーヴズのピノ・ノワール2022(2200円)とキャッスル・ロックのドレサージュ・シャルドネ2019(2600円)。2000円台のピノ・ノワールは以前はチャーミングなだけのものが多かったのですが、最近はチャーミングさに少しスパイス感が加わったものが増えている印象。これも実はプティ・シラー9%とシラー7%がブレンドされていて、それがスパイス感やワインの味わいの強さになっています。純粋なピノ・ノワールの美味しさとは少し違うかもしれませんが、ワインとして美味しい。ドレサージュ・シャルドネはリッチ系でコスパ高いです。
最後はレイク・カウンティのシャノン・リッジのソーヴィニョン・ブラン2022(2900円)とカベルネ・ソーヴィニヨン2022(2900円)。レイク・カウンティはナパの北側に隣接した郡で、新たな開発の難しくなったナパを補完する存在としても重要度を増しています。ソーヴィニョン・ブランはリッチでかなり美味しい。カベルネ・ソーヴィニヨンもやや甘やか系でリッチな味わい。どちらもコスパ高いワインです。
サンタ・バーバラのサンディ(Sandhi)とドメーヌ・ド・ラ・コート(Domaine de la Côte)、オレゴンのイヴニングランド(Evening Land)を共同で経営してきたラジャ・パーとサシ・ムーアマンが、別々の道を歩みだすことになりました。これら3つのワイナリーは、サシ・ムーアマンが引き続きワイン造りを行い。ラジャ・パーはSLOコーストのカンブリアにあるフェラン・ファーム(Phelan Farm)に専念します。

ラジャ・パー

サシ・ムーアマン
二人の出会いは2000年代初頭。当時マイケル・ミナのレストラン・グループ(現在はサンフランシスコを中心に世界中で30ほどのレストランを経営しています)のワイン・ディレクターだったラジャ・パーに、ストルプマンのワインメーカーだったサシ・ムーアマンが会いにいったのだそうです。二人はクラシックな昔ながらのワイン造りに魅了され、オレゴンでコント・ラフォンや著名ソムリエのラリー・ストーンらとイヴニングランドを2006年に立ち上げ、2012年からは二人による経営になりました(資本上は彼らのワイナリーはすべてテキサスのベンチャーキャピタリストが所有しているようです)。
並行して2013年にドメーヌ・ド・ラ・コートとサンディを設立、同年にはラジャ・パーがIPOB(In Pursuit of Balance)を立ち上げ、カリフォルニアのワイン業界の風雲児になってきました。
これらのワイナリーの実質的なワイン造りはこれまでもサシ・ムーアマンが担ってきました。ラジャ・パーは2017年ころから冷涼なSLOコーストの農場の一部に切り開いた畑におけるブドウ栽培に注力するようになりました。このフェラン・ファームにおけるラジャ・パーの肩書は「ファーマー」になっています。
二人のワイナリーではシャルドネとピノ・ノワールを作っていますが、フェラン・ファームでは元ものシャルドネとピノ・ノワールを接ぎ木によってフランスのジュラやサヴォワ地区原産の15種類のブドウを植え替えました。植えた品種はモンデュース(Mondeuse)、サヴァニャン・ヴェール(Savagnin Vert)、サヴァニャン・ジョーヌ(Savganin Jaune)、プルサール(Poulsard)、アルテス(Altesse)、トゥルソー(Trousseau)、ガメイ・ノワール(Gamay Noir)など。
不耕起の有機栽培で、醸造時にはSO2不使用など、自然派なワイン造りを行っています。
参考:ラジャ・パーの新プロジェクト、ユニークなワインを飲んでみた
コロナ禍で、ラジャ・パーはカンブリアに移住し、実質的には既にパートナーシップはなくなっていました。今回、ラジャ・パーは「ただブドウを育てたいんです。シンプルな暮らし、静かな暮らしがしたいんです」と語っており、今後もフェラン・ファームに注力するものと思われます。

ラジャ・パー

サシ・ムーアマン
二人の出会いは2000年代初頭。当時マイケル・ミナのレストラン・グループ(現在はサンフランシスコを中心に世界中で30ほどのレストランを経営しています)のワイン・ディレクターだったラジャ・パーに、ストルプマンのワインメーカーだったサシ・ムーアマンが会いにいったのだそうです。二人はクラシックな昔ながらのワイン造りに魅了され、オレゴンでコント・ラフォンや著名ソムリエのラリー・ストーンらとイヴニングランドを2006年に立ち上げ、2012年からは二人による経営になりました(資本上は彼らのワイナリーはすべてテキサスのベンチャーキャピタリストが所有しているようです)。
並行して2013年にドメーヌ・ド・ラ・コートとサンディを設立、同年にはラジャ・パーがIPOB(In Pursuit of Balance)を立ち上げ、カリフォルニアのワイン業界の風雲児になってきました。
これらのワイナリーの実質的なワイン造りはこれまでもサシ・ムーアマンが担ってきました。ラジャ・パーは2017年ころから冷涼なSLOコーストの農場の一部に切り開いた畑におけるブドウ栽培に注力するようになりました。このフェラン・ファームにおけるラジャ・パーの肩書は「ファーマー」になっています。
二人のワイナリーではシャルドネとピノ・ノワールを作っていますが、フェラン・ファームでは元ものシャルドネとピノ・ノワールを接ぎ木によってフランスのジュラやサヴォワ地区原産の15種類のブドウを植え替えました。植えた品種はモンデュース(Mondeuse)、サヴァニャン・ヴェール(Savagnin Vert)、サヴァニャン・ジョーヌ(Savganin Jaune)、プルサール(Poulsard)、アルテス(Altesse)、トゥルソー(Trousseau)、ガメイ・ノワール(Gamay Noir)など。
不耕起の有機栽培で、醸造時にはSO2不使用など、自然派なワイン造りを行っています。
参考:ラジャ・パーの新プロジェクト、ユニークなワインを飲んでみた
コロナ禍で、ラジャ・パーはカンブリアに移住し、実質的には既にパートナーシップはなくなっていました。今回、ラジャ・パーは「ただブドウを育てたいんです。シンプルな暮らし、静かな暮らしがしたいんです」と語っており、今後もフェラン・ファームに注力するものと思われます。
半月ほど前のニュースですが、ナパのチャールズ・クリュッグで、アンジェリーナ・モンダヴィがワイン造りの総責任者に就任しました。アンジェリーナは、ロバート・モンダヴィの弟ピーターの孫にあたり、米国に移住してきたチェザーレ・モンダヴィから数えると第4世代ということになります。これまでもコンサルティング・ワインメーカーとして一部のワインに携わってきましたが、今回ポートフォリオ全体に責任を持つことになりました。女性のワイン造り責任者はチャールズ・クリュッグとしては初めてです。


アンジェリーナはオーストラリアのアデレード大学でワイン造りの修士号を取得しており、カリフォルニアだけでなく、オーストラリアやアルゼンチンでもワインを造ってきました。35ヴィンテージの経験があるといいます。


アンジェリーナはオーストラリアのアデレード大学でワイン造りの修士号を取得しており、カリフォルニアだけでなく、オーストラリアやアルゼンチンでもワインを造ってきました。35ヴィンテージの経験があるといいます。
二十数年来の友人であり、ナパヴァレー・ヴィントナーズのコーチや、さまざまなセミナーでの通訳などでお世話になっている山本香奈さんのお店「イルドコリンヌ」が8周年ということでパーティに参加してきました。
イルドコリンヌのパーティでは定番のたこ焼き(香奈さんのご主人は関西出身なので)食べ放題のほか、ワインは飲み放題(一部の高額ワインはチケット制)。大盤振る舞いのイベントです。
私が参加した28日は、カリフォルニア&ナパヴァレーワイン・アンバサダーの山本麻衣花さんのミニセミナーもありました。さらにはアンダーズ東京の森覚ソムリエも「たこ焼きを焼くために参加」。ソムリエとしての仕事は一切せずに、たこ焼きを焼かれていました(笑)。しかも別の用事があるとのことで終わったあとも急いで帰られて、本当にたこ焼きを焼くだけでした。
私は普通に客として参加していたのですが、山本麻衣花さんにお願いされて急遽ミニセミナー(というかこの日のワインの紹介)を一緒にさせていただきました。
もちろん準備も何もしていなかったので、かなり適当におしゃべりしましたが、しゃべりすぎたようで最後は巻きが入ってしまいました。すみません。
先日終了したキャップストーンの同級生も何人か参加し、楽しく過ごさせていただきました。
イルドコリンヌ、西馬込というちょっとマイナーな場所にありますが、ワイン会なども落ち着いた雰囲気の中でできて料理も美味しく、いい店です。今後もがんばってください。
オレゴンのチュハレム・マウンテンズ(Chehalem Mountains)AVAにあるアデルスハイム(Adelsheim)から創設者のデイビッド・アデルスハイムさんが来日し、セミナーを開催しました。アデルスハイムは国内輸入が途絶えていて、オルカ・インターナショナルが輸入を開始したタイミングでの来日です。
オレゴンのワイン造りの歴史は意外と短く、現在の主要産地であるウィラメット・ヴァレーでピノ・ノワールの栽培が始まったのは1965年と60年前になります。アデルスハイムは1971年に土地を購入、72年から植樹をして78年が商用ワイナリーとして最初のヴィンテージとなりました。オレゴンでは初期からのワイナリーの一つであり、後述するように特にシャルドネ栽培では歴史的な功績があります。ウィラメット・ヴァレーAVAの設立にも大きく貢献しており、まさにオレゴンワイン業界の重鎮です。
と、すごい方なのですが、ご本人はいたって控えめで自分の功績についても、ひけらかすようなところは1ミリもなく。私からしたら、もっとアピールしたらいいのにと思ってしまうほどなのですが、そのあたりも含めてオレゴンらしいなと感じました。
設立後、夫妻でワイナリーを所有していましたが、1994年にジャックとリンのロアッカー夫妻との共同所有になり、2017年にロアッカー夫妻の単独所有、そして夫の死によって現在はリン・ロアッカーさんがオーナーとなっています。デイビッド・アデルスハイムさんは創設者という位置付けでワイナリーに残っています。
アデルスハイムの生産量は3万5000ケース。およそ4分の3はピノ・ノワールで、シャルドネが2割弱。残りはロゼやスパークリング、わずかにシラーやピノ・ブランも作っています。

アデルスハイムはウィラメット・ヴァレーの中のシュヘイラム・マウンテンズAVAに8つほどの畑を持っています。
シュヘイラム・マウンテンズはその名の通り北西方向から南東方向に山脈になっています。AVAの中にはさらに2つのAVAがあります。北側の上の地図で黄緑色のところはローレルウッド・ディストリクトで、ここは玄武岩の上に、コロンビア・ヴァレーの方から砂や粘土やシルトが風で運ばれてきた「ラス土壌」と呼ばれる土壌がかぶさっています。比較的保水力のある土壌です。もう一つ南西のコーナーにあるのがリボン・リッジAVAでここはほぼ海洋性の堆積性土壌。丘の中腹で安定した気温が特徴です。
シュヘイラム・マウンテンズのこれら二つのAVAに属さないところは火山性の玄武岩土壌が多くなっています。アデルスハイムは両サブAVAおよび玄武岩土壌のところにも畑を持っています。
アデルスハイムの畑はLIVEというオレゴンのサスティナブル認証およびサーモン・セーフという認証を取っています。2017年からは除草剤不使用です。
前述のようにアデルスハイムはピノ・ノワールとシャルドネを育てています。
ピノ・ノワールはオレゴンの生産量の約3分の2を占めており、オレゴン全体の最重要品種です。一方、白ワインでは現在ピノ・グリが13%でシャルドネが7%とピノ・グリが少しリードしています。一般的にはピノ・ノワールと組み合わせるといったらシャルドネをまずイメージする人が多いでしょうから、少し意外に思われる方もいると思います。実は、これでもシャルドネはだいぶ増えてきており、以前はもっとピノ・グリの方が多かったのです。
オレゴンにおけるワイン産業が発展し始めた1960年代から70年代、オレゴンではあまりいいシャルドネができませんでした。それがピノ・グリの後塵を拝した理由なのですが、なぜオレゴンでいいシャルドネができなかったかというと、当時植えられていたシャルドネはカリフォルニアから来たクローンで、それがオレゴンの気候にあまり合っていなかったのでした。そこでもっと品質のいいクローンをブルゴーニュから取り寄せようと骨を折ったのがデイビッド・アデルスハイムさんなのです。その甲斐あって、シャルドネの生産は徐々に増えただけでなく品質も上がっています。今年はオレゴンのシャルドネにDecanter誌が初めて100点を付けたことでも話題になりました。
デイビッドさんに、クローンの件について質問したところ、上記のような説明をいただいた後「重要な一歩だったけどゴールではない。あるひとつのクローンが最適ということではない」と、これまた謙虚な答えをいただきました。
さて、試飲に移ります。現在輸入されているのはシャルドネとピノ・ノワール。それぞれ広域AVA(ウィラメット・ヴァレー)、シュヘイラム・マウンテンズAVAの「ブレイキング・グラウンド」、単一畑と3レベルになっています。
Willamette Valley Chardonnay 2022(6160円、税込み希望小売価格、以下同)
フレッシュで酸の高さが印象的ですが、柑橘に白桃のようなまったりした感じもあり、バランスよく仕上がっています。
Chahalem Mountains Breaking Ground Chardonnay 2021(9350円)
55%玄武岩、28%堆積土壌、17%レス土壌の畑から作ったシュヘイラム・マウンテンズAVAらしさを表したシャルドネです。
酸は高いですが、フレッシュで鋭い酸というよりも丸みのあるテクスチャーを感じます。かんきつに白桃、麦わらやぬれた石のニュアンス。ウィラメット・ヴァレーと比べると複雑さが格段に増しています。
Ribbon Springs Vineyard Chardonnay 2021(11880円)
堆積性土壌のリボン・リッジの畑です。ピノ・グリからシャルドネに接ぎ木で替えてみたところ非常にいいブドウができたとのこと。
緊張感ある味わい。シュヘイラム・マウンテンズよりもテクスチャーの滑らかさをより感じます。青リンゴやレモン、ミネラル感ある味わい。今飲むより、数年熟成した方が良くなりそうです。
ピノ・ノワールに移ります。
Willamette Valley Pinot Noir 2022(8800円)
アデルスハイムの生産量の半数を占める主要ワインです。
フレッシュでジューシー。なめらかなテクスチャーにレッド・チェリーやフランボワーズの赤果実ときれいな酸。バランスよく美味しい。
Chahalem Mountains Breaking Ground Pinot Noir 2021(11880円)
47%玄武岩、26%海洋性堆積土壌、27%レス土壌という比率です。
ウィラメット・ヴァレーより滑らかなテクスチャー、酸高く引き締まった味わい。赤果実に加えて少し黒果実の味わいが入りボディに厚みがあります。
単一畑は2種。
Ribbon Springs Vineyard Pinot Noir 2021(18260円)
華やかで酸豊か、柔らかく優しい味わい。
Quarter Mile Lane Vineyard Pinot Noir 2022(25300円)
1972年に植樹された一番古い畑。火山性土壌。
リボン・スプリングスよりもパワフルで緊張感ある味わい。複雑で上品。素晴らしい
オレゴンのワイン造りの歴史は意外と短く、現在の主要産地であるウィラメット・ヴァレーでピノ・ノワールの栽培が始まったのは1965年と60年前になります。アデルスハイムは1971年に土地を購入、72年から植樹をして78年が商用ワイナリーとして最初のヴィンテージとなりました。オレゴンでは初期からのワイナリーの一つであり、後述するように特にシャルドネ栽培では歴史的な功績があります。ウィラメット・ヴァレーAVAの設立にも大きく貢献しており、まさにオレゴンワイン業界の重鎮です。
と、すごい方なのですが、ご本人はいたって控えめで自分の功績についても、ひけらかすようなところは1ミリもなく。私からしたら、もっとアピールしたらいいのにと思ってしまうほどなのですが、そのあたりも含めてオレゴンらしいなと感じました。
設立後、夫妻でワイナリーを所有していましたが、1994年にジャックとリンのロアッカー夫妻との共同所有になり、2017年にロアッカー夫妻の単独所有、そして夫の死によって現在はリン・ロアッカーさんがオーナーとなっています。デイビッド・アデルスハイムさんは創設者という位置付けでワイナリーに残っています。
アデルスハイムの生産量は3万5000ケース。およそ4分の3はピノ・ノワールで、シャルドネが2割弱。残りはロゼやスパークリング、わずかにシラーやピノ・ブランも作っています。

アデルスハイムはウィラメット・ヴァレーの中のシュヘイラム・マウンテンズAVAに8つほどの畑を持っています。
シュヘイラム・マウンテンズはその名の通り北西方向から南東方向に山脈になっています。AVAの中にはさらに2つのAVAがあります。北側の上の地図で黄緑色のところはローレルウッド・ディストリクトで、ここは玄武岩の上に、コロンビア・ヴァレーの方から砂や粘土やシルトが風で運ばれてきた「ラス土壌」と呼ばれる土壌がかぶさっています。比較的保水力のある土壌です。もう一つ南西のコーナーにあるのがリボン・リッジAVAでここはほぼ海洋性の堆積性土壌。丘の中腹で安定した気温が特徴です。
シュヘイラム・マウンテンズのこれら二つのAVAに属さないところは火山性の玄武岩土壌が多くなっています。アデルスハイムは両サブAVAおよび玄武岩土壌のところにも畑を持っています。
アデルスハイムの畑はLIVEというオレゴンのサスティナブル認証およびサーモン・セーフという認証を取っています。2017年からは除草剤不使用です。
前述のようにアデルスハイムはピノ・ノワールとシャルドネを育てています。
ピノ・ノワールはオレゴンの生産量の約3分の2を占めており、オレゴン全体の最重要品種です。一方、白ワインでは現在ピノ・グリが13%でシャルドネが7%とピノ・グリが少しリードしています。一般的にはピノ・ノワールと組み合わせるといったらシャルドネをまずイメージする人が多いでしょうから、少し意外に思われる方もいると思います。実は、これでもシャルドネはだいぶ増えてきており、以前はもっとピノ・グリの方が多かったのです。
オレゴンにおけるワイン産業が発展し始めた1960年代から70年代、オレゴンではあまりいいシャルドネができませんでした。それがピノ・グリの後塵を拝した理由なのですが、なぜオレゴンでいいシャルドネができなかったかというと、当時植えられていたシャルドネはカリフォルニアから来たクローンで、それがオレゴンの気候にあまり合っていなかったのでした。そこでもっと品質のいいクローンをブルゴーニュから取り寄せようと骨を折ったのがデイビッド・アデルスハイムさんなのです。その甲斐あって、シャルドネの生産は徐々に増えただけでなく品質も上がっています。今年はオレゴンのシャルドネにDecanter誌が初めて100点を付けたことでも話題になりました。
デイビッドさんに、クローンの件について質問したところ、上記のような説明をいただいた後「重要な一歩だったけどゴールではない。あるひとつのクローンが最適ということではない」と、これまた謙虚な答えをいただきました。
さて、試飲に移ります。現在輸入されているのはシャルドネとピノ・ノワール。それぞれ広域AVA(ウィラメット・ヴァレー)、シュヘイラム・マウンテンズAVAの「ブレイキング・グラウンド」、単一畑と3レベルになっています。
Willamette Valley Chardonnay 2022(6160円、税込み希望小売価格、以下同)
フレッシュで酸の高さが印象的ですが、柑橘に白桃のようなまったりした感じもあり、バランスよく仕上がっています。
Chahalem Mountains Breaking Ground Chardonnay 2021(9350円)
55%玄武岩、28%堆積土壌、17%レス土壌の畑から作ったシュヘイラム・マウンテンズAVAらしさを表したシャルドネです。
酸は高いですが、フレッシュで鋭い酸というよりも丸みのあるテクスチャーを感じます。かんきつに白桃、麦わらやぬれた石のニュアンス。ウィラメット・ヴァレーと比べると複雑さが格段に増しています。
Ribbon Springs Vineyard Chardonnay 2021(11880円)
堆積性土壌のリボン・リッジの畑です。ピノ・グリからシャルドネに接ぎ木で替えてみたところ非常にいいブドウができたとのこと。
緊張感ある味わい。シュヘイラム・マウンテンズよりもテクスチャーの滑らかさをより感じます。青リンゴやレモン、ミネラル感ある味わい。今飲むより、数年熟成した方が良くなりそうです。
ピノ・ノワールに移ります。
Willamette Valley Pinot Noir 2022(8800円)
アデルスハイムの生産量の半数を占める主要ワインです。
フレッシュでジューシー。なめらかなテクスチャーにレッド・チェリーやフランボワーズの赤果実ときれいな酸。バランスよく美味しい。
Chahalem Mountains Breaking Ground Pinot Noir 2021(11880円)
47%玄武岩、26%海洋性堆積土壌、27%レス土壌という比率です。
ウィラメット・ヴァレーより滑らかなテクスチャー、酸高く引き締まった味わい。赤果実に加えて少し黒果実の味わいが入りボディに厚みがあります。
単一畑は2種。
Ribbon Springs Vineyard Pinot Noir 2021(18260円)
華やかで酸豊か、柔らかく優しい味わい。
Quarter Mile Lane Vineyard Pinot Noir 2022(25300円)
1972年に植樹された一番古い畑。火山性土壌。
リボン・スプリングスよりもパワフルで緊張感ある味わい。複雑で上品。素晴らしい