復刻:2004年のBrewer-Cliftonワイン会実録
3月3日はGreg Brewer氏を迎えたワイン会が開催されましたが,「サンタ・バーバラ勝手に応援月間」のために,5年前の2004年2月10日に開催されたワイン会の記事を復活させたいと思います。
かなり長いので続きページでどうぞ。
実録:CWFCワイン会 with Special Guests~Brewer-Cliftonを迎えて
2004年2月10日,待ちに待った日がやってきました。Brewer-Cliftonの二人のワインメーカーGreg Brewer,Steve Cliftonの二人を迎えたワイン会が開催されたのです。
緊張と高揚により,一週間くらい前から個人的な準備を始めていました。質問リストを作ったり,Santa Rita Hillsの地図をコピーしたり,レコーダー代わりにも使うデジカメを充電し,当日忘れないようにかばんに入れておいたり,久しぶりに「玄関口」版の名刺を印刷したり,前の晩には二人へのちょっとしたおみやげを作ったり…気合の入りようはまるで初めてのデートです。
当日は遅刻が危ぶまれたのですが,意外にもスムーズに仕事を終え,開始30分前の7時には麻布十番の豆源で子供へのおみやげを買っていたのでした。豆源を出るとひろみみさんと鉢合わせ。一緒に会場のCWGへ向かいました(といっても豆源からは30秒もかからないところですが)。
地下への階段を降りて,ドアを開けるとすでにBrewer-Cliftonの両氏のほか,ナパさん,satoさん,zoukさん,はみさんご夫妻などもいらっしゃって一瞬「出遅れたか」と思うほど。最初のワイン,PalminaのPinot Grigioを受け取るとまずは立食パーティのように立ったまましばし歓談となりました。
Greg,Steve両氏と名刺を交換し,前の晩に作ったおみやげを渡しました。おみやげは玄関口とCWFCのロゴを使った缶バッジです。子供の缶バッジキットを使って作りました。CWFC版は残った一つをナパさんに進呈したので,今は手元にありません(作ればいいだけですが)。お二人は一応喜んでくれましたが…
最初はzoukさんとGregが話しているところに割り込み(^^;),Mt. Carmelの畑の複雑なオーナー関係のことなどを聞きました。この辺りの話はきっとzoukさんがまとめてくださるでしょう。
人も増え,時間も予定の7時半に近付き,着席となりました。Steveの隣という願ってもない席を確保。Gregのテーブルはほとんど女性です。
以下は,テーブルで聞いた話を中心にまとめています。質問は私だけでなく,同じテーブルにいたメンバーのものも含んでいます。
Q:Pinot GrigioはAlisos Vineyardというところのですね。この畑はどこにあるのですか。
Steve:Santa Ynes ValleyとSanta Maria Valleyの間にLos Alamos Valleyというのがあり,そこの畑です。Brewer-Clifton(以下B-C)のあるSanta Rita HillsはPinot Grigioにとっては涼しすぎます。もっと気温や日当たりが必要なのです。
Q:好きな料理は何ですか?
Steve:イタリアに長いこといたので,イタリア料理は大好きです。ただ,フィアンセと外食するときは寿司が多いです。というのは料理が大好きなのですが,寿司はとても難しく,自分では料理したことがないからです。最近,近くにいい寿司レストランができて喜んでいます。
2年前の誕生日には近くの寿司レストランのシェフを呼んでパーティをしたり,昨晩も寿司でした。
さて,いよいよワイン会の開催です。最初にGregが挨拶をしました。
Greg:まず最初に,今日はこの席にいらっしゃったことについて,お礼を申し上げます。Santa BarbaraでもLAでもこんな歓待を受けたことはほとんどありません。全くなかったかもしれません。私たちのワイン作りは日本人や日本の文化から大きな影響を受けています。例えば生の素材に対する敏感さと素材の生まれた場所,訓練と正確さをもってそれを扱うことです。ワイナリはSteveと僕だけでなく,その生まれ出た場所をどう表現するか,なのです。シェフが素材を生かして料理にするようなものです。
次にナパさんからいつものようにワイン会のお約束が。すべての参加者が平等だということとワインは脇役で人が主役といういつもの二つですが,Steveはこれを聞いて深くうなづいていました。
シェフからは料理の説明がありました。
前菜:小柱とマッシュルームをエスカルゴバターで炒めて小さなシューに入れたもの,桜肉のカルパッチョ
サラダ:自家製スモークチキンとナッツのグリーンサラダ
パスタ:いいだこをトマトソースで煮込んだものとフィジーリ
メイン:フランス産マグレ鴨のローストいろいろキノコのグレイビーソース
乾杯の挨拶はSteveです。ところがちょっと端折りすぎ。乾杯用のスパークリング・ワインのグラスが行き渡る前に乾杯になってしまいました。
というわけで,2番目のワインはBrewer-Clifton Blanc de Noirs Santa Maria Valley 1993でした。
Q:SteveとGregは1995年に最初に会ったと読んだのですが
Steve:実際にはそれより前に“会って”います。二人とも他のワイナリでワインを作っていて,実際にBrewer-Cliftonを設立したのが1995年ということです。このスパークリングは1993年なので,その辺り分かりにくいのですよね。その頃,私はWineCaskというショップでマネージャーをしていました。そこでWineCaskブランドで売るワインをいろいろなワイナリと作っていてスパークリングもその一つだったのです。これはCambriaでやっていました。それでスパークリング・ワインを作るには7年かかるのですが,1995年にBrewer-Cliftonを作ったので,そこでリリースすることにしたのです。
ワイン作りをする前はレストランでワインの仕入れを担当していました。1991年にBeckmenというワイナリで最初のワイン作りの仕事につきました。そこで2年半働きました。当時,GregはSun Stoneというワイナリでワインメーカーをしていました。我々は出会って数ヶ月の間,どういうことができるかを話し合いました。その結果,やるべきことを書きとめました。こうして生まれたのがBrewer-Cliftonです。それから最初のプランを一度も変えていません。
1996年に最初のワインを作りました。250ケースです。4種類でした。それまで働いていたワイナリではオーナーはワインをブレンドしてSanta Barbara Countyのワインとして売ることを望んでいました。しかし,私は畑それぞれがユニークであることを確信していました。それをオーナーに話したのですが,彼は一つのChardonnay,一つのPinot Noirをマーケッティングしたいと思っていました。だから実験として,それを示したかったのです。250ケース作ったワインは大変好評で,すぐに売れてしまいました。次の年は350ケース,次は1000ケース。今は1900ケースにまで成長しました。
Q:自分の畑を持つ計画はないのですか?
Steve:Brewer-Cliftonとしてはありません。Brewer-Cliftonは6種類のChardonnayと6種類のPinot Noirを作っていますが,そのコンセプトは,違いは畑だけ,ということです。同じ樽,同じイースト,同じ時間をかけ,同じ日にボトリングします。もし畑を買ったらそれだけ特別に扱いたくなってしまいます。正確に言うと我々はブドウを“買う”のではありません。畑をリースしているのです。畑の作業はすべて自分たちでやります。
Q:そういった方法を取るのはとってもユニークですね。例えばブルゴーニュだと,いい畑に新樽を多く使ったりしますが。
Steve:樽に関しては1/3が新しいもの1/3が1年経ったもの,残りが2年以上というルールでやっています。
Q:すべての畑を同じに扱うというのはすごく実験的に感じます。
Steve:それこそが我々がいつも言っていることで,これはただの実験です。ほかの多くのプロデューサは,我々のやり方を聞くと,少し腹を立てるんです。「あなた方はその畑から最もおいしくなるようにワインを作るべきだ」とね。ところが我々はどれが「ベスト」だとか「ワースト」とか「ポジティブ」とか「ネガティブ」とか考えないのです。我々はただ畑の間の「違い」を見せたいのです。そのための一番いい方法が,全部を同じ方法で扱うことです。6種類のChardonnayはどれも大きく違います。これがただのサイトの違いなのです。場所の違いを感じるのは手法の違いよりももっと面白く感じます。
Q:毎年同じやり方なのですか?
Steve:唯一変えたのは,Pinot Noir用のイーストをRC212というものにしたことです。前のイーストはワインをスパイシーにするものでした。ただ,我々は全く除梗しないのでスパイシーになりがちです。スパイシーにスパイシーが重なるのを避けるためにイーストを変えたのです。
Q:PalminaとB-Cの違いを教えてください。
Steve:PalminaとB-Cは大きく違います。多くのカリフォルニアのワイナリはリースリングからカベルネ,シラーまであらゆる種類を手がけようとしています。どこにフォーカスしているのかわかりません。それに対してPalminaではイタリアン品種だけです。B-CではChardonnayとPinotだけ。その間で意識が切り替わるのです。Palminaのマーケティングにはいろいろ考えなければいけません。これらはアメリカ人にとって新しいものなので,“教えること”から始めないといけないのです。
Q:LAでは「白ワイン=Chardonnay」と思っている人が大半です。
Steve:その通りです。ただ,ラッキーなのはSanta Margaritaというイタリアのワイナリが米国でここ数年Pinot Grigioの宣伝をしてくれたので,急に2番目の白ワインになったのです。これでPalminaのワインを売るのは随分楽になりました。
Q:ワインメーカーが二人というのはやりにくくないですか。例えば一人がワインメーカーで一人がマーケティングというのがよくある組み合わせですよね。
Steve:最初はよく聞かれました。どちらがワインメーカーでどちらがマーケティングですかと。両方です,と答えるのですが。
ただ,GregにはMelvilleがあり,私にはPalminaがあるので,別々のワインメーカーだとは思ってもらえます。ワインメーカーが協力するのは普通は結構難しいと思いますが,私達には決めた方式があります。時間の大半は畑やブドウを育てる人とに割かれているのです。ブドウが収穫されると,そこで基本的にはすべて終わっています。そこで合意がないことはありません。決まっているからです。
また,私はPalminaとB-Cのワインを持って旅に出てプロモーションします。GregもMelvilleとB-Cをプロモーションします。互いに相手を信じてやっています。
さて,Chardonnay二つ(Mt. CarmelとSweeney Canyon)の登場です。
Q:Mt.CarmelのChardonnayの特徴を教えてください。
Steve:Mt. Carmelは丘の頂上にあります。Santa Rita Hillsの中でも標高が高いところの一つです。南側のフロアにあるSweeney Canyonの方向に向かっています。非常に強い吹きさらしのところで日当たりもよく石灰質の土壌です。土壌のミネラルを感じると思います。一方,Sweeney Canyonは平らで昔の川底にあります。砂利とか砂の土壌です。
また,どちらもクローンは同じですがSweeney Canyonは樹齢が22,23年ですが,Mt. Carmelは12~14年です。そういったことが味わいの違いに表れます。
Q:どのChardonnayが好きですか?
Steve:どれも自分の子供のようなものなので好き好きは言えません。ですがSweeney CanyonとCargasacchiは好きだと言えるかもしれません。オーナーと最も親密な関係にあります。Sweeney Canyonは唯一1996年からずっと作っているワインです。7ビンテージすべて味わい,違いや共通点も分かってきました。
Q:収穫時期はどうやって決めるのですか
Steve:収穫が近付くと二人のどちらかが毎日必ず畑に行ってブドウをテイスティングします。フレイバーが十分になったら収穫します。それまではpHやBrixなどは調べません。最初の頃は数値を全部調べていたのですが,そうすると判断が曲がってしまいます。フレイバーが十分になって,「OK,これでいこう」ということになってから初めて数値を計るように変えました。
Q:B-Cのワインはアルコール度が高いですよね
Steve:アルコール度を高めるために特別のイーストを使っているわけではありません。ChardonnayはMontrachetというブルゴーニュのイーストを使います。ほとんどのイーストは16%になるまで大丈夫です。我々のChardonnayのアルコール度が高いのは,酸が十分にあるからです。我々がが早く収穫してしまうと,糖が低く,さらに酸っぱく,辛いワインになってしまいます。
Q:ほかのワインメーカーは水を加えたりなどでアルコール度を抑えるという話を聞きますが。
Steve:我々はそういったことはしません。水を加えると味が薄くなります。アルコールを飛ばしてしまう機械もあります。しかし,ワインのすべての要素と衝突してしまいます。我々の意図はできるだけ自然にワインを作ることなのです。我々の地域は涼しく,収穫までの期間が長く,酸が強く,十分な酸が残るのです。
さて次はブラインドです。運ばれてきたワインは赤。色はやや濁っておりわずかに紫がかった感じ。香りは華やかながらムンムン来るというより若干控えめ。味わってみると,赤系の果実を中心に非常に凝縮されていて,甘味が口の中に広がり,とてもおいしい。
最初に思い出したのはBrewer-CliftonのMelville2000。ただ,ナパさんからBrewer-Clifton,Melville,Palminaではないというヒントがあったため候補にはなりません。きっとSanta Rita HillsのピノだろうからSeaSmokeの高いほうのやつかなあなどと想像。結局,最初の三択のセパージュはピノで当てたものの,ヴィンテージで敢え無く敗退しました。Steveもここではずし,Gregもワインメーカーが男か女かという問題で間違い。
残っていった数人にナパさんが,「どこのワイナリかわかる人」と聞くとsatoさんが「Bonaccorsi」と見事正解。2002 Bonaccorsi Pinot Noir - Santa Rita Hillsでした。
ご存知の方が多いと思いますが,ここのワインメーカーのMike Bonaccorsi氏は1月15日に部屋で亡くなっているのが見つかりました。元LAのレストランSpagoのソムリエだった彼は,人望も厚く,将来を嘱望されるワインメーカーでした。Greg,Steve両氏とも大変仲が良かったことは,Brewer-CliftonのWebサイトに載っているテイスティング・ノートが,彼の手助けでできた,と書いてあることからも想像できます。
ナパさんからMikeについて語って欲しいと言われた両氏。しかし,二人ともMikeのワインだと分かってからは感極まって言葉が出ません。僕もちょっと動揺してしまい,その後のSteveのコメントは録音し損なってしまいました。また,Gregのコメントによると,ちょうど日本にでかける前にMikeの奥さんから電話をもらったこと。2003年のBonaccorsiはMelvilleに運んでいて,Gregがそれを仕上げること,ということでした。また,テーブルに戻ってからSteveは「彼とは11年の付き合いになります。B-Cの最初のワインも,彼がSpagoにいるときに買ってくれたのです。ソムリエの試験に最初の挑戦で受かり,未だに彼の点数は破れていません」といったエピソードを教えてくれました。とにかく二人もとって素晴らしい友人を失った悲しみは,とても深かったようです。
さて,その後,もう一つのイベントとしてCWFC内の有志の集まりBCFC(Brewer-Clifton Fan Club)からGreg,Steveにおみやげの日本酒と日本酒用のグラスのプレゼントがありました。日本酒はzoukさんが探してきたものでかなりのレアものだということです。
そして,Steve,Gregはテーブルを移動していき,Gregが私達のテーブルに来ました。残り時間は10分少々しかなかったのですが,質問責めにしてしまいました。
Q:好きな畑はどれですか。
Greg:私には娘が二人いますが,そのどちらかが好きと言えないように,どれも自分の子供のようで好き嫌いはありません。
ただ,Cargasacchiは特別です。Cargasacchiについては最高に興奮しています。どれが「好き」というのはありませんが,毎年ワインを作るのに畑を一つだけ選べと言われたらCargasacchiを選びます。
Q:Cargasacchiのどこが特別なのですか。
Greg:サイトそのものです。Santa Rita Hillsの端の方に位置しています。また土壌がユニークで,珪藻岩でできています。海の有機物からできているのです。そして畑の管理は完璧です。
Q:Cargasacchiという畑を知ったのは去年(2003年)のことです。どうしてこの畑はこれまで知られていなかったのですか。
Greg:畑が若いからです。2001年が最初の収穫でした。2002年からBrewer-Cliftonでワインを作りはじめました。2003年には量も増えています。
Q:Steveから,すべての畑のブドウを同じように醸造するという話を聞きました。Melvilleはどうなのですか。
Greg:Melvilleは別です。B-Cは「固定的」です。ワイナリでの作業に関しては特筆することはありません。Melvilleではもう少しいろいろ試してみます。樽のメーカーを二つ使っていますし,醸造の方法も少し違います。Melvilleでは最終的にできるワインを気にします。できるだけよくなるようにします。Brewer-Cliftonでは最終的なワインの出来はあまり問題にしていません。サイトの違いを出すだけです。
Melvilleではどちらの方法がいいか考えながらやっているわけです。メンタリティがB-Cとは大きく異なります。距離が10kmくらい離れているので,朝はB-Cにいて,日中はもっぱらMelvilleにいます。ところが1999年はMelvilleでB-Cのワインを作っていたので気持ちの切り替えがちょっと問題でした。
MelvilleとB-Cでは規模も大きく異なります。B-Cは極端でもいいのですが,Melvilleではそういうわけにいきません。
Q:ワイン作りのゴールはあるのですか。例えばロマネ・コンティのような。
Greg:ゴールはあえて言えば,場所を表現するようなワインを作ることです。それだけが気になります。例えばCargasacchiとClos Pepe,Ashley'sはそれぞれ5kmくらいしか離れていません。しかしどれも味わいが違っています。だれもがその違いがわかるようにすること。それこそがゴールです。
Q:畑もすべて同じように扱うのですか
Greg:大部分はそうです。少し違う部分もありますが。
Q:畑に関して心がけていることは。
Greg:できることは全部やることです。
Q:収量は気にしますか。
Greg:収量よりもバランスを気にしています。例えばClos Pepeの収量はCargasacchiの1/3しかありません。樹齢もClos Pepeの方が四つ上です。それでもCargasacchiの方が,ビッグで濃密なワインができます。
Q:アルコール度についてはどうですか。
Greg:我々の地域はとても涼しく,南の方なので悪天候もあまりありません。ですからいつ収穫するかを決めやすいのです。早く収穫するとバランスが崩れます。15.8%のアルコール度でもバランスは取れます。アルコール度を低く抑えようとするとバランスが崩れます。
Q:ほかのワインメーカーはアルコール度を抑えたりしますよね。
Greg:カリフォルニアの法律だと15.6%のものを14.1%だと言って売っても問題ないのです。だから多くのワインメーカーはそういうことをします。私は正直なのです。
まだまだ聞きたいことはあったのですが,残念ながらここで時間切れ。二人は帰らなければなりません。最後の二人の挨拶です。
Steve:本当にありがとうございました。こころから感謝しています。私たちのやっていることを理解してもらってうれしいです。
Greg:1万キロ離れているのですがSanta Barbaraにいるように楽しめました。
ナパさんから二人に,ぜひ毎年来てください,日本のインポーターであるクラモチさんに割り当てを増やしてね,というお願いが。余る分は日本に回すことを約束してくれました。最後に外で全員写真を取って,会はお開き(中締め)となりました。
さて,二人が荷物を取りに行くときにSteveをちょっとつかまえて,本当に最後の質問をしました。
Q:ボトル差が大きいのでは,という意見もあるのですが,どう思いますか。
Steve:ボトル詰めの際に一回一つのタンクにまとめます。だから基本的にはボトル差はないはずです。ただ,Pinot Noirの場合,飲む時期が数ヶ月変わるだけで味わいも大きく変わることがあります。そういった違いではないかと思います。
最後の最後まで,色々と答えてくれたGregとSteveの二人に改めて感謝します。また,忙しいスケジュールの合間を縫って,このワイン会を開かせてくれたクラモチさん,そして毎度のことながら素晴らしい会を開催してくれたナパさんにも感謝します。
かなり長いので続きページでどうぞ。
実録:CWFCワイン会 with Special Guests~Brewer-Cliftonを迎えて
2004年2月10日,待ちに待った日がやってきました。Brewer-Cliftonの二人のワインメーカーGreg Brewer,Steve Cliftonの二人を迎えたワイン会が開催されたのです。
緊張と高揚により,一週間くらい前から個人的な準備を始めていました。質問リストを作ったり,Santa Rita Hillsの地図をコピーしたり,レコーダー代わりにも使うデジカメを充電し,当日忘れないようにかばんに入れておいたり,久しぶりに「玄関口」版の名刺を印刷したり,前の晩には二人へのちょっとしたおみやげを作ったり…気合の入りようはまるで初めてのデートです。
当日は遅刻が危ぶまれたのですが,意外にもスムーズに仕事を終え,開始30分前の7時には麻布十番の豆源で子供へのおみやげを買っていたのでした。豆源を出るとひろみみさんと鉢合わせ。一緒に会場のCWGへ向かいました(といっても豆源からは30秒もかからないところですが)。
地下への階段を降りて,ドアを開けるとすでにBrewer-Cliftonの両氏のほか,ナパさん,satoさん,zoukさん,はみさんご夫妻などもいらっしゃって一瞬「出遅れたか」と思うほど。最初のワイン,PalminaのPinot Grigioを受け取るとまずは立食パーティのように立ったまましばし歓談となりました。
Greg,Steve両氏と名刺を交換し,前の晩に作ったおみやげを渡しました。おみやげは玄関口とCWFCのロゴを使った缶バッジです。子供の缶バッジキットを使って作りました。CWFC版は残った一つをナパさんに進呈したので,今は手元にありません(作ればいいだけですが)。お二人は一応喜んでくれましたが…
最初はzoukさんとGregが話しているところに割り込み(^^;),Mt. Carmelの畑の複雑なオーナー関係のことなどを聞きました。この辺りの話はきっとzoukさんがまとめてくださるでしょう。
人も増え,時間も予定の7時半に近付き,着席となりました。Steveの隣という願ってもない席を確保。Gregのテーブルはほとんど女性です。
以下は,テーブルで聞いた話を中心にまとめています。質問は私だけでなく,同じテーブルにいたメンバーのものも含んでいます。
Q:Pinot GrigioはAlisos Vineyardというところのですね。この畑はどこにあるのですか。
Steve:Santa Ynes ValleyとSanta Maria Valleyの間にLos Alamos Valleyというのがあり,そこの畑です。Brewer-Clifton(以下B-C)のあるSanta Rita HillsはPinot Grigioにとっては涼しすぎます。もっと気温や日当たりが必要なのです。
Q:好きな料理は何ですか?
Steve:イタリアに長いこといたので,イタリア料理は大好きです。ただ,フィアンセと外食するときは寿司が多いです。というのは料理が大好きなのですが,寿司はとても難しく,自分では料理したことがないからです。最近,近くにいい寿司レストランができて喜んでいます。
2年前の誕生日には近くの寿司レストランのシェフを呼んでパーティをしたり,昨晩も寿司でした。
さて,いよいよワイン会の開催です。最初にGregが挨拶をしました。
Greg:まず最初に,今日はこの席にいらっしゃったことについて,お礼を申し上げます。Santa BarbaraでもLAでもこんな歓待を受けたことはほとんどありません。全くなかったかもしれません。私たちのワイン作りは日本人や日本の文化から大きな影響を受けています。例えば生の素材に対する敏感さと素材の生まれた場所,訓練と正確さをもってそれを扱うことです。ワイナリはSteveと僕だけでなく,その生まれ出た場所をどう表現するか,なのです。シェフが素材を生かして料理にするようなものです。
次にナパさんからいつものようにワイン会のお約束が。すべての参加者が平等だということとワインは脇役で人が主役といういつもの二つですが,Steveはこれを聞いて深くうなづいていました。
シェフからは料理の説明がありました。
前菜:小柱とマッシュルームをエスカルゴバターで炒めて小さなシューに入れたもの,桜肉のカルパッチョ
サラダ:自家製スモークチキンとナッツのグリーンサラダ
パスタ:いいだこをトマトソースで煮込んだものとフィジーリ
メイン:フランス産マグレ鴨のローストいろいろキノコのグレイビーソース
乾杯の挨拶はSteveです。ところがちょっと端折りすぎ。乾杯用のスパークリング・ワインのグラスが行き渡る前に乾杯になってしまいました。
というわけで,2番目のワインはBrewer-Clifton Blanc de Noirs Santa Maria Valley 1993でした。
Q:SteveとGregは1995年に最初に会ったと読んだのですが
Steve:実際にはそれより前に“会って”います。二人とも他のワイナリでワインを作っていて,実際にBrewer-Cliftonを設立したのが1995年ということです。このスパークリングは1993年なので,その辺り分かりにくいのですよね。その頃,私はWineCaskというショップでマネージャーをしていました。そこでWineCaskブランドで売るワインをいろいろなワイナリと作っていてスパークリングもその一つだったのです。これはCambriaでやっていました。それでスパークリング・ワインを作るには7年かかるのですが,1995年にBrewer-Cliftonを作ったので,そこでリリースすることにしたのです。
ワイン作りをする前はレストランでワインの仕入れを担当していました。1991年にBeckmenというワイナリで最初のワイン作りの仕事につきました。そこで2年半働きました。当時,GregはSun Stoneというワイナリでワインメーカーをしていました。我々は出会って数ヶ月の間,どういうことができるかを話し合いました。その結果,やるべきことを書きとめました。こうして生まれたのがBrewer-Cliftonです。それから最初のプランを一度も変えていません。
1996年に最初のワインを作りました。250ケースです。4種類でした。それまで働いていたワイナリではオーナーはワインをブレンドしてSanta Barbara Countyのワインとして売ることを望んでいました。しかし,私は畑それぞれがユニークであることを確信していました。それをオーナーに話したのですが,彼は一つのChardonnay,一つのPinot Noirをマーケッティングしたいと思っていました。だから実験として,それを示したかったのです。250ケース作ったワインは大変好評で,すぐに売れてしまいました。次の年は350ケース,次は1000ケース。今は1900ケースにまで成長しました。
Q:自分の畑を持つ計画はないのですか?
Steve:Brewer-Cliftonとしてはありません。Brewer-Cliftonは6種類のChardonnayと6種類のPinot Noirを作っていますが,そのコンセプトは,違いは畑だけ,ということです。同じ樽,同じイースト,同じ時間をかけ,同じ日にボトリングします。もし畑を買ったらそれだけ特別に扱いたくなってしまいます。正確に言うと我々はブドウを“買う”のではありません。畑をリースしているのです。畑の作業はすべて自分たちでやります。
Q:そういった方法を取るのはとってもユニークですね。例えばブルゴーニュだと,いい畑に新樽を多く使ったりしますが。
Steve:樽に関しては1/3が新しいもの1/3が1年経ったもの,残りが2年以上というルールでやっています。
Q:すべての畑を同じに扱うというのはすごく実験的に感じます。
Steve:それこそが我々がいつも言っていることで,これはただの実験です。ほかの多くのプロデューサは,我々のやり方を聞くと,少し腹を立てるんです。「あなた方はその畑から最もおいしくなるようにワインを作るべきだ」とね。ところが我々はどれが「ベスト」だとか「ワースト」とか「ポジティブ」とか「ネガティブ」とか考えないのです。我々はただ畑の間の「違い」を見せたいのです。そのための一番いい方法が,全部を同じ方法で扱うことです。6種類のChardonnayはどれも大きく違います。これがただのサイトの違いなのです。場所の違いを感じるのは手法の違いよりももっと面白く感じます。
Q:毎年同じやり方なのですか?
Steve:唯一変えたのは,Pinot Noir用のイーストをRC212というものにしたことです。前のイーストはワインをスパイシーにするものでした。ただ,我々は全く除梗しないのでスパイシーになりがちです。スパイシーにスパイシーが重なるのを避けるためにイーストを変えたのです。
Q:PalminaとB-Cの違いを教えてください。
Steve:PalminaとB-Cは大きく違います。多くのカリフォルニアのワイナリはリースリングからカベルネ,シラーまであらゆる種類を手がけようとしています。どこにフォーカスしているのかわかりません。それに対してPalminaではイタリアン品種だけです。B-CではChardonnayとPinotだけ。その間で意識が切り替わるのです。Palminaのマーケティングにはいろいろ考えなければいけません。これらはアメリカ人にとって新しいものなので,“教えること”から始めないといけないのです。
Q:LAでは「白ワイン=Chardonnay」と思っている人が大半です。
Steve:その通りです。ただ,ラッキーなのはSanta Margaritaというイタリアのワイナリが米国でここ数年Pinot Grigioの宣伝をしてくれたので,急に2番目の白ワインになったのです。これでPalminaのワインを売るのは随分楽になりました。
Q:ワインメーカーが二人というのはやりにくくないですか。例えば一人がワインメーカーで一人がマーケティングというのがよくある組み合わせですよね。
Steve:最初はよく聞かれました。どちらがワインメーカーでどちらがマーケティングですかと。両方です,と答えるのですが。
ただ,GregにはMelvilleがあり,私にはPalminaがあるので,別々のワインメーカーだとは思ってもらえます。ワインメーカーが協力するのは普通は結構難しいと思いますが,私達には決めた方式があります。時間の大半は畑やブドウを育てる人とに割かれているのです。ブドウが収穫されると,そこで基本的にはすべて終わっています。そこで合意がないことはありません。決まっているからです。
また,私はPalminaとB-Cのワインを持って旅に出てプロモーションします。GregもMelvilleとB-Cをプロモーションします。互いに相手を信じてやっています。
さて,Chardonnay二つ(Mt. CarmelとSweeney Canyon)の登場です。
Q:Mt.CarmelのChardonnayの特徴を教えてください。
Steve:Mt. Carmelは丘の頂上にあります。Santa Rita Hillsの中でも標高が高いところの一つです。南側のフロアにあるSweeney Canyonの方向に向かっています。非常に強い吹きさらしのところで日当たりもよく石灰質の土壌です。土壌のミネラルを感じると思います。一方,Sweeney Canyonは平らで昔の川底にあります。砂利とか砂の土壌です。
また,どちらもクローンは同じですがSweeney Canyonは樹齢が22,23年ですが,Mt. Carmelは12~14年です。そういったことが味わいの違いに表れます。
Q:どのChardonnayが好きですか?
Steve:どれも自分の子供のようなものなので好き好きは言えません。ですがSweeney CanyonとCargasacchiは好きだと言えるかもしれません。オーナーと最も親密な関係にあります。Sweeney Canyonは唯一1996年からずっと作っているワインです。7ビンテージすべて味わい,違いや共通点も分かってきました。
Q:収穫時期はどうやって決めるのですか
Steve:収穫が近付くと二人のどちらかが毎日必ず畑に行ってブドウをテイスティングします。フレイバーが十分になったら収穫します。それまではpHやBrixなどは調べません。最初の頃は数値を全部調べていたのですが,そうすると判断が曲がってしまいます。フレイバーが十分になって,「OK,これでいこう」ということになってから初めて数値を計るように変えました。
Q:B-Cのワインはアルコール度が高いですよね
Steve:アルコール度を高めるために特別のイーストを使っているわけではありません。ChardonnayはMontrachetというブルゴーニュのイーストを使います。ほとんどのイーストは16%になるまで大丈夫です。我々のChardonnayのアルコール度が高いのは,酸が十分にあるからです。我々がが早く収穫してしまうと,糖が低く,さらに酸っぱく,辛いワインになってしまいます。
Q:ほかのワインメーカーは水を加えたりなどでアルコール度を抑えるという話を聞きますが。
Steve:我々はそういったことはしません。水を加えると味が薄くなります。アルコールを飛ばしてしまう機械もあります。しかし,ワインのすべての要素と衝突してしまいます。我々の意図はできるだけ自然にワインを作ることなのです。我々の地域は涼しく,収穫までの期間が長く,酸が強く,十分な酸が残るのです。
さて次はブラインドです。運ばれてきたワインは赤。色はやや濁っておりわずかに紫がかった感じ。香りは華やかながらムンムン来るというより若干控えめ。味わってみると,赤系の果実を中心に非常に凝縮されていて,甘味が口の中に広がり,とてもおいしい。
最初に思い出したのはBrewer-CliftonのMelville2000。ただ,ナパさんからBrewer-Clifton,Melville,Palminaではないというヒントがあったため候補にはなりません。きっとSanta Rita HillsのピノだろうからSeaSmokeの高いほうのやつかなあなどと想像。結局,最初の三択のセパージュはピノで当てたものの,ヴィンテージで敢え無く敗退しました。Steveもここではずし,Gregもワインメーカーが男か女かという問題で間違い。
残っていった数人にナパさんが,「どこのワイナリかわかる人」と聞くとsatoさんが「Bonaccorsi」と見事正解。2002 Bonaccorsi Pinot Noir - Santa Rita Hillsでした。
ご存知の方が多いと思いますが,ここのワインメーカーのMike Bonaccorsi氏は1月15日に部屋で亡くなっているのが見つかりました。元LAのレストランSpagoのソムリエだった彼は,人望も厚く,将来を嘱望されるワインメーカーでした。Greg,Steve両氏とも大変仲が良かったことは,Brewer-CliftonのWebサイトに載っているテイスティング・ノートが,彼の手助けでできた,と書いてあることからも想像できます。
ナパさんからMikeについて語って欲しいと言われた両氏。しかし,二人ともMikeのワインだと分かってからは感極まって言葉が出ません。僕もちょっと動揺してしまい,その後のSteveのコメントは録音し損なってしまいました。また,Gregのコメントによると,ちょうど日本にでかける前にMikeの奥さんから電話をもらったこと。2003年のBonaccorsiはMelvilleに運んでいて,Gregがそれを仕上げること,ということでした。また,テーブルに戻ってからSteveは「彼とは11年の付き合いになります。B-Cの最初のワインも,彼がSpagoにいるときに買ってくれたのです。ソムリエの試験に最初の挑戦で受かり,未だに彼の点数は破れていません」といったエピソードを教えてくれました。とにかく二人もとって素晴らしい友人を失った悲しみは,とても深かったようです。
さて,その後,もう一つのイベントとしてCWFC内の有志の集まりBCFC(Brewer-Clifton Fan Club)からGreg,Steveにおみやげの日本酒と日本酒用のグラスのプレゼントがありました。日本酒はzoukさんが探してきたものでかなりのレアものだということです。
そして,Steve,Gregはテーブルを移動していき,Gregが私達のテーブルに来ました。残り時間は10分少々しかなかったのですが,質問責めにしてしまいました。
Q:好きな畑はどれですか。
Greg:私には娘が二人いますが,そのどちらかが好きと言えないように,どれも自分の子供のようで好き嫌いはありません。
ただ,Cargasacchiは特別です。Cargasacchiについては最高に興奮しています。どれが「好き」というのはありませんが,毎年ワインを作るのに畑を一つだけ選べと言われたらCargasacchiを選びます。
Q:Cargasacchiのどこが特別なのですか。
Greg:サイトそのものです。Santa Rita Hillsの端の方に位置しています。また土壌がユニークで,珪藻岩でできています。海の有機物からできているのです。そして畑の管理は完璧です。
Q:Cargasacchiという畑を知ったのは去年(2003年)のことです。どうしてこの畑はこれまで知られていなかったのですか。
Greg:畑が若いからです。2001年が最初の収穫でした。2002年からBrewer-Cliftonでワインを作りはじめました。2003年には量も増えています。
Q:Steveから,すべての畑のブドウを同じように醸造するという話を聞きました。Melvilleはどうなのですか。
Greg:Melvilleは別です。B-Cは「固定的」です。ワイナリでの作業に関しては特筆することはありません。Melvilleではもう少しいろいろ試してみます。樽のメーカーを二つ使っていますし,醸造の方法も少し違います。Melvilleでは最終的にできるワインを気にします。できるだけよくなるようにします。Brewer-Cliftonでは最終的なワインの出来はあまり問題にしていません。サイトの違いを出すだけです。
Melvilleではどちらの方法がいいか考えながらやっているわけです。メンタリティがB-Cとは大きく異なります。距離が10kmくらい離れているので,朝はB-Cにいて,日中はもっぱらMelvilleにいます。ところが1999年はMelvilleでB-Cのワインを作っていたので気持ちの切り替えがちょっと問題でした。
MelvilleとB-Cでは規模も大きく異なります。B-Cは極端でもいいのですが,Melvilleではそういうわけにいきません。
Q:ワイン作りのゴールはあるのですか。例えばロマネ・コンティのような。
Greg:ゴールはあえて言えば,場所を表現するようなワインを作ることです。それだけが気になります。例えばCargasacchiとClos Pepe,Ashley'sはそれぞれ5kmくらいしか離れていません。しかしどれも味わいが違っています。だれもがその違いがわかるようにすること。それこそがゴールです。
Q:畑もすべて同じように扱うのですか
Greg:大部分はそうです。少し違う部分もありますが。
Q:畑に関して心がけていることは。
Greg:できることは全部やることです。
Q:収量は気にしますか。
Greg:収量よりもバランスを気にしています。例えばClos Pepeの収量はCargasacchiの1/3しかありません。樹齢もClos Pepeの方が四つ上です。それでもCargasacchiの方が,ビッグで濃密なワインができます。
Q:アルコール度についてはどうですか。
Greg:我々の地域はとても涼しく,南の方なので悪天候もあまりありません。ですからいつ収穫するかを決めやすいのです。早く収穫するとバランスが崩れます。15.8%のアルコール度でもバランスは取れます。アルコール度を低く抑えようとするとバランスが崩れます。
Q:ほかのワインメーカーはアルコール度を抑えたりしますよね。
Greg:カリフォルニアの法律だと15.6%のものを14.1%だと言って売っても問題ないのです。だから多くのワインメーカーはそういうことをします。私は正直なのです。
まだまだ聞きたいことはあったのですが,残念ながらここで時間切れ。二人は帰らなければなりません。最後の二人の挨拶です。
Steve:本当にありがとうございました。こころから感謝しています。私たちのやっていることを理解してもらってうれしいです。
Greg:1万キロ離れているのですがSanta Barbaraにいるように楽しめました。
ナパさんから二人に,ぜひ毎年来てください,日本のインポーターであるクラモチさんに割り当てを増やしてね,というお願いが。余る分は日本に回すことを約束してくれました。最後に外で全員写真を取って,会はお開き(中締め)となりました。
さて,二人が荷物を取りに行くときにSteveをちょっとつかまえて,本当に最後の質問をしました。
Q:ボトル差が大きいのでは,という意見もあるのですが,どう思いますか。
Steve:ボトル詰めの際に一回一つのタンクにまとめます。だから基本的にはボトル差はないはずです。ただ,Pinot Noirの場合,飲む時期が数ヶ月変わるだけで味わいも大きく変わることがあります。そういった違いではないかと思います。
最後の最後まで,色々と答えてくれたGregとSteveの二人に改めて感謝します。また,忙しいスケジュールの合間を縫って,このワイン会を開かせてくれたクラモチさん,そして毎度のことながら素晴らしい会を開催してくれたナパさんにも感謝します。
ukari wrote:
販促の為に恵比寿にマネキンに行ったり、飯倉でのワイン会の資料を作成したり、築地にお供したり。
私にとっても大変充実した年の始めでした。
(ちなみに恵比寿ではzoukさんの熱狂的な姿に驚きました・笑)