ソノマのロシアンリバー・ヴァレーにあるエイコーン(Acorn)・ワイナリーが売却されました。エイコーンはアレグリア(Alegría)・ヴィンヤードという1890年代に植樹された古木のジンファンデルの畑を持っています。アレグリアはかつてはリッジやローゼンブラムがワインを造っていたこともありました。

これまでのオーナーのナックバウアー夫妻が畑を買ったのは1990年のこと。最初は栽培だけをしていましたが、1994年にエイコーンを設立してワイン造りを始めました。ただ、老齢化のため近年は売却を模索していたようです。
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ただ、手間がかかり、収量は少ないのにワインの価格はリーズナブルなレベルの古木のジンファンデルはビジネス的には難しい位置付けです。事業継承には苦労するワイナリーが少なくありません昨年は似た状況だったカーライルが売却をせずに廃業を選びましたし、それ以前にはラジエ・メレディスが無償でワイナリーを売却するといったこともありました。

今回、ワイナリーを買ったのはメリッサ・モホルト・シーベルト。近隣のエンシャント・オーク・セラーズ(Ancient Oak Cellars)のオーナーです。

実はナックバウアー夫妻はワイナリーを売却したかったものの、畑は手放したくないという事情がありました。畑のところに自宅があるというのも理由の一つです。そこで、メリッサは夫妻からワイナリーのブランドだけを購入し、夫妻からブドウを買ってワインを造るという形でエイコーンのワインを続けることにしたのです。こういった形での継承は今まで意外になかったようでユニークなスタイルのようです。売却価格は明らかにしていません。

メリッサはエイコーンとエンシャント・オークの両ブランドで続けていくことになります。
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左が前オーナーのビル・ナックバウアー、右がメリッサ・モホルト・シーベルト。