ParkerのWebサイトに「Wine of the Day」というコーナーがあるのですが,今日そこで紹介されていたのはKendall-JacksonのVintner's Reserve Chardonnay 2007でした。Parkerのレイティングは90点。このワインとしてはこれまでで一番高い評価ですが,2003~2006年は4年連続89点ですから,大きく変わったわけではなく,コンスタントに高評価を続けています。

このワイン,米国では10ドル台前半(リリース価格は15ドル)で入手できます。スーパーなどでもよく見かけると思います。生産量は200万ボトルという多さですが,ブドウは全部自社畑。こういう作りが好きか嫌いかは別にして,100%樽熟成で100%マロラクティック発酵するなどコストや手間も結構かけています。これだけのものを毎年,質を維持して提供するというのは,少量の高品質なワインを作るのとは大きく違いますが,別な意味ですごい技術なのではないかという気がします。

過去7~8年くらい,カリフォルニア・ワイン界は少量多品種生産の方向に向かっています。きっかけになったのは数百ケースという生産量で高い評価を得たいわゆる「カルトワイン」でしょうが,同一ワインの大量生産があまり向いていないピノ・ノワールの人気が上がったことも影響しているのではないかと思います。CrushPadのような「自分ワイン」はその究極の形なのでしょう。

ただ,少量多品種主義があまりにもはびこった結果,それが高価格ではあっても高品質につながるかどうかは分からなくなってきているような感が出てきました。Vinographyでもそれをちょっと非難するような記事がありました。

昨年からの不況で,米国では高額ワインの売上が急落しているという話を聞きます。ワインの消費量はあまり減っていないのですが,購入価格は下がっているというニュースもありました(ソースは忘れました)。このような中でKendall-JacksonのVintner's Reserveのような努力に,より目が向けられるようになってくるのではないかと感じています。

蛇足ですが,日本の値段はちょっと高め。1000円台になってほしいところです(コストコで輸入してほしい)。