デザートワイン一筋で50周年、現役続けるアンドリュー・クアディー
クアディー(Quady)・ワイナリーはカリフォルニアでは珍しい、デザートワイン専門のワイナリーです。オーナーのアンドリュー・クアディーは現在79歳。1973年にUCデーヴィスを卒業し、ローダイでワインメーカーを始めてセントラル・ヴァレーのマデラでワイナリーを続けています。2024年は50年目のヴィンテージとなります。UCデーヴィスの同期にはメリー・エドワーズやティム・モンダヴィといった名ワインメーカーがいます。
同期のほとんどがカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネを作っているのに対して、クアディは酒精強化によるデザートワインに特化しています。特にマデラで、カリフォルニアでは珍しいオレンジ・マスカットを見つけ、それを使ったエッセンシアというデザートワインを造ったのがヒットになりました。ブラック・マスカットを使ったエリジウムというデザートワインも人気です。
このほか変わったものでは、ヴェルモットや、パロミノを使ったフィノ・タイプのシェリーもあります。
デザートワイン、近年ではあまり人気がないのではないかと思われがちですが、クアディーの生産量は驚くほど伸びています。2010年に5万ケースだったのが25万ケースにまで成長しているとのこと。競争相手がすくないブルーオーシャンを満喫しているようです。
価格の安さも特筆できます。コストの低いセントラル・ヴァレーで生産しているからというのもあるでしょうが、日本の価格でハーフボトルが2000円そこそこ。調べたらワイナリー価格は16ドルくらいなので、日本がかなり安く売っているようです。ブラックマスカットは「想いを込めた矢がハートを射抜く」デザインで、好きな人へのプレゼントにもいいと思います。